偽装(2)
小田原警察の主任刑事は
「すいません、お忙しい処、しかしこれは殺人事件ですから、ご協力を宜しくお願い
します、それでは部屋の若い番号順に、お話を伺いますので、初めに斉藤さん
ご夫妻から、こちらに来てください」
そう言って刑事達は順番に、昨夜のアリバイをちょうど10名の人達に順番に話を
聞いた、その中で平塚の人間が3人いた、511号室に会社の出張と言う事で
宿泊していた市川信男50歳で平塚市松風町3-26の「コーポ石田」と言う
アパートに現在独身で住んでいた、職業は月刊誌「月刊スポット」の記者兼
カメラマンであった、もう1組は平塚市虹ヶ浜23-7「パーク、イン」と言うマンション
に住む507号室にいた宮川秀明30歳と宮川順子26歳の夫婦であった
後の7名は別の県から来た人間であったので、住所、名前、生年月日、電話番号
を聞いて身元確認の上帰って貰う事にしたが、連絡は直ぐに取れるようにして置い
てくれといい、帰宅して貰った
主任刑事は、残った3人の内、独身の市川信男のアリバイを聞いた
「市川さん、貴方は昨夜の7時から9時の間は、どちらにいましたか?」
「部屋にいたに決まってるでしょう、従業員の方に聞いてくださいよ、あとは風呂に
10時頃に行きましたが・・・・・」
主任刑事は
「そこを誰かに見られましたか?」
「確か従業員の方と出会ってるはずですよ、風呂には私の他に2人いましたよ」
「そうですか、どんな人だったか覚えていますか?」
「1人は40代くらいの方で髪の毛が長かったです、もう1人も同じくらいの年で
坊主頭の方でしたね」
「そうですか、こちらで聞いて調べてみましょう」
次に刑事は宮川秀明、順子夫妻に聞いた
「すいません、ご夫妻は昨夜は7時から9時の間は、どうされていましたか?」
「部屋で飲んでましたよ、それから9時には2人とも酔っ払って疲れていたので
直ぐに寝てしまいましたよ、そう確か従業員の方に、お酒を持って来て貰いました
ので聞いてくださいよ」
「そうですか、処で、これからどちらか、ご旅行に行かれるんですか?大きな旅行
バッグを持ってられるんで?・・・・・」
「いや、九州からの帰りです1週間向こうにいたのでね、直接、平塚に帰る予定で
いたのですが、ちょっと都合が出来まして今日になりました」
「出来たましたら、その都合と言うのを聞かせて貰えませんか?」
「あぁ、いいですよ、妻の友人が市橋産婦人科で出産しまして、そこに見舞いに
行ったんです」
「そうですか、その友人の方のお名前は?」
「古川裕子さんといいます」
と順子が答えた
「そうですか、分かりました、お土産が一杯なんでしょうね、又、伺う時は、ご協力
お願いします」
そう言って刑事はフロントで彼達、3人の身元確認をした上で開放した
当然、警察は平塚の3人のアリバイの裏は取って確認したが間違い無かった
又、死亡推定時刻には平塚の人間を含めて5階の人間には全員アリバイがある事
を確認したので、ホテル全員の昨夜の宿泊者名簿から捜査に当たる事となった。
その夜、豊田保雄の所に平塚警察の鑑識課の友人の村田亮から電話があった
「ようー俺だよ、実は今日、小田原の海浜ホテルで平塚のあの和菓子会社の
「三ヶ月堂」と言う会社の社長婦人の妹の夫で川田誠55歳が首を吊って自殺した
と思われたが、実は彼の紺スーツに雑草が付着していたんだそうだよ、だから
もしかしたら、別の処で首を絞められてホテルで偽装自殺に見せ掛けたのではと
警察は考えたらしいが、どうも殺害された階の人間達には全員にアリバイがある
らしいんだよ?」
保雄は
「と言う事は別の階の人間と言う事か?それは大変だな処で指紋や足跡は取れた
のか?それと死亡推定時刻は何時なんだ?」
「あぁ、指紋の採取は出来たが、足跡は無理だったよ、ホテルでは人出入りが多い
から大変だよ、それと死亡推定時刻は、昨夜5月15日の、夜7時、から9時の間
と言う事だよ」
「そうか早い時間だな、その川田誠は誰かに殺されるような動機があったのか?」
「いや、まだ捜査中だから、何とも言えないよ」
「処で、現場の同じ階に宿泊していた中に平塚の人間が3人いたらしいな?テレビ
で、やっていたんでな」
「そうなんだよ、刑事課では、その3人を取り合えずアリバイはあるが、裏取り捜査
するらしいよ」
「そうか、それじゃぁ、俺にその3人の住所と名前を聞かせてくれないか、後写真を
送っておいてくれると有り難いんだがな・・・・・」
「川崎探偵事務所宛でいいのか?分ったよ、もうニュースでも流れている事だしな
まず、1人目が市内松風町3-26「コーポ石田」と言うアパートにいる市川信男
50歳と言う事だ、その次は宮川秀雄、順子と言う30歳と26歳の夫婦だよ住所は
市内虹ヶ浜23-7で「パーク、イン」と言うマンションだそうだよ」
「そうか分ったよ、ありがとう、俺の方は相変わらず不倫調査が多いよ」
と、保雄は笑いながら話した、村田は
「そうか、殺害されたのが平塚の人間なので、小田原署と合同捜査と言う事だよ」
「そうか、まぁ、確りやってくれ!俺の空いてる時間なら何時ものように協力するよ」
「分った、そうだな、それじゃぁまた」
そう言って村田は電話を切った。
葬儀が終わった次の日、平塚警察の刑事課では4日前、川田誠の解剖の結果
絞殺と決まったと、小田原署から連絡が入った、その後、川田誠の勤め先と
交友関係を洗う事になった、久本主任と高橋刑事は、害者の働く和菓子会社の
「三ヶ月堂」を訪ね、受付で聞いた
「こんにちは、すいません、平塚警察ですが15日に殺害された川田誠さんの事で
少し、お話を聞かせて頂きたいのですが・・・・」
「少々、お待ちください」
と受付の女性は何処かに電話した
「すいません課長が、お話しするそうです、どうぞこちらに」
と言って事務員は2人を応接室に案内した
「どうぞ、お座りになって、お持ちください」
と言われ2人はソファーに腰を降ろした、暫くすると
「どうも、お待たせしました、先日言われました、叔父の高校の卒業者名簿です
やはり叔父は誰かに殺されたんですか?」
「そのように思われますそれとすいません、この名簿を暫く預かってもいいですか」
「あぁ、いいですよ、どうぞ」
「それではお預かりします、処で先日は川田誠さんは仕事で小田原に行かれた
と聞きましたが、その時、会われた方は当然こちらで、お分かりだと思いますが
どなたでしょうか?」
「はい、小田原の「有、広中不動産」と言う会社の専務と会ったと思いますが」
「その場所は、何処にあるか、お分かりですか?」
「はい、ちょっとお待ちください」
と彼は手帳を出して
「小田原市本町2-4-16です、マンションの1階です、自宅はそこの上ですね」
「そうですか、分かりました、それではこの名簿は預かります、どうも今日は
ありがとうございました」
主任の久本と高橋刑事はその足で小田原に向かった。
一方その頃、川崎探偵事務所に1人の30代くらいの女性が尋ねて来た
保雄が応対すると
「私は大島美代子といいます、実は夫が数日前から行方が分らないので、こちらで
探してほしいのですが?以前も1度こんな事が会ったので警察沙汰にはしたく無い
もので・・・・・」
「そうですか、数日前とは、だいたい何時頃でしょうか?」
「そう、今月の初め頃です」
「えーもう1ヶ月も前ですか?奥さんそれで警察にも届けなかったんですか?」
「えー前にも1ヶ月くらい、帰らない事がありましたので・・・・・・」
「そうですか、それでは、探される方の名前と住所、年齢、お勤め先、電話番号を
お願いします、それで今日は写真を持って来て貰えましたか?」
「はい、これが内の主人ですが・・・・」
「それでは、ここの用紙に書いてください」
と保雄は作成してある用紙を出して書いて貰った
「これで、いいでしょうか?」
「はい、お名前が大島清次さん住所が桃浜町12-25「コーポ大塚」ですね年齢は
37歳ですね勤め先が紅谷町の「三ヶ月堂」さんですか、それで奥さんご主人が
出て行ってしまった理由は分りますか、それに、ご主人は誰かに恨まれるような事
は無かったでしょうか?」
「いや、全くそんな、素振りが無かったんで、分りませんが・・・・・」
「当然、会社の方には聞かれたんでしょう」
「はい、聞いたんですが皆、分らないと言う事で・・・・・こちらで、宜しくお願いします」
「分りました、調査が終わりましたら電話します、明日から早速、調査しますので
お代金の方は、全て終わってから請求させて貰いますので、お願いします・・・・」
と保雄が言うと
「はい、分りました、それでは宜しくお願いします」
といい彼女は帰って行った。
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