« 偽装(8) | トップページ | 偽装(10) »

偽装(9)

その夜、村田から保雄の所に電話があった

「知ってるか、今夜、紅谷町のスナック「しのぶ」と言う所のママが殺害されたよ

で、その容疑者と思われるのが、例の宮川順子と思われるんだよ」

「そうか、やはり旦那の浮気がばれたんだな」

「えーそうなのか、と言う事は、宮川秀明は大原しのぶと出来てたのか?」

「そうなんだよ、俺が奴を張り込んでいた時、彼女のマンションにしけ込んだのを

見てるんだよ」

「そうなのか分った、処でな害者の部屋から出た指紋が、小田原の海浜ホテルで

殺害された川田誠の部屋から採取した指紋と一致したんだよ、それに片方だが

イヤリングが遺体の側に落ちていたんだ、これはこれからの捜査だがな・・・」

「そうか、それで宮川順子を逮捕したんだな」

「いや、それが帰らないんだよ自宅に、だから今、刑事が張り込み中なんだよ」

「そーか、何処かに逃亡したか、しかし帰らないとなると旦那の宮川秀明なら行き

そうな所を知ってるかも知れないが、聞いたのか?」

「あぁ、当然 聞いてると思うがな・・・・・・まさか自殺なんて事は無いよな?」

と村田が聞いた

「そーな、自殺をするような女性には、俺には見えなかったがな?」

「そうか、それじゃぁ、指名手配するしか無いな」

「そうだな、それより俺の方は今、大変なんだよ、実はな「三ヶ月堂」の社長の

奥さんが小田原の海浜ホテルで殺害された川田誠の奥さんの靖子と姉妹で

川田の妻の方が妹に当たるんだが、その川田靖子が内に依頼に来たんだよ

実は姉さんの一之瀬静子は今から30年前に、2人の男にレイプされたんだが

それが運悪く妊娠している事が後で分かったんだそうだ、で静子の家族は

「何処の誰だか分からない子供を生むんじゃぁ無い」と言ったんだが静子は

「子供に罪は無い」と言って生んでしまったと言う事だよ、その子供が今の

一之瀬有二課長なんだそうだ、それで依頼の件だが、その妹の川田靖子が

そのレイプした男2人をパチンコ店で知り合った、明石町のスナック「礼子」の

ママが店に来て、私にその昔話を聞かせたと言う事で、俺にその男達を調査して

姉の前で、謝ってほしいと言う事なんだ」

「そうか、それは大変だな、しかしもう30年前の事じゃぁ時効だろう・・・」

「ん、その話をしたら「とにかく、謝ってくれたらそれでいい」と言うんだよ、それで

一応、引き受けたんだが・・・・・どうしたらいいかな?」

「そうだな、そこのママに、もう一度その男達から聞き出した話を録音テープに

取り、当然、彼等には分からないようにしてだが・・・・・・・それを警察に提出する

警察は時効の事件だが一応事情聴取はするはずなので、そこで一之瀬静子に

謝るようにと、言って貰う事だな警察に・・・・・・そんな筋書きでどうかな?」

「そうだな、ありがとう、そのようにしてみるよ、それじゃぁ、また」

と言って保雄は電話を切った。

翌日、保雄は川田靖子に電話して

「もしもし、実は直ぐにやってほしい事があるんですが実は「礼子」のママに

その男達に「もう1度話しを聞かせて」と言って分からないように録音テープを取る

その後は私がやりますから直ぐにそのスナック「礼子」のママに話して貰えますか」

「はい、分かりました直ぐに、電話で連絡します」

「お願いします、では」

と言って保雄は事務所に出掛けた。

一方、平塚警察では中村刑事が「三ヶ月堂」から従業員12名の住所録と電話番号

が書かれた名簿を預かって来た、主任刑事の久本は

「それでは今日は、全員で「三ヶ月堂」に聞き込みに入る、電話して全員いるように

話して置いてくれ」

と久本主任は高橋刑事に言った、その後、直ぐに「三ヶ月堂」に聞き込みに入り

従業員一人々に聞き込みを始めた、従業員達は皆、営業停止状態なので途方に

くれていた、全員から話を聞いたが結局、以前聞いた大島清次と川田誠は何時も

仕事の事で、ぶつかっていたと言う事しか、特別な話は無かった。

平塚警察では、宮川順子を全国に指名手配したが以前として、宮川の自宅の張り

込みと、関係のある人物の事情聴取、近隣の捜査は続けていた、そんな時、夫の

宮川秀明が、張り込んでいた刑事に

「刑事さん、一つ女房と行った事がある場所を思い出したんですよ」

「それは、どこですか?」

「えー、結婚前に女房と横浜に買い物に行った時に偶然に何か女房の幼馴染と

言う女性を俺に紹介したんですよ、その女性は確か本田綾子と言っていたように

思います」

「その本田綾子は今、何処に住んでるか分かるか?」

「いや、ただ、妻は横浜市の出身ですから多分、彼女もそうだと思うのですが・・・」

「そうか、それで奥さんの実家は横浜の何処なんだ?」

「はい、ちょっと待ってください」

と言うと、宮川は家の奥から高校の卒業者名簿を持って来た

「刑事さん、これに内の女房の実家の住所が書いてありますが・・・」

「わかった、暫く預からせてくれ」

そう言うと、その名簿を見て

「君の奥さんは何処にいるんだ?」

「確かクラス(F)と聞いてます」

「そうか・・・・・あぁ、これだな、何処かな・・・・あぁ、分かった横浜市南区三王町

5-23-8だな、それでここには両親がいるのか?」

「えー、まだ両親が住んでいるはずです」

「分かった、幼馴染ならこの近くにやはり本田綾子の実家もあるだろう、後は内で

捜査する、ありがとう」

と吉田刑事は言うと直ぐに署に戻って、主任の久本刑事に話をした

「そうか、分かった、直ぐに君と石川君で横浜に飛んでくれ」

「はい、分かりました、これから出掛けます」

「頼むよ」

高橋刑事と石川刑事はその足で横浜の南区三王町5-23-8の宮川順子の実家

に向かった。

|

« 偽装(8) | トップページ | 偽装(10) »

小説」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1050725/25230126

この記事へのトラックバック一覧です: 偽装(9):

« 偽装(8) | トップページ | 偽装(10) »