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裏切り(17)

翌日の昼過ぎ、木島信子の所に電話があった、信子は台所の片付けの途中で

「もしもし、木島ですが?」

「あぁ、私、お宅のご主人と同じ会社の焼肉店の方を撒かされている、木村利恵ですが

以前に1度、会社の展示会で、お会いしてると思いますが・・・・・」

「あぁ、覚えていますよ、それで今日は何か?」

「えぇ、実は私、見ちゃったのよ、貴女が7月21日の夜、専務の自宅から飛び出して

来るのを、私、急用があって専務の自宅に夜、10時過ぎ頃に着いた時だったわ、貴女

専務の自宅から出て来た時、車と擦れ違ったでしょう、覚えてるわよね、その車私が

運転していたのよ「何だろう?」と思って専務の自宅の玄関に行ったらドアーが開いて

いて私、専務が頭から血を流して倒れているのを見て、驚いちゃって、貴女、この事が

会社に分かったら、ご主人は首になるし、貴女も刑務所行きだわよね、それでいいの

奥さん私、今、お金がいるのよ、少し用立ててくれたら、誰にも、この事は言わないで

置くわ、考えてくれない」

「何言ってるの!私はやってないわ!確かに秀子専務の所にあの日、夫の事で行った

事は事実だけど、やったのは私じゃぁ無いわ!私が行った時は、もう彼女は頭から血を

流して倒れていたのよ、貴女がやったんじゃぁないの!」

「いい加減な事言わないで!警察に行ってもいいの?」

「あぁ、いいわよ!私は本当にやって無いんで警察に調べて貰えば貴女の方が都合が

悪いんじゃぁない!」

「あぁーそうー分かったわ、後で後悔しないでね!」

と言って木村利恵は「ガシャァ」と電話を切った

その頃、保雄は村田の所に電話していた

「もしもし、俺だけど、その後、立花秀子の事件と先日の村上精一の、事件はどうなって

るかと思ってな?」

「あぁ、立花秀子の事件は今の処3人の容疑者が上がってるんだが、状況証拠だけで

確実な証拠が上がって無いんだよ」

「その3人とは、例の「焼肉立花」の2号店の木村利恵と、殺害された専務との不倫の

関係だった営業課長の木島正雄の妻の木島信子と、それに社長の立花良二から

借金を断られて、夫が行方不明の吉田優子だな」

「あぁ、そうだ俺は状況証拠で任意同行して、もっと詳しい事を聞くべきだと思うんだが

上の人間が決める事なんでな」

「7月21日の事件だが確か、凶器は大理石の灰皿だったな、指紋は綺麗に拭き取って

あった、それにワインボトルとグラスが、2個テーブルに置いてあった、それと隣の人が

事件当日、10時過ぎに白い乗用車を見ている・・・・・・・・そこまでか?」

「あぁ、タイヤ痕はアスファルトの道で無理と言う事、害者の血痕は分ったが、ホシのは

採取出来なかった、他に目撃者もいない」

「秀子の不倫相手の木島正雄の事は、何処まで捜査してんだ?」

「いや、それは分からない、多分何も出ていないから、発表しないんだろうと思うがな」

保雄は

「木島の自宅は俺が行って、彼の奥さんの信子とは会って来たが、アリバイは不透明

だな?悪いんだが、木島信子の実家は何処か調べてくれないか?彼女には何となく

会った時に、俺は、何か違和感を感じたんで調査してみたいんだ」

「そうか、分かった、調べて明日電話するよ」

「それから、村上精一に事件だが、これは本当に自殺では無いんだな?」

と、保雄は念を押すように言った

「あぁ、本人の母親が「あの子は自殺なんかする子では無い」と言ってるんだ、それに

誰に聞いても、自殺するような動機が見当たら無い、確かに検死の結果では硫化水素

中毒死なんだが、彼が自殺するような人間では無いと会社の人間も口を揃えて言ってる

のでな・・・・・」

「そうか、睡眠薬を飲んでいたと言う事だが、睡眠薬を飲んでから、硫化水素を混合

する?少し可笑しいような気がするが、また硫化水素を混合したら直ぐにガスが発生

してしまうんでは無いのかな? まぁ、自殺の動機が無いと言うなら、事件だろうな」

村田は

「ん、彼がもし殺されたとしたら、これは1人の犯行では無いな、詰まり、村上精一は

誰かに睡眠薬を飲まされて、ホシ達は、車2台を運転して湘南平の駐車場に行き

そこで、防毒マスクをして硫化水素を彼の車の中で発生させ、もう1台の車で逃げた

と思うんだよ」

「あぁ、そうだな、それに違いないなそれじゃぁ、木島信子の実家の住所、頼むよ」

「あぁ、分かったそれじゃぁな」

そう言って、村田は電話を切った

その後、平塚警察に匿名で電話が入って「立花株式会社の専務を殺したのは、同じ

会社にいる木島正雄の妻の信子です、私はその時間に彼女がその自宅から出て来る

所を目撃した者です」

と女性の声で電話があった、平塚警察の刑事は

「貴女のお名前と住所を教えてください」

と言ったが、直ぐに電話は切れてしまった

翌日、平塚警察では市内の馬入にある、木島正雄の自宅から妻の信子を任意同行

し取り調べた

「木島さん、実は7月21日夜、貴女を、立花秀子さんが殺害された自宅の前で見たと

言う、目撃者が現れましてね、それで伺いますが、貴女は当日、自宅にいたと言って

いましたが、どうして嘘を言ったんですか?」

「すいません、実は内の夫と秀子専務が不倫をしていると知って、当日、秀子専務の

自宅に夜9時頃に電話したら「自宅に居る」といいましたので「話があります」と言って

行きました」

「事件の当日、ご主人の不倫を知ったのですか?」

「いえ、以前から可笑しいなとは思っていましたが、事件の前日、ある人から電話が

ありまして、次の日に彼女に電話したら、自宅にいたので、「これから伺います」といい

秀子専務の自宅にタクシーで行きました」

「そのある人とは?」

「いえ、それは言えません」

「そうですか?貴女は、何故、タクシーを使ったのですか、自宅には車がありますよね」

「はい、娘が乗っていましたので」

「そうですか、そのタクシー会社は分かりますか?」

「はい、私は何時も「相模中央タクシー」を使っていますので・・・・・」

直ぐに、そばにいる刑事が立ち上がって、裏取りに出て行った、その後、信子が

「すいません、私が専務の自宅に着きインターホンを押したんですが、誰も出て来ない

ので、家には電気が付いているのに、可笑しいと思って、ドアーを開けたら軽く開いて

しまったので、そっと中に入ると、そこに秀子専務が頭から血を流して倒れていたんで

私は驚いて玄関から飛び出て門を出た所で、車のライトに見られましたが、そのまま

自宅に帰りました」

「車に会ったんですか? その車はどんな色か見ましたか?」

「一瞬、でしたから、でも白い車のようでした、実は昨日「焼肉立花」の2号店の店長の

木村利恵さんから電話があって、私、秀子専務が殺された事件当日、車の中で貴女を

見たといい、彼女が私からお金をユスル積もりで電話して来ました、私がやってない

ので断ると、警察に電話すると言いましたが、私は本当にやってないので「電話する

ならどうぞ!」と言いました、その結果が匿名電話ではないかと思いますが」

「そうですか、一応、貴女の当日の行動は分かりましたが、それを証明しないと貴女を

帰す訳には行きませんので承知して置いてください」

と言って、刑事は一旦席を外し、刑事主任にその事を伝えると刑事主任は中村刑事に

「悪いが、これから清田君と直ぐに「焼肉立花」の2号店の、木村利恵を任意同行して

来てくれ」

と伝えた。

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