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因縁(7)

平塚警察の主任刑事の久本と高橋刑事は現場検証で主人の中原修一からは

話を聞いたが、慌てて帰って来た妻の良子には、彼女が落ち着いてから話を聞いた

久本主任は

「奥さん、奥さんは今まで、何処にいられたんですか?」

「はい、主人とちょっとした事で喧嘩しまして友人の家に泊まっていました」

「すいませんが、その友人の方のお名前と住所を教えてください、一応調べる義務が

我々にはありますので・・・」

「はい、青田弓江さんです、住所は市内の桜ヶ丘13-7です」

「分かりました、どうもすいません、それで息子さんの高校ですが平塚工業高校と聞い

ていますが、学校で何かトラブルのような事があったと言う事は聞いていませんか?」

「いえ、そのような事は息子から聞いていませんが・・・・・」

「そうですか、お宅にその高校の友人が来たと言う事は無いですか?」

「私の知っている限りではありませんが、私のいない時に連れて来たら分かりませんが」

「そうですか、分かりました」

久本は近所に目撃者探しを聞き込んで帰って来た、石川と中原刑事に

「どうだった、目撃者はいたか?」

「はい、数件聞き込んだのですが広田さんという現場から15mくらい離れた家の方が

庭掃除をしていた時、確か事件当日の13日夕方の5時半過ぎ頃と言っていましたが

若い男が自宅の前を、走って東の方向に行ったのを見ていました、服装は紺の

ズボンに水色のワイシャツのようでしたと又、身長は170㎝前後だったと言う事で

野球帽を深く被っていたと思う、と言う事でした」

「年齢は分からなかったのか?」

「はい、何か学生のようにも見えましたが、それはハッキリ分かりませんと言う事です」

「そうか、では明日、学校に行って、害者と仲が良かった者と、悪かった者がいたら

その、学生に事情を聞いてみてくれ」

「はい、分かりました」

「処で両隣の方は、害者の悲鳴か何か、聞いて無いのか?当たってみたか?」

「はい、両方のご家庭には、ご老人がいましたが、テレビの音で聞こえなかったと言う

事です」

と、そこに葬儀社だと言う男性2人が入って来た社長の中原修一は実弟の中原良雄

と2人で別の部屋に葬儀社の者と入って行った、主任の久本は玄関の前と中の足跡

を検証していた、鑑識官に

「犯人の足跡が出ればいいがな?・・・・あと宜しく頼むよ」

そう言って一旦、署に引き返し、捜査会議を行なう事にした、その後、久本は

「それでは、中原修刺殺事件の捜査会議を始める、始めに概要を簡単に説明すると

本日、9月13日午後8時05分頃、中原修一「中原工業」社長が帰宅した所、玄関内

で息子の修16歳「平塚工業高校1年」が胸に包丁を刺されたまま、倒れていたのを

父親が発見して110番して来た、犯人は玄関が開いたと同時に彼を刺して逃げたと

思える、これは変質者か怨恨、以外に考えられない、包丁には指紋は無かったので

犯人は手袋をしていたと思われる、それで凶器のこの包丁の出所を捜査してくれ又

玄関先と中に足跡があったので現在、鑑識で照合中と言う事だ、また害者の家庭の

関係は父親の中原修一60歳その妻良子54歳、長男の中原有二30歳その妻の香織

28歳、それと修一社長の実弟で会社の専務をしている、中原良雄56歳、その妻文子

53歳が現在まで、現場の自宅に来た者で分かっている関係者だ、また死亡推定時刻

は本日の夕方5時から6時の間で現在まで目撃者は出てい無い、これからの捜査は

怨恨の線で捜査してくれ、変質者リストはこちらにあるので調査させる・・・・・質問は?」

「はい、怨恨と言う事は、学校関係者、詰まり友人関係の中に犯人がいると言う事で

しょうか?」

「そうとも言えるが、中原社長は資産家だから、その関係の恨みとも考えられるし、又

会社の中で、何か、ごたごたが無かったかを捜査する事も重要だな」

「と、言う事はもしかして、犯人の本当の目的は社長だったのでは・・・・・」

「わからんな、しかしそれなら最初から社長が帰る時間を調べて置くのでは無いかな?

とにかく犯人は、何か配送人を装ってドアーを開けさせたと言う事だな明日から全ての

関係者の聞き込みを、宜しく頼む、以上だ」

その頃、保雄は自宅で、この中原修の事件は、あの中原有二の妻の香織の父親の

北村信一が殺害された事件と何処かで繋がってるんでは無いかと考えていたが中々

考えが出て来ない苛立ちで保雄は、冷蔵庫から缶ビールを出して飲みながら考えた

中原有二はスナック「サフラン」の二宮雅子と不倫関係にある、その依頼者の父親の

北村信一は刺殺された、また中原有二の弟の修が自宅で刺殺された凶器はどちらも

包丁と言う事だ、犯人が同一犯とすると、いったい2人をやった動機は何なんだ?

北村信一が義兄に金を貸していたそれを催促されて、義兄の君島良二が信一を

やったとしても、君島と高校生の中原修とは繋がらない? 犯人は別々の人間なのか?

中原修をやる動機を持った人間は?・・・・分からないな?・・・・学校関係者か?」

保雄はそんな事を考えると中々眠れなかった、翌日、保雄は中原修の自宅の近所で

聞き込みを始めた、被害者の中原修の住所は市内四之宮7214だった、保雄は近くで

駐車場を探してそこに車を止めて、歩いて現場近くの自宅の聞き込みを始めた、しかし

時間的にちょうど5時から6時と言うと夕飯時の為、中々目撃者は見付からなかった

仕方なく保雄は10件ほど聞いて歩いたがダメだったので駐車場に戻って、中原修が

通っている工業高校を尋ねた、保雄は、昼休みの時間を狙って職員室に向かった

「すいません、私は捜査関係の者ですが?」

と切り出した、すると先生らしい方が

「先程、別の方が2人で見えられましたが、今度はどのような事でしょうか?」

「すいません、中原修君は何かクラブに所属していましたでしょうか?」

「あぁ、彼はブラスバンド部にいて、トランペット吹いていましたが」

「そうですか、その担当の先生は今、お出でになられますか?」

「はい、私がそうです、窪田といいます」

「あぁ、そうでしたか、で、中原君はどのような生徒でしたでしょうか?」

「真面目に部活はやっていましたが?」

「最近、彼に何か変わった点があったような事は、無かったでしょうか?」

「いや、特に何も無かったと思いますが」

「そうですか、彼と良く一緒にいた生徒は何方でしょうか?」

「中山くんですが先程の刑事さんにも彼は聞かれていましたが、帰る方向が同じなので

良く一緒に帰っただけだそうですが・・・・・」

「そうですか、分かりました、ありがとうございました」

そう言って保雄は一旦、事務所に引き返した、事務所に着くと春子が

「お帰りなさい、何か収穫はあったんですか?」

「いや、まだまだ、これからだよ、害者の北村信一といい今度の中原修といい犯人の

動機がハッキリしないんだ北村信一は竹田藤男の父親の竹田一男当事30歳を28年

前にひき逃げして7年間交通刑務所に入ってお勤めを終えている、その被害者の竹田

一男の息子の藤男が今さら28年もたって、父親をひき逃げした北村信一をやるはず

が無いと思うのだが・・・・・春ちゃんどうかな?」

「そうね、その北村が出所してから、ちゃんと竹田の家に行って仏壇の前で手を合わせ

て、謝っていれば問題無いと思うんですけどね」

「そうか・・・・んーもしそれをしていなければ、やはり恨みは残るか?それと今回の中原

修だがまだ高校1年だよ、いったい誰の恨みを買ったと言うんだ?高校生同士の喧嘩

で殺人までやるか?・・・・・・・何か他の動機があるんじゃぁなかかな?」

「でも、最近の高校生は怖いからね、分からないわよ」

と春子がそう言った、保雄は春子が入れてくれたお茶を飲んで、今度は「中原工業」の

社員から何か聞けるかと思いまた出掛けた、会社の前に着くと張り紙が出ていて通夜と

告別式の時間と日にちが出ていた、通夜と告別式は四之宮の葬儀場で今日9月14日

夜7時から、告別式は明日の15日午後1時から2時までとなっていた、保雄はそれを

手帳に書き込んで、通夜の行われる葬儀場に行ってみた。

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