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2008年10月

因縁(20)

久本主任は応接室のドアーを軽くノックしてノブを回して部屋に入った、高橋刑事の

後に続いて中原有二とその後に竹田藤男が入った、母親の秀子は2人の顔を見て

スッと立ち上がった、竹田藤男が

「お、お袋、何で来たんだ!」

そう言ったが、直ぐに久本が

「今日は、お前達2人に、お母さんが話したい事があるそうだ、そこに掛けなさい」

竹田と中原はソファーに座った、 母親の秀子は有二の顔を見て、涙を流しながら

「有二さん、ごめんなさいね・・・・・・・・・・・今迄・・・・・黙っていたけど、貴方と藤男は

私が30年前に産んだ、双子の兄弟なのよ・・・・・・・・・ごめんね、黙っていて・・・・・・」

と、大粒の涙を流して話した、驚いた藤男が

「お、お袋、そ、それは本当なのか!」

「驚かして、ごめんね・・・・・・・・お母さんを許して・・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」

中原有二も、挿すがに驚いたのか

「俺は中原の養子だったのは、前から知ってたけど・・・・・・・しかし、驚いたな・・・・」

と、少し目頭を潤ませて涙がこぼれるのを隠すように上を見あげて言った、藤男は

「お袋!ちゃんと、初めから話してくれないか?」

「えぇ、30年前、貴方達のお父さんは、お酒ばかり飲んで、ろくに仕事をしてくれない人

でね、毎月、生活するのが精一杯で、私はお父さんに「貴方仕事してよ、私は妊娠して

るのよ」と言うと「うるさい!」と直ぐに私を殴って・・・・・・・・どうしょうも無い人でした

私は夫と別れようと何回も思いましたが、お腹が段々と大きくなって、臨月を迎えてしま

いました、生まれて来たのは貴方達2卵生の双生児だったんです、私はとても2人は

育てられないと考えて「長男の有二を施設の前に捨てればここで育ててくれるだろう」と

今思えば浅はかな考えで手紙に生年月日と名前と「すいませんがどなたか育ててくれる

方を探してください、まだ、届け出はしてません宜しくお願いします」と書いて有二を捨て

てしまいました、その後、毎日々有二の事が頭から離れませんでした、そんな時、風の

噂で市内の中原工業と言う会社の社長さん、ご夫妻に有二が貰われたと聞いて、私は

ある探偵事務所で、その場所を探して貰い暫らくは有二の姿を遠くから見ていましたが

中原夫妻が有二を大切に育てて、下さってる事が分って、私は、もう有二の事は忘れる

事にしようと心に決めました、しかし、それでもたまに思い出して見に行っていましたが

ここ数年前から「もう会いに行くのは止めよう」」と思って行かなくなっていました、それが

こんな形で又、再会するなんて・・・・有二・・・・お母さんを許して!・・・・ごめんなさい!」

と、秀子は涙を一杯流しながら有二に謝った、その話を聞いていた、藤男は

「本当の兄貴だったんだ・・・・兄さん!お袋を許してやってくれないか!頼むよ・・・・・・」

と、泣きながら有二に言った、有二は

「あぁ、お袋を、今さら恨む積もりは無いよ、それより・・・・お袋!こんな不始末な事を

して、悪かったな、ごめんよ!」

そこで主任の久本は

「お母さん、又、彼達には会う事が出来ますので、一旦、彼達を連れて行きます、どうも

ありがとうございました」

と、言って久本が高橋刑事と中村刑事に命じて中原有二と竹田藤男は取調室に戻さ

れた」

取調室で竹田藤男は中原有二の弟の修と長友誠一を刺し殺した事を認めた、また

中原有二は竹田の父親を28年前に、ひき逃げで殺した北村信一を刺殺した事と又

竹田と一緒に長友誠一の車の中で後部座席から、長友の首を絞めた事を認めた

2人は罪を犯した事を後悔していた、2人の話ではやはり竹田藤男の妻の礼子が妹の

スナック「サフラン」で働いていた二宮雅子を通して竹田藤男と中原有二は知り合って

いた、その後、話が合いお互いの事を話し合ってる内に、殺害計画を話すようになり

竹田が中原修を刺して逃げる所を、長友に見られたので、その時は100万で話が

付いたと思っていたら、さらに長友が100万要求してきたので、中原と2人で彼の

車の中で殺害したと言う事だった、また、中原有二は自分が養子であった事は高校を

出てから仕事を始めて後で分ったが、彼は高校卒業時に父親の中原修一に

「お前は大学には行かなくていい働け!」

と言われて、その時は、何も知らなかったので

「お父さん、どうして大学に行かせてくれ無いんだ!」

と反発したが、父親はその理由は言わなかったが、後で分った事だが

「そうか、俺より、実子の修の方が可愛いのが当たり前だ!」

と、そう思い高校を出てから直ぐに、家を飛び出して東京に出て色々な仕事をして働き

ながら「宅地建物取引主任者」の試験に合格し今の石田不動産店に就職したのだった

しかし、有二はどうしても父親が許せずにいた、12年ぶりに市内四之宮の自宅に当事

4歳だった弟を尋ねたが、その時の弟の言葉が

「貴方はどなたですか?」

と言う言葉だった

「そうか俺の話を親はして無いんだ、そう言えば俺が家出した時まだ何も知らない子供

だったんだな」

と、有二はそう思って言った

「お前、お母さんから、俺の話を聞いて無いのか俺、有二なんだけど?」

「有二知れませんね、誰の事です、貴方は誰ですか帰ってください、警察を呼びますよ」

と、携帯電話を掛けようとした

「おい、待ってよ、お前は俺の事、親から本当に聞いて無いのか?」

「聞いてません、誰かー来てー、助けてー!」

と大声を上げた、有二は驚いて、急いで中原の家の玄関から飛び出した、有二は

「そうか、お袋まで、俺が邪魔だったんだ!」

そう思って、近くの居酒屋に入り、その日は「もうどうでもいい」とヤケクソになって酒を

浴びるほど飲んだ

主任の久本は

「そうか、お前も苦労したんだな、しかし、罪を犯した事とその事は関係ない!今から

逮捕するからな」

そう言って有二の手に高橋が手錠を掛け署内の留置所に連れて行かれた、同じように

竹田藤男も逮捕された

その夜、保雄の所に村田から電話が入った

「もしもし、やはりお前が言った通り、北村信一殺しと、中原修殺しは交換殺人だったよ

それと長友誠一は彼の車の中で2人で殺害したと自供したよ」

「そうか、中原有二にしても血が繋がらないからと言って、何も殺さなくてもいいのに・・・

それと竹田藤男にしても28年も前の事なのに、恨むと言う事は不幸な事だな、しかし

驚いたのは2人が、双子の兄弟だったと言う事だよ、これも何かの因縁なのかな?」

「ん、そうだな、母親の秀子を恨む訳にも行かないだろう、不幸な出来事だったよ・・・・」

と、言って村田は電話を切った、保雄は

「明日あたり有二の妻の中原香織がいったい、どんな顔で事務所に来るのかな?」

と、そう思っていた。

                   (完)     この小説は全てフィクションです。

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因縁(19)

その頃、保雄の所に村田から電話があった

「もしもし、俺だよ、今日、竹田藤男と中原有二が任意同行されたよ」

「え、任意同行なのか?」

「あぁ、長友誠一の車から出た指紋と奴等2人の指紋が一致したんで逮捕は直ぐだよ」

「で、自供したのか?」

「いや、以外に、しぶとくしているらしいが、落ちるのは近いと言っていたよ」

保雄は

「そうか、しかし2人が長友をやったのは分ったが、北村信一と中原修をやったのは

誰なんだ?・・・・・そうか・・・・・・もしかしたらだが2人がやる相手を交換したとしたら?」

村田は

「そうか、そうだな・・・・・・いや、それなら奴等の事件当日のアリバイがある訳だな」

「ん、だから北村信一をやったのは中原有二で、中原修をやったのは竹田藤男だ、と

そう思えばアリバイがあっても不思議は無いと言う事だよ」

「分った、中原有二の北村信一が殺害された9月7日の夜10時半から11時半の間の

アリバイと竹田藤男の中原修、殺害当日の9月13日の夕方5時から6時の間の

アリバイを早速、追求するように話してみるよ」

「そうだな、俺も竹田藤男の母親と、中原の母親にもう1度当たってみる事にするよ」

そう言って保雄は電話を切った

翌日も平塚警察では、中原有二と竹田藤男の取調べが続いていた

主任の久本は竹田藤男に

「どうだ、夕べは眠れたのか?今日は全て話して貰うからな?」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「お前は中原と組んで長友誠一を秦野の山中で殺害した事は認めるな?」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「そうかそれならそれでいい処で、お前は中原有二の弟の修が殺害された9月13日の

夕方5時から6時は何処で何をしていた?・・・・・・・・アリバイを聞いてるんだよ!」

「俺は中原の弟なんて、見た事も会った事も無いよ、9月13日の5時から6時?

忘れたけど、土、日でなければ仕事中だと思うよ」

久本は

「お前は、仕事で良く外に出るらしいが、先月の13日の事だ、思い出してみろよ!」

「・・・・・・・・忘れたね」

「惚けるなよ!お前は中原有二に北村信一をやって欲しいと頼んだ、その代わりに

お前は中原が財産目当てに邪魔だった、血の繋がらない弟の修をやってやると話し

合ったんだよ!そうだろう、違うか!」

「・・・・・・・・・・・・・・」

その隣の取調室では中原有二を中村刑事が取り調べていた

「中原、お前は9月7日夜、10時半から11時半の間、何処で何をしていた?北村信一

が殺害された日の事だよ!お前が竹田から頼まれてやったんだろうが・・・そうだな!」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「お前達は、殺す相手を交換したんだな!そうだろう!言ってみろ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

その後も取り調べは続いていたが、変わらず彼等は黙秘していた

翌日の日曜日、保雄は以前来た市内の錦町の竹田藤男の母親の竹田秀子を訪ねた

「ごめんください」

と、ドアーをノックして言った

「はい、どなたですか?」

「たびたび伺いましてすいません、私は先日伺った、川崎探偵事務所の者ですが」

「はい、何でしょうか?」

と言ってドアーが開いた、保雄は

「どうも、たびたび、すいません、実はご存知と思いますが、お宅の息子さんが今、警察

で取調べを受けていますが、ご存知ですか?」

「えぇー本当ですか? 藤男はいったい何をやったんでしょうか?」

「はい、何でも、息子さんは友達の中原有二と言う人と一緒に、長友誠一と言う人を

秦野の山中で殺したと、疑われて・・・・・・・・」

「えぇー本当ですか?まさかそんな事・・・・・・・それと今、中原、何にと言いました?」

「え、はい、中原有二と言う、息子さんの友達と一緒にと?・・・・・」

「えぇーまさかそんな・・・・・・・・・・・・処でその有二と言う人の字は有料、無料の有料の

有に数字の二でしょうか?」

「はい、そうですが?・・・・・」

「そんな・・・・・・・そんな事が!・・・・・・」

「お母さん!どうされました、何かあったんですか?」

母親の秀子は泣きながら

「そんな馬鹿な事が・・・・・・・・・・・・」

「どうされました?よろしければ話してください」

秀子は暫くして

「あの有二は・・・・・・私が30年前に産んだ子供なんです・・・・・・まさかこんな事が・・・」

「奥さん、と言う事は・・・・・・・」

「はい、藤男と有二は2卵生の双生児でした、私の夫は酒ばかり飲んでろくに仕事を

しない人で生活は苦しくギリギリの生活でした、私が「仕事をしてください!」と言うと

「うるさい!」と直ぐに暴力をふるって、私は何時も早くこの夫と別れようと思いながら

結局、妊娠が分り、私はある産婦人科で2人を生んだ1週間後に、とても2人は育て

られないので施設の前に長男の有二を、手紙に名前と生年月日と「役所に届出宜しく

お願いします」と書いて毛布に包んで捨てました、その後も何回か、後悔して施設の

前まで行って見ました、そして、中原さんと言う、お金持ちの家に貰われたと風の便りで

知りました、私はその中原と言う家を、探偵に頼んで調査して貰い何回か有二の顔を

見に行きました、そこで見た光景は、仲良く中原ご夫妻が大切に有二を育てて頂いて

いる姿でした、私は安心して有二の事を忘れるように、勤めて来たのです、それなのに

なんと言う因縁で、こんな事になったのか?・・・・・・・私には分りません・・・・・・・・」

と竹田の母親は泣きながら話してくれた、保雄は直ぐに村田に電話して今、母親から

聞いた事を話して

「どうしたらいいかな?」

と聞いてみた、村田は

「それではそこで、ちょっと待っててくれ、今、課長に話してみる」

「そうか、分かった」

保雄はそう言って暫く待っていると、村田から電話が入って

「竹田のお母さんに直ぐに、署に来て貰ってくれないか?」

「そうか、分かった、俺が送って行くよ」

そう言って、保雄は竹田藤男と中原有二の母親の秀子を車で平塚警察に送り届けた

署の入り口に村田が出て待っていた、保雄は母親を村田に預けて事務所に戻った

平塚署では母親の秀子を応接室で待たせた、野島課長は主任の久本に

「竹田藤男も中原有二も2人が、2卵性双生児だった事は、当然、知らないんだな?」

「はい、そもそも2人が本当の兄弟だった何て、知るよしも無いでしょう」

「分かった、2人が自供するように、旨くやってくれ」

「はい、分かりました」

久本は高橋刑事と2人で中原有二と竹田藤男を、母親のいる応接室に連れて行った。

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因縁(18)

久本主任と高橋刑事は早速、平塚市役所の年金係りに竹田藤男を尋ねた、受付で

「すいません、警察ですが、竹田藤男さんはいますか?」

「いや、今、出ていますが・・・・」

「そうですか、何時頃に、お帰りでしょうか?」

「そうですね、お昼には一旦、戻ると思いますが」

「分りました、ではお昼に又伺います」

そう言って2人は署に戻った、その頃、中原有二に話を聞いて、旨く指紋採取しようと

中村刑事と清田刑事は見付町の石田不動産に彼を訪ねた

「こんにちは、すいません平塚警察ですがこちらの中原有二さんにお話を聞きたいの

ですが、おいででしょうか?」

女性事務員が

「今、中原は出ていますが」

「お帰りは、何時頃になるでしょう」

「何時も5時頃には帰るんですが・・・・」

「そうですか、それではその時間に又、伺います」

そう言って中村と清田刑事は一旦、署に戻った、先に戻っていた久本主任は

「どうだった、奴に会ったのか?」

「いや、夕方でないと帰らないとの事ですから、その時間に又、行きますので」

「そうか、こっちも同じだ、昼には戻ると言っていたんで、その時間、出掛ける」

と言って、久本主任は課長の所に報告に行った、12時を少し回った処で久本主任と

高橋刑事は再び市役所に向かった

「先程はどうも・・・・・平塚警察ですが、竹田藤男さんは、お帰りでしょうか?」

と、年金係りの事務員に聞いた

「はい、食堂で食事中と思います」

「食堂は何処にありますか?」

「地下です、そこの階段を降りると分かりますので・・・」

「どうも、ありがとう」

2人は階段を降りて地下の食堂に行った、食堂には10人程が食事中だった久本は

1人々のネームプレートを見て

「すいません、竹田藤男さんですね、平塚警察ですが、9月7日に北村信一さんが殺害

されたのは、もう、ご存知と思いますが確か貴方は事件当日の10時半から11時半は

自宅で寝ていたと、奥さんに伺いましたが、それで間違いないですね」

「はい、そうです、寝ていたと思います」

「そうですか、それでは、この写真の人物を知りませんか?」

と、久本は、全く関係の無い人物の写真を竹田に手渡した、竹田はその写真を右手で

受け取り

「いや、知りませんが・・・・・」

「そうですか、分かりました、どうもありがとうございました」

久本主任と高橋は、その写真を受け取り署に戻り、鑑識課に持って行った

「悪いが、竹田藤男の指紋が付いている、至急、照合を頼むよ」

「はい、分かりました」

一方、中村刑事と清田刑事は、夕方5時過ぎに署を出て石田不動産に向かった

「すいません、午前中に伺った平塚警察ですが・・・・・」

すると中原有二と思える人物が椅子から立ち上がり

「はい、私に何か御用でしょうか?」

「あぁ、どうもすいません、実は貴方の弟さんの事件で捜査している者ですが、この人物

を、見た事がありませんか?」

と1枚の写真を手渡した、中原はそれを受け取り、見ていたが直ぐに

「いや、見た事が無い人ですね」

「そうですか、分かりました」

そう言って、再び写真を受け取り、中村と清田は直ぐに署に戻って、鑑識課に届けた

夕方、6時半、久本は刑事達を集めて

「長友誠一の車から出た指紋と竹田藤男と中原有二の指紋が一致したので、これから

任意同行に、手分けして行く事にする、逮捕状は今、取りに言っているので、署で逮捕

する事にする、では俺と高橋君、宮瀬君で竹田の自宅に行く、中村君達は中原有二

の自宅に行ってくれ」

そう言って2人の任意同行に向かった、7時半過ぎに竹田藤男が署に同行された

その30分後、中原有二が同行されて来た取調室で、久本主任は竹田藤男に

「君は長友誠一を知っているね、彼は昨夜の8時から9時の間に殺害された男だよ!」

「いや、そんな男は、知らないですね」

「それは可笑しいな、それじゃぁ、昨夜の8時から9時は、何処にいたんだ!」

「自宅にいましたよ」

「又、自宅か、嘘をつくな!奥さんは自宅にいなかったと言ってたぞ、お前はその時間

中原有二と一緒に長友の車の中で、奴の首を絞めていたんだろう!違うか!」

「知りませんね、そんな事」

「それなら、昨夜は何処にいたのか、ハッキリ言ってみろ! 言える訳が無いよな!

お前達は気が付かなかったろうが先日、お前と中原とスナック「サフラン」の二宮雅子

が店のボックス席で話しているのを後ろのボックス席で聞いていたのは、内の刑事

なんだよ、そうとも知らずに、お前達は話に夢中だったな、これがその時の写真だ!

良く見てみろ!」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「どうした、お前は北村信一もやったんだろう、違うのか?」

「・・・・・・・お、俺は北村はやって無い!」

「おーそうか、と言う事は、お前は昨夜は長友と一緒だったんだな!」

「・・・・・・・・・・・・・」

「それじゃぁ誰が、北村をやったんだ、まさかお前・・・・・・お前が北村殺しを長友誠一に

頼んだのか!それで「後100万出せ!」と脅されたのか?どうなんだ!」

「俺は長友にも、何も頼んでないよ!」

「いい加減にしろ!お前と中原以外に長友をやる人間はいないんだよ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

その時間、隣の取調室では中村刑事が中原有二を取り調べていた

「中村、お前は、昨日の夜、8時から9時の間、何処にいた!言ってみろよ!」

「家で飲んでいたよ」

「奥さんは、お前はまだ、帰って無かったと言ってたぞ!長友の車の中にいたんだな!

お前が長友をやったんだな!」

「俺は長友なんて男は知らないよ」

「そうか、先日、内の刑事がスナック「サフラン」で撮った写真だ、見てみろ!お前が

長友と竹田と写ってるじゃぁ無いか! いい加減に吐いたらどうだ! お前達がやった

んだろう」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「そうか、時間はたっぷりある、何時まで、そうしていられるかな?」

そう言って中村刑事は一旦、取調室を出た、部屋に戻ると久本主任が先に戻っていて

「どうだ、中原はゲロしたのか?」

「いや、以外にしぶといですね、まぁ、その内、落ちますよ」

「そうか、こちらもだ、これは俺の考えだが、もしかしたら竹田が北村信一殺しを長友

誠一に依頼したのかと考えたんだがな?どうかな?」

と、中村刑事が

「あぁ、そうですね、それも考えられますね」

「まぁ、時間はある、いずれ落ちるだろう」

そう言って久本は、お茶を一口飲んだ。

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因縁(17)

保雄は、よくよく考えると、施設の人間にも当然、守秘義務があるだろうから、話を

聞く事は無理だろうと思い、村田に電話した

「もしもし、俺だが、仕事中に大丈夫かな?」

「あぁ、いいよ、分かったよ中原有二の事だろう、彼は戸籍上は中原夫妻の養子と言う

事になっていたよ、元々、これは中原良子の実家の側の、根元産婦人科で話を聞く事

が出来たんだが良子は16年前に、そこの病院で修を出産してる、それと良子の話だと

夫の修一は、6歳の時に睾丸の病気をして、その医者に今後子供が出来ないかも知れ

ないと幼心に両親が話しているのを聞いていたんだそうだ、だから結婚して直ぐに養子

を取ったのかも知れないな」

「そうだったんだ、俺の方も有二が中原夫妻の養子と言う事は分ったよ、しかし実子の

修が生まれて中原夫妻は大喜びしたろうな、それで段々と自分の本当の子の可愛い

から、養子の有二には、冷たく当たるようになったと言う事だな」

「あぁ、そうだと思うよ」

保雄は

「しかし、中原修殺しと、この事をどう結び付けたらいいんだ、借りに有二が修を殺した

としたら、いったい動機は、何だと思う?」

「そうだな、もし有二がやるとしたら、財産しか無いな?」

「そうか、でも彼は修が殺害された当日の夕方5時から6時には石田不動産の事務所

にいた事は皆が証言しているから、有二にはやれない事になるな?・・・・・・処で例の

捜索願いが出た、長友誠一の方はどうした?」

「あぁ、恐らく今夜帰らなければ、長友の奥さんから又、電話があると思うが中原と竹田

が、あのスナックで何かを企んでいたと言うだけでは、彼らを引っ張る訳には行かない

んで様子を見るしか無いな」

保雄は

「お前、長友は奴等にやられたんじゃぁ無いかと思うか?」

「どうかな、話では長友が「後、100万出せと言っていた」と話していたが、多分何かを

竹田が長友に頼んだのか? とにかく長友に揺すられていた事は事実のようだったな」

「そうだ、多分、竹田は長友に何かを頼み足元を見た長友が「後、100万」と要求した

そう思うな」

「そうかも知れないな・・・・・悪いが仕事なんで、これで切るからな」

村田はそう言って電話を切った

翌日の朝、丹沢の山麓に畑を持っている農家の男性が山菜取りに山に入って林道の

淵に車のタイヤ痕らしい物が付いて、どうも車が、そこから崖下に転落したかのような

痕跡を見て110番して来た、秦野警察では直ぐ、刑事と鑑識官が現場検証に出掛けた

刑事は現場に着いて崖下を見たが、木が林のように下を覆っている為、崖下まで見る

事が出来ない為、ロープが用意されて、若い刑事がそのロープを伝って崖下に下りた

「おーい!下は、どうなってるー!」

と上の刑事が下に降りて行く刑事に言った

「はーい!紺色の乗用車が転落しています、待ってください車まで降りてみますから!

大変です!男性が・・・・・息がありません!もう、亡くなっているようです!」

「分った、これからレスキューを頼むので、上がって来ーい!」

「はーい!分りました!」

結局、警察はレスキュー隊に依頼して、車と遺体の引き上げに掛かる事になった

3時間後、車と遺体が林道に引き上げられた、車の中に男性の遺体があり捜査の結果

その車の車検証と運転免許証から遺体は、長友誠一26歳と判明した、死因は左腹の

刺し傷、数ヶ所と、運転席の後部から、何か紐状の物で首を絞められた絞殺が直接の

死因と判明した、死亡推定時刻は昨夜の8時から9時の間と分った、自家用車の中から

は数人の指紋と車の灰皿に数本のタバコの吸殻と100円ライターが見付かった

その翌日、指紋照合で妻の長友澄江以外の指紋が5人ほどある事が分ったが前科歴

のある指紋は長友誠一以外には無かった秦野警察は直ぐに平塚警察に連絡して来て

長友誠一が平塚市立野町12-3マンションで3階の2号と言う事で捜査する旨が電話

で伝えられた、電話を代わった平塚署の主任刑事の久本は

「はい、電話、代わりました、すいません、その害者は内の現在捜査中の殺害事件にも

関連性がありますので、合同捜査と言う事で、お願いしたいのですが?」

「分りました、それではそのように・・・・」

平塚署の主任刑事の久本は直ぐに捜査会議を開き、刑事達を集めた

「昨日の夜の8時から9時の間に一昨日、署に捜査願いを出して行った長友澄江の夫

の長友誠一26歳が、秦野市渋沢573の林道の崖下で車の中から遺体で発見された

死因は左腹部の数回に渡る刺し傷によるものと、後ろから首を紐状の物で絞められた

のが直接の死因で窒息死と言う事だ、車の中には数人の指紋が発見されたのとタバコ

の吸殻それにライターが発見されている、ライターからも指紋が発見されたが、いずれの

指紋も過去の前科歴は長友誠一以外は無い、そこで残った指紋の人物を当たって

貰いたいのだが、おおよその人物は恐らく、長友と関連がある、竹田藤男と中原有二で

は無いかと我々は見ている、そこで彼等達の指紋を悟られれ無いように取って来て貰い

たい、私と高橋君が竹田藤男に当たる中村君と清田君は中原有二を当たってくれ、もう

1度言うが、くれぐれも悟られないように指紋を取る事だ、他の刑事は今までの捜査の

続行を頼む」

久本主任は、そう言って会議を終え、それぞれ刑事は出掛けて行った。

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因縁(16)

その夜、先日、村田と一緒に来た、捜査課の川瀬清から電話があった

「こんばんは、先日はご馳走様でした、実は今日は、この前の竹田藤男の女性関係を

調査した処、市役所の同じ係りの伊籐啓子と言う25歳の女性と付き合っているような

噂があると聞き込みましたが、現在までその証拠は押さえてありません」

「そうか、どうもご苦労さま、その竹田藤男が言っていた長友と言う人間の事はまだだな」

「えぇ、今、捜査中です」

「ありがとう、又頼むよ、こちらは村田君に話してあるが、中原社長の奥さんの長男の

有二は、もしかして彼女が生んだ実子では無いかもしれないので捜査してくれるように

話してあるんだ」

「そうですか、分かりました、じゃぁ、おやすみなさい」

「あぁ、またな」

そう言って保雄は電話を切った

その翌日の朝、1人の女性が平塚警察署に捜索願いを提出しに来た、捜査課の高橋

刑事が話を聞くと

「主人が昨日の朝出たきり、まだ帰って来ていないんです、今迄こんな事は無かった

ので、心配になって、職場に電話して聞いたら昨日の夕方6時には帰ったと言われて

それで、朝まで待ってこちらに来ました」

「そうですか、一応、ご住所と電話番号と、ご主人のお名前と年を聞かせてください」

「はい、住所は市内の立野町12-3のマンションで、3階の2号室です電話は32-

****です、名前は長友誠一26歳です」

「それに貴女のお名前もお願いします」

「はい、長友澄江です」

「それと、すいません、勤め先は分かりますか?」

「えぇ、パチンコ店「デルデル」で働いています」

「そのパチンコ店は何処にありますか?」

「はい、宝町の山田酒店の隣です」

「分かりました、ただ奥さんまだ1晩だけでしょう、今日は帰って来るかも知れませんよ

気を落さずに待って見てください、それで帰らなかったら今度は電話で結構ですから

してくださいよ」

「分かりました、ありがとうございました」

そう言って、長友澄江は帰って行った、その後、警察は長友誠一の前歴を調べると

何と彼には傷害と窃盗の前科があった、その事は直ぐに村田から保雄に電話が入った

「俺だよ、先程だが、例の竹田藤男が中原に話していた長友と言う男の事だが、実は

今朝方、その奥さんと言う長友澄江25歳が警察に来て、夫の捜索願いを出して行った

と言う事だが、彼女が帰った後、内で長友誠一の前歴を調査した結果、彼には傷害と

窃盗の前があったよ」

「本当か、それが本当なら、中原は長友に何かしたかな、お前、そう思わないか?」

保雄は、そう思って村田に聞いた

「あぁ、そうだな中原が途中で話を止めたが、何か奴がたくらんでいたかも知れないな

警察は取り合えず、長友誠一を全力で捜査してみるよ、それと中原と竹田には尾行を

付けるように主任に話してみるよ」

「そうだな、俺も違う角度で、調査するよ」

そう言って保雄は電話を切った、保雄は今日も中原良子の自宅近くの家を聞き込んで

いた彼女の家から15メートルくらい離れた、野瀬と言う自宅のインターホンを押した

「はい、どちら様」

「すいません、私はこの近くで先日、殺人事件があった捜査をしている者ですが、中原

さんと言うお宅はご存知でしょうか?」

「あぁ、同じ町内会だから知ってるよ、可愛そうな事をしたね、まだ高校生らしいね・・・」

「そうなんですよ、それで中原さんの家の方とは、お話をした事はありましたか?」

「あぁ、奥さんとも、ご主人とも、何回もしてるよ」

「そうですか、すいません、処でご主人はもうここの土地には長く、お住みでしょうか?」

「あぁ、生まれてからずーとだから、もう60年近く住んでるかな?」

「そうですか、それじゃぁ、中原さんの奥さんが、もう30年くらい前、お腹が大きかった

事なんか覚えがありますか?」

「えーそれは分からないな、でも、息子さん?・・・・そうだ!ちょっと待ってよ、内の女房

に聞いてみるよ・・・・・」

と、彼は置くにいると思える奥さんに聞きに行ってくれた

「あぁ、どうも分かったよ中原の奥さんは確か、当時30年位前だが、お子さんが出来

なくて、悩んでいたと当時、近所の奥さんに話していたと、聞いた事があると女房が

言ってたよ」

「それは正確には、何年前の事か分かりますかね」

「今、内のを呼んでくるよ」

と言って奥から、奥さんと思える方が来て

「ハッキリとは言えないね、もう昔の事だから、中原さんの隣の川島さんの奥さんに

聞いたら分かるかも知れないよ」

「そうですか、そう言えば、お隣ではまだ聞いていませんでした、早速聞きに行って

来ます、ありがとうございました」

と言って、保雄は、お隣の川島と言う家の玄関で行って声を掛けた

「こんにちは」

「はい、どなたですか?」

「すいません、私は川崎探偵事務所の者ですが、実は、この近くの野瀬さんと言う家の

人から聞いて来たんですが、お隣の中原さんの奥さんが30年前にお子さんが出来無く

て、悩んでいたと、聞いたのですが、奥さんはその事を覚えていますか?」

「あぁ、覚えていますよ、それで養子に有二君を施設から引き取って、養子縁組をしたん

ですよ」

「そうでしたか、分かりました、で、その施設は何処か聞いては居ませんか?」

「確か、小田原に有るとは聞いてんですが、それ以上は?聞いていません・・・・・・」

「分りなした、どうもありがとうございました」

保雄は

「そうか、やはり有二は養子だったのか、しかし養子だからと言って弟の修をやるかな」

保雄はそこで、とにかく小田原に行って見る事にした。

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因縁(15)

保雄は事務所に一旦戻り、夜、竹田藤男の母親から錦町の自宅に行き話を聞いた

自宅は4畳半と6畳の2間続きの貸家造りのような感じの家だった、保雄は玄関で

「ごめんください」

と声を出して言った

「はい」

と、大分、古びたドアーが開き中から50代なかばくらいの女性が出て来た

「はい、どなたでしょうか?」

「すいません、私は北村信一殺害事件の捜査をしている者ですが、少し奥さんにお話

を伺いたくて来ました」

「はい、それで何でしょうか?」

「奥さんは30年前に、ご長男を出産されてから2年後に、この北村信一に、ご主人を

ひき逃げされて、亡くされたんでしたね」

「はい、そうですが・・・・」

「余計な事ですが、ご苦労されましたね・・・・・処で奥さんは9月7日の夜10時半から

11時半の間ですが、詰まり北村が殺害された夜ですが、何処で何をされていたか

教えて貰えますか?」

「えぇー、私を犯人と思っているんですか?」

「あーいや、お気を悪くされないでください、これは関係者の方全員に聞いている事です

から・・・・・」

「しかし、その時間なら普通は皆、寝ている時間でしょう、思い出せませんが多分寝て

いたとしか言えません」

「そうですか、奥さんは今、お一人で住んでいるんですよね、何故、お子さんと一緒に

住まれないんですか?」

「そんな事は、事件と関係無いでしょう」

「すいません、ただ物騒な世の中ですから、何かあると大変だと思いましてね、処で

お子さんの藤男さんとは、時々、お会いになるんですか?」

「いや、あの子は忙しそうにしていますから・・・・いいんです、私はまだ身体が動きます

のでね、すいません、今、夕飯を食べていた処なので、もう、いいでしょうか?」

「あぁ、すいません、どうもありがとうございました」

保雄は仕方なく事務所に戻った、事務所に戻ると所長の川崎が帰っていた、保雄は

「所長、ちょっと、お話したいんですが、今日「中原工業」の社長の奥さんの良子に

会って来たんですが彼女が、おかしな事を言いまして・・・・」

「おかしな事? 何だそれは?」

「えぇ、私が良子に「長男の有二さん会社の後を継がれないんですか」と聞いたんです

が、その時、良子は「本人がいやだと言ったので・・・・」と言いました、その時、良子は

「まさか有二が・・・」と言う事を小声で言ったんで私が「貴女は友人の青田弓江の自宅

に泊まっていたと彼女に証言させたとも考えられるんですよ、それなら貴女のアリバイ

は無いも同然ですが」と言った時、良子がいきなり「あんな男、長男でも何でも無い!

有二が本当に会社にいたか調べください」と確かに言いました、私は「奥さんその話は

本当ですか?」と聞くと、物凄く狼狽してとぼけた事を言いましたが、どうも、あの中原

親子には、何か特別な事情があるように、私には思われましたが・・・・」

「そうか、役所で戸籍謄本を取れば分かるんだが、今は身分証明書を見せないと受け

付けてくれないんだよな・・・どうかな、中原良子の近所の古い産婦人科か古い自宅の

おじいさんか、おばあさんに聞くのが1番いいんだがな?そうすれば良子が30年前に

出産してるか、いないかが分かるだろう」

「はい、そうですね、ありがとうございました、明日にでも早速調査します」

「あぁ、それじゃぁ、後を頼んだよ」

そう言って川崎所長は帰宅した、保雄は良く考えると

「やはり産婦人科に行くには警察でないと無理だな」

と思い、その事を村田に電話した

「もしもし、あぁ、俺だよ実はな「中原工業」の社長の妻の良子の事なんだが、彼女が

本当に30年前に長男の有二を出産してるかを捜査してくれないか?」

「えーどうして何だ、また?」

「いや、話すと長くなるんで、詰まり彼は本当の中原夫妻の実子であるかどうか、怪しく

なって来たんだ、それで、産婦人科に当たろうかと思ったが、やはり殺人事件だと

言わなければ、事実関係を産婦人科でも話してくれないと思ってな、それと役所での

中原の戸籍謄本も、身分証明書がないとダメらしいんだよ」

「そうか、分かった、警察で捜査するようにするよ、又連絡するよ、それじゃぁな」

「あぁ、頼むよ」

そう言って保雄は電話を置き、事務所を戸締りして帰宅した

翌日、保雄は中原社長の自宅の近所で、昔から住んでいると思われる自宅やお店を

探して保雄は話を聞く事にした、始めに如何にも老舗と言った感じの、蕎麦屋さんを

保雄は見付け入っていった

「いらっしゃいませ」

と、お茶を持って来た、お上さんに聞いてみた

「すいません、ちょっと伺いますがこの近くに「中原工業」と言う会社の社長さんの自宅

が有りますが、出前か何かした事はありますか?」

「あぁ、中原さんね、何回も有りますよ」

「そうですか、実は30年前ですがね、中原さんの奥さんが赤ちゃんを産んだような事は

覚えがありますか?」

「いや、気が付かなかったですが、30年前ね・・・・・・・・そうね、ただ当時・・・1、2歳の

息子さんが居たように思いますので、そうじゃぁないですかね?」

「すると奥さんは、そこの中原さんの奥さんがお腹が大きい所は見ていないんですね」

「それは見てないね、でも、それがどうかしたんですか?」

「いや、なんでも無いですが、そうですか?・・・・・分かりましたありがとうございました」

保雄は、お礼を言って蕎麦を食べて、他を当たる事にした、次に保雄は老舗の和菓子

店を見付けて、お店に入った

「はい、いらっしゃい」

「すいません、この和菓子を6ヶ頂けますか?」

「はい」

50代くらいのご主人が和菓子を取って菓子折りに入れてくれた、保雄は

「すいません、ちょっと伺いますが、この近くの先日息子さんが不幸に合われた中原さん

のお宅の奥さんを、ご存知ですか?」

「いや、時々、買いに来てくれていたとは聞いてるけど、私は話をした事が無いよ」

「そうですか、奥さんが相手をされたと言う事ですか?」

「そうだね、でも、いないよ、女房は先日、亡くなったんでね」

「すいません、失礼な事を伺いまして、すいません、どうもありがとうございました」

保雄は「迂闊だったな」と思い反省して、次の老舗を探す事にした、その後5軒ほど

聞いて歩いたが成果は無かった、結局、その日は事務所に帰り、自宅に帰宅した。

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因縁(14)

保雄は、久々に「明日は非番だ」と言う村田を誘って、飲みに行く事にした、7時に

駅前で待ち合わせると村田の後輩の川瀬清が着いて来た、3人は近くの居酒屋で

飲んで8時過ぎに、二宮雅子のいるスナック「サフラン」に入った、保雄と村田と川瀬は

店の中を見回すと何ともう退院したばかりの中原有二がボックスに座り、隣には雅子

が相手をしていた、保雄と村田と川瀬の3人は面が割れて無いので、堂々と中原が

座っている後ろのボックス席で、話を聞いてみる事にした、店の女性が来て

「何にしますか?」

と聞かれ保雄はビールを注文し3人はビールで乾杯した、保雄は後ろの席にいる

中原と雅子に聞き耳を立てていた、暫くして、店の入り口のドアーが開いて1人の男が

入って来た、その男は直ぐに奥にいる中原有二を見付けると、その席に着いた3人は

笑いながら乾杯して、その男は中原に

「どうなんだ傷は、まだ痛むのか?」

「あぁ、少し痛むが、横になってるほどでも無いからな、歩いたほうが早く治ると医者も

言っていたんでな」

と、言うとその男が

「処で、奥さんと別れられたのか?」

「あぁ、色々香織もごねたがね、一応、300万で決着したよ」

「そうか、それは良かった」

と雅子が

「お兄さんと有二さんは、生年月日が同じなんだね?珍しいわね」

竹田藤男は

「あぁ、それじゃぁここで、義兄弟の盃をあげるか、じゃぁ乾杯だ!乾杯!」

といいビールを飲みほし大笑いした、竹田は雅子に

「雅子ちゃん、悪いがちょっと中原さんと話しがあるんで、外してくれないか?」

「あぁ、そう分かったわ」

そう言って彼女はカウンターの中に入った、竹田は中原に小声で

「実はな、長友の野郎が、俺の足元見やがって「この前の100万じゃぁ足らないから後

100万出してくれないか?」と言ってるんだが、どうしょうか?」

「野郎、そんな事言ったのか!仕方ないな俺が何とかするから、お前明日の夜にでも

俺と・・・・・いや・・・・・後で、お前の携帯に電話するよ」

「そうか、明日だな」

「あぁ、そう明日電話する」

中原は後ろの席に人がいるのを気にしたのか、話をその場では話さなかった中原は

雅子にビールを頼んだ

後ろの席で刑事が聞き耳を立てている事など、彼等も知るよしが無かった

保雄は小声で

「そうか奴が竹田藤男なのか、処でお前、長友という名前、聞いた事があるか?」

「いや、初めて聞く名前だな?これは誰なのか捜査してみてくれるか?」

と村田は川瀬に言った

「はい、分かりました」

村田は小声で

「そうか竹田は市役所にいるんだったな、もしかしたら、その仕事関係の人間かな?」

「いや、分からんな?奴の中身は現在、全く不明なんだ、これは俺が盗み聞きしたんだ

が、竹田の妻の話だともしかしたら奴はは浮気しているいる、とかと話していたがな・・」

「ほー、そうなんだ、それも捜査する必要がありそうだな」

と捜査課の川瀬に村田が言った

「はい、その2件は一応、主任に話してみます」

保雄は小声で

「そうだな、処で、あの竹田の写真を撮りたいんで、お前、旨くカメラを隠してくれ」

と村田にデジタルカメラを影にして貰い写真を3枚ほど写した、保雄のデジタルカメラは

当然シャッター音が消去してある状態であった、保雄は以前、市民病院で竹田藤男の

妻の礼子と話していた二宮雅子が姉妹である事を思い出して村田にその話をしたのだ

村田は小声で

「そうか、それで二宮雅子が、中原に儀兄の竹田藤男を紹介したのか? しかし竹田

藤男には、北村信一が亡くなった時のアリバイはあるんだろう」

「あぁ、、その時間は家で寝ていたと言う事だ、詰まり、証言は家族だけだから、無いと

同じだな、状況証拠は確かに28年前に彼の父親が北村信一にひき逃げされて死亡

した、その仇を取ったと言う事だが、28年経ってからそんな事はやるはずが無いと妻

と本人も言っていると言う事だ」

「そうだな確か、他には物的証拠は無かったはずだったな」

「あぁ、物的証拠は何一つ無いんだが、刺した包丁でも見つかればいいんだが・・・・」

村田は小声で

「他に犯人と思われるのは確か北村信一の父親の前妻の子供の君島良二だが彼は

確かに北村から130万ほどの借金があるが、未だに返済していないと言う事だし現在

行方不明と言う事だ、警察は全国手配はしているがな」

保雄は

「俺は行き詰まってるが、まだ当たっていない竹田藤男の母親と中原有二の母親を

当たってみようと思ってるんだよ、警察は、何処からどう絞って捜査するのかな?」

「捜査課の考えだからな、やはり手詰まり状態は同じじゃぁ無いかな」

「そうか、分かった」

話は尽きなかったが、保雄達は中原や竹田藤男を残して10時頃にスナック「サフラン」

を後にして自宅に戻った、翌日、保雄は竹田藤男の母親の自宅を訪ねた、しかし平日

だった為、隣の家の人が

「そこの奥さんでしたら昼間は仕事に出ていますよ」

と教えてくれた

保雄は

「すいません、どちらにお勤めか分かりますか?」

「何でも、近くの「島村スーパー」で働いていると言う話ですよ」

「そうですか、どうもありがとうございました」

保雄は、夜にでも早い時間に来る事にして、次に「中原工業」の社長の妻の中原良子

の四之宮の自宅を訪ねた、保雄はインターホンを押した

「はい、どなたでしょうか?」

「すいませんが、たびたび捜査の関係者ですが・・・・」

「はい、今、開けます」

良子は保雄を刑事と勘違いしたのか、玄関を開けた

「どうも、すいません、亡くなられた修君のお母さんですね、大変失礼な事を伺いますが

実は今日伺ったのはお宅の、ご長男の有二さんの事ですが、有二さんは長男なのに

どうして、家の仕事を継が無いのかと思いましてね、何か理由が、お有りなのかと思い

ましてね・・・・・」

「いや・・・・・息子が・・・いやと言うからです・・・・・・」

「そうですか、しかし今後は後継ぎに困りますね、すいません、失礼な事、言いました」

良子は小声で

「そう・・・・まさか有二が・・・・・・」

「どうされたんですか?」

「いや、こちらの事です」

保雄は

「そうか、良子は有二が修を殺した犯人ではと、考えたのかな?」

と思って

「有二さんは事件当日は例の石田不動産の中で仕事をしていたと言う事ですが、確か

奥さんは、友人のお宅に泊まっていたと言う事ですが・・・・その青田弓江さんは確かに

そのように証言をしていますが、その裏は取れません、詰まり青田さんは貴女から

頼まれて嘘を言っている可能性もある訳です、そうでは無いですか?」

「何を言っているんですか? 私は間違い無く、彼女の自宅に居ました、それよりも

有二が本当に仕事場に居たのか調べてください」

保雄は

「奥さん、貴女は、ご長男を犯人と思ってるんですか?」

「あんな男、長男でも何でもありません!」

「奥さん、それは、本当ですか?」

「あぁ、・・・・・・・いや、・・・・私は調べたのかと言う話をしただけです、もうーいいですよ

帰って貰えませんか?」

良子は狼狽していた

「そうですか、分かりました、失礼します」

そう言って保雄は

「これは、おかしな事になって来たな?裏に何かありそうだ?」

と思って保雄は車に戻った。

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因縁(13)

保雄は西湘バイバスで小田原に着くと国道1号を右折して東町3-16番地を探した

そこは一般的な2階建ての木造アパートだった、保雄は1階の1番角の部屋のチャイム

を鳴らした、ドアーが開いて

「はい、どなたですか?」

と60代ほどの女性が出て来た、保雄は

「すいません、私はある調査をしている者ですが、このマンションに石川直子さんと言う

方はいますでしょうか?」

「あぁ、直子ちゃんね、彼女はもう、5年位前にお嫁に行きましたよ」

「そうですか、それで何処に、お嫁に行かれたか分かりますか?」

「何か横浜だと聞いていますが、この上にまだ、ご両親が住んでいますから直接聞いて

くださいよ」

「あぁ、そうですか、分かりました」

保雄は階段を上がり石川と言う家のチャイムを押した

「はい、石川ですが・・・・」

「すいません、私は探偵事務所の者ですが、ある平塚で起きた事件の事で、お宅の

直子さんが、平塚にいる旧姓北村香織さんの、お友達と聞きまして、直子さんに少し

お話を伺いたくて来たんですが今、直子さんはお嫁に行かれたと聞きましたんですが

どちらに行かれたか、教えて貰えませんでしょうか?」

「あぁ、同級生の香織さんの事ですか?」

「そうなんです、香織さんが今、行方不明になっていまして・・・・ですから直子さんに

何処に彼女がいるのか、知っているのか聞いてみたいので、直子さんの嫁ぎ先が

知りたいのですが?」

「そうですか、直子は横浜にお嫁に行っています、場所は旭区四季美台5-17ですよ

今、電話して聞いてみましょうか?」

「そうですか、それはすいません」

石川直子の母親は嫁いだ娘の所に電話した、暫く待ったが彼女は留守のようだった

「いないようだね」

母親はそう言って受話器を置いた

「あぁ、いいですよこれから横浜に行こうと思いますので、それで苗字が代わってると

思いますが?今の苗字は何と?・・・・」

「はい、清村ですよ」

「分かりました、どうも、お忙しい処、ありがとうございました」

と、言って保雄は小田原厚木高速道路に乗って厚木に出てそこから大和を抜け横浜

の旭区に着いた保雄は、交番を探して聞いてみた

「すいません、旭区四季美台5-17の清村さんと言う自宅に行きたいのですが、どう

行ったらいいでしょうか?」

「ちょっと待って」

と、言って警官は交番の中の机に地図を広げて探してくれた

「ここだよ、ここがそうだから、今、現在地はここだから・・・・」

保雄は手帳に地図を見て簡単にメモをして

「分かりました、どうもありがとうございました」

とお礼を言って、四季美台の清村直子の自宅に向かった、この当たりは建売住宅で

清村直子の自宅も真新しかった、保雄はインターホンを押した

「はい、清村ですが」

「すいません、私は平塚の北村明子さんから貴女の事を伺って来ました、探偵ですが

実は今、北村香織さんが行く不明になってまして、同級生の貴女なら居所を知って

いるのでは無いかと聞いて来ましたんですが、彼女の居所は、お分かりでしょうか?」

「・・・・・・・・・・そうでしたか、実は私の処に今いるんですよ、事情は私に全て話してくれ

ましたので、私は彼女に早く警察に行った方が、言いと言っているのですが・・・・・・」

「そうですか?私は彼女から、ある依頼を受けています、すいませんが香織さんに

会わせて頂けませんか?」

「そうですか?今、彼女に聞いてみます」

暫くして、玄関ドアーが開いて、20代後半くらいの女性が出て来た

「すいません、どうぞ、お入りください」

保雄はそう言われて、玄関から上がり応接室に通された、ソファーに座り待っていると

そこに

「どうも、すいません、依頼したままで・・・・・」

と中原香織が入って来た、保雄は

「奥さん、ご主人は、軽い傷ですから早く警察に行って話した方がいいですよ、夫婦の

間の事ですから、そんなに大事にはなりませんよ、いかがでしょうかこれから私の車で

警察の側まで送りますので、行きませんか?」

「はい・・・・・・・・・・そうですね、・・・・・・・・分かりました、それでは、お願いします」

彼女は友人の清村直子に話をして保雄の車で平塚警察の側で降りた、保雄は香織に

「お父さんの捜査は今、続行してやっていますので、暫く時間が掛かると思いますが・・」

と、言って事務所に戻った

平塚警察に出頭した香織は

「すいません、今、市民病院に入院してます、中原有二の妻の中原香織です、どうも

お騒がせしました」

「えー中川香織さんですね、ちょっと待ってください」

と受付の警官が電話して聞いていた

「今、係りが来ますから、お待ちください」

それから直ぐに捜査課から高橋刑事が2階から降りて来て

「中原香織さんですね、一緒に上に来てください」

「はい」

香織はその後に続き、取調室に入れられて事情聴取を受けた、結局香織は夫婦間で

話し合いをすると言う事で警察では示談で済ませてくれる事になり釈放された、その後

夫との話し合いで離婚と言う結果になった、彼女は持ち出した金額の中から300万を

慰謝料として夫から受け取り、取り合えず実家に戻った

平塚警察の久本主任と高橋刑事は翌日、市内の虹ヶ浜12-6のマンションを訪ねて

「中原工業」の社長の愛人である千葉由美子の部屋を探して聞き込む事にした

インターホンを高橋刑事が押した

「はい、どなたでしょうか?」

「すいません、警察ですが、ちょっと、お話を伺いたのですが・・・・・」

「はい、いま・・・・」

玄関ドアーが開いて40代くらいの女性が出て来た

「どうも、すいません、実は貴女は「中原工業」と言う会社の社長さんともう数年お付き

合いをされていると伺いまして・・・・・・・その事は間違い無いですね」

「はい、間違い無いです・・・・」

「実は、もうご存知と思いますが中原社長の息子さんの修君が殺害されました9月13日

の夕方5時から6時の間は貴女は何処で何をされていたのか、これは関係者の皆さん

全員に聞いてる事ですので、お答えください」

「はい、でも、もう3週間くらい前ですね、ちょっと待ってください、えーその日は金曜日

ですか・・・・あ!そう社長さんが夜、会議が終わってから来ると電話がありましたので

買い物に近くの、山田スーパーに行って、その後、お料理を作っていました、間違い

ありません」

「そうですか、分かりました、又何かありましたら伺います、どうもお邪魔しました」

その後、主任の久本と高橋刑事は当然、彼女から聞いた証言の裏取りをしたが全く

間違いは無かった。

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因縁(12)

保雄は昼食を済ませて、再び宝町の竹田藤男のマンションを訪ねた、保雄は

インターホンを押して待つと

「はい、竹田ですが・・・・」

「すいません、私は先程伺いました探偵事務所の者ですが、すいませんが少しお話を

聞きたくて伺いました」

「はい、今、玄関を開けますから」

玄関が開いて、保雄はその女性の顔を見て「はっ!」と息を呑んだ

「どうかされましたか?」

「い、いや、失礼しました、実はもう新聞その他でご存知と思いますが、先日、見付町で

北村信一さんと言う方が殺害されまして・・・」

「あぁ、その事でしたら、先日も刑事さんがこられまして、色々と聞いていかれましたが

もう26年も前の事で今更、内の夫が父親が殺されたからと言ってその北村さんを殺す

事なんて考えられませんし、本人も当日のアリバイは警察の方に話しているはずです」

「そうですか、それでご主人は事件当日の夜10時半から11時半はどうされていたのか

お分かりでしょうか?」

妻の礼子は

「確かその時間でしたら、自宅で寝る時間でしたから、寝ていたと思いますよ」

「そうですか、分かりました、ありがとうございました」

そう言って保雄は竹田のマンションを後にしたが

「いや、驚いたな、さっき病院で見た二宮雅子の姉さんが竹田藤男の奥さんだったとは

そうするともしかしたら、竹田藤男と中原有二は二宮雅子を通して、知り合いかも知れ

ないな、竹田藤男には当日のアリバイは無いと同じだな、一応、竹田藤男をこれから

尾行してみる必要があるな」

そう思って保雄は事務所に戻った、その頃、平塚警察の中村刑事と清田刑事は

中原修の自宅の西の方角に、駐車場があるかと歩いていた、と清田が

「あ!、あそこにあります」

「あぁ、ここの有料駐車場がやはり1番近いな、恐らくホシはここに車を止めていたん

だろう、無人のコイン駐車場だからナンバーとかは無理だなこれは」

「そうですね、後はその当時の目撃者探しですね、夕方5時から6時だから、誰かが

見ていても可笑しく無いので、近所のお宅を当たって見ましょう」

と、その駐車場近くの自宅を手分けして当たってみた、しかしもう今日は9月26日で

あれから2週間半くらい経っていたので、誰も不振な人物を見たと言う証言は無かった

その頃、主任の久本刑事と高橋刑事は「中原工業」を訪ね、専務の中原良雄に話を

聞いていた

「中原さん、どうもお忙しい処すいません、今日、伺ったのは先日殺害された修君の

事ですが、貴方は修君から誰かに怨まれているような事は聞いていませんでしたか?」

「いや、全く分かりません、ただもしかしたら、間違えられたのでは無いかと私は思った

んですが・・・・・」

「ほー、誰にでしょうか?」

「多分、社長では無いかと」

「どうして、そう思ったんでしょうか?」

「いや、修と兄は声が本当に良く似ているので、単純にそう思ったんですが」

「そうですか、社長は、社内では、余り快く思っていなかった人がいたんですか?」

「それは、兄も人間ですから何人かはいたと思いますよ兄はワンマン社長ですからね」

「大変、ぶしつけな質問ですいませんが、社長さんには奥さん以外に女性関係は如何

でしたでしょうか?」

「それは、ここだけの話にしてください、兄には千葉由美子さんと言う女性とはもう5年

以上の付き合いで・・・・・」

「その千葉由美子さんは何歳くらいの方で、住まいは、ご存知でしょうか?」

「ちょっと待っていてください」

と、彼は机の引き出しから手帳を取り出して見て

「すいませんが、私が話した事は内緒にして置いて貰えますか」

「はい、分かっています」

と久本が言った

「えぇー市内の虹ヶ浜12-6です、確かマンションと聞いてますが、何階にいるのかは

知りません、年は確か41歳と聞いています」

「分かりました、最後にこれは関係者の方全員に聞いている事なのですが貴方は事件

当日の9月13日夕方5時から6時には、どちらにいられました?」

「私のアリバイですか?ちょっと、待ってください」

と又、手帳を見て

「えー9月13日は夕方5時半から会議がありまして、ここの上の社長室で7時半まで

やっていますね」

「すうですか、そこでの会議に出た方々は分かっていますね」

「はい、それは、事務所で調べれば直ぐ分かります」

「そうですか?分かりました、どうもありがとうございました」

そう言って久本と高橋の両刑事は署に戻った

保雄は中原香織がいったい何処に行ったのか調べる為、香織の母親の北村明子の

自宅を訪ねた

「こんにちは、たびたび伺いまして、すいません、奥さん今度伺ったのは娘さんの香織

さんの事なのですが、出来ましたら香織さんの高校の同級生名簿を拝見したいと思い

まして、来たんですが?・・・・」

「そうですか?何処にあるか今、探して見ますので、お待ちください」

暫く待っていると

「ありましたよ、これが高校の同級生名簿です」

「すいません、見せて頂きます」

保雄は、その名簿を見ながら

「奥さんこの中で、香織さんが特に仲が良かった方は何方か分かりますか?」

「はい、この方です」

と明子はその写真を指差して

「石川直子さんです、彼女は家に何回か来ていますので覚えています」

「そうですか、他にはいませんか?」

「いや、その石川さんだけだったと思います」

「住所は・・・・・あぁ、裏に書いてありますね」

保雄はその石川直子の住所をメモして

「どうも、奥さんお手数掛けました、ありがとうございました」

と、言って保雄は車で小田原に向かった。

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因縁(11)

「妻に刺された」

と市民病院に運ばれた有二は、つい病院の看護師に言ってしまった、看護師は

傷害事件として警察に連絡してしまった、平塚警察の主任刑事の久本と高橋刑事が

市民病院に着いて医師に話しを聞いていた、久本は応急手当が終わり傷の浅かった

有二の所に話を聞きに病室に行った

「すいません、警察ですが今、先生の許可を貰っていますので、少しお話を聞かせて

ください、貴方のお名前は中原有二さんですね、すいませんが住所と電話番号を聞か

せてください」

「はい、八重咲町2-25、マンションの3階5号です、電話は23-****です」

「すいませんが、お仕事は何を・・・・」

「はい、見付町にある、石田不動産です」

「そうですか、処でどうして、奥さんに刺されたのか、その訳を聞かせてください」

「いや、夫婦の間の事ですから、ただの喧嘩ですよ、良くある事です」

「しかし、刺されたんでしょう奥さんに、奥さんは自宅にいないと言う事でしたよ、奥さん

が行くような所は、ご存知ですか?奥さんから話だけは聞きませんとね、夫婦間でも

傷害事件と言う事には違い無いのでね、それと、一応、警察は誰でも疑うのが仕事

ですから、伺いますが弟の修さんの殺害された当日の13日の夕方5時から6時の間

の貴方のアリバイを伺って置きます」

「えー、今度は私が、弟まで殺したと思われているんですか?」

久本は

「すいませんが、お答えください」

「当日は確か、事務所に戻って仕事中だったと思います、同僚の者か事務員に聞いて

見てください」

「そうですか、分かりました、後で聞きに伺います、それで、奥さんは何処にいるのか

分かりますか?」

と久本は言った、中原は

「実家にいるかも知れません」

「奥さんの名前を教えてください、中原、何と言うんですか?」

「香織です、中原香織です」

「その実家の住所は何処でしょうか?」

「市内の見付町23-7です」

「あぁ、そこの住所は?もしかして先日、北村信一さんが殺害されましたがそうすると

奥さんは北村さんの娘さんですか?」

「はい、そうです」

「分かりました、お大事にどうぞ、また伺う事もありますので、その時は宜しく・・・・」

「お邪魔しました」

と、言って久本刑事とと高橋刑事は、その足で見付町の北村運送に行った

「こんにちは」

「はい、何か?」

「すいません、平塚警察ですが、実はお宅の娘さんの香織さんがご主人と喧嘩して

ご主人をナイフで刺して何処かに逃げていますが、こちらには来ていませんか?」

「えー!本当ですか・・・・で有二さんは、どんな具合いでしょうか?」

「えぇ、傷は浅かったので、4、5日で退院できるそうです」

「そうですか、安心しました、でも香織が何で又・・・香織は彼の浮気に悩んでいました

ので、もしかしたらその事かも・・・・・」

「そうですか、出来ましたら、お母さんと一緒に、香織さんの自宅マンションに伺いたい

のですが、かまいませんか?」

「あぁ、いいですよ、私も香織から話を聞きたいですから」

そう言って久本は、香織の母親の明子を覆面パトカーに載せて香織のマンションに

行って、管理人から鍵を借りて中に入った、最初に目に飛び込んで来たのは、机の

上の保雄が書いた調査報告書と写真だった、明子は

「香織!いるの!・・・・・・これは、やはり有二さんには、女がいたんですね」

「香織さんはいませんね、これを見るとやはり喧嘩の原因はご主人の浮気と言う事で

すね」

「はい、以前から香織には、そのような事を聞いてはいましたが、まさかこんな事に

なってるとは思いませんでした」

「しかし取り合えずは、香織さんから話を聞くのが我々の仕事なので、香織さんの

後、行きそうな所はご存知無いでしょうか?」

「分かりません、多分、友人の所だと思いますが、名前も住所も私は知らないんです」

「そうですか・・・・」

と、言って久本と高橋の両刑事は彼女を自宅に送り、見付町にある石田不動産に

行って、そこの事務員に聞いた

「すいません、平塚警察です、実はこちらにいる中原有二さんの9月13日の夕方5時

から6時頃のアリバイですが、彼はこの事務所にいたと言っていますが、その話は

本当でしょうか?」

女性の事務員は

「えぇ、はい、ちょっと、お待ちください」

と他の男性に聞きに行った、直ぐに戻ると

「はい、確かに9月13日の夕方は7時まではここで仕事をしていたはずです、中原が

何かしたんでしょうか?」

「いや、ちょっとした事です、分かりました、どうもお邪魔しました」

と言って久本と高橋の両刑事は一旦、署に戻った

翌日、保雄は竹田藤男の自宅に行く前に、市民病院に行き3階のナースステーション

に行き

「すいません、中原有二は、何時頃の退院予定ですか?」

と看護師に聞いた

「ちょっと待ってください、えー中原有二さんは明後日の退院予定ですよ」

「分かりました、どうもありがとうございました」

と言って帰る途中に玄関ホールの待合室で2人の女性が話しているのに気が付いた

「あ!・・・あれは二宮雅子だ、そうか中原の見舞いに来たんだな、もう一人は誰かな」

保雄は顔を知られてい無いので、堂々と彼女達が話している真後ろのソファーに

座って聞き耳を立てて話を聞いた、二宮雅子が

「おねーちゃん、それでお母さんは元気?暫く電話して無かったので・・・・・」

「えぇ、相変わらず元気で働いてるわよ、それより最近、藤男が良く飲んで帰るように

なって来て喧嘩ばかりよ、この前は帰って来たのが午前3時よ、全く、それで聞いてよ

「最近は上司に誘われて断れないんだよ」て言うので「身体だけは大事にしてね」

と言って置いたけど?もしかして浮気でもしてるのかしら?」

「そんな事無いわよ、藤男兄さんは係長でしょ、課長になるチャンスだから頑張ってる

のじゃぁ無いの」

「そうかな、それならいいんだけど」

保雄はソファーから立ち上がって病院の玄関を出て車に戻り

「そうか、二宮雅子には実姉がいたのか?」

と次に竹田藤男が住む宝町の賃貸マンションを訪ねた、インターホンを押すと

「はい、どなたですか?」

「すいません、私はある事件の捜査をしている者ですが、竹田藤男さんの奥さんで

しょうか?」

「いや、私は彼女に頼まれた、留守番の者ですが」

「すいませんが、こちらの奥さんは、何時頃お帰りでしょうか?」

「そうですね「お昼までには多分帰れると思う」と言って出て行きましたので・・・・」

「そうですか、分かりました、又その頃に伺います、どうもお邪魔しました」

と保雄は言って

「何処かで腹ごしらえでもしょう」

そう思って保雄は、車の置ける中華店を探した。

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