偽装(15)
その頃、保雄は大島清次殺害事件の手掛かりを調査し再び、「三ヶ月堂」に
話を聞きに行っていた、応対に出たのは、先日と同じ課長の一之瀬有三で
あった、保雄は
「すいません、お忙しい中、たびたび伺いまして・・・・」
一之瀬は、一旦、やな顔を見せたが
「いや、今は会社の営業を停止してますから・・・・・・処で今日は何ですか?」
「はい、それでは伺いますが課長さんは社員の大島清次が、内部告発したのを
何時知ったのですか?」
「あぁ、それは、先日の内の社長の記者会見の後です、会社におかしな電話が
あって、何かなと思っていましたが、その電話した男が告発者の名前を言った
んです」
「それで、大島清次の名前を聞いた時は、どう思われました」
「そうですね、複雑ですね」
「課長さんは大島を憎いとは、思われませんでしたか?」
「えぇ、少し思いました、裏切者ですからね・・・・・・」
「そうですか、処でその電話の男の声に聞き覚えは無かったんですか?」
と、保雄は聞いた
「えー聞いた事の無い声でした」
「そうですか、嫌がらせにしては、おかしいですね、他にその時どのような会話を
されたんですか?」
「そうですね、記者会見では社長は「会社の一部の人間の仕業だと思います」と
話しましたが、その事が気に入らなかったのか「社長に言っとけ、一部の人間で
は無く、社長の命令で動いた社内ぐるみの犯行じゃぁ無いか!」とそのように
怒鳴り捲くっていました、それで少なくても大島清次とその男は何処かで繋がって
いる関係の人間では無いかと思いましたが・・・・・・」
保雄は
「そうですか、社員と言う事ですか?」
「多分・・・・ですが・・・・」
保雄は
「処で大島清次と、会社の中で日頃から仲が良かった人間を課長さんは
ご存知無いですか?」
「いや、私は分かりません、係長に聞いてみてください」
「いま、係長は、お出でになってるんですか?」
「えー出社しています、今、工場にいるはずです、行ってみてください」
「あぁ、どうもすいません、では、行ってみます」
保雄は工場に行って、近くに居た男性に聞いてみた
「すいません、係長さんを探しているんですが・・・・」
「あぁ、私ですが何か・・・・」
保雄は一瞬大きな人だな?と思った
「すいません、今、課長さんに聞いて来たんですが、係長さんですか?」
「はい、そうです、広末と言います」
「あぁ、そうですか、どうもお忙しい処すいません、豊田と言います、宜しく
お願いします、実は亡くなられた大島清次さんが会社の中での、1番の
友達はどなただったか、お分かりでしたら教えて貰いたいと思いまして・・・・」
「そうですね、仲が良かったのは、多分、鈴木君かな、年が同じで話が合った
ようですよ」
「そうですか、その方は今日は・・・・」
「はい、今、休んで貰っています」
「すいませんが、自宅の住所と電話番号が知りたいのですが・・・」
「あぁ、いいですよ、いま、事務所に行って聞いて来ますよ、ちょっと待って
いてください」
そう言うと、係長は事務所に戻って行った、暫くして係長は戻って来て
「どうも、お待ちどうさまです、これに住所と電話番号を書いて置きました」
と言ってメモを渡してくれた
「あぁ、どうも、お手数掛けました、ありがとうございます、では、失礼します」
そう言って保雄は、大島清次の友人の鈴木英一と言う袖ヶ浜13-27の自宅
に向かった、自宅に着くと早速、保雄はインターホンを押した
「はい、どなたですか?」
「すいません、私は、会社の亡くなられた大島清次さんの事を調査しています
探偵ですが」
「はい、ちょっと待ってください」
と言うと直ぐに玄関が開いて30代半ばくらいの男性が出て来た、保雄は
「すいません、実は、会社の係長の広末さんと言う方に、伺って来たんですが
貴方が会社の中で、大島さんとは、1番仲が良かったと聞いて来たんですが・・・
それで、失礼ですが、会社の課長さんに抗議の電話されましたか?」
「えーしましたよ、会社は汚いですよ、個人のせいにして、あれは間違い無く
社長の命令でした事です、それは皆、知ってるはずです、私はもう1度マスコミ
各社に電話して調査してくれと話しました」
「そうですか、分ります・・・・・・・処で私は大島さんが誰に殺されたのか調べている
のですが、友人として貴方は彼が誰に殺されたか思い当たる所は無いですか?」
「そうですね、これは、あくまでも私の考えですが、恐らく彼は誰かの命令で
その近くの人間か又その人間に雇われた人間に、やられたのでは無いかと
思っていますがね・・・」
「そうですか、詰まり会社側の幹部か、その誰かが雇った人間と言う事ですか?」
「はい、まぁ、そんなとこですかね、詳しい事は分りませんが・・・・」
「詰まり、大島清次さんは内部告発をした事の報いでやられたと言う事ですね」
「多分そうだと思います」
「どうも、お手数掛けました、ありがとうございました」
そう言って保雄は一旦、事務所に戻り、村田に電話した
「もしもし、あぁ俺だが、今、大丈夫か?」
「あぁ、大丈夫だよ」
「そうか、実はな今日、殺害された「三ヶ月堂」の大島清次の会社で1番仲が
良かった鈴木英一と言う友人を捜して話を聞いて来たんだが、どうも大島は
「三ヶ月堂」の幹部か、その幹部が誰かに殺しを依頼したんじゃぁ無いかと
言うんだが・・・・」
「そうか、警察の方も、恐らくその辺りは調査してるんじゃぁ無いかな?」
「そうか、それならいいんだが、とにかく俺も大島の奥さんの依頼なんで何とか
したいと思ってな・・・・」
「そうだな、俺が知った情報はお前に話すよ、違反だがな、それじゃぁ又連絡
するよ」
「そうか、どうもありがとう」
保雄はそう言って電話を切った。
平塚署には、その頃、静岡県掛川市の川島電気工業から高橋」刑事に電話
があった
「もしもし、高橋は今、留守なんですが、ご用件は何でしょうか?」
「はい、私は静岡県掛川市の川島電気の野元と言いますが、それではお伝え
して置いてください「上原君は最近確かにルイビトンのバッグを持っていた」と
そのように伝えて貰いたいのですが・・・・」
「分りました、そのように話して置きます」
「それでは宜しくお願いします」
と言って野元は電話を切った。
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