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2008年7月

裏切り(2)

平塚警察の刑事主任と高橋刑事は、先ず始めに「立花株式会社」本社ビルの酒の

卸し業をしている松風町の3-16を訪ねた、ビルの入り口から受付に行き

「こんにちは、すいませんが、私は平塚警察の者ですが、もう、ご存知と思いますが

昨日の午後4時半頃に「焼肉立花」の6号店の店長の野田正夫さんが殺害されまし

て、その事に付いて、お話を伺いたいのですが」

と、言って警察手帳を見せた

「はい、少々お待ちください」

と受付の女性がそう言って席を外した、暫く待っていると

40代位の、体格のいい男性が来て

「どうも、お待たせしました、私は総務課長の徳永と言います」

と言って名詞を渡してくれた、2人はそれを受け取り

「焼肉立花」の6号店の店長の野田正夫さんが、昨日の午後の4時半頃に、自宅で

刺されて亡くなりましたのですが、その事で、伺いますが彼は、会社で誰かに恨まれ

ていたような事とか又、可笑しな噂があったような事は、聞いていませんか?又、

彼が会社で1番、仲良くされていた方は何方でしょうか?」

「はい、それでは、、すいませんが応接室に、移って頂いてよろしいですか、では

こちらに、どうぞ」

と、言われて2人は、その徳永と言う男性の後に続いて、応接室に入った、彼は途中

女性に、お茶を持って来るように頼むと、ソファーに座って話した

「実は彼は付き合っていた女性がいたと言う事を聞いて、昨日、直ぐにその女性の事

を聞きに行きましたが、実はその女性の名前は、中田由美さん24歳と言って、今月の

3日に国道129号線の田村の交差点の歩道橋から飛び降りて、車に跳ねられて亡く

なっている事が分かりましたが、ご存知でしたでしょうか?」

「いや、そうでしたか、それでは交通課に今、電話して聞いてみます」

と、言って高橋刑事はドアーの外に出ると、携帯電話で連絡を取った電話が終わり

入って来た高橋刑事は

「主任、間違い無く7月3日夜、8時前後に129号の田村の交差点の歩道橋から

中田由美24歳と言う女性が、飛び降りて自殺していました」

「そうか、自殺したのか、と言う事は、この2人の間に何か問題があったんだな?

その事に付いて、徳永さんは何か聞いていませんか?」

「はい、私は野田君の顔は知っていましたが、直属の上司ではないですから」

「あぁ、そうですか、そうすると野田正夫さんの直属の上司は、何方なんですか?」

「はい「焼肉立花」の1号店の店長の広瀬啓一と言う係長が、全ての店を見ていまし

たので、その広瀬から聞けば彼が、親しくしていた人間が分かると思いますが」

「そうですか、すいませんが、その1号店の場所は何処になるでしょうか?」

「はい、紅谷町の5-13になりますが、まだこの時間ですと店は開いていませんが」

「そうですか、で、何時から開店ですか?」

「午後5時からです」

「わかりました、それではその時間に広瀬啓一、えーと係長さんにお話を伺いに行き

ますので、出来たら、連絡を入れて置いて頂きたいのですが?」

「はい、承知しました、伝えて置きます」

「お願いします」

と言って、2人は一旦、署に戻った、帰り掛け高橋刑事は

「主任、中田由美の自殺した事で、野田が殺されたとしたら、中田由美の身辺にいる

人物が野田正夫をやったと言う事になりますね」

「あぁ、そう言う事も考えられるな、署に戻ったら、交通課から捜査資料を借りて来て

くれないか?」

「はい、分かりました」

平塚署に戻った高橋刑事は交通課から今月3日に市内田村の交差点の歩道橋から

飛び降り自殺した中田由美に関しての、資料を借りて来て調べると

「主任、彼女は母親と、6歳離れた兄がいますね」

「父親は、いないのか?」

「はい、15年前に協議離婚していますね」

「そうか、で母親と兄の名前は?」

「はい、母親は中田静子60歳です、それから兄は中田純一今年30歳です」

「そうか、母親と兄の勤め先は分かってるのか?」

「はい、調べてあります」

「そうか、それでは、手分けして、その2人の野田がやられた時間のアリバイを捜査

してくれ」

そう言って、刑事主任と高橋刑事以外は中田静子と、その兄の中田純一の捜査に

当たった、一方、5時少し前に刑事主任と高橋刑事は市内の紅谷町の「焼肉立花」

1号店の係長の広瀬啓一を訪ねてお店に着いた

「こんにちは」

と、言って入ると、早い時間なのに、もう一組テーブルで3人が焼肉でビールを飲んで

話していた

「いらっしゃいませ」

と言って、案内されようとしたが、刑事主任が手を横に振って

「すいません、平塚警察ですが係長を」

といい手帳を見せた、店員は驚いた用に

「はい、今、呼んで来ます」

と言って、奥に入ると、直ぐに係長と思える、40代くらいの男性が出て来て

「はい、すいません、総務の方から聞いています、どうぞこちらえ」

と言って、4畳半くらいの応接室に通された、刑事主任は

「どうも、お忙しい処すいません、6号店の野田正夫さんに付いて伺いたいのですが

彼には、彼女がいて、その彼女が最近、自殺をされたと言う事ですが、その事に

付いて、生前、野田さんは、貴方か他の方に何か話をしていませんでしたか?」

「はい、理由は彼は言いませんでしたが、「俺は殺されるかも知れない」と言っていた

のを、彼の同じ店の仲の良かった者が聞いていたようです」

「ほーそうですか、誰にやられるとか、話していなかったんでしょうか?」

「はい、その聞いた人間にも、誰にとは、言わなかったそうです」

「野田さんの彼女はこちらの調べで中田由美さんと分かっていますが、貴方はその

中田由美さんを見た事がありますか?」

「いや、見た事は無いです彼は何処の店にも彼女を連れて行ってはいないようです」

「そうですか、その彼と同じ店で、仲が良かったと言う方の名前を教えてください」

「はい、高木達也といいますが」

「そうですか、えーと何歳くらいの方でしょうか?」

「はい、確か26歳と聞いています」

「そうですか、どうも、ありがとうございました又、何か伺う事が出来ましたらお願いし

ます」

そう言って2人は「焼肉立花」の6号店の高木達也に会いに行く事にした。

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裏切り(1)

7月の日差しが強くなって来た11日に誕生日を迎えた、立花精三は今年68歳に

なったが、妻を10年前に胃癌で亡くしてから、現在、自分も同じ胃癌になり、平塚

市民病院に入院していた、立花家は大正時代から続く、酒問屋で精三の父親が

亡くなった後、精三は商売を拡張する為に焼肉店「焼肉立花」を始めた処、旨く景気

の波に乗り、現在では市内に6店舗、茅ヶ崎に1店舗の、合計7店舗、が現在順調に

売り上げを伸ばしていた、その他、精三の自宅は、元々の資産家で市内にアパートと

駐車場の経営をやる多角経営の会社であった、精三には亡くなった妻との間に1人娘

の秀子42歳が居たが、母親が亡くなる1年前に、石田良二、現在46歳が秀子の婿と

して立花家に入り、今年で結婚11年目になっていた、又、秀子は母親が亡くなる前に

精三には愛人がいて精三はその愛人、村上幸子との間に、村上精一、今年26歳に

なる子供を認知して茅ヶ崎の東海岸3-16にマンション「シャイアン」を買い与えていた

事も、聞かされていた、父親の精三は入院してから気が弱くなったのか、その愛人との

間に出来た息子、精一の事を心配して、娘の秀子に言った

「なー秀子、茅ヶ崎にもう1店舗、店を出して、精一にやらせようと思っているんだが

会社の会議で話して決めて貰えないかな」

「お父さん、簡単に言うけど、場所を探すだけでも大変なんだから、それじゃぁ8店舗目

を出すと言う事で会議に掛けてみるわ、時間は、当分は掛かるわよ」

「あぁ、頼んだよ」

精三は、心で安心したと言うような顔で、そう言った

本社の卸問屋は秀子の夫で婿である、立花良二が社長で従業員は全員合わせると

38名が居た事務員、営業部員、配送部員、倉庫管理人や仕入れ担当者などが主な

社員だった娘の秀子も、ここの専務をやっていた、焼肉店の1号店の店長は7店舗を

纏める主任で、広瀬啓一42歳、2号店は木村利恵39歳、3号店は吉田優子36歳、

4号店は村野浩40歳、5号店は中村明29歳、6号店は野田正夫30歳、7号店は

清川礼二28歳だった、そんな、夏の暑い日の、7月15日、順調な会社の「焼肉立花」

6号店の店長が、毎日夕方5時には職場に出て来るのに、出て来ないので、6号店の

者が店長の野田正夫の自宅、ワンルームマンションに行ってドアーのインターホンを

押してみたが返答が無いので、そっとドアーを開けてみると、その足元に店長が

職場に行く時の格好で、胸に包丁が刺さったまま倒れているのを発見し驚いて警察に

電話した、暫らくして平塚警察から刑事と鑑識が来て、現場検証が始まった

刑事主任の久本は、現場を見て

「これは、面識のある人間の犯行かも知れんな」

と高橋刑事にそう言った、その後

「高橋君、この近所の聞き込みを頼むよ目撃者を当たってくれ」

「はい、分かりました」

刑事主任は

「これは、被害者も安心してドアーを開けたんではないのかな?どう思う」

と言うと、そばにいた中村刑事は

「はい、被害者がドアーを開けた1瞬の内に刺されたと言う感じですね、怨恨ですか」

刑事主任は

「包丁を残していったと言う事は、よほどこの犯人は慌てていたのかな?鑑識さん

ドアーの所のインターホンか包丁から指紋は取れそうか?」

「はい、どうでしょうか?手袋かハンカチのような布で包丁の柄を巻いていたとしたら

指紋は出ないと思います」

「まぁ、やってみてくれ、それから足跡は無理かな」

「はい、やってみます」

「それで、第一発見者は?」

「はい、第一発見者は、こちらの石川さんです」

刑事主任は

「貴方は、お店の方でしたね、ここに付いた時間は何時頃でしたか?」

「はい、確か、5時40分くらいだったと思いますが、何時も5時には店に来る店長

が出てこないので、可笑しいなと思って来ました」

「そうですか、貴方がここに来た時、誰かと擦れ違ったか、覚えがありませんか?」

「はい、マンションの出入り口で、誰かと擦れ違いましたが、良く覚えていませんが」

「男性か女性くらいは分かるでしょう」

「はい、それは確か、男性で若い人では無いかと思いますが、顔などは・・・・」

「服装は、どんな感じの服装でしたか?」

「上は白い感じのシャツで下は黒ぽいズボンのようでしたが・・・・・」

「帽子をかぶっていたとか、居なかったとかは、どうですか?」

「そうですね、1瞬、擦れ違った、だけでしたのでハッキリ分かりません」

「そうですか、はい、それでは、また何か思い出したらお願いします」

そう言って、刑事主任は

「被害者の名前は分かったのか?」

「えぇ「焼肉立花」と言う、お店の6号店の店長で野田正夫30歳です」

「そうか、彼のアルバムが無いか見てくれ、交友関係が分かるかも知れんからな

それで死亡推定時刻は?」

と鑑識に聞いた

「えぇ、恐らく、4時半前後では無いかと思われます」

「一応、会社に当たって、仕事関係の事件か又は、交友関係を捜査する事にして

みよう」

と言って、主任は署に連絡した

その夜、何時ものように、保雄の所に学生時代の友人の平塚警察の鑑識課に居る

村田亮から電話があった

「もしもし」

と保雄が出ると

「おい、今日、4時半頃、代官町の2-21のワンルームマンションで野田正夫30歳

が刺殺されたよ、お前と以前1度行った事があると思うが「焼肉立花」の店長らしい」

「そうか、確かそこの店は焼肉店が何店舗かあって、他にも酒の卸し業をやっている

昔からの老舗だよ俺の友人が、今も、酒の卸し業の事務を取っているはずなんで

明日にでも聞いてみるよ」

「そうか、お前又、何時ものクセが出て来るんじゃぁないのか、アハハハハ!」

と、笑った、保雄は

「そうだな、何でも首を突っ込みたくなるのが、俺の悪いクセだからなアハハハハ!」

と、保雄も笑って言った、それじゃぁ、又な」

そう言って、保雄は電話を切った。

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愚かな復讐(23)

その夜、保雄の所に村田から電話があった

「俺だよ、今日、成瀬秀美を任意同行して取調べたら、島村をやったと供述したよ」

「そうか、やはり、島村はまさか彼女が自分を刺すなんて思っても居なかっただろうな」

「あぁ、そう思うよ、それで凶器の隠した所が自分の家の裏の庭を掘って生めてあった

と言う事だ」

「そうか、しかし彼女は、愚かな事をしたな」

と、保雄が言うと

「どうしてなんだ?」

「ん、実はな、これは内の中川が、島村と仲が良かった吉野裕也から聞いた話らしいが

島村は生前「俺は良く女と好き勝手に遊んでは居るが、遊びの女と結婚は違う、結婚

する女は、成瀬秀美と決めてるんだ、彼女は良く俺に尽くしてくれるし、料理も旨いし

やはり結婚するなら、彼女しか居ないよ」と吉野に話していたと言う事だよ」

と保雄は説明した、村田は

「そうなのか、お前の言う意味が分かったよ、島村も、もっと早くに成瀬秀美にその話

を出来なかったんだろうかな、そうすれば命まで落とす事は無かったのに」

村田は残念そうにそう言った

「しかし、島村も結婚なんてまだ、頭に無かったんだろう、彼女が焼餅を焼いているの

を分かって居たんだろうが、むしろ、それを本気にして居なかったのかも知れないな

島村はイケ面でモテたのが、それが災難だったのかな」

と保雄はいい

「それじゃぁ、又な」

と言って電話を切った、その夜、保雄はベットに入ってから寝付く前にパトカーと思える

ような、サイレンを遠くに聞いたが、そのまま寝入ってしまった

翌朝、村田から電話が入った

「もしもし」

と保雄は電話に出ると

「おい、昨夜、明石町神社の暗がりで、石倉良太と言う不動産屋の社長が刺殺された

よ以前、お前に話したと思うが、秦野警察管内で起きた練炭自殺をした、市川徳雄と

言う人物の弟がその場で、現行犯逮捕された「兄貴の仇を取ったんだ」と言っていたら

しいんだが、何でも、その弟は以前から秦野警察に「兄貴は自殺なんてするような人間

では無い兄貴は平塚の、石倉不動産の社長に殺されたんだ、もう1度捜査をしなをして

くれ」と、警察に話していたらしいんだ、それで、警察は市川徳雄が秦野の蓑毛と言う所

の土地を3年前に100坪、5000万で買ったと言う土地の権利書を見たらしいんだが

結局、その時は市川徳雄はもう、練炭自殺と決め込んでいたんで、取り合わなかった

と言う事だよ」

「そうか、それでこれから、秦野警察はどう動くんだ」

「ん、だから、当然だが、その市川徳雄の弟の秀雄を逮捕したんで事情を聞いてから

の話という事になるんだろうな」

「んーそうか、練炭自殺を装った、殺人だったと言う事なのか?」

「そう逮捕された市川秀雄は、そう言っているらしいよ」

「もう1度、捜査のし直しを、するのかな?」

「んー当然、殺人が絡んでいるので、捜査の、やり直しだろうな」

そう言って村田は電話を切った、保雄は

「この事件は後は、警察の仕事だな」

と思い、会社に出掛けた。

                            (完)

                     「この小説は全て、架空の物語です」

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愚かな復讐(22)

翌日、平塚警察の村田は成瀬秀美の会社に聞き込みに行った、主任刑事に

「主任、すいません、ちょっと伺いたいんですが」

「おぉ、何だ」

「はい、成瀬秀美の身長なんですが、何センチくらいだったでしょうか?」

「そうーだな、大きい方ではなかったな、ちょっと待ってよ」

と言って、昨日一緒に行った、中村刑事と何か話して、又、村田の所に来た

「あぁ、悪かったな、今、昨日一緒だった、中村に聞いたんだが、彼女は150から

160センチくらいの間だったといってるが、確かにそんなに大きな女性では無く

むしろ俺には小柄に見えたがな」

「そうですか、ありがとうございました、処で主任、お忘れでしたか確か島村が殺害

された時の目撃者は、小柄な155センチくらいの黒い影が見えたと言っていたん

ですが?」

「あぁ、そうだったな、思い出したよ、俺とした事が」

と頭を掻いた

「よしそれでは、早速、成瀬秀美を任意同行して取り調べてみよう」

「はい、宜しくお願いします」

その後、1時間くらいして、成瀬秀美が平塚警察署に任意同行されて来た主任刑事

は、自ら取り調べに当たった

「実は貴女を今日、呼んだのは、7月26日の夜の11時から12時の間だが、君は

何処に居たのか、思い出せないと言っていたね」

「はい、多分その時間では、自宅で寝ていたと思いますが、覚えていません」

「それでね、実は事件の当日、たった1人だが、犯行時刻にあの明石町公園の

前を通った人が居たんだよ、その目撃者の方の証言だと、黒い上下の服装で

155センチくらいの、小柄な人間に見えたと言う証言があったんだよ、処で君の

身長は何センチかな?」

「最近は計ってませんが、前は157センチでしたが?」

「そうか、動機の点から言っても、その目撃者の証言から言っても、君がホシと

しか、我々は考えられないんだがな」

「確かに私は彼と付き合っていましたが、彼が好きでしたので、そんな事を出来る

はずがありません」

「君はスナック「美江」と言う所に居る、中原弘美と言う女性は知らないか?」

「はい、知りませんが」

「可笑しいな、その女性は君が島村と歩いている所、以前、見たと言ってるんだが

その時、島村は君と腕を組んでいたのを、急に外して挨拶して通り過ぎたと言って

いるんだがね?」

「いや、私では無いでしょう、彼はモテましたから・・・・・・」

「そろそろ、本当の事を話してくれませんかね、貴女は島村とは長い付き合いだった

処が、今年になって、彼が急にスナック「美江」に居る弘美と言う女性に入れ込んで

しまった、それに焼餅を焼いた貴女は何回か島村に「あの女と付き合うのは止めて」

と、言ったはずだ、処が、彼の性格からいって、そんな事で女性との付き合いを止め

てくれるような男では無かった、そこで貴女の心の中に殺意が生まれた「あれほど色々

彼に尽くして来たのに、この仕打ちは何だ!」ってね、それで、事件当日の夜、貴女は

スナックから戻る所を付けて、あの公園で声を掛けた、貴女だと分かった島村は

安心した、そこを貴女は、彼の胸を刺したんだ、男が気を許したから胸が刺せたんで

普通は男の胸を女性が簡単に刺すなんて難しい事なんだよ、お前がやったんだな!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「お前には、年老いた、お母さんと、弟さんがいるんだよな、あんまりお母さんを泣かす

ような事は、もー止めよーよ、君なら、もう1度、やりなをせる、若いんだからな!」

「・・・・・・・・・ごめんなさい・・・・・・・・・すいません・・・・・・・・・」

と、彼女は、大粒の涙を流して、蚊の鳴くような声で言った

「貴女が、島村雄二を殺害したんだね」

「はい・・・・・ごめんなさい、すいませんでした・・・・・・・」

「そうか、それでは、これから、取調べ官に詳しく話してくれるな」

「はい」

そう言うと主任刑事は、取調べし室から出て行った、その後彼女は凶器と思われる

包丁の隠した場所を話て、事件の供述調書が取られた。

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愚かな復讐(21)

平塚警察の翌日の朝の捜査会議で、主任刑事は

「7月26日に殺害された島村雄二には、色々と女性との噂があった、明石町の

スナック「美江」にいる中原弘美には、だいぶ入れ込んでいたようだ、それから

本人が「恋人同士」と言ってる成瀬秀美は、箱根の芦ノ湖で2年前の7月16日

に島村が野島恵子を水死させたと思われる日の夜に島村と「小田急山のホテル」

に宿泊している、詰まり彼女は2年前から島村と男と女の関係であった、しかし

これからは、私の推測だが、成瀬秀美は明石町のスナック「美江」で働く中原弘美

に島村を取られるような、嫉妬心を感じていたのではないのかな? だから自分を

裏切った島村が憎かった、そこで島村がスナック「美江」から帰るのを待ち伏せて

刺殺したんでは無いかと思うんだが?どうだろう」

刑事課長は

「んー、十分に考えられるな、他に島村をやる動機を持った人間は、いないのか?」

すると刑事の一人が

「山代辰夫が自分が好きだったスナック「美江」の弘美を島村に取られたと言う事で

妬んでいたと思うんですが?」

「ん、そうだったな、確か山代は八間通りの近くにある、木村運送に勤めて居たん

だな、で、その近くに彼のアパートもあったはずだが、そこにもう1度聞き込んでくれ」

と、主任刑事は言って、又

「課長、もう一度、成瀬秀美と山代辰夫を洗い直しましょう」

と言った、課長は

「成瀬秀美は島村が殺害された当日のアリバイがハッキリとして無い、また山代辰夫

も確かアリバイは、あいまいだったな?」

「はい、確か自宅でテレビを見ていたと言う事でした」

刑事課長は、

「とにかく、もう1度山代辰夫と成瀬秀美の事情聴取をして、ハッキリとアリバイを捜査

してくれ、それから、2人の交友関係をもう1度捜査してくれ、主任、他には島村をやる

動機を持った人物は、いないな?」

「はい、現在までは、その2人だけです」

「そうか、では、宜しく頼む」

そう言って、会議は終わった、刑事達は山代を捜査する刑事と成瀬を捜査する刑事

とに分かれて、最初に戻って捜査を始めた。

その頃、秦野警察署に秦野市内の中央運動公園の前で車の中で練炭自殺をしたと

言う事で、自殺の扱いになっていた、市川徳雄の弟の秀雄と、徳雄の娘が

「刑事さん、すいませんが、どうしても兄が自殺を知るような、原因が無いですよ」

と警察に再度「捜査のやり直し」の申し立てに来ていた、市川秀雄は

「刑事さん、実は兄の遺品を調べていたら、こんな土地の権利書が出て来たんです

近くの不動産店に行って聞いてみた所、不動産店の主人は「こんな辺鄙な土地を

3年前に買ったとは、少し驚いたね、で、いくらで買ったんだ」と、言ったので領収証を

見せて「これです100坪で5000万で平塚の石倉不動産と言う所で購入してます」と

不動産屋に言うと、そこの主人が「兄さんは、この不動産屋に旨い事言われて騙され

て買わされたんじゃぁないのか?」と、そこの主人が、そう言ってました」

と言って、刑事に、その領収書を見せた、刑事はそれを見て

「ん、確かにそうだが、これだけでは何とも内の方では受付られないな、警察は何か

事件でも無いと、動けないんだよ」

「ですから、その兄の自殺がそもそも可笑しいんですよ、絶対に自殺なんかする兄貴

では、無いですよ!刑事さん、もう1度捜査をしてください!お願いします」

と、2人は頭を下げて頼んだ

「私の一存では、そう言う訳に行きません、ですから、課長に話はして置きます」

そう刑事は言うと、その場から離れて行った、2人はどうする事も出来ないで帰宅

するしか無かった。

その夜、村田から保雄に電話があった

「よう、暫らくだな、事件は進んでいるのか?」

と保雄は聞いた

「実はな、成瀬秀美にしても、スナック「美江」に行っている山代辰夫にしても島村が

やられた時のアリバイがハッキリしていないんで、もう一度、再捜査をしてるんだよ」

「そうか、動機があるのは、その2人に限られるのか?」

「あぁ、他には考え、にくいらしいんだ」

「島村雄二が刺殺された明石町公園の現場からは、何も物証になる物は出なかった

のか?」

「あぁ、足跡、指紋は出てい無い、それから凶器の包丁も出てないんで、犯人が何処

かに捨てたのか隠したのか、不明なんだよ」

「目撃者はどうだったんだ?」

「目撃者は1人居たんだが、その話では黒い上下の服装で、小柄な155センチ位の

人影が見えたと言って居たんだがな」

「そうか、小柄な155センチ?? んー女性では、あの犯行は無理なのか?」

と、保雄は村田に聞いた、村田は

「そうか、もし島村が相手を知っていたら、気を使わずに近ずいたかも知れないな

それなら胸を刺されても可笑しくは無い、と言う事は、女性であっても、可笑しく無い

と言う事になるな」

保雄は

「そうだな、成瀬秀美の身長は幾つか分からないのか?」

「ん、事情聴取した、刑事に明日にでも、聞いてみるよ」

「あぁ、そうした方いいな、しかし任意同行して自白させるか凶器でも見付から無い

と、この事件も難しいな」

「そうなれば、当然、家宅捜索だが、凶器が出ない、自白も無いと難しくなるかもな」

と、村田は言った、保雄は

「そうか、状況証拠では無理だな、確りとした証拠がほし処だな、ん、俺も協力するよ」

そう言って、保雄は電話を切った。

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愚かな復讐(20)

平塚警察は携帯電話会社の全社に協力をして貰い、成瀬秀美の電話番号を調べ

その電話からから自宅の住所を調べる事に成功した、そこから彼女は平塚市山下

375の県営、山下団地に住んでいる事が分かった、主任刑事は早速、彼女の自宅

に向かった

「こんにちは」

と、主任刑事は声を掛けてドアーをノックした、この団地はもう30年以上前に出来た

建物で玄関のチャイムは無かった

「はい」

と言って、60代と思える女性がドアーを開けて出て来た、主任刑事は

「どうも、お忙しい所すいません、成瀬秀美さんは居ますでしょうか?」

「はい、今は仕事に出ていますが」

「そうですか、で、お仕事先の電話番号は分かりますか?」

「はい、分かりますが、いったい内の秀美が何かしたんでしょうか?」

「いや、まだ、分かりませんが、一応、関係のある方全員に聞いていますので」

「電話番号は会社のですか?」

「はい、会社のですが」

母親と思える女性は

「ちょっと、待っててください」

と言って、奥の部屋に入って行った、暫らくして

「どうも、お待たせしました、会社は市内の32-****です」

「そうですか処で、お母さん、何度もすいませんが彼女の写真があったら、1枚お借り

出来ませんか?後で、お返しに来ますので」

「はい、今、探して来ます」

そう言って母親から成瀬秀美の写真を預かって、主任刑事は早速、彼女の会社の

電話番号に電話した

「もしもし、市川商事です」

と、事務員らしい女性が出てそう言った

「すいません、こちらは平塚警察ですが、市川商事さんの場所は何処でしょうか?」

「はい、平塚市河内134ですが」

「そこは、失礼ですが、何をしている会社でしょうか?」

「はい、お酒の卸問屋を昔からやっている会社です」

「そうですか、それで、そちらに成瀬秀美さんは居ますか?」

「はい、居ますが何か?」

「出来ましたら、電話口にお願いします」

「はい、暫らくお待ちください」

と言って、暫らく待っていると

「もしもし、成瀬ですが?」

「「あぁ、すいません、平塚警察ですが、これから先日、亡くなった島村さんの事で

少し、お話を聞かせて貰いたいので、お昼に伺いますが、それでよろしいですか?」

「はい、分かりました」

「では、宜しく」

と言って、主任刑事は腕時計を見た、ちょうど11時を廻った所だった主任刑事は

「何処かで、飯を食って行けば、ちょうどいいだろう」

と言って、2人は近くにあった、日本そば屋に入って昼食を取った後、成瀬秀美の

会社に出掛けて行った、会社は敷地が広く酒やビールの空き瓶が山済みに置いて

あって、その隣の土地には平屋の大きな倉庫があった、その隣に3階建てのビル

が立っていた、主任刑事は

「あぁ、ここが事務所のようだな」

と言って、そこに車を止めて、事務所の入り口のガラスのドアーを開けて中に入って

「こんにちは、平塚警察の者ですが、成瀬秀美さんは居られますか?」

「はい、こちらにどうぞ」

と事務員に応接室に案内され、2人の刑事は中に入ってソファーに座って待った

「こんにちは」

と、ドアーをノックする音がして

「成瀬ですが」

と、女性が入って来た、2人は立ち上がって

「成瀬秀美さんですね平塚警察の者です、少しお話を伺いますが貴方は7月26日

に、亡くなった島村雄二さんを知っていますね」

「はい、知っています」

「島村さんとは、貴女は、どのような関係でしたか?」

「はい、恋人同士でした」

「そうですか、それでは伺いますが2年前の箱根の芦ノ湖に貴方はその島村雄二

さんと「小田急山のホテル」と言う所に2人で泊まっていますね」

「はい、泊まっています」

「それは、島村さんが釣りの後に、貴女にそこのホテルを予約するように、言った

んですね?」

「はい、そう言われました」

「実はその時、貴女はご存知かどうか分かりませんが、島村さんは貴女以外の女性

を同じ芦ノ湖に呼んで、釣りをしている湖にボートで来るように、電話で彼女を呼んで

その彼女を湖に、突き落として泳げない彼女を、水死させているんですよ」

「それは本当ですか?」

「それは、間違いありません、その後、そのホテルに貴女と宿泊したんです」

「そうですか、全く知りませんでした」

「そうですか、それで、これは関係者の方全員に聞いていますので、伺いますが

その島村さんが7月26日夜の11時から12時の間に何者かに刺殺されたんで

すが貴女はその日のその時間は、何処で何をしていたか覚えていますか?まだ

1ヶ月くらい前の事ですが?」

「いや、すいませんが、覚えていません」

「そうですか、殺されたのは明石町公園なんですがね?」

「いや、全く、覚えていません」

「そうですか、分かりました、また、何かありましたら伺いますのでその時は、お願い

します」

と言って、2人は署に戻って行ったが、その帰りに若い刑事が

「主任、彼女は何か隠してるように、私は思うんですが?」

「どうしてだ」

「普通、恋人が殺されたら、あんなに平常心ではいないと、そう思ったんですが」

「そうか、まだ、これからの捜査だから頼んだよ」

そう言って、2人は署に戻った。

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愚かな復讐(19)

その頃、平塚警察の一室では、刑事課長と鑑識官の村田が話をしていた

「課長、昨日、私の友人の豊田君と箱根の芦ノ湖に行って来たんです、実は

野島恵子は亡くなった島村雄二と付き合っていたんです、で島村の趣味が釣り

なんです、ですから、野島恵子は島村に、旨い事言われて、芦ノ湖に出掛けた

のではないかと、思いまして、昨日、芦ノ湖に出掛けました、豊田君が言うには

「2年前の芦ノ湖での、野島恵子の水死事故の事を小田原警察は彼女の無くした

携帯電話の当事の通話記録を電話会社に捜査以来したのかな、それをしてれば

当事の亡くなった野島恵子が誰と何処から何処に通話していたのか当日の時間が

分かったのでは無いのか」

と言うので、私達は芦ノ湖の貸しボート店と、野島恵子が付き合っていたと言われる

島村雄二の泊まったホテルを探しました」

「んーそうか、で、そこのボート店と、ホテルは探せたのか?」

「はい、1軒目の貸しボート店の店主から、当日、野島恵子が午後から貸しボートを

借り湖に出ている事が分かりました、その跡もう1軒の貸しボート店からは島村雄二

が、朝早くに、釣りに出て行ったと言う、情報を聞き込みました、それと島村雄二が

宿泊したホテルも突き止めてました」

「そうか、それでホテルの名前は?」

「はい、「小田急山のホテル」と言います、が、しかし島村雄二はアリバイ工作なのか

やはり当事付き合っていた成瀬秀美に前持って、そこのホテルに予約させてそこに

先に成瀬秀美を入室させて、その後、一緒に当日の7月16日に宿泊しています」

「と言うと詰まり、どういう事なんだ?もう少し詳しく話してくれ?」

「そうですね、私の考えでは、島村雄二は当事2年前の7月16日に箱根の芦ノ湖に

釣りに行くと当事付き合っていた野島恵子に言って、お昼頃に電話で「お前も来ない

か、旨い物でも食べて温泉にでも入ろうよ」

と言うような事を言って呼び出して彼女が1人で貸しボートを借りて湖に出た、そこで

島村は邪魔になった彼女を湖に転落させて、泳げない彼女は水死したその跡、別の

貸しボート店で、ボートを借りていた島村は、そこに何食わない顔でボートを返して

前持って予約させて置いた成瀬秀美とそこの「小田急山のホテル」に宿泊して翌日

帰宅したと、私はそう思いますが」

「そうか、しかし、小田原の事件だからな」

「課長、そうなんでしょうか?亡くなった野島恵子も島村雄二も平塚の住人ですよ

ですから、これは、もう一度やり直し捜査の必要があると思いますが、これで島村は

亡くなって居ますが、成瀬秀美の居所が分かって取り調べれば、この野島恵子の

事故は殺人事件になるのでは、無いでしょうか?」

「ん、分かった、とにかくその、成瀬秀美を先ずは抑える事だな?」

「はい、それで携帯電話の2年前の記録を、携帯電話会社に捜査依頼、出来ないで

しょうか?そうすれば、成瀬秀美の記録から彼女の自宅が割り出せると思いますが」

「あぁ、分かった、小田原と良く話し合いをしてみよう」

そう言って刑事課長は部屋を出て行った、村田は心なしか、少し安心した

その翌日から平塚警察の刑事達は、もう1度、小田原警察との話し合いで合同捜査

をする事になった、その後、平塚警察の刑事は箱根の芦ノ湖に向かった

その夜、保雄の所に村田から電話があった

「もしもし、俺だよ、今日、思い切って刑事課長に、箱根での話を全て話したら

小田原警察ともう1度、合同捜査する事に決まったよ、これで、成瀬秀美の居所が

分かったら、野島恵子が、事故で亡くなったのでは無い事が証明出来るな」

「そうか、しかし、小田原警察が良く承知したな」

「それは、あれだけの状況証拠と証言があるんだから小田原警察も承知しない訳に

いかないだろう、まして、今度は殺人事件なんだからな」

「そうだな、とにかく良かったよ、これで野島の母親も喜んでくれるだろう、それじゃぁまた」

と、言って、保雄は電話を切った。

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愚かな復讐(18)

一方、秦野の中央運動公園の前の路上で、車の中から遺体で発見された市川徳雄

の葬儀の後の片付けをしていた、妻と娘はタンスの引き出しの奥から、和菓子の

桐箱に入っていた書類を見付けて、漢字の読めないフィリピン妻の変わりに娘が

読むと、それは土地の権利書とか印鑑証明書を取る為の印鑑登録証、実印、土地

を購入した時の領収証などが出て来た、娘は良く分から無い為に父親の実弟の所

に電話し来てもらった、兄の自宅に着いた市川徳雄の弟の秀雄は、それを見て

「んーこれは約3年ほど前に、秦野市蓑毛920の土地を兄貴が平塚の石倉不動産

と、言う所から購入したその土地の権利書だ、良く分からないが、今からどんな土地

なのか、近くの不動産屋に行って聞いて、その土地を見てくるよ」

と、そう言って、秀雄は近くにある不動産屋に出掛けて行った

「こんにちは、すいませんがちょっと伺いますが、この土地の権利書の場所は何処の

当たりになるのか、教えて貰いたいのですが?」

「はい、えーと、蓑毛の920ですね、ちょっと待ってください、あーここですよ」

と言って、そこの不動産屋の親父さんは地図を見せてくれた

「これは、土地の半分が山ですよ、これは3年前に買われたんですね、こんな辺鄙な

土地を良く買われましたね」

「そんなに、辺鄙な土地なんですか?」

「あぁ、熊が出て来るような所ですよ、何か、考えがあったんでしょうかね、私には

考えられませんが」

「そうですか?処でこの土地を買うとしたら、何か特別な条件でもないと買う人は

居ませんよね」

「あぁ、俺達はプロだから、分かるが、特別な条件、たとえば、道路が土地の前に

出来るとか、駅が出来るとか、ゴルフ場に土地が引っ掛かる、とかの条件だね」

「分かりました、色々と、どうもありがとうございます」

と言って、市川秀雄は兄の自宅にも戻って、娘にその事を話して

「これから、俺が平塚の石倉不動産に電話してみるよ」

と言って、秀雄は携帯で、その番号を廻した

「もしもし、石倉不動産ですか?、あの、こちらは秦野の市川徳雄の弟の私は秀雄

と、言いますが3年前に、内の兄がお宅の会社から秦野の蓑毛と言う所に土地を

購入したんですが、先日その兄が亡くなりまして、跡形付けをしてたら、そこの兄が

購入した土地の権利書や、お宅で買った土地の、領収書が出て来たんで、今

電話したんですが、これは、お宅の会社が、兄に売った事に、間違い無いですね」

「はい、今、調べましたら、そうですね、間違いは有りませんが」

「これは、兄には貴方が売ったんでしょうか?なぜ、あんなに辺鄙な場所を買ったん

だと内の近くの不動産屋さんが、首をひねって居ましたんでね、私もそこの土地を

見て驚いたんですが、熊でも出てくるような場所ですよ」

「いや、私ではありませんが、多分、売ったのは社長だと思いますが」

「その社長さんは、今、居ますか?」

「はい、今、2階でお客さんと話していますので、暫らくしてからで無いと下に降りて

来ないと思いますが」

「そうですか、では、30分後に掛け直しますので、社長に話して置いてください」

と言って、一旦、秀雄は電話を切った、彼は又、30分後に電話した

「もしもし、先程、電話した、市川徳雄の弟ですが、社長は居ますか?」

「はい、少々お待ちください」

と、事務員と思われる女性が出てそう言った

「もしもし、私が社長の石倉ですが」

「あぁ、私は3年前に、貴方から秦野市蓑毛の土地を買った市川徳雄の弟ですが

可笑しいですね、内の兄貴があんな辺鄙な土地を買うなんて、何かが、あったんで

しょうか?その当事の事を説明してください」

「あぁ、あの土地は、お兄さんが、ここが言いと言う事で、お買いになったんです

ですから私には、どうしてなのか、分かりませんが」

「いや、それは、可笑しいですよ、兄貴は何か、よっぽどのいい話が無いかぎり

あんな辺鄙は所を買うとは、どうしても思うませんがね、貴方何か言い条件でも言って

兄貴を騙したんじゃぁないですか?」

「いや、そんな事は無いです、お兄さんが、ここが言いと言ったのは事実ですので」

「可笑しいな、貴方が何か、兄に話したんでは無いですか?たとえば近い内に

この土地は値上がりするとか、道路が出来るとか、そんな事でも言わない限り

あんな場所を買う人間が居ると、貴方は思いますか?不動産屋に聞いたら

可笑しいと言ってましたよ、どうなんです!」

「いや、私は騙してなんかいませんよ、貴方のお兄さんが買うと言ったんでお売り

したんです」

「嘘を言って無いですか!何時までも言っていても始まりませんから、私も知り合い

に何人か不動産関係の人間を知っていますので、調べる事にします、それで何か

可笑しい事があった時は、警察に貴方の事を訴えて責任を取って貰いますので

覚えて置いてくださいよ!」

そう言って、市川秀雄は電話を切った、その跡、警察と聞いて石倉は動揺していた。

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愚かな復讐(17)

保雄と村田はそれから10分ほど歩いて、やっと木で出来た桟橋を探す事が出来た

確かに貸しボートと言う看板が見えたので、2人はそこに入った

「こんにちは、すいませんが」

「はい、ボートですか?」

「いや、少し話を聞かせて頂きたいのですが、2年ほど前に、この芦ノ湖でボート

から転落した事故で女性が亡くなっている筈なんですが、ご存知でしょうか?」

「あぁ、知ってるよ、確か警察が来て大騒ぎになった事件だったな」

「そうなんです、それで、その時、詰まり同じ日に、この人に」

と、保雄は島村雄二の写真を出して見せて

「ボートを、貸し出していませんか?」

「んー見たような人だな、名前は何と言うんだ」

と言って、そこの主人は帳面を出して来てページを開いた

「はい、島村雄二と言うんですが」

「おぉーあったよ、そうだ、確かに2年前の7月16日だ、えーと朝、7時にその人は

一人で湖に出て行ってるね」

「そうですか、やっぱり、それで帰って来たのは」

「確か、午後の2時半頃に上がって来たはずだよ」

「そうですか、どうもありがとうございました、あぁ、すいませんが、その人は何処の

ホテルに泊まるとか、行っていませんでしたか?」

「いや、聞いたような気もするんだが、何処だったかな・・・・・・・・・・・・・そうだ!

思い出したよ、確か、「小田急山のホテル」と言っていたように思うな」

「そこのホテルはこの近くですか?」

「ん、箱根神社が、あそこに見えるだろう、その隣だよ」

「そうですか、どうもありがとうございました」

と、2人は、又、そこの小田急山のホテルまで、歩いて行った、ホテルに着くと

直ぐに、フロントで女性が人に対応していたので、その人との話が終わるまで

待って、2人は聞いた

「すいませんが、2年前の7月16日の事ですが、この芦ノ湖で、女性が湖に

落ちて亡くなった事件があったんですが、その時の、宿泊者名簿を見せて

頂きたいのですが」

と言って、今度は村田が警察手帳を見せた。

フロントに居た女性は

「はい、今直ぐに」

と言って、裏に入って行った、暫らく待っていると、40代くらいの男性が出て来て

「どうも、私は支配人の山本です、これが2年前の宿泊名簿ですが」

「あぁ、すいませんが、その中の7月16日に島村雄二と言う、この男がこちらに

宿泊してるはずですが」

「はい、島村雄二さん・・・・・・・・はい、確かにお泊り頂いております」

「その時は、一人で来ましたか?」

「はい、確かその前に、この方、成瀬秀美さんと言う方が、お部屋を取って居られ

ましたので、島村さんは「その方とは連れなんで」と言われて、ご一緒の、お部屋に

お泊り頂きましたが?」

「んーそうですか?」

2人は顔を見合わせて、驚きを見せた、保雄は

「それで、次の日には、その2人で帰ったんですね」

「はい、そうですが」

「分りました、どうもありがとうございました」

と言って、2人はホテルの外に出て、保雄は

「やはり、これで島村雄二は恵子が何かの理由で邪魔になって恵子を携帯電話で

「ボートで来ないか」と、呼び出して湖で、ボートから落として水死させて、アリバイを

作る為に、他の成瀬秀美と言う女性を呼んで、ホテルを先に予約させて居たんでは

ないのかな?」

村田は

「ん、どうも、そんな感じだな、確かに証人も居るし状況証拠はある、後はこの成瀬

秀美と言う、女性を探し出して事情聴取が出来れば、この事件は小田原署が初動

捜査を謝った事になるがな」

「お前は、大丈夫なんだろうな?」

「あぁ、おれは、鑑識官だからな、大丈夫だよ」

と笑ったが、警察の内部の事は、保雄は分らなかった

保雄は

「それじゃぁ、遅い昼飯になったけど、何処かで食っていくか?」

「そうだな」

と2人は近くにあった、食堂に入って遅い昼飯を取った、保雄が

「恐らく、警察は、携帯電話で連絡を取り合っていた事を携帯電話会社に問い合わ

せると、思うんだ、その辺から又、証拠になる事が出て来るかも、知れないな」

「そうだな、その、電話から、成瀬秀美の自宅も分ると考えられるよ」

「とにかく旨い事やってくれよ、お前に迷惑が掛かる事が俺は一番心配なんだよ」

「あぁ、分った、旨くやるよ」

そう言って、2人は食事してから、平塚に戻って行った。

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愚かな復讐(16)

土曜日、保雄の所に村田が9時少し前に来た

「おはよう、悪いな、それじゃぁ行こうか」

と保雄が言うと

「向こうに着いたら、何から調べるんだ」

「ん、まずは野島恵子が何処のボート屋でボートを借りたのか、それから以前、聞い

た事だが島村雄二が湖に出て釣りをしていたはずなんだが、これも何処のボート屋

で借りた分かっていないので調べる必要がある最後にホテルに、その夜、島村は

泊まったのか、泊まったとしたら、そのホテルは何処なのか、それを調べたいんだ」

「そうか分かった、しかし、もう2年も前の事なんで、覚えているかな?」

「いや、多分、記録は取ってあるんじゃぁないのかな?」

「いや、小さなボート店じゃぁ、そんな記録は取って置かないだろう」

「そうかな、しかし、ホテルには記録が必ずあると思うんだよ、だからそれだけでも

分かればと思うんだがな」

そんな、話をしていると、もう車は箱根の富士屋ホテルの先を左折していた保雄は

「さて、その辺の駐車場に車を置いて、少し聞いて歩こうか」

「そうだな」

と2人は成川美術館近くの駐車場に車を止めた、そこはもう直ぐ目の前が芦ノ湖の

水面が見える側だった、保雄は

「あそこのボート屋さんで聞いてみようか?」

と、2人はそこのボート屋で聞いてみた

「すいません、こちらでは2年位前の、貸しボートの書類は取ってありますか?」

「んー何の書類だよ」

「はい、何月何日に誰にボートを貸したかと言う書類ですが?」

「あぁ、この帳面でいいのか?」

「すいません、これは、2年前の事も、記録してありますか?」

「あぁ、多分あると思うが、無ければ、こっちのかも知れないな」

と、貸しボート屋の親父さんは、その帳面も見せてくれた、2人はそれを1ページ

ずつ見て行き、2年前の7月を、まずは探した、と村田が

「これ、これは野島とあるね、ただ下の名前まで書いてないな?」

と、保雄は

「いや、これだよ、日にちが16日となっている、これに間違いないな、すいません

2年前の7月16日のこれですが、この方は、この女性では無かったでしょうか?」

と保雄は野島恵子の写真を見せた、すると親父さんは、その写真をを見て

「あぁ、思い出したよ、この人は亡くなったんだよ、内でボートを貸したんだが時間

になっても中々戻ってこないので、携帯電話を持っていたのでその電話番号を聞い

ていて良かったんだよ、時間なので掛けたら出無いので、湖に内の若い者が出て

行って探したら湖に浮いていたと言う事だよ、そう警察が来て一時は大騒ぎになった

んだったよ」

そう言って、そこの親父さんは思い出すように話した、保雄は島村雄二の写真を出し

「すいません、この人は見てませんか?」

「んーいや、見て無いね」

「そうですか、どうもありがとうございました」

と言ってお礼をいい

「すいませんが、この他に貸しボート屋さんは、何件くらいありますか?」

「そうだな、この近くでは後、3軒あるよ」

「すいませんが、良かったら、そこの場所を簡単に教えて貰いたいのですが」

「そう皆、この通り沿いだから湖面を見てると板で出来ている、桟橋があるから

その側にあるよ」

「そうですか、どうも、ありがとうございました」

そう言って2人は道路沿いに歩いていった、とその側に箱根ホテルと言うホテルが

見えたので、保雄はどうせ、この近くにホテルを取ったに違いないと思って中に

入ってフロントで聞いてみる事にした

「こんにちは、すいませんが、2年前の7月16日の事ですが、この男女がこちらの

ホテルに泊まっているかと、思いまして来たんですが、調べる事は出来ますか?」

「2年前の7月の16日ですか?で、この方達の名前は分かりますか?それから

写真を暫らく、お預かりしても、よろしいですか?」

「はい、名前は島村雄二と野島恵子です、写真どうぞ」

「すいません、少しお待ちください」

と言って、フロントの係員は何処かに調べに行ってくれた

2人はロビーのソファーで座って待っていた

「すいません、お待たせしました従業員に色々聞いてみたのですが、この方達は

当日は、ご宿泊されていませんが、台帳にも記載されていません」

「そうですか、その7月の16日に泊まられた中に男女で来た方は居ましたか?」

と保雄が聞くと

「はい、数人は居られたと思いますが」

と今度は村田が警察手帳を見せて

「すいませんが平塚警察ですが、その方達の名前を聞かせて貰えませんか?」

と言った、警察と分かって驚いたのか、その男性は

「はい、直ぐに宿泊台帳を、お持ちします」

と言って直ぐに持って来た、2人は当日の宿泊した人達の名前を記入して

「どうも、ありがとうございました」

とお礼を言って、又、次のボート屋を探して歩いた。

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愚かな復讐(15)

その夜、保雄の所に村田から電話が入った

「おい、岩田明と同じガソリンスタンドの高橋不二夫が全て自供したよ、やはり2人は

アルバイトで入って来た、栗原しのぶをめぐり争っていたんだが、栗原しのぶの自殺

の原因を知った高橋は8月13日の深夜に彼を待ち伏せして、ひき殺したと言う事だ」

保雄は

「そうか、それで、栗原しのぶの、自殺の原因は何なんだ?」

「ん、夜、岩田明に騙されて車に乗って、海岸の松林の中に連れ込まれてレイプ

されたと言う事だよ」

「そうか、それが原因で、飛び降り自殺したのか」

保雄は、そう言った、村田は

「そうらしいな、処で昨夜、又、秦野警察官内で練炭自殺と思える事件が起きたよ」

「んー、何処の人なんだ」

「あぁ、秦野市入舟町の瀬戸物屋の店主の市川徳雄45歳と言うらしいよ」

保雄は

「そうか、何か、金銭的な事なのかな?」

「いや、それはまだ、分らないんだが、しかし、そこのフィリピン国籍の妻と娘は

「父親が自殺、何てする事は考えられない」

と言っていてね、もう一度、確りと捜査してくれと言ってるんだが、秦野警察はまだ

遺体が解剖中なので、ハッキリとした結論は出して居ない様なんだがな、恐らく明日

辺り、解剖結果が分れば、ハッキリとするはずだがね、ただ、鑑識官がその自殺した

本人所有の自家用車を指紋、血痕の鑑定をしたんだが、本人と家族の他に5人の

分らない、指紋がでたんで、現在、照合中との事だよ、ただ、車検を2回やっている

車なので、修理工場やディーラーの人の物ではないかと、そう言ってるんだがね」

「まぁ、明日、解剖の結果が分れば、家族も納得するんじゃぁないかな」

と考えた時、保雄は、箱根の芦ノ湖でボートから転落して水死した、2年前の事故の

事が頭をよぎって、村田に話しておこうと考えて

「実はな、お前にはまだ、言っていなかったんだが、2年前の芦ノ湖で野島恵子と

言う女性が、ボートから落ちて事故死した事は知っていると思うが、その事で、実は

以前、俺が島村雄二のアパートの隣の部屋の大学生と思われる人に聞き込んだ時

彼が言うには「島村は何時も違う女性を部屋に連れ込んでいたようだ」と言うんだよ

それで、その後、その芦ノ湖で亡くなった女性が、テレビで写った時、「あ!」と驚いた

そうだよ、何故なら、島村の部屋に、何回か来た事のある女性だったからだと彼が

言ったんだ」

「その話は本当の事なのか?」

「あぁ、今でも、そこに大学生はいると思うから、話は聞けると思うよ」

「そうか、小田原警察は彼女の携帯電話が無くなっているが、その通話記録を電話

会社に問い合わせて、時間帯や発信場所を調べていると思うんだがな?」

「ん、しかし、そこを事故と決め込んでいた、警察が、捜査していなかったとしたら

問題じゃぁ、ないかな?」

「これは、俺からは小田原警察に聞く事は出来ないので、刑事課長にまず話して

みるよ」

「あぁ、その携帯の記録が時間的に合うのか、また発信場所が合っているのか捜査の

必要があると思うんだよな」

「あぁ、わかったよ、しかし、状況証拠だけでは、警察は、動かないと思っていてくれ」

「ん、わかってるよ、それじゃぁ、また」

と言って、保雄は電話を切った、翌日、秦野警察に解剖報告が届いた、刑事課長は

「それでは、発表する、市川徳雄45歳の死亡原因は一酸化炭素中毒死と判明した

又、缶コーヒーの中の成分は睡眠導入剤が5日分の量混入されて居たと言う事だ

以上」

と課長は言って

「これは間違い無く、練炭火鉢による自殺と考えられる」

と言った、その夜、また、保雄に村田から電話が入って

「やはり、秦野の事件は練炭自殺と判明したよ、解剖の結果は一酸化炭素中毒死

と分ったよ、彼の側に缶コーヒーの缶があったのを調べたら、睡眠薬が入っていた

と言う事だ、つまり彼は練炭火鉢を用意して着火の後、缶コーヒーを飲んで自殺した

そう言う警察の見解だよ」

「そうか分った、俺は考えたんだが、今度の土曜日に箱根に言ってみようと思うん

だが、どうだ、たまには一緒に行って見ないか?」

「あぁ、土曜日なら開いているからいいよ、じゃぁ、俺の車で行こうか、朝何時に行った

らいい」

「そうだな、9時頃に迎えに来てくれれば、いいんだが」

「そうか、じゃぁ土曜日に」

そう言って、保雄は村田と土曜日に箱根の芦ノ湖に行って見る事にした。

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愚かな復讐(14)

石倉良太は同じ不動産仲間の、長谷川信一に確かに2年半ほど前にそう言われ

て、市川徳雄に土地を売った事を思い出して、長谷川に電話した

「もしもし、あぁ、長谷川さん、私、石倉です」

「珍しいね、元気、どうしたんだ」

「えー実は、貴方に「2年後には、この土地の前に道路が出来る計画があるから

今が買い時だよ」と、言われて2年半ほど前に、秦野の土地を、私が売った事は

ご存知ですよね、それで、もう、あれから3年になるんですが、一向に道路などが

出来る様子が無いんでその事で、私が売った土地の持ち主が今日、怒鳴り込ん

で来ましてね、いや、困りましたよ、いったい、何時頃、あの土地の前に道路が

出来るんでしょうかね」

「いや、俺も、他から聞いたんで、良く分らないよ」

「と、言う事は、ガセネタだったと言う事ですか?」

「あぁ、分らないね、まぁその内上がるからと言って置く以外に無いじゃぁ無いか」

「そうですか、分りました、それでは・・・・・」

と、言って電話を切ったが、今、直ぐに5000万の大金を用意する事は、彼には

出来なかった、とにかく彼は、市川徳雄に電話した

「もしもし、あぁ、すいません私、昨日電話を貰った、平塚の石倉不動産ですが」

「おーそれで、何時取りに行ったらいいんだ当然、売買契約書を作るんだろうから

土地の権利書と実印それと印鑑証明と後なんだったかな?」

「あぁ、取りあえずはそれだけですが、それで、お金の事なんですが、今、内も

苦しい時なんで、分割ではいけませんかね」

「冗談じゃぁないよ、俺が支払った時は、現金で一括払いしたのを覚えているだろう

一括支払い以外は認められないね、銀行で借りてくればいいじゃないか、とにかく

今日中に銀行に行って、現金を用意して置けよ、元々どっちが悪いのか、お前なら

分っているはずだ!」

そう言って、市川は電話を切ってしまった、銀行で借りるには当然何かの担保物件

が必要になるが、彼には、その担保すらない状態だった、石倉は仕方が無い・・・・

と何か、つぶやいて、明日、又、市川徳雄に電話する事にした

翌々日の8月の27日早朝、散歩を日課にしていた、60代の男性が秦野市本町の

水無し川沿いの中央運動公園の前の道路に止まっていた車を何と無しに除いた

所、運転席で、助手席側に倒れ込んでいる男性を発見して、良く見ると後部座席

に、練炭火鉢が置いてあるのを見て110番して来た、直ぐに秦野警察から刑事と

鑑識官が駆けつけて、現場検証が始まった、刑事の一人が

「これは、今、はやりの練炭自殺のようだな、鑑識さん来てくれ、それと第一発見者」

と鑑識官を呼んで見せ

「どうだ、練炭自殺だろう」

「そうだと思いますが、一応、車内と外回りの指紋を採取して検証します、それと

司法解剖しませんと、確かな死因は特定出来ないと思いますが」

「そうか、それで、この缶コーヒーの中の、成分分析も頼むよ」

「はい、分りました」

と、今度は、第一発見者の男性に

「すいません、お忙しい所、それで、貴方が発見した時間は何時頃でしたか?」

「はい、朝6時少し過ぎていたと思いますが」

「そうですか、その時、車の側には、他に誰か居ましたか?」

「いや、私だけです、そうですか逃げていくような人の姿は無かったと言う事ですね」

「はい、そう言う人は、見ませんでした」

「そうですか、どうも、ありがとうございました」

と言って、刑事は又、若い刑事に聞いた

「それから、遺留品から害者は割れたのか?」

今度は、側にいた刑事が

「はい、運転免許証から、秦野市入舟町2-16の市川徳雄45歳です」

「そうか、では、中村君、害者の自宅に連絡に行ってくれ、それと死亡推定時刻は」

「はい、おおよそ、昨夜の8時から10時くらいと思われます」

「それでは、一応、司法解剖の手続きを取ってくれ」

と言って、刑事は署に連絡を入れていた、市川徳雄の遺体はそのまま大学病院

に運ばれた。

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