偽装(10)
横浜の南区三王町の宮川順子の実家はかなり古めかしい借家と言う感じだった
高橋刑事と石川刑事は玄関の表札を見た、そこには彼女の旧姓だろうか久保田
と出ていた、高橋刑事は
「そうか、彼女の旧姓は久保田なのか・・・・・」
「こんにちは、ごめんください!」
と石川刑事が声上げて言った
「はい、今、開けます」
と中から声がして玄関の引き戸がガラガラと開いて60代と思える男性が出て来た
「突然すいません、平塚警察ですが・・・・・」
と高橋刑事が警察手帳を見せて言った
「はい、何でしょうか?」
「実はお宅に順子さんと言う、平塚にお嫁に行った娘さんが居ると思いますが・・・・
その順子さんは今、こちらにいますか?」
「いや、いませんよ、もう半年くらい連絡が無いんです」
「そうですか、すいませんが、この近くに順子さんと幼馴染の本田綾子さんと言う方
のお宅はあると聞いて来たんですが、ご存知でしょうか?」
「はい、綾子ちゃんの家なら、あそこに赤い郵便ポストがあるでしょう、そこの前の
家ですよ」
「そうですか、どうもありがとうございました」
「あぁ、でも綾子ちゃんは、お嫁に行って、今はそこにはいませんよ」
「そうですか、そこに綾子さんの両親が住んでいるんですね」
「はい、いると思いますので聞いてください」
「どうも、ありがとうございました」
そう言うと2人は2、30メートル先の本田綾子の実家に向かった。
本田綾子の家は最近、新築したのか真新しい家だった、高橋刑事がインターホンを
押した
「はい、どちらさまですか?」
「すいません、私は平塚警察の者ですが娘さんの綾子さんは、お出ででしょうか?」
「はい、ちょっとお待ちください」
と言って、玄関が開いて40代前後の女性が出て来た
「あぁ、どうもすいません、警察ですが・・・・・」
「はい、綾子さんは大和市の方にお嫁に行っていますよ」
「そうですか、すいませんが、そこの住所は分かりますか?」
「えぇ、大和市深見東2-5-16ですが・・・・」
「そうですか、どうもありがとうございました、失礼します」
そう言って高橋刑事と石川刑事は神奈川県大和市に向かった
刑事2人は大和駅近くで交番を探した
「こんにちは、すいません、大和市深見東2-5-16の本田さんと言う家に行く
には、どう行ったらいいですかね」
と高橋刑事は警察手帳を見せた、それを見た警官は直立不動で敬礼した
「いや、いいんだよ、この辺の地図を見たいんだが・・・・・」
「はい、今お出しします」
そう言うと警官は直ぐに本棚の中から地図を出して来た
「すいませんね」
と高橋刑事はそれを広げて深見東・・・・すいませんね現在地はどの当たりかな?」
「ここがそうです」
と警官は指で指した
「すいません、あぁ、わかった、ここに2-5-16とある、どうもありがとう」
高橋刑事は簡単にメモして覆面パトカーに乗った、その後、車は5-16の
二宮昭雄と表札のある家にたどり着いた、石川刑事はその家の前で車を止めて
玄関脇のインターホンを押した
「はい、どちらさまですか?」
「すいませんが、平塚警察といいますが、そちらに旧姓、本田綾子さんと言う方は
おいででしょうか?」
「あ・・・はい、私ですが・・・・・」
「すいません、ちょっと、伺いたい事があるのですが、出て来て頂けますか?」
「・・・・今、1人ですが・・・・いや今、開けますから・・・・」
直ぐに玄関ドアーが開き、20代半ばの女性が出て来た
「どうもすいません、貴女の幼馴染の宮川順子さんを知ってられますか?」
「はい、知っています・・・」
「今、我々は、その順子さんを探しているんですが・・・こちらに来るかも知れません
ので、その時は警察の方に連絡を入れて・・・・」
と言った時、部屋の置くの方から「ガチャン」と茶碗を床に落して割ったような音が
聞こえて来た
「奥さん、誰かいるんですか?」
「あぁ、いや・・・猫です、すいません・・・・」
高橋刑事は一瞬、彼女の不安そうな顔を見逃さなかった
「そうですか、それでは順子さんが来ましたら必ず電話をしてくださいお願いします」
と言うと2人は、旧姓、本田綾子の自宅を後にして車を彼女の自宅から20メートル
くらい離して隠し車の中で、高橋刑事は署の主任に電話して
「すいません、高橋です、現在、神奈川の大和市にいますが、例の宮川順子の
幼馴染の本田綾子の嫁ぎ先に来ていますが今、彼女の自宅で話したのですが
何か怪しいんです、家に1人でいると言って今、家の裏で「ガチャン」と音がして
どうも宮川順子が来てるのではと思いまして、今、張り込んでいますので・・・・」
「そうか、分かった頼んだぞ!」
と言って久本主任は電話を切った、高橋刑事と石川刑事はそこで張り込む事に
して、石川刑事がパンと缶コーヒーを買いに行った、暫くして石川刑事がパンと
缶コーヒーを持って車に乗った、2人は腹ごしらえをしたが目は二宮綾子の自宅
の玄関に張り付いていた、その夜は8時過ぎに、恐らく綾子の主人と思える
サラリーマン風の男性が中に入った他は、誰も人の出入りは無かった、翌日の
朝、昨夜の綾子の主人と思える男性がカバンを持って、7時頃家を出て行った
その後、又、石川刑事はパンを買いに出掛け戻って来た、2人は缶コーヒーと
パンで朝食を取ると又、二宮順子の自宅玄関に目を向けた。
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