小説

偽装(15)

その頃、保雄は大島清次殺害事件の手掛かりを調査し再び、「三ヶ月堂」に

話を聞きに行っていた、応対に出たのは、先日と同じ課長の一之瀬有三で

あった、保雄は

「すいません、お忙しい中、たびたび伺いまして・・・・」

一之瀬は、一旦、やな顔を見せたが

「いや、今は会社の営業を停止してますから・・・・・・処で今日は何ですか?」

「はい、それでは伺いますが課長さんは社員の大島清次が、内部告発したのを

何時知ったのですか?」

「あぁ、それは、先日の内の社長の記者会見の後です、会社におかしな電話が

あって、何かなと思っていましたが、その電話した男が告発者の名前を言った

んです」

「それで、大島清次の名前を聞いた時は、どう思われました」

「そうですね、複雑ですね」

「課長さんは大島を憎いとは、思われませんでしたか?」

「えぇ、少し思いました、裏切者ですからね・・・・・・」

「そうですか、処でその電話の男の声に聞き覚えは無かったんですか?」

と、保雄は聞いた

「えー聞いた事の無い声でした」

「そうですか、嫌がらせにしては、おかしいですね、他にその時どのような会話を

されたんですか?」

「そうですね、記者会見では社長は「会社の一部の人間の仕業だと思います」と

話しましたが、その事が気に入らなかったのか「社長に言っとけ、一部の人間で

は無く、社長の命令で動いた社内ぐるみの犯行じゃぁ無いか!」とそのように

怒鳴り捲くっていました、それで少なくても大島清次とその男は何処かで繋がって

いる関係の人間では無いかと思いましたが・・・・・・」

保雄は

「そうですか、社員と言う事ですか?」

「多分・・・・ですが・・・・」

保雄は

「処で大島清次と、会社の中で日頃から仲が良かった人間を課長さんは

ご存知無いですか?」

「いや、私は分かりません、係長に聞いてみてください」

「いま、係長は、お出でになってるんですか?」

「えー出社しています、今、工場にいるはずです、行ってみてください」

「あぁ、どうもすいません、では、行ってみます」

保雄は工場に行って、近くに居た男性に聞いてみた

「すいません、係長さんを探しているんですが・・・・」

「あぁ、私ですが何か・・・・」

保雄は一瞬大きな人だな?と思った

「すいません、今、課長さんに聞いて来たんですが、係長さんですか?」

「はい、そうです、広末と言います」

「あぁ、そうですか、どうもお忙しい処すいません、豊田と言います、宜しく

お願いします、実は亡くなられた大島清次さんが会社の中での、1番の

友達はどなただったか、お分かりでしたら教えて貰いたいと思いまして・・・・」

「そうですね、仲が良かったのは、多分、鈴木君かな、年が同じで話が合った

ようですよ」

「そうですか、その方は今日は・・・・」

「はい、今、休んで貰っています」

「すいませんが、自宅の住所と電話番号が知りたいのですが・・・」

「あぁ、いいですよ、いま、事務所に行って聞いて来ますよ、ちょっと待って

いてください」

そう言うと、係長は事務所に戻って行った、暫くして係長は戻って来て

「どうも、お待ちどうさまです、これに住所と電話番号を書いて置きました」

と言ってメモを渡してくれた

「あぁ、どうも、お手数掛けました、ありがとうございます、では、失礼します」

そう言って保雄は、大島清次の友人の鈴木英一と言う袖ヶ浜13-27の自宅

に向かった、自宅に着くと早速、保雄はインターホンを押した

「はい、どなたですか?」

「すいません、私は、会社の亡くなられた大島清次さんの事を調査しています

探偵ですが」

「はい、ちょっと待ってください」

と言うと直ぐに玄関が開いて30代半ばくらいの男性が出て来た、保雄は

「すいません、実は、会社の係長の広末さんと言う方に、伺って来たんですが

貴方が会社の中で、大島さんとは、1番仲が良かったと聞いて来たんですが・・・

それで、失礼ですが、会社の課長さんに抗議の電話されましたか?」

「えーしましたよ、会社は汚いですよ、個人のせいにして、あれは間違い無く

社長の命令でした事です、それは皆、知ってるはずです、私はもう1度マスコミ

各社に電話して調査してくれと話しました」

「そうですか、分ります・・・・・・・処で私は大島さんが誰に殺されたのか調べている

のですが、友人として貴方は彼が誰に殺されたか思い当たる所は無いですか?」

「そうですね、これは、あくまでも私の考えですが、恐らく彼は誰かの命令で

その近くの人間か又その人間に雇われた人間に、やられたのでは無いかと

思っていますがね・・・」

「そうですか、詰まり会社側の幹部か、その誰かが雇った人間と言う事ですか?」

「はい、まぁ、そんなとこですかね、詳しい事は分りませんが・・・・」

「詰まり、大島清次さんは内部告発をした事の報いでやられたと言う事ですね」

「多分そうだと思います」

「どうも、お手数掛けました、ありがとうございました」

そう言って保雄は一旦、事務所に戻り、村田に電話した

「もしもし、あぁ俺だが、今、大丈夫か?」

「あぁ、大丈夫だよ」

「そうか、実はな今日、殺害された「三ヶ月堂」の大島清次の会社で1番仲が

良かった鈴木英一と言う友人を捜して話を聞いて来たんだが、どうも大島は

「三ヶ月堂」の幹部か、その幹部が誰かに殺しを依頼したんじゃぁ無いかと

言うんだが・・・・」

「そうか、警察の方も、恐らくその辺りは調査してるんじゃぁ無いかな?」

「そうか、それならいいんだが、とにかく俺も大島の奥さんの依頼なんで何とか

したいと思ってな・・・・」

「そうだな、俺が知った情報はお前に話すよ、違反だがな、それじゃぁ又連絡

するよ」

「そうか、どうもありがとう」

保雄はそう言って電話を切った。

平塚署には、その頃、静岡県掛川市の川島電気工業から高橋」刑事に電話

があった

「もしもし、高橋は今、留守なんですが、ご用件は何でしょうか?」

「はい、私は静岡県掛川市の川島電気の野元と言いますが、それではお伝え

して置いてください「上原君は最近確かにルイビトンのバッグを持っていた」と

そのように伝えて貰いたいのですが・・・・」

「分りました、そのように話して置きます」

「それでは宜しくお願いします」

と言って野元は電話を切った。

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偽装(14)

平塚署に戻った高橋刑事と吉田刑事は 次に市川信男の家族関係を当たる

事にした、先日、市川信男の勤めていた横浜関内にある「月刊スポット」に署の

中村刑事達が事情聴取に行っていたので、中村刑事に電話して聞く事にした

「もしもし、あぁ、中村君か高橋だが、実は君達は先日、市川信男の会社に

行ったと思うが、彼の離婚した妻と息子の住んでいる所、聞いていないか?」

「確か、静岡県の掛川市役所に息子さんが付き合っている女性が勤めている

と聞いていますが」

「そうか、で名前は分るか?」

「えー、ちょっとお待ちください、手帳を見ます」

そう言って、中村刑事は手帳を見て

「分りました、鈴木美奈です」

「そうか、分った、どうもありがとう」

高橋刑事は そう言って電話を切った

「吉田君、これから静岡に行く事にするよ」

と、2人は静岡県掛川市の市役所に向かった、掛川駅に着いた2人は駅前の

交番で地図を見せて貰い、市役所を聞いて、車で市役所に着いた、受付で

「すいませんが、平塚警察といいますが、こちらの市役所に鈴木美奈さんと言う

女性が、どこかの課に勤めているはず何んですが、調べて貰えませんか?」

「はい、鈴木美奈さんですね、お年は分りますか?」

「いや、若い方と言うだけで、それ以上は分らないんですが、すいません」

「少し、お持ちください」

彼女は総務課に連絡して調べて貰うように頼んだ

「お待たせしました、鈴木美奈は健康保険課にいますので1階の7番に行って

ください」

「分りました、どうもありがとう」

2人は健康保険課に行き

「すいません、平塚警察といいます、こちらの鈴木美奈さんにお話を伺いたいの

ですが、呼んで頂いていいですか?」

「はい、ちょっとお待ちください」

暫くして

「はい、私が鈴木美奈ですが、何か?」

「すいません、私は神奈川県の平塚警察ですが、実は市川信男さんと言う方が

先日、殺害された事件の事で、その息子さんがお付き合いされてる方が貴女と

伺いまして、少し息子さんとお母さんから話を聞かせて頂きたいと思いまして・・・」

「そうですか、話は聞いていました、犯人はまだ、分らないのですか?」

「いや、市川さんを殺害した犯人は、もう逮捕しましたが、今度の事件の関係の

ある方の中に市川信男さんの元のご家族がいるかも知れないと、捜査している

のですが、その市川さんと別れられた奥さんの自宅を教えて貰いたいのですが」

「そうですか、それでは5時に仕事が終わりますから何処かでお待ち頂けますか?

私が自宅に案内しますので・・・・」

「そうですか、どうもありがとうございます、では5時にここでお待ちしてますから

宜しくお願いします」

高橋刑事と吉田刑事は、時間を潰して夕方5時に市役所の健康保険課の前で

鈴木美奈に合い彼女の自家用車の後に付いて走って、ある新築の一軒家に

着いた、そこは2階建ての家でまだ庭らしい物は出来て無く、無造作に草花が少し

植えてある程度の庭であった、彼女は車を降りると玄関のインターホンを押した

高橋刑事はすかさず玄関の表札を見ると、そこには上原諒子と出ていた

高橋刑事は吉田刑事に

「ルイビトンのバッグの事、忘れんなよ!」

と小声で言った、家の中から

「はい、どなたですか?」

「すいません、私です、美奈です」

「はい、はい、今、開けますよ」

と言って玄関ドアーが開き、中から40代後半と思える女性が出て来た

「お母さん、こちらの平塚警察の方が、何か話を聞きたいと言う事で・・・・・」

高橋刑事は警察手帳を見せて

「すいません、神奈川県の平塚警察ですが、亡くなられた前のご主人の関係の

ある方から話を聞いて歩いてますが、実はご主人を殺害した犯人が、又誰かに

殺害されまして捜査してます、すいませんが8月17日夜8時から9時の間は

何処にいられたか、お話して貰えませんか?」

「私達が、その犯人と??・・・」

「いや、警察は一応、関係のある方、全員に聞いていますので、すいませんが・・・」

「そうですか、えー8月17日夜ですね、少なくても平塚には行っていませんので・・・

確か、自宅に居たと思いますが・・・・・」

「美奈さん、覚えて無い?」

「いや、何してたのかしら、8月17日は・・・・」

「今日は息子さんは、何時頃に帰られますか?」

と高橋が聞くと

「何時も遅いんです、夜10時か11時頃ですね、忙しいらしいんですよ」

と母親の上原諒子は答えた、高橋刑事は吉田刑事に「署に電話して今日は

こちらに宿泊して、明日帰る」と伝えてくれと頼んだ

「奥さん、それでは11時頃に、もう1度、お邪魔します息子さんにそのように

お伝えください、では、また」

高橋刑事は帰り掛けに

「玄関からでは、バッグは分らないな、4500万も入ったバックならそこらには

置いて置かないか?・・・・」

「そうですね」

そう言うと一旦、2人は今夜の宿を探しに出掛けた、高橋刑事と吉田刑事は

夜11時に再び上原諒子の自宅を訪ねた、吉田刑事がインターホンを押した

「はい」

と、先程の母親の声が聞こえた

「たびたび、すいません、平塚警察です」

「いま、開けます」

と玄関が開いて母親が出て来た

「すいません、息子さんは、お帰りですか?」

「はい、今、呼んで来ます」

暫くして息子と思える、男性が出て来た、母親は

「息子の修治です」

「どうも、夜遅くにすいませんね、平塚警察といいます、単刀直入に伺いますが

修治さんは8月17日の、夜8時から9時は何処で何をされていたか、話して

貰えませんか?」

上原修治は

「はい、その日は何曜日でしょうか?」

「土曜日ですが」

「土曜日なら、恐らく休みですから自宅に居たはずですが・・・・お母さん覚えて

無いかな?」

母親は

「何時も土曜日なら、その時間でしたら自宅にいるはずですが・・・・」

「そうですか、一応、修治さんの務め先を伺って置きます、どちらでしょうか?」

「はい、掛川市内の長谷3-42、川島電気工業株式会社です」

「そうですか、分りました、どうもありがとうございました」

と、お礼を言って高橋刑事と吉田刑事は直ぐに予約して置いた旅館に向かった。

その翌日、2人の刑事は上原修治の勤める川島電気工業に上原の勤務状態

と素行を聞きに出掛けた、川島電気工業に付くと守衛室が正門の脇にあった

高橋刑事はそこで

「すいません、神奈川県の平塚警察といいます」

と警察手帳を見せた

「はい、ご用件は?」

「はい、こちらで働いている上原修治さんの事を少し伺いたいのですが、上司の

方に会えませんか?」

「ちょっと、待ってください、今、事務所に連絡しますので」

そう言って守衛は事務所に電話した

「はい、どうも・・・・・今、上司の方がここに来ますので、暫く待ってください」

「分りました、どうもすいません」

2人はそこで暫く待っていると、50歳くらいの男性がこちらに歩いて来た

「どうも、警察の方ですか?私は上原の上司の野元明ですが・・・・」

「すいません、平塚警察です、ちょっとある事件がらみで伺いますが上原さんは

職場ではどんな人間でしょうか、例えば無口とかおしゃべりとか、ですが?」

「そうですね、彼はおとなしい男です、しかし一面、何を考えてるか分からない

処のある人間ですね、仕事は良くやっています、それくらいですが」

「彼は職場で喧嘩した事なんか無いでしょうか?」

「あぁ、有りますね、神経質なのか短気な処も有りますよ」

「そうですか、処で彼はルイビトンのバッグを最近、買ったとか言っていません

でしたか?」

「いや、私は知らないですが職場の仲間なら知っているかも知らないので聞いて

置きましょう、平塚警察のどなたですか?」

「私は刑事課の高橋といいます、では電話を頂きたいと思いすが・・・・」

「はい、数日の内に聞いて電話します」

「宜しくお願いします、では失礼します」

と高橋刑事と吉田刑事は平塚署に戻った。

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偽装(13)

その後、任意同行に中村刑事と清田刑事は宮川秀明の虹ヶ浜のマンション

「パーク、イン」の自宅を尋ねたが、留守の為、署に連絡を取って彼の帰りを

張り込んだ。

一方、保雄は事務所で川田靖子から話を聞いていた

「どうも、ありがとうございました、警察の村田さんと言う方から電話があって

姉と2人で警察で、あの木原と林田が姉の前で土下座をして20年前の事を

誤りました、これで姉も何とか納得したはずです、どうもありがとうございました」

「そうですか、それは良かったですね、お役に立てて私も嬉しいです」

「どうもありがとう、それでは料金を支払います」

「あぁ、すいません、ちょっとお待ちください」

保雄はそう言って、春子に領収書を書かせ料金を受け取った

「どうも、ありがとうございました、それでは失礼します」

と言って川田靖子は帰って行った。

その夜、保雄の所に村田から電話があった

「もしもし、あぁ、俺だよ実は今日、お前の依頼人に姉と言う人を連れて来て

貰って、20年前の事件の事を誤らせたよ、2人とも大変喜んでいたよ」

「あぁ、聞いたよ、今日その後で内の事務所に寄って、支払いをしてくれたんだよ

今回はお前に世話になったな、今度、埋め合わせするからな、どうもありがとう」

「いや、いいんだよ、それとな、例の大原しのぶを殺害した宮川順子だが川田誠と

市川信男殺しを自供したそうだよ」

「そうか、で大島清次殺しも、自供したのか?」

「いや、どうも大島殺しは、大島と面識が無い、宮川夫婦の犯行では無いようだ」

「そうか、すると面識のある市川信男か、或いは川田誠の犯行と言う事かな?」

「ん、警察ではそう思って今、捜査中だよ」

「確か川田誠は大島清次とは、会社で対立していたはずだ、やはりやったのは

川田かも知れないな?」

「そうだな・・・・・・・・・悪いな電話なので、それじぁ又、連絡するよ」

村田はそう言って電話を切った。

それから1週間後の6月18日何処かに姿を隠していた宮川秀明の遺体が浮いて

いるのを平塚漁港で、早朝、漁に出る漁師に寄って発見され、警察に届けられた

直ぐに平塚署の刑事と鑑識が現場検証に入った、主任刑事の久本は海から

上げられた遺体を見て高橋刑事に

「この害者は宮川に似てるな?・・・・・・・高橋君、害者は宮川秀明に似てるが

身元を証明するような物を持っていたか?」

「はい、サイフの中の免許証から間違い無く害者は宮川です」

「そうか、死因は分かるか?」

「はい、何かハンマーのような物で、頭部を数回、殴打されたのではと・・・・」

「そうか、死亡推定時刻は・・・・」

「はい、おおよそ昨夜の8時から9時頃ではないかと思われます」

「サイフの中身は?」

「はい、免許証の他、領収書などで現金は見当たりませんから、物取りの犯行

とも思われますが・・・・」

「そうか、物取りの犯行かな、誰か目撃者はいたのか」 

「はい、その犯行時刻に、近所の釣り船店の店主が「明日の天気はどうか?」と

海を見に来ていて大きな悲鳴を聞いていました、それと白い自家用車が逃げて

行く所を目撃しています」

「そーか、それで、犯人の顔と車の車種は分ったのか?」

「車は白い「トヨタ、クラウン」では無いかと言う事です、それと運転してた人間の

顔は暗くて見えなかったと言う事です、しかし、盗難車の可能性もありますので・・・」

「そうか、取り合えず、宮川秀明の身近な人間関係と宮川が殺した、市川信男と

川田誠の関係者を当たってくれ」

「はい、分りました」

「処で宮川は市川から現金を5000万奪ったんだ、と、するとその金を持って

家を出たとしたら・・・・・おい・・・おい・・・犯人に、その5000万持って行かれた

かも、知れんぞ!・・・・・・帰ってから直ぐに捜査会議を始めるぞ!」

そう言って久本主任は署に電話連絡した、署に戻った久本は

署に留置している宮川順子に夫の宮川秀明が殺害された事を話して、順子を

彼女の自宅に連れて行き、何か部屋の中で、無くなってる物は無いか聞いた

案の定、銀行に入れる積りでまだ、バッグに入れて部屋の押入れに入れて置いた

現金4500万円が夫の秀明が持って出てると言う話であった、久本主任は

「それでは、早速、会議を始める、まず昨夜、殺害された宮川秀明だが殺害現場

には無かったが、彼はバッグの中に、現金で4500万円、持って出てると妻の

宮川順子が証言した、残り500万は数万円は使ったがまだ冷蔵庫の野菜室に

ビニール袋に入れあるとの事だ、犯人はそのバックを恐らく、奪って行ったものと

思われる、そのバックは茶色のルイビトンだそうだ、犯人を抑える際に必ず物証と

なるんで宜しく頼む、また、現金を銀行か郵便局に預金するとも思われるので

各銀行に手配を頼む、処で彼を怨んでいた人間は少なくても、数人はいたと思わ

れる、宮川夫婦に殺害された川田誠と市川信男の家族の行動を、高橋刑事と

吉田刑事で捜査して貰いたい先ず流しの犯行とは考えられない、次に中村刑事と

清田刑事は、引き続き大島清次の周辺で、彼をやったと思われる動機を持った

人間を洗ってくれ、以上だが何かあるか?・・・・・・・無ければこれで解散する」

といい久本は会議を終えた、刑事達は改めて捜査に出て行った

高橋刑事と吉田刑事は、川田誠の自宅を訪ねて、妻の靖子から話を聞いた

吉田刑事がインターホンを押した

「はい、どちら様でしょうか?」

「すいません、平塚警察ですが、少し又、お話を聞かせて下さい」

「はい、今、開けますので」

「何でしょう」

「あぁ、どうも、実はお宅の、ご主人を殺害した犯人の片割れは捕まえましたが

もう1人の宮川秀明と言う犯人が逃亡中に何者かに殺害されまして、出来ましたら

ご主人の前の奥さんの自宅の住所と旧姓が分かったら、教えて頂けないかと思い

伺ったんですが・・・・」

「そうですか、ハッキリした事は分からないのですが、何でも藤沢に住んでいると

聞いていますが、住所は・・・・そうですね、会社なら履歴書が有りますから、もしか

したら、分るのではないかと思いますが、それと旧姓は林洋子さんと言ってたと

思いますが?」

「そうですか、どうもありがとうございました」

と言って2人は「三ヶ月堂」に行った、お店の脇のドアーをノックして

「すいません、警察ですが」

と言うと中からドアーを開けてくれた

「どうも、たびたび伺いまして、実は殺害された川田誠さんの履歴書に前の奥さん

と暮らしていた住所が出てるはずだと思うのですが、ちょっと調べて貰いたいと

思いまして伺ったのですが?」

「はい、分りました、今、調べるように言います」

そう言って、その女性は事務所に話しに行った

「お待たせしました、これが川田の履歴書です、どうぞ」

高橋刑事はそれを見て

「やはりあった、藤沢市長後2-46だ、どうもありがとうございました」

とお礼をいい、その足で藤沢の長後の川田の前妻の林と言う自宅に向かった。

寒川を抜けて長後に着いた2人は駅前の交番で地図を見せて貰い長後の2-46

自宅に向かった、そこは何処にでもあるような1、2階で10世帯はいるような

アパートであった高橋はそこの1階の端から、その家の表札を見ていった、一方

吉田刑事は階段を駆け上がって同じく表札を見て

「高橋さん、有りましたよ」

「そーか、今行く」

高橋刑事は林洋子の自宅のドアーをノックした

「こんにちは、林さん!」

「はい、どなたでしょうか?」

と50歳くらいの女性が出て来た

「すいません、平塚警察といいます、実は貴女の前のご主人が亡くなった事は

ご承知と思いますが、こちらのお宅は奥さんと後、ご家族は何人でしょうか?」

「はい、私の他に今、会社に行っています主人と娘が1人いますが?」

「そうですか、ご主人の、お勤め先はどちらでしょうか?」

「すいません、何か主人にあったんでしょうか?」

「いや、ちょっと川田さんの関係者でまた、殺人事件がありまして、聞いて歩いて

いるんです」

「そうですか、何時でしょうか?事件があったのは」

「はい、8月17日の夜8じから9時の間ですが、ご主人と娘さんはその頃は何処で

何をされていたか分りますか?」

「ちょっと待ってください・・・・・8月17日の夜7時から9時ですか?・・・・そうそう

その時は私の友達が家に遊びに来た日ですよ、そーだ、電話で聞いてください

主人も娘も7時頃には家に帰って食事を皆でしましたので・・・・田中さんの電話は

・・・・090-****-****ですから、今、掛けますから」

と林洋子はその友人の携帯に電話して高橋刑事と変わった

「もしもし、あぁ、どうもすいません平塚警察ですが今、事件の事で電話を変わって

頂いたんですが、8月17日の夜は貴方はここの、林さんの家に来ていたと言う事

ですが、その時、こちらのご主人と娘さんが一緒にいたと聞いたんですが、それで

間違い無いですか?」

「はい、そうです、間違いありません」

「そうですか、分りました、どうもありがとう」

と言って高橋刑事は電話を切った、高橋は

「いやどうも、ありがとうございました、良く分りました、これで失礼しますから」

そう言って高橋と吉田の2人の刑事は一旦、署に戻った。

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偽装(12)

その後の宮川順子の供述によると

「以前から、夫の行動がおかしいと思って、紅谷町にあるスナック「しのぶ」に夫が

行った時、友人に夫の様子を見に行って貰った処、夫がそこのママとイチャ付い

ていた事を聞きました、後日、夫が土曜日の昼間にパチンコに行くと言って出掛け

ましたから、その後を着けると、宝町のマンションに入って行くのを見て調べると

そこはスナック「しのぶ」のママが1人で住んでいる自宅と分かり 私は「カッ!」と

なって8日の夜7時に自宅から包丁を持って彼女の自宅に、夫と手を切ってほしい

と言う事を、言いに行きました」

「そうか、で、それから?・・・・」

「はい、彼女の自宅のインターホンを押すと

「はい、どなた?」

と返事がありました、 私は咄嗟に

「回覧板ですが?」

と言うと、彼女がドアーを開けました、私は直ぐに部屋の中に入って、彼女に

包丁を突き付けて

「声を出したら刺すわよ!」

と脅しました

「貴女は誰!」

「私は宮川秀明の妻よ!」

「嘘!あの人は独身って言っていたわ!」

「それは貴女を騙してモノにする為よ、いいから、内の人と別れなさい!」

「私、これから出掛ける処なのよ、帰らないと大きな声を出すわよ!帰って!」

「そーは、行かないのよ!貴女から別れると言う事を聞かなければ帰らないわ!」

すると大原しのぶは

「ドロボー!・・・・ 助けてー!」

と大きい声をあげた、瞬間、彼女の手に持った包丁がしのぶの腹を刺していた

「キャー!・・・・・ウゥ・・・ウゥ・・・・・・」

と、しのぶは苦しそうな声を出して、その場に倒れ込んだ

「それで、お前は、そこから、慌てて逃げたんだな?」

「はい、何処をどう走ったのか分かりません、気が付いた時は、もう家の前でした」

「そうか、話は変わるが、お前と夫の宮川秀明は5月15日、どうやって川田誠を

やったのか話すんだな、警察は、お前達が川田をやったとしか考えられないんだ

そろそろ潮時だ!話してみろ!」

宮川順子は頭を下げて考えていたが、顔を上げて話した

「以前からパチンコ屋で知り合いだった市川信男から夫に5月初めに電話が

あって「いい儲け話があるんだが、乗るか?」と市川は宮川に、こう言ったんです」

「実はな紅谷町にある和菓子会社「三ヶ月堂」のある男が、俺の所に職場の

事を暴く書類を持って内部告発して来たんだよ、それで俺は「こんないい儲け

話をほって置く手は無いな」と思って「三ヶ月堂」に行って社長にこう言ったんだ

「社長さんあんたの会社の誰かから俺に「内の会社では賞味期限の改ざんや

古くなったアンコを新しいアンコと混ぜて使い回しをしている」と言う告発が

あったんだが、この書類をマスコミに話したら飛び付くでしょうね、社長そうしま

しょうか」と言ったら社長驚いて「ちょっと、待ってくれ、話し合いしょう」と言う事で

5000万で話が付いたと言う訳だよ」

と言うと、宮川は

「そうか、それで、こっちには幾ら入るんだ」

「そうだな、お前の奥さんにも手を貸して貰って2000万だがどうだ」

「よし、乗った、何時やるんだ」

それは俺が又、電話するから、取り合えず人1人、入るくらいの大きい旅行カバン

を1つ用意して置いてくれ、それじゃぁ又電話する」

それから暫く経った5月14日の夜に電話があって

「いいか、明日午後5時に小田原の城址公園の城の裏に生垣があるから

そこで川田誠という50代の男が金を持ってくる事になってる、それで俺はその

川田から金を受け取り内部告発書を渡す、その後、奴を生かして置くと面倒になる

ので、俺が首を締めて殺すので、お前達はその大きいバッグの中にドライアイスを

入れて俺のと所に来てくれそして、お前と女房でその遺体から川田のスーツを上下

脱がせてそのスーツは俺に渡せ、そしてバックに遺体とドライアイスでを入れて

冷やして午後7時頃に海浜ホテルにチェックインしてくれ、ホテルの部屋は前もって

俺が全て予約して置く俺はその前に川田誠のスーツに着替えてサングラスとマスク

で、顔を隠して川田誠に成済ませてチェックインする、そして直ぐに俺はホテルから

サングラスとマスクを取り市川信男に戻って、ホテルの外に分からないように出て

6時半頃に市川信男でチェックインする、お前達は部屋に着いたら直ぐに、俺が

川田誠の名前で予約して置いた502号室に遺体の入ったバックを持って来るんだ

そこで俺達3人で川田をクローゼットの鉄棒に吊るしてその部屋を後にして自分達

の部屋に戻ってアリバイを作るんだ、どうだ今迄の事は分かったか、分からない事

は紙に書いて置くんだ、分ったか?」

「分かったよ、明日の午後5時にバッグにドライアイス入れて城址公園の裏に隠れて

いるようにしますよ」

「そうか、では明日、実行するから頼むよ」

「夫と私は、翌日の5時に市川信男が行った通りに実行しました」

と宮川順子は話した、話を聞いていた久本主任は

「そうか、ドライアイスか、それで川田の死亡推定時刻をずらしたんだな、それで

終わりか?まだ話して無い事があるだろう、お前と夫の2人はその後、市川信男を

松風町のアパートで殺害してるな?」

「・・・・・・・・・・・・・」

「もう黙秘はやめろ! 潮時だよ、お前達がやったんだな」

「・・・・・・すいません、夫と市川が、お金の事で喧嘩になって夫が市川のアパートで

彼をハンマーで殴って殺したと聞いています」

「そうか、市川をやったのは宮川1人でやったのか?」

「はい、そうです」

「それで、市川は「三ヶ月堂」から金を幾ら、ゆすり取ったんだ!」

「・・・・・・確か5000万、取ったと言う事だそうです」

「そうか、分った、それで「三ヶ月堂」の内部告発をした大島清次も、お前達が

やったのか?」

「いや、私達はその大島と言う人は見た事も会った事もありません、市川が全て

やっていましたので・・・・・・・」

「そうか、分かった、・・・・・・少し休憩しよう」

と久本主任は刑事課長に報告に行った

「課長、たった今、宮川順子が川田誠と市川信男を夫の宮川秀明と共謀して殺害

した事を自供しました」

「そうか、それでは、先に任意同行してくれ、逮捕状はそれまでに取って置く」

「分りました、お願いします」

そう言って久本は取り合えず、自分の机に戻りお茶を飲んだ後に、中村刑事と

清田刑事に宮川秀明を任意同行するように連絡を取った。

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偽装(11)

「おい、出て来たぞ!」

二宮綾子とその隣に若い女性が一緒だった

「やった!  アレは宮川順子だ!」

「どうしますか、ここで確保しますか?」

と石川が高橋に聞いた

「あぁ、後ろから、そっと近ずいて確保しよう」

「分かりました」

2人の刑事は二宮綾子と宮川順子の後を付けると、段々に距離を詰めて行き

「もしもし、宮川順子だね、平塚警察・・・・」

と言うと、宮川順子は驚いた顔をしたが、直ぐに観念したのか力無くその場に

経たり込んだ、二宮綾子は「順子!」と一声叫んだが、石川刑事が直ぐに車を

持った来たので、諦めたのかその後は何も言わなかった

「よし、2人とも車が来たから、乗るんだ!」

「私は何もしてないでしょう!」

と、二宮綾子が言った

高橋刑事は

「君は犯人を匿った、犯人幇助罪だな」

高橋刑事は宮川順子と二宮綾子を後部座席に乗せて平塚署に向かった。

その頃、保雄の事務所に川田靖子から例の録音テープが届けられた、保雄が

帰ると春子が

「豊田さん、川田靖子さんと言う方から、何か届いていますよ」

「あぁ、もう来たか、ありがとう」

と春子から、それを受け取り中を見た

「春子ちゃん、ここに前、テープレコーダーあったよね?」

「えー戸棚にしまってあるはずよ」

保雄は戸棚の中を探した

「ありがとう、あったよ」

と言って保雄は早速、テープを聞いてみた、間違い無く木原達也と林田進の

声でレイプの話をしている内容だった、保雄は

「よーし、これで、後は村田に頼む事にしょう」

と村田に電話を入れた

「もしもし、あぁ、俺だよ、この前の話の例のテープが手に入ったんだが今から

持って言っても構わないか?」

「そうか、いいよそうだこの前聞かなかったが警察には届け出してるんだろうな

どうせ、もう時効なんだが・・・・」

「あぁ、出してあるそうだよ、処で30年前の書類が取ってあるのか?」

と保雄は聞いた、村田は

大丈夫だよ届出してるなら、仮に無くても再発行すればいいんだよ」

「そうか、じゃぁこれから持っていくよ」

そう言って保雄は警察にいる村田にテープを届けた。

一方、平塚署に移送された宮川順子と二宮綾子はそれぞれ取調室に

入れられ取調べが始まった、主任刑事の久本が

「お前が宮川順子だね」

「そうです」

「お前は大原しのぶを知ってるね、6月8日の夜、彼女の自宅に行ってるね」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「大原しのぶの遺体の側に君のイヤリングの片方が落ちていたよ、それに

あちこちにお前の指紋が残っていた、お前が大原しのぶを、殺したんだね」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「お前は夫の宮川秀明と大原しのぶが不倫をしている事が分かって、8日夜

彼女の自宅に包丁を持って出掛けたんだ、そうだな!その包丁はどこに捨て

たんだ!一応、お前の自宅からは包丁は出て来なかったが、明日、家宅捜索

令状を取って改めて捜索するが、何処かに捨てたか、埋めたか、したんだろう

どうなんだ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「それと、小田原の海浜ホテルで川田誠が殺された時、お前達は小田原警察の

刑事からホテルのロビーに集められた、その時お前達は平塚の市川信男に

会ってるはずなのに、探偵事務所の人間に「知らない人です」と言ったそうだな

ちゃんと情報は入っているんだ!どう言う事だ、言ってみろ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「内の刑事がお前の横浜の実家に行ったら、ご両親が娘はもう半年以上も

連絡が無いと言っていたそうだ、お前、年老いた両親をほうって、こんな殺人を

やった事が分かったらご両親はどんなに嘆く事か、考えた事があるか・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「貝になったか、そうしてると、お前の罪も段々重くなるんだぞ!話してしまった

方が楽になるんじゃぁないか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「そうか、それじゃぁ、少し休憩しよう」

と言って久本主任は取調室から出て行った、10分後、久本は改めて取り調べに

入った

「隣の取調室で、お前の幼馴染の二宮綾子が全て、吐いたそうだ、間違い無く

お前は二宮綾子に大原しのぶを、殺してしまったと話したそうだな、一応これで

二宮綾子からお前がやったと言う供述も得た事だし、お前を今日逮捕するからな」

「・・・・・・・・・・どうも、すいません、お手数掛けました、私が大原しのぶを殺しました」

「そうか、で凶器は何処に捨てたんだ」

「包丁はマンションの前の草むらに洗って捨てました」

「そうか、分った今、逮捕状は取りに行っているので、少し休息していてくれ」

と久本は言い残して課長室に入って行った。

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偽装(10)

横浜の南区三王町の宮川順子の実家はかなり古めかしい借家と言う感じだった

高橋刑事と石川刑事は玄関の表札を見た、そこには彼女の旧姓だろうか久保田

と出ていた、高橋刑事は

「そうか、彼女の旧姓は久保田なのか・・・・・」

「こんにちは、ごめんください!」

と石川刑事が声上げて言った

「はい、今、開けます」

と中から声がして玄関の引き戸がガラガラと開いて60代と思える男性が出て来た

「突然すいません、平塚警察ですが・・・・・」

と高橋刑事が警察手帳を見せて言った

「はい、何でしょうか?」

「実はお宅に順子さんと言う、平塚にお嫁に行った娘さんが居ると思いますが・・・・

その順子さんは今、こちらにいますか?」

「いや、いませんよ、もう半年くらい連絡が無いんです」

「そうですか、すいませんが、この近くに順子さんと幼馴染の本田綾子さんと言う方

のお宅はあると聞いて来たんですが、ご存知でしょうか?」

「はい、綾子ちゃんの家なら、あそこに赤い郵便ポストがあるでしょう、そこの前の

家ですよ」

「そうですか、どうもありがとうございました」

「あぁ、でも綾子ちゃんは、お嫁に行って、今はそこにはいませんよ」

「そうですか、そこに綾子さんの両親が住んでいるんですね」

「はい、いると思いますので聞いてください」

「どうも、ありがとうございました」

そう言うと2人は2、30メートル先の本田綾子の実家に向かった。

本田綾子の家は最近、新築したのか真新しい家だった、高橋刑事がインターホンを

押した

「はい、どちらさまですか?」

「すいません、私は平塚警察の者ですが娘さんの綾子さんは、お出ででしょうか?」

「はい、ちょっとお待ちください」

と言って、玄関が開いて40代前後の女性が出て来た

「あぁ、どうもすいません、警察ですが・・・・・」

「はい、綾子さんは大和市の方にお嫁に行っていますよ」

「そうですか、すいませんが、そこの住所は分かりますか?」

「えぇ、大和市深見東2-5-16ですが・・・・」

「そうですか、どうもありがとうございました、失礼します」

そう言って高橋刑事と石川刑事は神奈川県大和市に向かった

刑事2人は大和駅近くで交番を探した

「こんにちは、すいません、大和市深見東2-5-16の本田さんと言う家に行く

には、どう行ったらいいですかね」

と高橋刑事は警察手帳を見せた、それを見た警官は直立不動で敬礼した

「いや、いいんだよ、この辺の地図を見たいんだが・・・・・」

「はい、今お出しします」

そう言うと警官は直ぐに本棚の中から地図を出して来た

「すいませんね」

と高橋刑事はそれを広げて深見東・・・・すいませんね現在地はどの当たりかな?」

「ここがそうです」

と警官は指で指した

「すいません、あぁ、わかった、ここに2-5-16とある、どうもありがとう」

高橋刑事は簡単にメモして覆面パトカーに乗った、その後、車は5-16の

二宮昭雄と表札のある家にたどり着いた、石川刑事はその家の前で車を止めて

玄関脇のインターホンを押した

「はい、どちらさまですか?」

「すいませんが、平塚警察といいますが、そちらに旧姓、本田綾子さんと言う方は

おいででしょうか?」

「あ・・・はい、私ですが・・・・・」

「すいません、ちょっと、伺いたい事があるのですが、出て来て頂けますか?」

「・・・・今、1人ですが・・・・いや今、開けますから・・・・」

直ぐに玄関ドアーが開き、20代半ばの女性が出て来た

「どうもすいません、貴女の幼馴染の宮川順子さんを知ってられますか?」

「はい、知っています・・・」

「今、我々は、その順子さんを探しているんですが・・・こちらに来るかも知れません

ので、その時は警察の方に連絡を入れて・・・・」

と言った時、部屋の置くの方から「ガチャン」と茶碗を床に落して割ったような音が

聞こえて来た

「奥さん、誰かいるんですか?」

「あぁ、いや・・・猫です、すいません・・・・」

高橋刑事は一瞬、彼女の不安そうな顔を見逃さなかった

「そうですか、それでは順子さんが来ましたら必ず電話をしてくださいお願いします」

と言うと2人は、旧姓、本田綾子の自宅を後にして車を彼女の自宅から20メートル

くらい離して隠し車の中で、高橋刑事は署の主任に電話して

「すいません、高橋です、現在、神奈川の大和市にいますが、例の宮川順子の

幼馴染の本田綾子の嫁ぎ先に来ていますが今、彼女の自宅で話したのですが

何か怪しいんです、家に1人でいると言って今、家の裏で「ガチャン」と音がして

どうも宮川順子が来てるのではと思いまして、今、張り込んでいますので・・・・」

「そうか、分かった頼んだぞ!」

と言って久本主任は電話を切った、高橋刑事と石川刑事はそこで張り込む事に

して、石川刑事がパンと缶コーヒーを買いに行った、暫くして石川刑事がパンと

缶コーヒーを持って車に乗った、2人は腹ごしらえをしたが目は二宮綾子の自宅

の玄関に張り付いていた、その夜は8時過ぎに、恐らく綾子の主人と思える

サラリーマン風の男性が中に入った他は、誰も人の出入りは無かった、翌日の

朝、昨夜の綾子の主人と思える男性がカバンを持って、7時頃家を出て行った

その後、又、石川刑事はパンを買いに出掛け戻って来た、2人は缶コーヒーと

パンで朝食を取ると又、二宮順子の自宅玄関に目を向けた。

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偽装(9)

その夜、村田から保雄の所に電話があった

「知ってるか、今夜、紅谷町のスナック「しのぶ」と言う所のママが殺害されたよ

で、その容疑者と思われるのが、例の宮川順子と思われるんだよ」

「そうか、やはり旦那の浮気がばれたんだな」

「えーそうなのか、と言う事は、宮川秀明は大原しのぶと出来てたのか?」

「そうなんだよ、俺が奴を張り込んでいた時、彼女のマンションにしけ込んだのを

見てるんだよ」

「そうなのか分った、処でな害者の部屋から出た指紋が、小田原の海浜ホテルで

殺害された川田誠の部屋から採取した指紋と一致したんだよ、それに片方だが

イヤリングが遺体の側に落ちていたんだ、これはこれからの捜査だがな・・・」

「そうか、それで宮川順子を逮捕したんだな」

「いや、それが帰らないんだよ自宅に、だから今、刑事が張り込み中なんだよ」

「そーか、何処かに逃亡したか、しかし帰らないとなると旦那の宮川秀明なら行き

そうな所を知ってるかも知れないが、聞いたのか?」

「あぁ、当然 聞いてると思うがな・・・・・・まさか自殺なんて事は無いよな?」

と村田が聞いた

「そーな、自殺をするような女性には、俺には見えなかったがな?」

「そうか、それじゃぁ、指名手配するしか無いな」

「そうだな、それより俺の方は今、大変なんだよ、実はな「三ヶ月堂」の社長の

奥さんが小田原の海浜ホテルで殺害された川田誠の奥さんの靖子と姉妹で

川田の妻の方が妹に当たるんだが、その川田靖子が内に依頼に来たんだよ

実は姉さんの一之瀬静子は今から30年前に、2人の男にレイプされたんだが

それが運悪く妊娠している事が後で分かったんだそうだ、で静子の家族は

「何処の誰だか分からない子供を生むんじゃぁ無い」と言ったんだが静子は

「子供に罪は無い」と言って生んでしまったと言う事だよ、その子供が今の

一之瀬有二課長なんだそうだ、それで依頼の件だが、その妹の川田靖子が

そのレイプした男2人をパチンコ店で知り合った、明石町のスナック「礼子」の

ママが店に来て、私にその昔話を聞かせたと言う事で、俺にその男達を調査して

姉の前で、謝ってほしいと言う事なんだ」

「そうか、それは大変だな、しかしもう30年前の事じゃぁ時効だろう・・・」

「ん、その話をしたら「とにかく、謝ってくれたらそれでいい」と言うんだよ、それで

一応、引き受けたんだが・・・・・どうしたらいいかな?」

「そうだな、そこのママに、もう一度その男達から聞き出した話を録音テープに

取り、当然、彼等には分からないようにしてだが・・・・・・・それを警察に提出する

警察は時効の事件だが一応事情聴取はするはずなので、そこで一之瀬静子に

謝るようにと、言って貰う事だな警察に・・・・・・そんな筋書きでどうかな?」

「そうだな、ありがとう、そのようにしてみるよ、それじゃぁ、また」

と言って保雄は電話を切った。

翌日、保雄は川田靖子に電話して

「もしもし、実は直ぐにやってほしい事があるんですが実は「礼子」のママに

その男達に「もう1度話しを聞かせて」と言って分からないように録音テープを取る

その後は私がやりますから直ぐにそのスナック「礼子」のママに話して貰えますか」

「はい、分かりました直ぐに、電話で連絡します」

「お願いします、では」

と言って保雄は事務所に出掛けた。

一方、平塚警察では中村刑事が「三ヶ月堂」から従業員12名の住所録と電話番号

が書かれた名簿を預かって来た、主任刑事の久本は

「それでは今日は、全員で「三ヶ月堂」に聞き込みに入る、電話して全員いるように

話して置いてくれ」

と久本主任は高橋刑事に言った、その後、直ぐに「三ヶ月堂」に聞き込みに入り

従業員一人々に聞き込みを始めた、従業員達は皆、営業停止状態なので途方に

くれていた、全員から話を聞いたが結局、以前聞いた大島清次と川田誠は何時も

仕事の事で、ぶつかっていたと言う事しか、特別な話は無かった。

平塚警察では、宮川順子を全国に指名手配したが以前として、宮川の自宅の張り

込みと、関係のある人物の事情聴取、近隣の捜査は続けていた、そんな時、夫の

宮川秀明が、張り込んでいた刑事に

「刑事さん、一つ女房と行った事がある場所を思い出したんですよ」

「それは、どこですか?」

「えー、結婚前に女房と横浜に買い物に行った時に偶然に何か女房の幼馴染と

言う女性を俺に紹介したんですよ、その女性は確か本田綾子と言っていたように

思います」

「その本田綾子は今、何処に住んでるか分かるか?」

「いや、ただ、妻は横浜市の出身ですから多分、彼女もそうだと思うのですが・・・」

「そうか、それで奥さんの実家は横浜の何処なんだ?」

「はい、ちょっと待ってください」

と言うと、宮川は家の奥から高校の卒業者名簿を持って来た

「刑事さん、これに内の女房の実家の住所が書いてありますが・・・」

「わかった、暫く預からせてくれ」

そう言うと、その名簿を見て

「君の奥さんは何処にいるんだ?」

「確かクラス(F)と聞いてます」

「そうか・・・・・あぁ、これだな、何処かな・・・・あぁ、分かった横浜市南区三王町

5-23-8だな、それでここには両親がいるのか?」

「えー、まだ両親が住んでいるはずです」

「分かった、幼馴染ならこの近くにやはり本田綾子の実家もあるだろう、後は内で

捜査する、ありがとう」

と吉田刑事は言うと直ぐに署に戻って、主任の久本刑事に話をした

「そうか、分かった、直ぐに君と石川君で横浜に飛んでくれ」

「はい、分かりました、これから出掛けます」

「頼むよ」

高橋刑事と石川刑事はその足で横浜の南区三王町5-23-8の宮川順子の実家

に向かった。

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偽装(8)

翌日、保雄は昨夜タクシーから降りた、2人の場所に車で行く事にした

「確か1人は夕陽ヶ丘34だったな・・・」

と言いながら電柱を探した

「あっ!ここだ、確かスポーツ刈りの男、木原が降りた所だ」

保雄はそう思って車を止めて歩いて適当にその近くの、猪俣と言う家のインターホン

を押した

「はい、どなたでしょうか?」

「すいません、この当たりに木原さんと言う家はありませんか?」

「あぁ、内から4軒目の家がそうですよ」

「そうですか、ちょっと伺いますが、そのお宅に有二さんと言う人はいませんか?」

と保雄は適当な名前を言った

「いや、いませんね、男の人は、ご主人の達也さんだけですよ」

「あぁ、そうそう、そうでした、その達也さんの、お勤めは市役所でしたね?」

「え!そうですか? 私が前に聞いてるのは、八間通りの瀬尾運送と言う所に

お勤めと聞いてましたが・・・・・」

「あぁ、そうか、すいません、私が間違えていました、それは別の方でした

どうもすいません・・・・・・・どうもありがとうございました」

保雄は

「そうか八間通りの瀬尾運送か、それと名前は達也か」

と思って手帳に木原達也と瀬尾運送の場所を書き込んだ、次に高浜台の

マンション前で降りた林田のマンションに着き、1階の近くのお宅に行き

インターホンを押した

「はい、どなたですか?」

「すいません、こちらのマンションに林田さんと言う方が住んでられると思います

が何階の何号室か、お分かりでしたら教えて頂きたいのですが?」

「あぁ、あの方は確か4階の2号室だと思いますよ」

「そうですか、どうもありがとうございました」

保雄はエレベーターで4階に上がった、直ぐの2号室に確かに林田進と表札が

出ていた

「そうか彼は進むと言うのか、そう思って、隣の自宅のインターホンを押した

「はい、どなたですか?」

「すいませんが、私は川崎探偵事務所の者です、実はがお隣の林田進さんは確か

市役所に、お勤めの方で良かったですね」

「いや、ご主人でしょう、違いますよ、ご主人は何でも八間通りにある、瀬尾運送と

言う処で働いてると聞いてますが・・・・・」

「あぁ、そうですか、それでは私の間違いでした、どうもありがとうございました」

保雄はお礼を言って

「そうか、2人は同じ、八間通りにある瀬尾運送の同僚だったのか」

保雄は直ぐに手帳に書き止め、一旦、事務所に戻った。

平塚警察の刑事課では会議が行なわれていた、主任刑事の久本が

「昨日「三ヶ月堂」に生活安全課の一斉捜索が入ったが我々はあくまでも、この

「三ヶ月堂」の関係する3人の殺人事件を洗わなくてはならない、まず川田誠が

小田原の海浜ホテルの502号室で首を吊ったように偽装されて殺害された

彼の紺色のスーツには枯れ草が付着していたので、ホテル以外の場所で殺害

されたと我々は考えていたが、仮にもし枯れ草の付着も偽装と言う事だとしたら

どう考えたらいいんだ?」

「はい、そうですね、外で殺されたように見せる掛ける必要があったと言う事

ですかね」

そう中村刑事が言うと高橋刑事が

「主任、もしかしたら、我々警察の捜査を、混乱させる為では無いでしょうか?」

「んー、と言う事は、害者は本当にホテルの部屋で殺害されたと言う事でいい

訳だな?平塚の3人にはアリバイがある、だから犯人は別にいると言う事か?

そうなると、その犯人も当然「三ヶ月堂」の関係者と言う事なのか?どうなんだ?」

「主任、ここに川田誠が殺害された当日の、ホテルの宿泊人の名簿がありますが

もし借りに私が、犯人なら、多分デタラメな名前と住所を書くと思います・・・・・」

「そうだな、と言う事は、その宿泊者名簿はあてに出来ないと言う事だなやはり

「三ヶ月堂」の従業員と関係者を洗い直すか、中村君達はすまないが「三ヶ月堂」

に言って従業員の住所録を貰って来てくれ、他の者は今までの捜査を続行してくれ

頑張って頼むぞ!」

そう言って久本主任は解散した。

その日、6月8日の夜9時過ぎ頃、紅谷町にあるスナック「しのぶ」で何時ものよう

に8時に出勤して来るはずのママが出勤してこないので、店で働く星野直美が

携帯電話をした、しかし繋がらないので星野直美はママの自宅に迎えに行き居間

で腹を刺されている倒れているママを発見して驚いて警察に電話して来た、直ぐに

平塚警察は刑事と鑑識を現場検証に送った、刑事主任の久本は

「どうだ、指紋は取れそうか?」

「はい、この犯人は女性のようですね、それに相当に慌てていますね、これを見て

ください」

と鑑識の村田は久本にイヤリングの片方を手渡した

「これはが遺体の側にあったのか!、何歳くらいの女性がする物か分かるか?」

「はい、女性に聞けば分かると思いますがそれに指紋もあちこちに付いています

ので犯人は相当慌てて逃げたと考えられます」

「そうか、凶器は何か分かるか?」

「はい、恐らく包丁だと思われますが・・・・・・又、死因は腹部を刺された事による

出血多量と思われます、死亡推定時刻は今夜の7時から9時の間では無いかと

思われますが」

「そうか、分かった」

と、言って久本は署に電話した

「害者は大原しのぶ29歳、市内宝町3-36、5階6号のマンションで名前は無い」

鑑識は直ぐに前科人のリストを洗った、すると先日の小田原の海浜ホテルで

殺害された川田誠の部屋の、机の角から採取した指紋と一致した、村田は直ぐに

刑事課長に連絡した、刑事課長は関連があると思える、宮川順子の自宅に刑事を

送り彼女の指紋を取るように命じた中村刑事と清田刑事と鑑識は早速、宮川順子

の虹ヶ浜の自宅マンションに到着した、直ぐに中村刑事がインターホンを押した

「はい、宮川ですが」

と、男の声がした

「すいません、平塚警察ですが宮川さんですね、奥さんはいますか?」

「いや、まだ帰って無いんですが・・・・」

「すいません、ちょっと開けて、貰いたいのですが・・・・」

「はい、今、開けます」

と言って、玄関ドアーが開いた

中村刑事と清田刑事は

「すいません、疑う訳では無いんですが、部屋の中を見せて頂けますか?」

「それはいいですが、いったい内のが何かしたんですか?」

「えぇ、大原しのぶ、と言う女性を、ご主人はご存知ですか?」

「・・・・いや・・・・・・・」

「その女性が先程殺害されまして、お宅の奥さんの指紋が出たのですが、一応

もう1度、奥さん指紋の照合をさせて頂きますので・・・・」

と中村刑事は鑑識を呼んだ、鑑識は直ぐに自宅に入り指紋採取をした

中村刑事は宮川秀明に

「奥さんは、今朝から出掛けてるんでしょうか?」

「いや、私が出掛ける時はまだ家にいましたから、その後、何時頃出掛けたか私は

分かりません、帰って来たら、妻はまだ帰って無かったんです」

「そうですか、分かりました鑑識がもう少しで終わりますのでそれまでお願いします

では我々は先に、どうもお邪魔しました」

と中村刑事と清田刑事は署に戻った、交代に吉田刑事と川瀬刑事が宮川の自宅

マンションに張り込んだ。

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偽装(7)

保雄はスナック「しのぶ」で暫く飲んで、その日はタクシーで自宅に帰った

翌日、保雄はタクシーを呼んで自宅から昨夜、車を置いた駐車場に行きその車で

事務所に出勤した、所長の川崎成一と木島春子は、もう先に来ていた、保雄は

「どうも、おはようございます、遅くなりました」

と保雄が言うと川崎所長が

「豊田君、君の方は調査は進んでるのか?」

「はい、大丈夫です、それより先日は、初めて事件の第一発見者になってしまって

驚きました、悲惨な現場を見てしまったので2日ほどご飯が美味しく無かったです」

「そうか、商売柄、仕方が無い事だな、頑張ってくれよ」

と言って所長は事務所を出て行った。

保雄は机に座り

「いったい大島は何故、誰に殺害されたのか? あの「三ヶ月堂」には何かまずい

事が起きてる? それは何だろうか?」

そんな事を考えていた時、事務所の電話が鳴った、春子が電話を取った

「もしもし、川崎探偵事務所ですが・・・・・」

「すいません、探偵事務所ですか?」

「はい、そうですが?」

「あぁ、実は、すいません・・・・・・ちょっと話が・・・・」

「はい、ちょっとお待ちください、今、変わります」

保雄は別の電話で聞いていたので

「もしもし、どのような、ご用件でしょうか?」

「はい、実は・・・・・・・・私の娘が「三ヶ月堂」と言う和菓子会社の娘さんと友達で

実は娘から聞いた事ですが「三ヶ月堂」の娘さんが話したと言う事を話しますと

「ねー美香今、家の商売やばいんだよ」「えぇ、どうしたの?」「ん、家の誰かが

製造年月日を変えたり賞味期限を変えたりして商売してるってタレ込んだ社員が

いるらしいんで今、会社の中ガタガタしてるんだよ」「それって偽装表示じゃぁない

やばいよ!警察にバレたら捕まっちゃうよ!」と言うような話で、あの「三ヶ月堂」

は、今、賞味期限の改ざんや和菓子に使う古くなったアンコまで繰り返し使用して

るらしいと言う事です、まだ世間にはそのニュースは流れていませんが内部告発

でもう、そろそろ警察の生活安全課の一斉捜査の手が入るのは近いと言う事です」

「・・・・・そうですか、でもまた何故、そのような話を私どもに・・・・・」

「はい、私は警察が大嫌いでして、探偵さんに話せば調査してくれるかな?なんて

思いまして、いや、何も、しないでいいんです・・・・・・それでは失礼します」

と言うと、その人物は電話を切った、保雄は

「もしもし、もしもし、お名前は?・・・・・・切れちゃったよ、おかしな人だな?でも

いい事を垂れ込んでくれたな」

保雄は苦笑いした

「やはりそうか、それで大島は、誰かに殺されたんだ、内部告発したのは大島で

間違い無いだろう、裏切り者の大島を、もしかして会社の誰かが?・・・・・・・」

「ここで推理していても、始まらないな・・・・・」

と思い保雄は出掛ける事にした、村田にはもう情報が入ってるのかなと思い

電話を入れた

「もしもし」

と村田が出た、保雄は

「仕事中だろう、大丈夫か」

「あぁ、大丈夫だが、どうしたんだ」

「実はたった今、入った情報だが例の「三ヶ月堂」の社員がどうもマスコミに内部

告発をしたらしいんだよ、あの会社、どうやら偽装表示をやっていたらしいんだ

詰まり賞味期限の改ざんだな、近く一斉捜査の入るんじゃぁないのか?」

「それは、本当か?」

「あぁ、多分、生活安全課には、もう情報が入ってるはずだ恐らく俺の考えだが

告発したのは大島清次では、ないかと思うんだがな?」

「えーと言う事は、もしかして、大島を殺害したのはその会社の人間か?」

「ん、あくまでも俺の推理だがな・・・・・」

「そうか、でもこの情報は暫く、黙って置くよ」

「そうだな、その方がいいよ、それじゃぁ又、連絡するよ」

と言って保雄は電話を切った。

その翌日、和菓子製造販売会社「三ヶ月堂」に警察の生活安全課が一斉捜索に

入った、事務所の全ての書類や工場の営業停止して書類ほか商品全てを押収して

車に積み込んだ、経営者の社長、専務、課長など経営陣は証拠が出た時点で

事情聴取されると言う事であった。

その夜、保雄は先日、調査依頼に来た川田靖子に電話した

「もしもし、川崎探偵事務所の豊田ですが、今日これから行こうと思いますが都合

はいかがですか?」

「はい、分かりました、それでは8時に、私、先に店に行っていますから・・・・」

「そうですか、では、その時間に伺うようにします」

と言って保雄は夜8時ちょうどに明石町のスナック「礼子」のドアーを押して中に

入った、店の中はカウンターに5、6人座れる感じでボックス席が4卓あった

そのボックスの1番奥の席に川田靖子が座って、多分ママさんと思える女性と話し

ていた、保雄は

「どうも、お待たせしました」

と靖子に言って、靖子の隣に座った

「あぁ、そうー、この人がここのママさんの礼子さんです」

「どうも、初めまして豊田保雄です」

「石川礼子です、ゆっくりして行ってください、何を飲まれますか?」

「それでは、ビールを・・・・・」

「はい、ちょっと、待ってください」

とママはカウンターの方に行った、保雄は

「処で、まだ今日はその男達は来て無いようだね」

「えー、来て無いですが、さっきママが「今日あたり来ると思うよ」と言っていたので

それに2人の苗字が分かりました、ママに聞いたんですが木原と林田と言う2人

だそうです」

「そう、とにかく今日来たら、帰る時に彼等の後を尾行してみよう」

「はい、分かりました」

その時、入り口のドアーが開いて、2人の男性が入って来た、靖子は保雄に

「来ました、あの2人です」

「どちらが木原ですか?」

「はい、確かスポーツ刈りの男の方だと思います」

「そうですか、そうすると銀のメガネの方が林田ですね」

保雄は頷いて2人を見た、2人とも背の高さは170センチくらいで中肉の中年男

で特に特徴と言えば1人は銀縁のメガネを掛けていた、もう1人はスポーツ刈りの

頭をして白髪交じりであった、2人はカウンターに座り飲み始めた、保雄はとにかく

彼達の先ずは住まいと勤め先を聞き出す事を、ここのママさんに頼むように靖子

に頼んだ、時間は過ぎて店が終わる時間になった、保雄はママさんに頼んで

彼達がタクシーを呼んだら、その時こちらの分も1台呼んで貰うように頼んだ

カウンターの2人がタクシーを呼んだ、ママは保雄に言われたように2台頼んだ

タクシーが付き2人はタクシーに乗り込んだその後直ぐにもう1台のタクシーが来た

保雄と靖子はタクシーに乗り込んで

「運転手さん、前のタクシーを少し離れて付けて行ってください」

と頼んだタクシーはJR東海道線のガードを潜り夕陽丘34と電柱に書いてある所で

スポーツ刈りの男が降りたタクシーはそのまま高浜台29マンションの前で止まった

そこで銀縁メガネの男が降りた保雄は2ヶ所の場所の住所を手帳に書き取っていた

保雄は靖子に

「明日にでも、2人の自宅の近所に聞き込んでみて、彼等の勤め先を調べますよ」

「そうですか、宜しくお願いします、では帰りましょう、何処でしたか自宅は?」

と言うと靖子は

「運転手さん、桜ヶ丘まで、お願いします」

と言った、保雄は

「そうか、彼女は桜ヶ丘だったのか?」

とそう思った、タクシーは桜ヶ丘の川田靖子の自宅の近くに着いた、靖子は

「今日はどうもありがとうございました、また、事務所に電話します」

と言って靖子はタクシーを降りた

「はい、分かりました、私の方もまた、ご連絡しますので・・・・・」

と言って、保雄はそのままタクシーで帰宅した。

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偽装(6)

熱海警察から、各漁港を捜査して大島清次の遺留品が無いか探すように

要請があった、平塚警察では直ぐに平塚漁港に鑑識と石川刑事と川瀬刑事を

向かわせてた、鑑識官、数人が堤防の側壁に血痕の痕跡を発見して採取して

鑑定した結果、O型の血液で、DNA鑑定も出来るとの事であった

平塚署では朝の会議が刑事課で行なわれていた、刑事主任の久本が

「たった今しがただが平塚漁港でO型の血液を採取出来たとの事だ、大島清次

も血液型はO型だ、後はDNAの型が合えば間違い無く大島が殺害された漁港と

言う事になる、それでは今迄の捜査の状況を説明する、まず1番目の殺人だが

害者の川田誠55歳は平塚市紅谷町の「三ヶ月堂」に勤めている川田は5月15日

の夜7時から9時の間に何者かに小田原の海浜ホテルの502号室でクローゼット

の鉄の棒に紐を掛けて首を吊っていた、遺体の紺スーツには枯れ草と思われる

葉が付着していたのと解剖の結果から、これはホテルの外で殺害されホテルの

502号室のクローゼットに鉄棒に吊るされた死体遺棄殺人と考えられる。

第2の事件だが、これは5月21日夜9時から10時の間、市川信男50歳が市内

松風町の自宅アパートでナタのような鈍器で撲殺された彼は小田原の海浜ホテル

で川田誠が殺害された当日同じ階に宿泊していた人間で、小田原署が取り調べた

結果、川田誠が殺害された夜の7時から9時の間はホテルの従業員が目撃して

いる又、風呂場で、2人の客と話していたと風呂に入っていた人間が1人り証言し

ていた事が分かった、詰まり当夜のアリバイはある事が分かった、それと平塚の

人間で小田原の事件当日、やはり同じ階に宿泊していた宮川夫婦がいたが

これもホテルの従業員が夜7時から9時の間は目撃していた為、殺害時間の

アリバイある事になる。

第3の事件は、5月27日に熱海の定置網に引っ掛かった大島清次37歳だが

彼もまた平塚の「三ヶ月堂」の社員で川田誠より若いが仕事場では先輩だった

が彼と川田は社内で余り旨く行っていなかった、死因は水死では無く脇腹を数回

鋭い刃物で刺されたのが致命傷だと分かったまた、殺害日時だが妻の話から

推測しておおよそ5月10日頃に殺害されたのではないかと思われる、以上が

現在までの経過だが・・・・・・・何かあるかな?」

中村刑事が

「主任、この3件の事件は、同一人物の犯行でしょうか?」

「いや、それはまだ手口もバラバラだし分からんな?少なくても1件目の川田誠の

件は2、3人の手が無いと出来ない犯行だろうな?」

今度は清田刑事が

「主任、小田原の海浜ホテルに事件当夜宿泊していた平塚の3人ですが、本当に

アリバイは成立してるんですか?」

「あぁ、ホテルの従業員が見てるのでな、アリバイは間違い無いだろう」

「どうも、納得いきませんが、詰まり川田誠は外で殺されてるんですよね、それでは

遺体はどうやってホテルの中に運んだんですか?私は川田誠は比較的小柄です

からやはり宮川夫婦の大きい旅行バッグが怪しいと思うのですが?」

主任の久本は

「そうだな、ただ夫婦にはアリバイがあるんでなそのアリバイが崩れないとちょっと

難しいな少なくても市川信男が、自宅で殺害された動機は何なのか?その動機が

分れば今回の事件に近ずくと思うんだが、とにかく皆頑張って捜査に当たってくれ

それでは他に無ければ・・・・・・・これで終わる」

会議は終わり、刑事達は2人一組で出掛けて行った。

一方、その日の10時頃、川崎探偵事務所に川田誠の妻の靖子が依頼に来た

「いらっしゃいませ、今日はどのような・・・・・」

と保雄は言って聞いた

「実は私は先日、殺害されました川田誠の妻の靖子ですが・・・・」

「はい、どうもその節は、ご愁傷様でした、実は私も貴女に伺いたい事が

あったんですよ、いいですか川田さんの会社では何か、まずい事が起きてると

言うような事を、生前ご主人から聞いていませんか?」

「あぁ・・・・・・・いや、知らないですね、私は何も聞いていません」

「そうですか、そう言う情報が入ったものですから、それで今日はどのような・・・」

「はい、これは、姉にも内密に捜査して貰いたいのですが、実は私の姉の一之瀬

静子が30年前の19歳の時、2人の男にレイプされ、挙句妊娠してしまって、私達

は皆で「お姉さん何処の誰とも分からない人の子供なんだか下して」と姉に言った

んですが姉は考えて結局「子供に罪は無い」と言って産んだんです、実はその時の

犯人では無いか言う人間が私が時々行くパチンコ店で会う女性で明石町で「礼子」

と言うスナックをやってる人の話から「もしかしたら?」と思いながら、私1度、彼女

がやっているスナック「礼子」に行きまして、時々来ていると言う、その2人の男を

見て来ましたが、でも、そう言う話は、その時はしなかったので、証拠が無いので

どうしょうも無いのですが・・・探偵さんなら、旨くやってくれるのではないかと思って

今日、思い切って来たんですが・・・・」

「そうですか、それで、その事は警察には届けたんですか?」

「はい、私達家族が届けました」

「そうですか、しかし今更、捕まえたって何の罪にも問えないですよ時効過ぎてます

からね」

「いいんです、彼等達が内の姉に頭を下げて謝ってくれれば、それでいいんです」

「そうですか、分かりました、そこのスナック「礼子」とは何処にありますか?」

「はい、明石町の小さい神社があるんですがその隣にあります、もし行く時が分か

れば、私も一緒に行きますよ」

「そうですか、分かりました、貴女の電話番号を教えて頂ければ、電話します・・・・」

「分かりました、090-****-****です」

「分かりました、それでは電話しますので、その時に又」

「それで、こちらの支払いは、どうするんですか?」

「あぁ、後でいいですよ、終わってからにしましょう」

「分かりました、では宜しくお願いします」

そう言って、彼女はか帰って行った。

翌日、保雄は午前10時に熱海に向かった、保雄はホテル、旅館と次々と大島の

写真を持って、宿泊してないか聞いて歩いた

18軒を過ぎて19軒目の橘旅館と言う老舗の、小さな旅館で写真を見せると

「あぁ、この方ですか、ちょっとお待ちください」

と、そこの女将さんと思える50過ぎの女性が奥に入って又、帳面を持って

来てくれた

「あぁ、この方ですよ、そう確か5月11日の朝にチェックアウトされました方です」

「そうですか、それで何時から宿泊していたんですか?」

「4日の夜に、こられてからですから6日間泊まられて、行かれました」

「そうですか、それでこの写真の大島さんを尋ねて来た方は無かったですか?」

「いや、いませんでしたよ、毎日、部屋の中で過ごされていましたよ」

「電話は無かったでしょうか?それと大島さんは女将さんに、何か、会社の事

を話しませんでしたか?」

「いえ、何も聞いていせんし、電話も無かったです・・・・」

「そうですか、どうもありがとうございました」

保雄はお礼を言って、事務所に戻った、その夜、保雄は、夜8時過ぎにに1人で

紅谷町にあるスナック「しのぶ」に初めて行ってみた、ドアーを開けると

「いらっしゃいませ」

と30歳くらいの女性がカウンターの中から返事をしたのか、聞こえて来た

保雄は、一瞬

「わー狭い店だー」

と、声を上げそうになったのを抑えた、そこは、カウンターだけのうなぎの寝床の

ような感じの10人くらいは座れるような細長い、お店だったカウンターに座ると

人一人通れるくらいの広さしか無い感じだった、お客はもう5人くらい座って飲んで

いた、と、そこの女性が

「何にしますか?」

と、お絞りを持って来て聞いた

「すいません、ビール貰えますか?」

直ぐに若い女性がビールを持って来て

「お客さん初めてですね、どーうぞ」

と言って、注いでくれた、保雄はビールを飲み干して

「一杯、いかがですか?」

と彼女に勧めた

「あぁ、どうも」

と言って彼女はグラスを持った、保雄はビールを注ぎながら

「あそこに居る人、ママさん?」

と女性に聞いた

「そうよ、知ってるの?」

「いや、何となくそんな感じがしたんで・・・・旦那さんがいるんだろうね」

「いや、独身ですよママは」

「そう、でも彼氏はいるよな?いや、必ずいるよ、感だけどね?」

「それは、知らないけどね・・・・ママはもてるからね、いるかも、貴方は独身なの」

「あぁ、独身だよ、金が無いので、結婚なんか無理だよ俺には、ハッハッハッハ」

と保雄は笑った。

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偽装(5)

平塚署の中村刑事と清田刑事は松風町の自宅で撲殺された、市川信男の

交友関係を捜査していた、彼の職業は横浜、関内にある「月刊スポット」の

記者兼カメラマンをやっていた、2人の刑事は横浜の「月刊スポット」を訪ねた

「こんにちは、すいません、私は平塚警察の者ですが市川信男さんの事で伺い

たい事が有りまして・・・・・」

と警察手帳を見せて

「すいません、殺害された市川信男さんは、どんな方でしたでしょうか?」

近くの机にいた若い女性が

「編集長!すいませんが、来て貰えますか?ー」

奥の机に座っていた、40代の男性が立ち上がって、こちらに来た、中村刑事は

「すいません、市川信男さんの交友関係を捜査中なんですが彼は誰かに怨まれて

いると言うような事は無かったでしょうか?」

「いや、そう言う事は無いと思いますよ」

「そうですか、彼が仲良くされていた方は会社では、どなたでしょうか?」

「そうね、俺とは年も近いので良く帰りに飲んだがね・・・・」

中村刑事は

「そうですか、でその飲み屋さんは、何処にあるんですか?」

「駅の側にある「串辰」と言う居酒屋ですよ」

「そうですか、処で市川さんは女性関係はどうだったんでしょうか、独身でしたが?」

「奴は1度失敗してるんだよ、何か静岡に息子さんがいると言っていましたが息子に

は離婚後も、時々会っていると言ってましたよ」

「そうですか、静岡のどこかは分からないですか?」

「そこまでは聞いてませんね」

「分かりました、その「串辰」さんは何時から開きますか?」

「確か夕方5時から、開いてるはずですよ」

「そうですか、どうもありがとう、ございました」

2人の刑事は5時まで店の近くで時間を潰した、5時に店が開いた2人は居酒屋

「串辰」に入り警察手帳を見せて、店主に聞いた

「すいません、ここの店に来ていた市川信男さんが殺害されたのはご存知ですか」

「えぇ、良く来てたいい人でしたのに残念ですね、それで犯人は捕まったんですか」

「いや、まだなんですよ、それで聞いて歩いているんですが、すいませんが市川さん

は女性と、ここに来た事は無いですかね?」

「そうね・・・・・無いね、あの人は、お酒と仕事と金が好きで女性の方は苦手のよう

だったね・・・・・・・ちょっと待ってよ、そう言えば1度、女性の方と飲みながら話し

ていたな・・・・・・・・そう思い出したよ」

「その女性はどんな感じの方でしたか?」

「45、6歳の女性だったと思うけど、多分、別れた奥さんかな息子がどうのこうのと

話していたようだったな?」

「・・・・・・そうですか、その時、静岡の話なんかしてませんでしたかね」

「あぁ、そう言えばその時、息子さんが掛川市役所に勤めている女性と付き合って

いるらしいとか話していたね」

「その女性の名前は分らないですか?」

「そう、確か内の苗字と同じ、鈴木だと言ってたな」

「鈴木、何さんですか?」

「えーと、そうー・・・・・確か美奈さんだったように思うがね」

「そうですか、鈴木美奈さんですか、どうもありがとうございました」

中村刑事と清田刑事はそう言って居酒屋を後にし、2人は署に戻った。

5月27日の早朝4時半頃、熱海の定置網に男性の水死体が引っ掛かっているの

を地元の漁師が発見して警察に電話して来た、直ぐに遺体は引き上げられた

遺体は全裸の状態で右脇腹数箇所に、鋭い刃物で刺されたと思われる傷があり

それが致命傷ではないかと考えられた又、遺体は腐敗がひどくて身元を確認する

のに指紋の採取と顔写真が撮られた幸い顔はそれほどの損傷は無かっただので

警察では各警察署に行方不明人の捜索願いが出ていないかと、害者の写真を

送って調べて貰うように要請した、又、殺害現場は何処なのか?車の中で刺された

として、その車の車種は?目撃者はいたのか?これからの捜査に掛かっていた。

その後、解剖して身元不明遺体として2日後に火葬されて、一旦、遺骨は熱海

警察署で保管した。

その火葬の夜、村田から保雄の所に電話があって熱海で男性の水死体が

上がって身元が分からない為に各署に連絡を取り、捜索願いが出ている人物が

いるか聞き、見当たらないと言う事で今日、火葬されたと連絡があった、保雄は

「えー、それは本当か!だいたい何歳くらいの男性か分かるか?」

「あぁ、40歳前後では無いかと言う事だよ」

「遺留品は無かったのか?」

「全裸だったようだから、恐らく遺体は潮の流れから言って、平塚当たりで海に

投げ込まれた可能性があると言う事だよ」

「そうか、すると何処が犯行現場か探さないとな、投げ込んだと言うと場所は

何処かの漁港かも知れないな?」

と保雄は言って

「平塚か茅ヶ崎か大磯の漁港を調べる必要があるかな?」

「ん、そうだな、刑事課でも、その場所は捜査するはずだよ」

「そーか・・・・・・・・・そうだ、いや、失敗したかな? 実はな、先日の依頼人の

夫の大島清次が丁度その年齢なんだよ明日、熱海署に言ってくるよ」

「それより、平塚署で写真が届いてるので、見たら分かるんじゃぁないか?それで

分からない時は大島清次に自宅から清次の指紋を採取して、害者から取ってある

指紋と照合すれば直ぐに分かるよ」

「そうか、それでは明日朝、依頼人と行ってみるよ、それで死亡推定日時は分かる

のか?」

「あぁ、発見が3日前の27日の早朝だが、科捜研の解剖では死亡日時は5月10日

頃ではないかと言う事だよ、海水温が低かったので、遺体がもったと言う話だよ」

「そうか、行方不明が今月の初めと聞いたから、1週間ぐらいは何処かで生きていた

可能性があるのかな?」

村田が

「熱海の何処か、ホテルか旅館にでもいたのかな?」

「んー、当たってみるか?」

保雄はそう思っていた、しかし、明日、大島の妻の美代子と一緒に平塚署に行く

のが先と思っていた。

翌日の朝、保雄は大島美代子の自宅に電話した

「もしもし、あぁ、奥さんですか?実は大変残念なんですが、ご主人と思われます

ご遺体が4日前に、熱海の海で発見されていたんですが、警察に捜索願いが出て

いない為、解剖した後、火葬していたと言う事が分かったんです、それでご主人の

ご遺体の指紋と顔写真は撮って有るそうですから、これから平塚警察に一緒に

行ってください」

「ほ、本当ですか!・・・・・・分かりました、これから何処に行ったら・・・・」

「あぁ、警察署の前で、私が先に待っていますから来てください」

「分かりました、直ぐ行きます」

保雄が平塚署の前で待っていると、村田が来てくれた

「まだ、奥さんは来ていないのか?」

「あぁ、もう来るだろう、実は話していないと思うんだが、先日俺が宮川秀明に自宅

マンションに行って、人を探してるんだがと言うと奴の女房の順子が出て来たんで

お前から貰っていた川田誠の写真と市川信男の写真を持ってたんで、市川信男の

写真を見せたら、最初驚いた顔をして、その後とぼけて全く見た事無い人だと言う

んだよ、小田原の海浜ホテルのロビーで宮川順子は市川信男と出合わせている

はずなのに、嘘を行っていたので、これはおかしい、何か裏があるなと思ったんだ」

村田は

「そうか、そんな事があったのか、分かった、刑事課長に話して置くよ」

「あぁ、宜しく頼むよ」

そんな話をしてた時、そこに大島美代子が歩いて来た

「お待たせしました」

「それでは、私の後を来てください」

と村田が言ってくれた保雄と美代子はその後に続いて歩いた村田は2人を鑑識課

の課長に紹介した

「そうですか、では、写真を見てください」

といい村田が熱海で殺害された大島清次と思われる写真を見せた

「あ!・・・そんな!・・・・・」

「ご主人でしょうか?」

と保雄が聞いた

「はい、間違いありません」

と彼女は言って涙を流していた、鑑識課長が

「分かりました、それではご主人のご遺骨が熱海署にありますからこちらに移送

するように手配しますので、待って頂けますか?」

大島美代子は

「はい、分かりました」

そう言って保雄と美代子は鑑識が案内した応接室で待つ事にした、1時間ほどで

大島清次の遺骨は妻の美代子の手に渡っていた、保雄は

「それでは、私が自宅まで送りましょう」

と言って彼女を送った、帰りがけに美代子が

「調査依頼の支払いは明日にでも伺います」

「いや、急がなくていいですよ、ご主人の事が終わってからでも、いいですから・・・・

電話を頂ければ、事務員が請求書を見せまして説明します、私がいる時なら私が

説明しますが・・・・・そう言う事で、宜しくお願いします」

保雄はそう言って事務所に戻った。

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偽装(4)

翌日の土曜日、保雄は市内虹ヶ浜23-7マンション「パーク、イン」を訪ねた

宮川の自宅が何階の何号室なのか分からないので、1階の突き当たりの自宅を

訪ねて聞いてみた、インターホン押すと

「はい、どなたですか?」

「こんにちは、どうもすいません、実はこちらのマンションに宮川秀明、順子さんと

言う、ご夫婦が住んでると聞いて来たんですが、お分かりでしょうか?」

「あぁ、知ってますよ、3階の5号室ですよ」

「そうですか、どうもありがとうございました」

保雄はエレベーターで3階に上がった、そして宮川秀明と表札が出ている

インターホンを押した

「はい、どなたですか?」

「すいません、私は川崎探偵事務所の者ですが突然伺ってすいません、この当たり

に住んでいる人を探しているんですが、ちょっと写真を見て頂けませんでしょうか?」

「はい、じゃぁ今、開けます」

と言って直ぐにドアーが開いて20代半ばの女性が出て来た、保雄は川田誠と市川

信男の写真を村田から貰っていたので、その市川の写真を見せた、保雄は小田原

で宮川夫妻が市川信男とも海浜ホテルのロビーで会っているはずなので、その事を

確かめる為でもあった

「あぁ、どうもすいません、この人ですが、見た事は無いでしょうか?」

「あ!いや・・・・・・・無いですね・・・・・・・」

保雄は、一瞬だが、彼女の目が驚いたのを見のがさ無かった

「そうですか、分かりました、どうもありがとうございました」

と、言って宮川の自宅から引き返したが

「やはりおかしいな、何故、嘘を言う必要があるのか?何かを隠してるに違いない」

保雄は車をそこから隠して車の中で、宮川夫妻を張ってみようと思った、1時間ほど

して、裏から1台の乗用車が出て来た

「あ!宮川だ!・・・・・・宮川秀明だ」

保雄は、その車の後をゆっくりと着いて行った。

一方、平塚警察の久本と高橋刑事は「三ヶ月堂」の長男で課長の一之瀬有三から

預かった高校の卒業名簿の中から、その中の杉野登と言う市内の桃浜町の自宅

を訪ねて、その家の玄関チャイムを押した

「はい」

と声がして、玄関ドアーが開いて50代と思える男性が出て来た

「こんにちは、お忙しい処すいません、平塚警察ですが、実は貴方は高校の時

川田誠さんとは同級生と伺いまして、少しお話が伺いたいと思いまして来たんで

すが・・・・・」

と主任の久本が聞いた

「あぁ、そうですよ、それで何を聞きたいんですか?」

「えぇ、実は川田誠さんが先日、小田原のホテルで亡くなられたんですが・・・・」

「えー、本当ですか?驚いたな、いったいどうしてですか?」

「絞殺されたんですよ」

「まさかそんな事が、彼とは高校を出てから、3度くらい街でバッタリ会って一緒

に飲んだ事がありましたがまさか・・・・・そんな事になるなんて・・・・」

「そうですか、処で、彼に1番最近会ったのは、何時頃でしょうか?」

「そうれが、最近なんですよ、ムシの知らせとでも言うんでしょうか?それが今月の

10日の金曜日でしたが、やはり街で前から来る川田と会って、居酒屋で一杯飲み

ましたよ」

「そうですか、その時は、川田さんとは、どのような話をされましたか?」

「そうね、今貸し店舗を探してるって言ってましたね、それと今会社で、まずい事が

起きているんだ、とも言っていましたよ、私はどうしたんだと聞きましたが、彼は

それ以上の事は、何も言いませんでした、それから1時間くらい2人で飲んで

別れたんです」

「そうですか・・・・・まずい事ですか、どうもありがとうございました、それで最後に

もう一つ伺いますが川田さんが高校の時、1番仲良くされていた方はどなたか分か

りますか」

「そうね、確か、藤崎次郎だったかな?」

「その、藤崎さんの自宅は何処にありますか?」

「えー、ここから西に300メートルくらいしか無い所でので、直ぐに分かりますよ

桃浜町の3丁目25ですから、また、そこの当たりで聞いてみてください」

「あぁ、どうもありがとう、ございました」

久本主任と高橋刑事は、その足で藤崎次郎と言う同級生の自宅に向かった

久本達は直ぐに藤崎の自宅に着き、玄関のインターホンを押した

「はい、藤崎ですが・・・・・」

「すいません、平塚警察ですが・・・・・」

「はい、ちょっと、お待ちください」

暫くして、玄関ドアーが開いて20代半ばくらいの女性が出て来た

「はい、なんでしょうか?」

「あぁ、すいませんが、藤崎次郎さんは、お出ででしょうか?」

「はい、父ならいます、今、呼んできます」

玄関先で暫く待っていると、50代くらいの男性が出て来て

「どうも、お待たせしました、どのような事でしょうか?」

「はい、実は高校の同級生で川田誠と言う方は、ご存知ですね」

「あぁ、はい何か事件に巻き込まれて亡くなったと、テレビで見ましたが、いったい

何故ですかねいい人間だったのに、彼が勤めている「三ヶ月堂」の社長の娘が

内の娘と同級生でしてね、そんな事で川田に、たまに会うと居酒屋で一杯飲みま

したよ」

「そうですか、先程の娘さんが、それで川田さんとはどんな話をされたんですか」

「そうですね、何か会社であったんでしょうか?・・・・話しませんでしたがね」

「そうですか、また、伺う時には協力してください、どうもありがとうございました」

と久本はいい2人は署に戻った。

その頃、保雄は宮川秀明の自家用車の後を付いていた宮川の車は宝町の、ある

マンションの駐車場に止まった、保雄も車を止め後を付けた、宮川はエレベーター

で5階の6号室に入った、保雄はその部屋の表札を見た、大原しのぶと出ていた

「そうか、もしかしたら、愛人かな?とにかく車の中で宮川が帰るまで待ってみよう」

と保雄は時間を潰した、夜7時半頃、やっと車が動いた、車の中には宮川と30歳

くらいの女性が乗っていた、車は紅谷町のスナック「しのぶ」と言う店の前で止まり

女性が降りて、車は走りだした、保雄は宮川の車を付け行くと近くのコイン駐車場

に入った、宮川は車を止めると歩いて、彼女を降ろしたスナック「しのぶ」に入って

行った、保雄はそのつど写真を取って来たが、これで早く大島清次を探さないと

事件が進まないと思い、彼の実家は何処なのか聞いて見ようと「三ヶ月堂」に聞き

に行く事にした

「三ヶ月堂」に着き、事務所に行った保雄は

「こんにちは、どうもたびたびすいません、また、課長の一之瀬さんにちょっとお話

を伺いたいのですが・・・・」

「分かりました、少々お待ちください」

暫くして、先日の一之瀬有二課長が来た、保雄は

「どうもたびたびすいませんが、実はある所からの情報ですが、単刀直入に伺い

ますが、お宅の会社では内部で今、何か問題が起きているのでは無いかと言う

情報なんですが、それは本当ですか?」

「何の話でしょうか?全くデマですよ、何だか知りませんが、私どもでは良く分かり

ませんが・・・・・・もう話はいいですか・・・・・今、会議中でしたので・・・・・」

「あぁ、それはどうもすいませんでした、どうぞ、結構ですから」

保雄は、そう言ったが

「これは何か問題があるに違い無いな?」

と直感した、保雄は事務員の女性に

「すいませんが、実は大島清次さんの実家の住所が分かれば教えて貰いたいの

ですが・・・・・」

「はい、分かりました、ちょっと、待っていてください、調べますので・・・・」

そう言うと事務員は書棚を見ていて、机に戻り、メモをして保雄に渡してくれた

「ああ、どうもすいません、お手数掛けました」

そのメモを見て保雄は

「そうか、彼は横浜の希望ヶ丘173-17か、よしこれから行ってみよう」

保雄は厚木から大和を抜け希望ヶ丘の駅前に着いた、直ぐに交番を探して

173-17を探してもらう事にした

「こんにちは、すいません希望ヶ丘173-17の大島さんと言うお宅に行きたい

んですが、教えて貰えますか?」

「はい、ちょっと待ってください」

と警察官は机の上に希望ヶ丘の地図を広げて見せてくれた

「ここが現在地だからこの道を北方向にこう行くと、そうここに大島さんとあるよ

どう分かった」

「はい、分りました、どうもすいません、ありがとうございました」

そう言って保雄は、その道を走った、5分ほどで大島と入り口の所に書いてある

自宅に着いた

「ここだな」

保雄は車を止めると、玄関のインターホンを押した

「はい、どなたでしょうか?」

「すいません、私は川崎探偵事務所と言う所の者ですが」

「はい、ちょっと、待っててください」

暫らくしてドアーが開いた

「すいません、実は大島清次さんが今、行方が分からないと言う事で奥様から

依頼を受けたのですが聞いて、おられますか?」

「はい、美代子さんから電話を貰っています、それで息子の居場所は分かった

んですか?」

「いや、未だなんですが・・・・それですいませんが、清次さんは奥さんの話では

こんな事は、これで2度目と言っていましたが清次さんは、放浪癖があったと

言う事は無いでしょうね」

「いや、子供の時から、そんな事は無かったです」

「そうですか、お母さんは清次さんが行くとしたら何処だと思われますか?」

「いや、分かりませんね」

「清次さんの高校のお友達などは、この近くに住んでいられますか?」

「いや、分からないです」

「そうですか、清次さんの高校の卒業名簿は、こちらには無いですね」

「はい、美代子さんに聞いて貰えば分かると思いますが・・・・」

「分かりました、どうもお邪魔しました、ありがとうございました」

と言って保雄は平塚に戻った。

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偽装(3)

平塚署の久本主任と高橋刑事は車で小田原市本町のマンション1階にある

「有、広中不動産」と言う店に着いた

「こんにちは!」

「いらっやいませ」

「すいません、平塚警察ですが、ちょっと、お話を伺いたいのですが・・・・」

「はい、何でしょうか?」

「実は先日の5月15日の夜、平塚にあります和菓子会社「三ヶ月堂」の社員の

川田誠さんが亡くなったんですが・・・・」

「あぁ、その事ですか、こちらの刑事さんも聞きにこられましたが、あ、すいません

私は専務の野島正雄です、あの日は川田さんと貸し店舗を3ヶ所ほど見て回った

んですが、何か気にいった場所が無いと言う事で「それじゃぁ又、別の所を探して

置きましょう」と言う事になって、平塚に帰られてとばかり思っていたんですが・・・・

いや、驚きましたよ」

「処で、川田誠さんが貴方と、別れた時間は何時頃でした」

「そうですね、早かったですよ、確か・・・・3時頃に別れましたよ」

「そうですか、彼は、他に何か変わった事を言っていませんでしたか?」

「いや別に・・・・・「それでは又、頼みます」と言っただけですが・・・・」

「そうですか、分かりました・・・・・・どうもありがとうございました」

と言って「有、広中不動産」を出た、主任の久本は

「川田は、野島専務と別れた後、誰かに何処かで会ったんだな、それで絞殺された

しかし何処で殺害したのか、何処かの草むらのような所かな、犯人達はわざわざ

何故?ホテルに遺体を持ち込んで偽装したんだ??」

と高橋刑事が

「そうですね、・・・・やはり自殺と思わせる為でしょうか?」

「それだけ、警察を甘く見てるって訳か、よーしこの犯人は必ず上げてやるからな」

と、言って2人は平塚署に戻った。

その頃、保雄は市内紅谷町の「三ヶ月堂」を訪ね、社員に話を聞いていた

「それで、大島清次さんはここで、何かトラブルにでもあったと言う事は無かったの

でしょうか?」

「いや、無いですよ、ただ亡くなった川田さんとは仕事の事で良くブツかっていまし

たがね」

「それは本当ですか?」

「えー、年下の大島の方が仕事では先輩でしたから、何かと社長の親戚の川田さん

は、彼が気にいら無かったんでしょうね」

「そうですか・・・・・どうもありがとうございました、また伺うかも知れませんので・・・・」

そう言って保雄は、村田に相談してみたいと思い電話した

「もしもし、俺だよ実は俺の方にも小田原で起きた殺害事件の関連するような仕事

が入って来てな、それで紅谷町の「三ヶ月堂」に行って聞いて来たんだが実はその

「三ヶ月堂」の従業員の大島清次と言う男が、今、行方不明なんだよ、それで俺の

事務所にその大島の奥さんが調査依頼に来たと言う訳だよ、それで「三ヶ月堂」の

話なんだが小田原で殺害された川田誠と、その大島は会社の中で良く仕事の事で

ブツかっていたと言う事なんだよ、詰まり、余り仲が良くなかったと言う事だな」

と保雄が言うと、村田が

「それじぁ、ホシはその大島と思ってるのか?」

「いや、それはこれからの捜査次第だが、とにかく大島清次を探さないと解決しな

いと思っているんでな・・・・」

「そうか、それじゃぁ頑張ってくれよ、又電話するよ」

と言って村田は電話を切った、保雄は次に現場と同じ階にいたと言う、平塚市内の

松風町の3-26「コーポ石田」に住む市川信男と市内虹ヶ浜23-7「パーク、イン」

に住む宮川秀明順子夫妻を当たってみる事にした、ただ3人にはホテルの従業員

が証明したアリバイがあったので、保雄は、話だけでもと思い、初めに松風町の

「コーポ、石田」の市川信男の自宅を探した、保雄はそのマンションをやっと探した

が車が、1台通れるくらいの幅しかない路地なので近くに空き地か駐車場が無いか

を探して空き地に車を止めた、そこから歩いて「コーポ、石田」に向った

そこはマンションと言うよりも、アパートと言う感じのモルタル造りの古い建物で1階

2階で10世帯が住める造りであった、保雄は1階の表札を順番に見て次に階段を

上がった角部屋の次の部屋の表札に「市川信男」と出ていた、保雄は

「ここだな・・・・」

と思いドアーをノックしてみた

「こんにちは!市川さん!」

と繰り返して言ったが応答が無いので手帳にメモしてドアーの隙間に挟む積もりで

メモを差し込んだ、その時、ドアーが少し開いたので、保雄は

「あれ!閉めて無いのかな?」

とノブを廻してみた、するとドアーには鍵が掛けて無かった、保雄はそのドアーを

そっと開けた、布団が敷いてあって人が寝ているように、掛け布団が持ち上がって

いたので、保雄は大きい声で

「こんにちは!市川さん!起きて下さい!」

と、言ったが返事が無いので保雄は、不安な気持ちで、布団の側に行った

「あ!」と保雄は息を呑んだ、そこには頭から鮮血がかなり飛び散って亡くなって

いる男性の死体を発見した、保雄は直ぐに村田に連絡を取った、その後、直ぐに

平塚警察から刑事と鑑識が現場検証に来た、保雄は第一発見者なので、刑事に

色々と聞かれたが、側に鑑識の友人の村田がいたので、特に怪しまれずに済んだ

が保雄には初めての貴重な体験であった死因はナタのような物で頭部を殴打され

頭蓋骨陥没で出血多量が死因と推定された、また死亡推定時刻は昨夜5月21日

の夜9時から10時の間であると分かった、現場からは指紋は出なかったが鮮血が

吹き出た為か、足跡はハッキリと採取出来た凶器は恐らく犯人が持ち去ったと思わ

れると言う事であった、足跡から推測すると犯人はおよそ170センチ前後の身長で

あると思われた、刑事主任の久本は、現場を見て

「恐らく犯人は、かなり返り血を浴びているだろうな・・・何処か近くで着替えを捨て

ているかも知れないので、探してみてくれ、凶器もな・・・・・」

と久本は高橋刑事と鑑識に伝えた、保雄は警察に協力して解放された時間はもう

夕方5時を回っていたので、一旦、事務所に戻って今迄の事を整理した。

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偽装(2)

小田原警察の主任刑事は

「すいません、お忙しい処、しかしこれは殺人事件ですから、ご協力を宜しくお願い

します、それでは部屋の若い番号順に、お話を伺いますので、初めに斉藤さん

ご夫妻から、こちらに来てください」

そう言って刑事達は順番に、昨夜のアリバイをちょうど10名の人達に順番に話を

聞いた、その中で平塚の人間が3人いた、511号室に会社の出張と言う事で

宿泊していた市川信男50歳で平塚市松風町3-26の「コーポ石田」と言う

アパートに現在独身で住んでいた、職業は月刊誌「月刊スポット」の記者兼

カメラマンであった、もう1組は平塚市虹ヶ浜23-7「パーク、イン」と言うマンション

に住む507号室にいた宮川秀明30歳と宮川順子26歳の夫婦であった

後の7名は別の県から来た人間であったので、住所、名前、生年月日、電話番号

を聞いて身元確認の上帰って貰う事にしたが、連絡は直ぐに取れるようにして置い

てくれといい、帰宅して貰った

主任刑事は、残った3人の内、独身の市川信男のアリバイを聞いた

「市川さん、貴方は昨夜の7時から9時の間は、どちらにいましたか?」

「部屋にいたに決まってるでしょう、従業員の方に聞いてくださいよ、あとは風呂に

10時頃に行きましたが・・・・・」

主任刑事は

「そこを誰かに見られましたか?」

「確か従業員の方と出会ってるはずですよ、風呂には私の他に2人いましたよ」

「そうですか、どんな人だったか覚えていますか?」

「1人は40代くらいの方で髪の毛が長かったです、もう1人も同じくらいの年で

坊主頭の方でしたね」

「そうですか、こちらで聞いて調べてみましょう」

次に刑事は宮川秀明、順子夫妻に聞いた

「すいません、ご夫妻は昨夜は7時から9時の間は、どうされていましたか?」

「部屋で飲んでましたよ、それから9時には2人とも酔っ払って疲れていたので

直ぐに寝てしまいましたよ、そう確か従業員の方に、お酒を持って来て貰いました

ので聞いてくださいよ」

「そうですか、処で、これからどちらか、ご旅行に行かれるんですか?大きな旅行

バッグを持ってられるんで?・・・・・」

「いや、九州からの帰りです1週間向こうにいたのでね、直接、平塚に帰る予定で

いたのですが、ちょっと都合が出来まして今日になりました」

「出来たましたら、その都合と言うのを聞かせて貰えませんか?」

「あぁ、いいですよ、妻の友人が市橋産婦人科で出産しまして、そこに見舞いに

行ったんです」

「そうですか、その友人の方のお名前は?」

「古川裕子さんといいます」

と順子が答えた

「そうですか、分かりました、お土産が一杯なんでしょうね、又、伺う時は、ご協力

お願いします」

そう言って刑事はフロントで彼達、3人の身元確認をした上で開放した

当然、警察は平塚の3人のアリバイの裏は取って確認したが間違い無かった

又、死亡推定時刻には平塚の人間を含めて5階の人間には全員アリバイがある事

を確認したので、ホテル全員の昨夜の宿泊者名簿から捜査に当たる事となった。

その夜、豊田保雄の所に平塚警察の鑑識課の友人の村田亮から電話があった

「ようー俺だよ、実は今日、小田原の海浜ホテルで平塚のあの和菓子会社の

「三ヶ月堂」と言う会社の社長婦人の妹の夫で川田誠55歳が首を吊って自殺した

と思われたが、実は彼の紺スーツに雑草が付着していたんだそうだよ、だから

もしかしたら、別の処で首を絞められてホテルで偽装自殺に見せ掛けたのではと

警察は考えたらしいが、どうも殺害された階の人間達には全員にアリバイがある

らしいんだよ?」

保雄は

「と言う事は別の階の人間と言う事か?それは大変だな処で指紋や足跡は取れた

のか?それと死亡推定時刻は何時なんだ?」

「あぁ、指紋の採取は出来たが、足跡は無理だったよ、ホテルでは人出入りが多い

から大変だよ、それと死亡推定時刻は、昨夜5月15日の、夜7時、から9時の間

と言う事だよ」

「そうか早い時間だな、その川田誠は誰かに殺されるような動機があったのか?」

「いや、まだ捜査中だから、何とも言えないよ」

「処で、現場の同じ階に宿泊していた中に平塚の人間が3人いたらしいな?テレビ

で、やっていたんでな」

「そうなんだよ、刑事課では、その3人を取り合えずアリバイはあるが、裏取り捜査

するらしいよ」

「そうか、それじゃぁ、俺にその3人の住所と名前を聞かせてくれないか、後写真を

送っておいてくれると有り難いんだがな・・・・・」

「川崎探偵事務所宛でいいのか?分ったよ、もうニュースでも流れている事だしな

まず、1人目が市内松風町3-26「コーポ石田」と言うアパートにいる市川信男

50歳と言う事だ、その次は宮川秀雄、順子と言う30歳と26歳の夫婦だよ住所は

市内虹ヶ浜23-7で「パーク、イン」と言うマンションだそうだよ」

「そうか分ったよ、ありがとう、俺の方は相変わらず不倫調査が多いよ」

と、保雄は笑いながら話した、村田は

「そうか、殺害されたのが平塚の人間なので、小田原署と合同捜査と言う事だよ」

「そうか、まぁ、確りやってくれ!俺の空いてる時間なら何時ものように協力するよ」

「分った、そうだな、それじゃぁまた」

そう言って村田は電話を切った。

葬儀が終わった次の日、平塚警察の刑事課では4日前、川田誠の解剖の結果

絞殺と決まったと、小田原署から連絡が入った、その後、川田誠の勤め先と

交友関係を洗う事になった、久本主任と高橋刑事は、害者の働く和菓子会社の

「三ヶ月堂」を訪ね、受付で聞いた

「こんにちは、すいません、平塚警察ですが15日に殺害された川田誠さんの事で

少し、お話を聞かせて頂きたいのですが・・・・」

「少々、お待ちください」

と受付の女性は何処かに電話した

「すいません課長が、お話しするそうです、どうぞこちらに」

と言って事務員は2人を応接室に案内した

「どうぞ、お座りになって、お持ちください」

と言われ2人はソファーに腰を降ろした、暫くすると

「どうも、お待たせしました、先日言われました、叔父の高校の卒業者名簿です

やはり叔父は誰かに殺されたんですか?」

「そのように思われますそれとすいません、この名簿を暫く預かってもいいですか」

「あぁ、いいですよ、どうぞ」

「それではお預かりします、処で先日は川田誠さんは仕事で小田原に行かれた

と聞きましたが、その時、会われた方は当然こちらで、お分かりだと思いますが

どなたでしょうか?」

「はい、小田原の「有、広中不動産」と言う会社の専務と会ったと思いますが」

「その場所は、何処にあるか、お分かりですか?」

「はい、ちょっとお待ちください」

と彼は手帳を出して

「小田原市本町2-4-16です、マンションの1階です、自宅はそこの上ですね」

「そうですか、分かりました、それではこの名簿は預かります、どうも今日は

ありがとうございました」

主任の久本と高橋刑事はその足で小田原に向かった。

一方その頃、川崎探偵事務所に1人の30代くらいの女性が尋ねて来た

保雄が応対すると

「私は大島美代子といいます、実は夫が数日前から行方が分らないので、こちらで

探してほしいのですが?以前も1度こんな事が会ったので警察沙汰にはしたく無い

もので・・・・・」

「そうですか、数日前とは、だいたい何時頃でしょうか?」

「そう、今月の初め頃です」

「えーもう1ヶ月も前ですか?奥さんそれで警察にも届けなかったんですか?」

「えー前にも1ヶ月くらい、帰らない事がありましたので・・・・・・」

「そうですか、それでは、探される方の名前と住所、年齢、お勤め先、電話番号を

お願いします、それで今日は写真を持って来て貰えましたか?」

「はい、これが内の主人ですが・・・・」

「それでは、ここの用紙に書いてください」

と保雄は作成してある用紙を出して書いて貰った

「これで、いいでしょうか?」

「はい、お名前が大島清次さん住所が桃浜町12-25「コーポ大塚」ですね年齢は

37歳ですね勤め先が紅谷町の「三ヶ月堂」さんですか、それで奥さんご主人が

出て行ってしまった理由は分りますか、それに、ご主人は誰かに恨まれるような事

は無かったでしょうか?」

「いや、全くそんな、素振りが無かったんで、分りませんが・・・・・」

「当然、会社の方には聞かれたんでしょう」

「はい、聞いたんですが皆、分らないと言う事で・・・・・こちらで、宜しくお願いします」

「分りました、調査が終わりましたら電話します、明日から早速、調査しますので

お代金の方は、全て終わってから請求させて貰いますので、お願いします・・・・」

と保雄が言うと

「はい、分りました、それでは宜しくお願いします」

といい彼女は帰って行った。

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偽装(1)

平塚市紅谷町で和菓子会社「三ヶ月堂」を経営している、一之瀬敬三56歳と妻の

静子50歳には長男の有三31歳と、妹の明子26歳がいた5月16日10時10分

頃、小田原市の海浜ホテルの502号室にホテル従業員が、朝の10時のチェック

アウトの時間なのに部屋から連絡が無いので502号室に宿泊している川田誠の

部屋に、従業員が行きドアーをノックした、しかし応答が無いので彼は合鍵で中に

入った、そこで従業員が目にしたのは、クローゼットの洋服の吊るし棒に紐を結ん

で首を吊って亡くなっている川田誠を発見し、彼は慌てて110番して来た、早速

小田原警察から刑事と鑑識が来て現場検証が始められた

「これは自殺かな?」

と刑事は言った、鑑識が紺のスーツに赤と青の模様のネクタイの所を見ながら

スーツの左の脇から雑草のような物を発見した

「あ!刑事、これが上着に付着していたんですが?」

「ん、どこか草むらか、芝生のような所に、寝転んだ時に付いた物かな?」

「と、しますと、現場は、ここで無いと言う事でしょうか?」

「そうだな、自殺に見せ掛けた、他殺の可能性もあるな、それとスーツが僅かだが

湿気ているのが、おかしいな?」

その時、他の刑事が

「主任、害者の免許証から正確な名前と年齢が分かりました、害者は平塚市宝町

のマンションの2階5号室に住んでいる、川田誠55歳です」

「そうか、平塚の人間か」

川田誠は1度結婚したが、10年前に妻と協議離婚していたがその後5年前に現在

の妻の靖子と再婚した職業は妻の姉の嫁ぎ先が「三ヶ月堂」と言う、和菓子会社

なので、そこの社長の世話でその会社で働く事になり、今までの仕事は止めていた

又、死因は頚動脈強力圧迫による窒息死であった、死亡推定時刻は5月15日の

夜7時から9時の間と分かったそれと指紋の検証もしたがホテルなので多くの人間

の指紋が検出されたが照合には時間が掛かるとの事であった又、害者が平塚市

の人間である事から平塚署との合同捜査と言う事になって小田原警察では、早速、

平塚市にある「三ヶ月堂」に電話して川田誠の自宅の電話番号を聞き電話した

「もしもし、もしもし、・・・・・・・もしもし、もしもし・・・・・・」

と電話したが、川田の家は留守であった、刑事はもう1度「三ヶ月堂」に電話して

「すいませんが、小田原警察ですが川田誠さんの自宅に電話したんですが留守でし

たので、又、そちらに電話したんですが、彼は独身ですか?」

「いいえ、奥さんがいますが、夫婦共稼ぎのようですよ、処で川田さんに何かあった

のですか?」

「えー、実は小田原の海浜ホテルで、今朝の10時過ぎに川田誠さんと思われます

ご遺体が発見されまして・・・・・」

「えー、そ、それ本当ですか!」

電話に出たのは、川田誠の妻の靖子の実姉で会社専務の一之瀬静子であった

「はい、ですから大至急、海浜ホテルに来て、妹さんのご主人かどうかの確認を

して頂きたいのですが?」

「は、はい、直ぐに伺います」

そう言って、姉の一之瀬静子は自家用車で小田原の海浜ホテルに向かった車の

中で静子は妹の靖子の携帯に電話していた。

その頃、平塚警察の主任刑事の久本と高橋刑事が、早速「三ヶ月堂」の場所を

調べた、和菓子会社の「三ヶ月堂」は市内の紅谷町13-7にある老舗であった

店の横から事務所に入った2人の刑事は

「こんにちは、すいません平塚警察ですがこちらの社長さんはお出ででしょうか?」

と事務員の女性が、電話で何処かに聞いてくれた

「すいません、社長は何処かに、出掛てるようですが・・・・」

「そうですか、どなたか事務所の方で、お話の分るの方はいますか?」

「はい、課長がいますが・・・・・」

「そうですか、では、お願いします」

「少々、お待ちください」

暫くして

「どうもお待てせしました、私が課長の一之瀬有三です」

一之瀬有三は(旧姓)川田静子、現在の社長の妻の一之瀬静子が、30年前に

2人の男にレイプされて出来てしまった子供であった、彼女は子供を産もうか

下そうかと随分迷ったが「子供には何の罪は無い」と皆に「止めなさい!」と言われ

たのを押し切って、現在の有三を産んだのだったその後、静子は今の社長の

一之瀬敬三に嫁いだので、静子はその事には触れられるのが1番やな事だった

ので、その後も黙っていたのだった。

「どうもすいません、平塚警察ですが、実は・・・・・」

「はい、小田原警察から電話がありまして聞いています、今、私の母親がホテルに

行っていますので」

「そうですか、処で亡くなられた川田誠さんと貴方とは・・・・」

「はい、私の母親の実妹の夫です、叔父は誰かに殺されたんですか?」

「いや、それは今、捜査中ですので、処でその叔父さんは又何故、小田原に行かれ

たんですか?」

「仕事関係です、今、小田原に支店を出す為に貸し店舗を探していますので・・・・・」

「そうですか、処で叔父さんは誰かに怨まれるような事は、ありましたでしょうか?」

「いやー、分からないですね、仕事の関係者なら分かりますが叔父さんの友人関係

は、良くわかりません、そう言う話は余りした事が無いんで・・・・・」

「そうですか、それでは、後日で結構ですので、叔父さんの高校、或いは大学の

卒業名簿のような物が有りましたら、探して置いて貰うように、話して置いてくだ

さいませんか?」

「分かりました、話して置きます」

「それでは、また、お電話して伺いますので、宜しくお願いします、失礼します」

「はい、伝えて置きますので」

そう言って、一之瀬有二は戻って行った、主任の久本と高橋刑事は署に戻った。

その頃、一之瀬静子と実妹の川田靖子は小田原の海浜ホテルに着き川田誠の

遺体を確認した、小田原警察の刑事はホテルのフロントで川田誠に誰かから

連絡は無かったか聞いた

「すいませんが、誰か川田誠さんの部屋を訪ねて来た方か又電話があったと言う

事は無かったでしょうか?」

「いや、川田様は、お1人で昨夜の6時半頃にチェックインされてから、誰とも、お会

いになっていられませんし電話も有りませんでした、ただサングラスにマスクをされ

てフロントに来られましたので私が「お風邪ですか?」と伺いましたら「そうです」と

言って、おられましたが・・・・」

「そうですか、部屋の予約の電話も、その方からでしたか?」

「はい、多分そうだと思います、声が似ていましたので・・・・・・」

「もう1度伺いますが、そのチェックインされ男性は間違い無く、被害者の川田誠さん

でしたか?」

「はい、それは紺のスーツや背格好からしても、間違い無いと思いますが・・・・」

「そうですか、処で、このホテルの方達の宿泊者名簿を見たいのですが?」

「はい、これがそうです」

とフロントの係りが名簿を見せてくれた、害者と同じ階には部屋は10室あった

501号から512号室までであったが、空き部屋が3部屋あったので現場の部屋を

除き残った6部屋を1部屋ずつ調べて行った、現場の隣の501号には斉藤と言う

50代の夫婦が泊まっていた、現場の隣の503号は空室だった505号室は高山と

言う夫婦が泊まっていた、次の507号には宮川と言う夫婦が宿泊していた、次に

508号には吉田と言う28歳の会社員は出張と言う事で1人で宿泊していた

その隣の510号も市川と言う男性で同じ会社の出張だと言う事であった、511号室

は空き部屋で、最後の512号は60代くらいの夫婦で九州から遊びに来たと言う

野田と言う名前だった、小田原警察の刑事は全員の名前と住所を書いて、行き先を

聞き捜査に協力して貰うように頼んだ、その後、小田原警察の刑事はホテルの

ロビーに5階にいた客の全員を集めて話を聞き始めた。

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因縁(20)

久本主任は応接室のドアーを軽くノックしてノブを回して部屋に入った、高橋刑事の

後に続いて中原有二とその後に竹田藤男が入った、母親の秀子は2人の顔を見て

スッと立ち上がった、竹田藤男が

「お、お袋、何で来たんだ!」

そう言ったが、直ぐに久本が

「今日は、お前達2人に、お母さんが話したい事があるそうだ、そこに掛けなさい」

竹田と中原はソファーに座った、 母親の秀子は有二の顔を見て、涙を流しながら

「有二さん、ごめんなさいね・・・・・・・・・・・今迄・・・・・黙っていたけど、貴方と藤男は

私が30年前に産んだ、双子の兄弟なのよ・・・・・・・・・ごめんね、黙っていて・・・・・・」

と、大粒の涙を流して話した、驚いた藤男が

「お、お袋、そ、それは本当なのか!」

「驚かして、ごめんね・・・・・・・・お母さんを許して・・・・・・・ごめんなさい・・・・・・」

中原有二も、挿すがに驚いたのか

「俺は中原の養子だったのは、前から知ってたけど・・・・・・・しかし、驚いたな・・・・」

と、少し目頭を潤ませて涙がこぼれるのを隠すように上を見あげて言った、藤男は

「お袋!ちゃんと、初めから話してくれないか?」

「えぇ、30年前、貴方達のお父さんは、お酒ばかり飲んで、ろくに仕事をしてくれない人

でね、毎月、生活するのが精一杯で、私はお父さんに「貴方仕事してよ、私は妊娠して

るのよ」と言うと「うるさい!」と直ぐに私を殴って・・・・・・・・どうしょうも無い人でした

私は夫と別れようと何回も思いましたが、お腹が段々と大きくなって、臨月を迎えてしま

いました、生まれて来たのは貴方達2卵生の双生児だったんです、私はとても2人は

育てられないと考えて「長男の有二を施設の前に捨てればここで育ててくれるだろう」と

今思えば浅はかな考えで手紙に生年月日と名前と「すいませんがどなたか育ててくれる

方を探してください、まだ、届け出はしてません宜しくお願いします」と書いて有二を捨て

てしまいました、その後、毎日々有二の事が頭から離れませんでした、そんな時、風の

噂で市内の中原工業と言う会社の社長さん、ご夫妻に有二が貰われたと聞いて、私は

ある探偵事務所で、その場所を探して貰い暫らくは有二の姿を遠くから見ていましたが

中原夫妻が有二を大切に育てて、下さってる事が分って、私は、もう有二の事は忘れる

事にしようと心に決めました、しかし、それでもたまに思い出して見に行っていましたが

ここ数年前から「もう会いに行くのは止めよう」」と思って行かなくなっていました、それが

こんな形で又、再会するなんて・・・・有二・・・・お母さんを許して!・・・・ごめんなさい!」

と、秀子は涙を一杯流しながら有二に謝った、その話を聞いていた、藤男は

「本当の兄貴だったんだ・・・・兄さん!お袋を許してやってくれないか!頼むよ・・・・・・」

と、泣きながら有二に言った、有二は

「あぁ、お袋を、今さら恨む積もりは無いよ、それより・・・・お袋!こんな不始末な事を

して、悪かったな、ごめんよ!」

そこで主任の久本は

「お母さん、又、彼達には会う事が出来ますので、一旦、彼達を連れて行きます、どうも

ありがとうございました」

と、言って久本が高橋刑事と中村刑事に命じて中原有二と竹田藤男は取調室に戻さ

れた」

取調室で竹田藤男は中原有二の弟の修と長友誠一を刺し殺した事を認めた、また

中原有二は竹田の父親を28年前に、ひき逃げで殺した北村信一を刺殺した事と又

竹田と一緒に長友誠一の車の中で後部座席から、長友の首を絞めた事を認めた

2人は罪を犯した事を後悔していた、2人の話ではやはり竹田藤男の妻の礼子が妹の

スナック「サフラン」で働いていた二宮雅子を通して竹田藤男と中原有二は知り合って

いた、その後、話が合いお互いの事を話し合ってる内に、殺害計画を話すようになり

竹田が中原修を刺して逃げる所を、長友に見られたので、その時は100万で話が

付いたと思っていたら、さらに長友が100万要求してきたので、中原と2人で彼の

車の中で殺害したと言う事だった、また、中原有二は自分が養子であった事は高校を

出てから仕事を始めて後で分ったが、彼は高校卒業時に父親の中原修一に

「お前は大学には行かなくていい働け!」

と言われて、その時は、何も知らなかったので

「お父さん、どうして大学に行かせてくれ無いんだ!」

と反発したが、父親はその理由は言わなかったが、後で分った事だが

「そうか、俺より、実子の修の方が可愛いのが当たり前だ!」

と、そう思い高校を出てから直ぐに、家を飛び出して東京に出て色々な仕事をして働き

ながら「宅地建物取引主任者」の試験に合格し今の石田不動産店に就職したのだった

しかし、有二はどうしても父親が許せずにいた、12年ぶりに市内四之宮の自宅に当事

4歳だった弟を尋ねたが、その時の弟の言葉が

「貴方はどなたですか?」

と言う言葉だった

「そうか俺の話を親はして無いんだ、そう言えば俺が家出した時まだ何も知らない子供

だったんだな」

と、有二はそう思って言った

「お前、お母さんから、俺の話を聞いて無いのか俺、有二なんだけど?」

「有二知れませんね、誰の事です、貴方は誰ですか帰ってください、警察を呼びますよ」

と、携帯電話を掛けようとした

「おい、待ってよ、お前は俺の事、親から本当に聞いて無いのか?」

「聞いてません、誰かー来てー、助けてー!」

と大声を上げた、有二は驚いて、急いで中原の家の玄関から飛び出した、有二は

「そうか、お袋まで、俺が邪魔だったんだ!」

そう思って、近くの居酒屋に入り、その日は「もうどうでもいい」とヤケクソになって酒を

浴びるほど飲んだ

主任の久本は

「そうか、お前も苦労したんだな、しかし、罪を犯した事とその事は関係ない!今から

逮捕するからな」

そう言って有二の手に高橋が手錠を掛け署内の留置所に連れて行かれた、同じように

竹田藤男も逮捕された

その夜、保雄の所に村田から電話が入った

「もしもし、やはりお前が言った通り、北村信一殺しと、中原修殺しは交換殺人だったよ

それと長友誠一は彼の車の中で2人で殺害したと自供したよ」

「そうか、中原有二にしても血が繋がらないからと言って、何も殺さなくてもいいのに・・・

それと竹田藤男にしても28年も前の事なのに、恨むと言う事は不幸な事だな、しかし

驚いたのは2人が、双子の兄弟だったと言う事だよ、これも何かの因縁なのかな?」

「ん、そうだな、母親の秀子を恨む訳にも行かないだろう、不幸な出来事だったよ・・・・」

と、言って村田は電話を切った、保雄は

「明日あたり有二の妻の中原香織がいったい、どんな顔で事務所に来るのかな?」

と、そう思っていた。

                   (完)     この小説は全てフィクションです。

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因縁(19)

その頃、保雄の所に村田から電話があった

「もしもし、俺だよ、今日、竹田藤男と中原有二が任意同行されたよ」

「え、任意同行なのか?」

「あぁ、長友誠一の車から出た指紋と奴等2人の指紋が一致したんで逮捕は直ぐだよ」

「で、自供したのか?」

「いや、以外に、しぶとくしているらしいが、落ちるのは近いと言っていたよ」

保雄は

「そうか、しかし2人が長友をやったのは分ったが、北村信一と中原修をやったのは

誰なんだ?・・・・・そうか・・・・・・もしかしたらだが2人がやる相手を交換したとしたら?」

村田は

「そうか、そうだな・・・・・・いや、それなら奴等の事件当日のアリバイがある訳だな」

「ん、だから北村信一をやったのは中原有二で、中原修をやったのは竹田藤男だ、と

そう思えばアリバイがあっても不思議は無いと言う事だよ」

「分った、中原有二の北村信一が殺害された9月7日の夜10時半から11時半の間の

アリバイと竹田藤男の中原修、殺害当日の9月13日の夕方5時から6時の間の

アリバイを早速、追求するように話してみるよ」

「そうだな、俺も竹田藤男の母親と、中原の母親にもう1度当たってみる事にするよ」

そう言って保雄は電話を切った

翌日も平塚警察では、中原有二と竹田藤男の取調べが続いていた

主任の久本は竹田藤男に

「どうだ、夕べは眠れたのか?今日は全て話して貰うからな?」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「お前は中原と組んで長友誠一を秦野の山中で殺害した事は認めるな?」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「そうかそれならそれでいい処で、お前は中原有二の弟の修が殺害された9月13日の

夕方5時から6時は何処で何をしていた?・・・・・・・・アリバイを聞いてるんだよ!」

「俺は中原の弟なんて、見た事も会った事も無いよ、9月13日の5時から6時?

忘れたけど、土、日でなければ仕事中だと思うよ」

久本は

「お前は、仕事で良く外に出るらしいが、先月の13日の事だ、思い出してみろよ!」

「・・・・・・・・忘れたね」

「惚けるなよ!お前は中原有二に北村信一をやって欲しいと頼んだ、その代わりに

お前は中原が財産目当てに邪魔だった、血の繋がらない弟の修をやってやると話し

合ったんだよ!そうだろう、違うか!」

「・・・・・・・・・・・・・・」

その隣の取調室では中原有二を中村刑事が取り調べていた

「中原、お前は9月7日夜、10時半から11時半の間、何処で何をしていた?北村信一

が殺害された日の事だよ!お前が竹田から頼まれてやったんだろうが・・・そうだな!」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「お前達は、殺す相手を交換したんだな!そうだろう!言ってみろ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

その後も取り調べは続いていたが、変わらず彼等は黙秘していた

翌日の日曜日、保雄は以前来た市内の錦町の竹田藤男の母親の竹田秀子を訪ねた

「ごめんください」

と、ドアーをノックして言った

「はい、どなたですか?」

「たびたび伺いましてすいません、私は先日伺った、川崎探偵事務所の者ですが」

「はい、何でしょうか?」

と言ってドアーが開いた、保雄は

「どうも、たびたび、すいません、実はご存知と思いますが、お宅の息子さんが今、警察

で取調べを受けていますが、ご存知ですか?」

「えぇー本当ですか? 藤男はいったい何をやったんでしょうか?」

「はい、何でも、息子さんは友達の中原有二と言う人と一緒に、長友誠一と言う人を

秦野の山中で殺したと、疑われて・・・・・・・・」

「えぇー本当ですか?まさかそんな事・・・・・・・それと今、中原、何にと言いました?」

「え、はい、中原有二と言う、息子さんの友達と一緒にと?・・・・・」

「えぇーまさかそんな・・・・・・・・・・・・処でその有二と言う人の字は有料、無料の有料の

有に数字の二でしょうか?」

「はい、そうですが?・・・・・」

「そんな・・・・・・・そんな事が!・・・・・・」

「お母さん!どうされました、何かあったんですか?」

母親の秀子は泣きながら

「そんな馬鹿な事が・・・・・・・・・・・・」

「どうされました?よろしければ話してください」

秀子は暫くして

「あの有二は・・・・・・私が30年前に産んだ子供なんです・・・・・・まさかこんな事が・・・」

「奥さん、と言う事は・・・・・・・」

「はい、藤男と有二は2卵生の双生児でした、私の夫は酒ばかり飲んでろくに仕事を

しない人で生活は苦しくギリギリの生活でした、私が「仕事をしてください!」と言うと

「うるさい!」と直ぐに暴力をふるって、私は何時も早くこの夫と別れようと思いながら

結局、妊娠が分り、私はある産婦人科で2人を生んだ1週間後に、とても2人は育て

られないので施設の前に長男の有二を、手紙に名前と生年月日と「役所に届出宜しく

お願いします」と書いて毛布に包んで捨てました、その後も何回か、後悔して施設の

前まで行って見ました、そして、中原さんと言う、お金持ちの家に貰われたと風の便りで

知りました、私はその中原と言う家を、探偵に頼んで調査して貰い何回か有二の顔を

見に行きました、そこで見た光景は、仲良く中原ご夫妻が大切に有二を育てて頂いて

いる姿でした、私は安心して有二の事を忘れるように、勤めて来たのです、それなのに

なんと言う因縁で、こんな事になったのか?・・・・・・・私には分りません・・・・・・・・」

と竹田の母親は泣きながら話してくれた、保雄は直ぐに村田に電話して今、母親から

聞いた事を話して

「どうしたらいいかな?」

と聞いてみた、村田は

「それではそこで、ちょっと待っててくれ、今、課長に話してみる」

「そうか、分かった」

保雄はそう言って暫く待っていると、村田から電話が入って

「竹田のお母さんに直ぐに、署に来て貰ってくれないか?」

「そうか、分かった、俺が送って行くよ」

そう言って、保雄は竹田藤男と中原有二の母親の秀子を車で平塚警察に送り届けた

署の入り口に村田が出て待っていた、保雄は母親を村田に預けて事務所に戻った

平塚署では母親の秀子を応接室で待たせた、野島課長は主任の久本に

「竹田藤男も中原有二も2人が、2卵性双生児だった事は、当然、知らないんだな?」

「はい、そもそも2人が本当の兄弟だった何て、知るよしも無いでしょう」

「分かった、2人が自供するように、旨くやってくれ」

「はい、分かりました」

久本は高橋刑事と2人で中原有二と竹田藤男を、母親のいる応接室に連れて行った。

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因縁(18)

久本主任と高橋刑事は早速、平塚市役所の年金係りに竹田藤男を尋ねた、受付で

「すいません、警察ですが、竹田藤男さんはいますか?」

「いや、今、出ていますが・・・・」

「そうですか、何時頃に、お帰りでしょうか?」

「そうですね、お昼には一旦、戻ると思いますが」

「分りました、ではお昼に又伺います」

そう言って2人は署に戻った、その頃、中原有二に話を聞いて、旨く指紋採取しようと

中村刑事と清田刑事は見付町の石田不動産に彼を訪ねた

「こんにちは、すいません平塚警察ですがこちらの中原有二さんにお話を聞きたいの

ですが、おいででしょうか?」

女性事務員が

「今、中原は出ていますが」

「お帰りは、何時頃になるでしょう」

「何時も5時頃には帰るんですが・・・・」

「そうですか、それではその時間に又、伺います」

そう言って中村と清田刑事は一旦、署に戻った、先に戻っていた久本主任は

「どうだった、奴に会ったのか?」

「いや、夕方でないと帰らないとの事ですから、その時間に又、行きますので」

「そうか、こっちも同じだ、昼には戻ると言っていたんで、その時間、出掛ける」

と言って、久本主任は課長の所に報告に行った、12時を少し回った処で久本主任と

高橋刑事は再び市役所に向かった

「先程はどうも・・・・・平塚警察ですが、竹田藤男さんは、お帰りでしょうか?」

と、年金係りの事務員に聞いた

「はい、食堂で食事中と思います」

「食堂は何処にありますか?」

「地下です、そこの階段を降りると分かりますので・・・」

「どうも、ありがとう」

2人は階段を降りて地下の食堂に行った、食堂には10人程が食事中だった久本は

1人々のネームプレートを見て

「すいません、竹田藤男さんですね、平塚警察ですが、9月7日に北村信一さんが殺害

されたのは、もう、ご存知と思いますが確か貴方は事件当日の10時半から11時半は

自宅で寝ていたと、奥さんに伺いましたが、それで間違いないですね」

「はい、そうです、寝ていたと思います」

「そうですか、それでは、この写真の人物を知りませんか?」

と、久本は、全く関係の無い人物の写真を竹田に手渡した、竹田はその写真を右手で

受け取り

「いや、知りませんが・・・・・」

「そうですか、分かりました、どうもありがとうございました」

久本主任と高橋は、その写真を受け取り署に戻り、鑑識課に持って行った

「悪いが、竹田藤男の指紋が付いている、至急、照合を頼むよ」

「はい、分かりました」

一方、中村刑事と清田刑事は、夕方5時過ぎに署を出て石田不動産に向かった

「すいません、午前中に伺った平塚警察ですが・・・・・」

すると中原有二と思える人物が椅子から立ち上がり

「はい、私に何か御用でしょうか?」

「あぁ、どうもすいません、実は貴方の弟さんの事件で捜査している者ですが、この人物

を、見た事がありませんか?」

と1枚の写真を手渡した、中原はそれを受け取り、見ていたが直ぐに

「いや、見た事が無い人ですね」

「そうですか、分かりました」

そう言って、再び写真を受け取り、中村と清田は直ぐに署に戻って、鑑識課に届けた

夕方、6時半、久本は刑事達を集めて

「長友誠一の車から出た指紋と竹田藤男と中原有二の指紋が一致したので、これから

任意同行に、手分けして行く事にする、逮捕状は今、取りに言っているので、署で逮捕

する事にする、では俺と高橋君、宮瀬君で竹田の自宅に行く、中村君達は中原有二

の自宅に行ってくれ」

そう言って2人の任意同行に向かった、7時半過ぎに竹田藤男が署に同行された

その30分後、中原有二が同行されて来た取調室で、久本主任は竹田藤男に

「君は長友誠一を知っているね、彼は昨夜の8時から9時の間に殺害された男だよ!」

「いや、そんな男は、知らないですね」

「それは可笑しいな、それじゃぁ、昨夜の8時から9時は、何処にいたんだ!」

「自宅にいましたよ」

「又、自宅か、嘘をつくな!奥さんは自宅にいなかったと言ってたぞ、お前はその時間

中原有二と一緒に長友の車の中で、奴の首を絞めていたんだろう!違うか!」

「知りませんね、そんな事」

「それなら、昨夜は何処にいたのか、ハッキリ言ってみろ! 言える訳が無いよな!

お前達は気が付かなかったろうが先日、お前と中原とスナック「サフラン」の二宮雅子

が店のボックス席で話しているのを後ろのボックス席で聞いていたのは、内の刑事

なんだよ、そうとも知らずに、お前達は話に夢中だったな、これがその時の写真だ!

良く見てみろ!」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「どうした、お前は北村信一もやったんだろう、違うのか?」

「・・・・・・・お、俺は北村はやって無い!」

「おーそうか、と言う事は、お前は昨夜は長友と一緒だったんだな!」

「・・・・・・・・・・・・・」

「それじゃぁ誰が、北村をやったんだ、まさかお前・・・・・・お前が北村殺しを長友誠一に

頼んだのか!それで「後100万出せ!」と脅されたのか?どうなんだ!」

「俺は長友にも、何も頼んでないよ!」

「いい加減にしろ!お前と中原以外に長友をやる人間はいないんだよ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

その時間、隣の取調室では中村刑事が中原有二を取り調べていた

「中村、お前は、昨日の夜、8時から9時の間、何処にいた!言ってみろよ!」

「家で飲んでいたよ」

「奥さんは、お前はまだ、帰って無かったと言ってたぞ!長友の車の中にいたんだな!

お前が長友をやったんだな!」

「俺は長友なんて男は知らないよ」

「そうか、先日、内の刑事がスナック「サフラン」で撮った写真だ、見てみろ!お前が

長友と竹田と写ってるじゃぁ無いか! いい加減に吐いたらどうだ! お前達がやった

んだろう」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「そうか、時間はたっぷりある、何時まで、そうしていられるかな?」

そう言って中村刑事は一旦、取調室を出た、部屋に戻ると久本主任が先に戻っていて

「どうだ、中原はゲロしたのか?」

「いや、以外にしぶといですね、まぁ、その内、落ちますよ」

「そうか、こちらもだ、これは俺の考えだが、もしかしたら竹田が北村信一殺しを長友

誠一に依頼したのかと考えたんだがな?どうかな?」

と、中村刑事が

「あぁ、そうですね、それも考えられますね」

「まぁ、時間はある、いずれ落ちるだろう」

そう言って久本は、お茶を一口飲んだ。

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因縁(17)

保雄は、よくよく考えると、施設の人間にも当然、守秘義務があるだろうから、話を

聞く事は無理だろうと思い、村田に電話した

「もしもし、俺だが、仕事中に大丈夫かな?」

「あぁ、いいよ、分かったよ中原有二の事だろう、彼は戸籍上は中原夫妻の養子と言う

事になっていたよ、元々、これは中原良子の実家の側の、根元産婦人科で話を聞く事

が出来たんだが良子は16年前に、そこの病院で修を出産してる、それと良子の話だと

夫の修一は、6歳の時に睾丸の病気をして、その医者に今後子供が出来ないかも知れ

ないと幼心に両親が話しているのを聞いていたんだそうだ、だから結婚して直ぐに養子

を取ったのかも知れないな」

「そうだったんだ、俺の方も有二が中原夫妻の養子と言う事は分ったよ、しかし実子の

修が生まれて中原夫妻は大喜びしたろうな、それで段々と自分の本当の子の可愛い

から、養子の有二には、冷たく当たるようになったと言う事だな」

「あぁ、そうだと思うよ」

保雄は

「しかし、中原修殺しと、この事をどう結び付けたらいいんだ、借りに有二が修を殺した

としたら、いったい動機は、何だと思う?」

「そうだな、もし有二がやるとしたら、財産しか無いな?」

「そうか、でも彼は修が殺害された当日の夕方5時から6時には石田不動産の事務所

にいた事は皆が証言しているから、有二にはやれない事になるな?・・・・・・処で例の

捜索願いが出た、長友誠一の方はどうした?」

「あぁ、恐らく今夜帰らなければ、長友の奥さんから又、電話があると思うが中原と竹田

が、あのスナックで何かを企んでいたと言うだけでは、彼らを引っ張る訳には行かない

んで様子を見るしか無いな」

保雄は

「お前、長友は奴等にやられたんじゃぁ無いかと思うか?」

「どうかな、話では長友が「後、100万出せと言っていた」と話していたが、多分何かを

竹田が長友に頼んだのか? とにかく長友に揺すられていた事は事実のようだったな」

「そうだ、多分、竹田は長友に何かを頼み足元を見た長友が「後、100万」と要求した

そう思うな」

「そうかも知れないな・・・・・悪いが仕事なんで、これで切るからな」

村田はそう言って電話を切った

翌日の朝、丹沢の山麓に畑を持っている農家の男性が山菜取りに山に入って林道の

淵に車のタイヤ痕らしい物が付いて、どうも車が、そこから崖下に転落したかのような

痕跡を見て110番して来た、秦野警察では直ぐ、刑事と鑑識官が現場検証に出掛けた

刑事は現場に着いて崖下を見たが、木が林のように下を覆っている為、崖下まで見る

事が出来ない為、ロープが用意されて、若い刑事がそのロープを伝って崖下に下りた

「おーい!下は、どうなってるー!」

と上の刑事が下に降りて行く刑事に言った

「はーい!紺色の乗用車が転落しています、待ってください車まで降りてみますから!

大変です!男性が・・・・・息がありません!もう、亡くなっているようです!」

「分った、これからレスキューを頼むので、上がって来ーい!」

「はーい!分りました!」

結局、警察はレスキュー隊に依頼して、車と遺体の引き上げに掛かる事になった

3時間後、車と遺体が林道に引き上げられた、車の中に男性の遺体があり捜査の結果

その車の車検証と運転免許証から遺体は、長友誠一26歳と判明した、死因は左腹の

刺し傷、数ヶ所と、運転席の後部から、何か紐状の物で首を絞められた絞殺が直接の

死因と判明した、死亡推定時刻は昨夜の8時から9時の間と分った、自家用車の中から

は数人の指紋と車の灰皿に数本のタバコの吸殻と100円ライターが見付かった

その翌日、指紋照合で妻の長友澄江以外の指紋が5人ほどある事が分ったが前科歴

のある指紋は長友誠一以外には無かった秦野警察は直ぐに平塚警察に連絡して来て

長友誠一が平塚市立野町12-3マンションで3階の2号と言う事で捜査する旨が電話

で伝えられた、電話を代わった平塚署の主任刑事の久本は

「はい、電話、代わりました、すいません、その害者は内の現在捜査中の殺害事件にも

関連性がありますので、合同捜査と言う事で、お願いしたいのですが?」

「分りました、それではそのように・・・・」

平塚署の主任刑事の久本は直ぐに捜査会議を開き、刑事達を集めた

「昨日の夜の8時から9時の間に一昨日、署に捜査願いを出して行った長友澄江の夫

の長友誠一26歳が、秦野市渋沢573の林道の崖下で車の中から遺体で発見された

死因は左腹部の数回に渡る刺し傷によるものと、後ろから首を紐状の物で絞められた

のが直接の死因で窒息死と言う事だ、車の中には数人の指紋が発見されたのとタバコ

の吸殻それにライターが発見されている、ライターからも指紋が発見されたが、いずれの

指紋も過去の前科歴は長友誠一以外は無い、そこで残った指紋の人物を当たって

貰いたいのだが、おおよその人物は恐らく、長友と関連がある、竹田藤男と中原有二で

は無いかと我々は見ている、そこで彼等達の指紋を悟られれ無いように取って来て貰い

たい、私と高橋君が竹田藤男に当たる中村君と清田君は中原有二を当たってくれ、もう

1度言うが、くれぐれも悟られないように指紋を取る事だ、他の刑事は今までの捜査の

続行を頼む」

久本主任は、そう言って会議を終え、それぞれ刑事は出掛けて行った。

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因縁(16)

その夜、先日、村田と一緒に来た、捜査課の川瀬清から電話があった

「こんばんは、先日はご馳走様でした、実は今日は、この前の竹田藤男の女性関係を

調査した処、市役所の同じ係りの伊籐啓子と言う25歳の女性と付き合っているような

噂があると聞き込みましたが、現在までその証拠は押さえてありません」

「そうか、どうもご苦労さま、その竹田藤男が言っていた長友と言う人間の事はまだだな」

「えぇ、今、捜査中です」

「ありがとう、又頼むよ、こちらは村田君に話してあるが、中原社長の奥さんの長男の

有二は、もしかして彼女が生んだ実子では無いかもしれないので捜査してくれるように

話してあるんだ」

「そうですか、分かりました、じゃぁ、おやすみなさい」

「あぁ、またな」

そう言って保雄は電話を切った

その翌日の朝、1人の女性が平塚警察署に捜索願いを提出しに来た、捜査課の高橋

刑事が話を聞くと

「主人が昨日の朝出たきり、まだ帰って来ていないんです、今迄こんな事は無かった

ので、心配になって、職場に電話して聞いたら昨日の夕方6時には帰ったと言われて

それで、朝まで待ってこちらに来ました」

「そうですか、一応、ご住所と電話番号と、ご主人のお名前と年を聞かせてください」

「はい、住所は市内の立野町12-3のマンションで、3階の2号室です電話は32-

****です、名前は長友誠一26歳です」

「それに貴女のお名前もお願いします」

「はい、長友澄江です」

「それと、すいません、勤め先は分かりますか?」

「えぇ、パチンコ店「デルデル」で働いています」

「そのパチンコ店は何処にありますか?」

「はい、宝町の山田酒店の隣です」

「分かりました、ただ奥さんまだ1晩だけでしょう、今日は帰って来るかも知れませんよ

気を落さずに待って見てください、それで帰らなかったら今度は電話で結構ですから

してくださいよ」

「分かりました、ありがとうございました」

そう言って、長友澄江は帰って行った、その後、警察は長友誠一の前歴を調べると

何と彼には傷害と窃盗の前科があった、その事は直ぐに村田から保雄に電話が入った

「俺だよ、先程だが、例の竹田藤男が中原に話していた長友と言う男の事だが、実は

今朝方、その奥さんと言う長友澄江25歳が警察に来て、夫の捜索願いを出して行った

と言う事だが、彼女が帰った後、内で長友誠一の前歴を調査した結果、彼には傷害と

窃盗の前があったよ」

「本当か、それが本当なら、中原は長友に何かしたかな、お前、そう思わないか?」

保雄は、そう思って村田に聞いた

「あぁ、そうだな中原が途中で話を止めたが、何か奴がたくらんでいたかも知れないな

警察は取り合えず、長友誠一を全力で捜査してみるよ、それと中原と竹田には尾行を

付けるように主任に話してみるよ」

「そうだな、俺も違う角度で、調査するよ」

そう言って保雄は電話を切った、保雄は今日も中原良子の自宅近くの家を聞き込んで

いた彼女の家から15メートルくらい離れた、野瀬と言う自宅のインターホンを押した

「はい、どちら様」

「すいません、私はこの近くで先日、殺人事件があった捜査をしている者ですが、中原

さんと言うお宅はご存知でしょうか?」

「あぁ、同じ町内会だから知ってるよ、可愛そうな事をしたね、まだ高校生らしいね・・・」

「そうなんですよ、それで中原さんの家の方とは、お話をした事はありましたか?」

「あぁ、奥さんとも、ご主人とも、何回もしてるよ」

「そうですか、すいません、処でご主人はもうここの土地には長く、お住みでしょうか?」

「あぁ、生まれてからずーとだから、もう60年近く住んでるかな?」

「そうですか、それじゃぁ、中原さんの奥さんが、もう30年くらい前、お腹が大きかった

事なんか覚えがありますか?」

「えーそれは分からないな、でも、息子さん?・・・・そうだ!ちょっと待ってよ、内の女房

に聞いてみるよ・・・・・」

と、彼は置くにいると思える奥さんに聞きに行ってくれた

「あぁ、どうも分かったよ中原の奥さんは確か、当時30年位前だが、お子さんが出来

なくて、悩んでいたと当時、近所の奥さんに話していたと、聞いた事があると女房が

言ってたよ」

「それは正確には、何年前の事か分かりますかね」

「今、内のを呼んでくるよ」

と言って奥から、奥さんと思える方が来て

「ハッキリとは言えないね、もう昔の事だから、中原さんの隣の川島さんの奥さんに

聞いたら分かるかも知れないよ」

「そうですか、そう言えば、お隣ではまだ聞いていませんでした、早速聞きに行って

来ます、ありがとうございました」

と言って、保雄は、お隣の川島と言う家の玄関で行って声を掛けた

「こんにちは」

「はい、どなたですか?」

「すいません、私は川崎探偵事務所の者ですが、実は、この近くの野瀬さんと言う家の

人から聞いて来たんですが、お隣の中原さんの奥さんが30年前にお子さんが出来無く

て、悩んでいたと、聞いたのですが、奥さんはその事を覚えていますか?」

「あぁ、覚えていますよ、それで養子に有二君を施設から引き取って、養子縁組をしたん

ですよ」

「そうでしたか、分かりました、で、その施設は何処か聞いては居ませんか?」

「確か、小田原に有るとは聞いてんですが、それ以上は?聞いていません・・・・・・」

「分りなした、どうもありがとうございました」

保雄は

「そうか、やはり有二は養子だったのか、しかし養子だからと言って弟の修をやるかな」

保雄はそこで、とにかく小田原に行って見る事にした。

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因縁(15)

保雄は事務所に一旦戻り、夜、竹田藤男の母親から錦町の自宅に行き話を聞いた

自宅は4畳半と6畳の2間続きの貸家造りのような感じの家だった、保雄は玄関で

「ごめんください」

と声を出して言った

「はい」

と、大分、古びたドアーが開き中から50代なかばくらいの女性が出て来た

「はい、どなたでしょうか?」

「すいません、私は北村信一殺害事件の捜査をしている者ですが、少し奥さんにお話

を伺いたくて来ました」

「はい、それで何でしょうか?」

「奥さんは30年前に、ご長男を出産されてから2年後に、この北村信一に、ご主人を

ひき逃げされて、亡くされたんでしたね」

「はい、そうですが・・・・」

「余計な事ですが、ご苦労されましたね・・・・・処で奥さんは9月7日の夜10時半から

11時半の間ですが、詰まり北村が殺害された夜ですが、何処で何をされていたか

教えて貰えますか?」

「えぇー、私を犯人と思っているんですか?」

「あーいや、お気を悪くされないでください、これは関係者の方全員に聞いている事です

から・・・・・」

「しかし、その時間なら普通は皆、寝ている時間でしょう、思い出せませんが多分寝て

いたとしか言えません」

「そうですか、奥さんは今、お一人で住んでいるんですよね、何故、お子さんと一緒に

住まれないんですか?」

「そんな事は、事件と関係無いでしょう」

「すいません、ただ物騒な世の中ですから、何かあると大変だと思いましてね、処で

お子さんの藤男さんとは、時々、お会いになるんですか?」

「いや、あの子は忙しそうにしていますから・・・・いいんです、私はまだ身体が動きます

のでね、すいません、今、夕飯を食べていた処なので、もう、いいでしょうか?」

「あぁ、すいません、どうもありがとうございました」

保雄は仕方なく事務所に戻った、事務所に戻ると所長の川崎が帰っていた、保雄は

「所長、ちょっと、お話したいんですが、今日「中原工業」の社長の奥さんの良子に

会って来たんですが彼女が、おかしな事を言いまして・・・・」

「おかしな事? 何だそれは?」

「えぇ、私が良子に「長男の有二さん会社の後を継がれないんですか」と聞いたんです

が、その時、良子は「本人がいやだと言ったので・・・・」と言いました、その時、良子は

「まさか有二が・・・」と言う事を小声で言ったんで私が「貴女は友人の青田弓江の自宅

に泊まっていたと彼女に証言させたとも考えられるんですよ、それなら貴女のアリバイ

は無いも同然ですが」と言った時、良子がいきなり「あんな男、長男でも何でも無い!

有二が本当に会社にいたか調べください」と確かに言いました、私は「奥さんその話は

本当ですか?」と聞くと、物凄く狼狽してとぼけた事を言いましたが、どうも、あの中原

親子には、何か特別な事情があるように、私には思われましたが・・・・」

「そうか、役所で戸籍謄本を取れば分かるんだが、今は身分証明書を見せないと受け

付けてくれないんだよな・・・どうかな、中原良子の近所の古い産婦人科か古い自宅の

おじいさんか、おばあさんに聞くのが1番いいんだがな?そうすれば良子が30年前に

出産してるか、いないかが分かるだろう」

「はい、そうですね、ありがとうございました、明日にでも早速調査します」

「あぁ、それじゃぁ、後を頼んだよ」

そう言って川崎所長は帰宅した、保雄は良く考えると

「やはり産婦人科に行くには警察でないと無理だな」

と思い、その事を村田に電話した

「もしもし、あぁ、俺だよ実はな「中原工業」の社長の妻の良子の事なんだが、彼女が

本当に30年前に長男の有二を出産してるかを捜査してくれないか?」

「えーどうして何だ、また?」

「いや、話すと長くなるんで、詰まり彼は本当の中原夫妻の実子であるかどうか、怪しく

なって来たんだ、それで、産婦人科に当たろうかと思ったが、やはり殺人事件だと

言わなければ、事実関係を産婦人科でも話してくれないと思ってな、それと役所での

中原の戸籍謄本も、身分証明書がないとダメらしいんだよ」

「そうか、分かった、警察で捜査するようにするよ、又連絡するよ、それじゃぁな」

「あぁ、頼むよ」

そう言って保雄は電話を置き、事務所を戸締りして帰宅した

翌日、保雄は中原社長の自宅の近所で、昔から住んでいると思われる自宅やお店を

探して保雄は話を聞く事にした、始めに如何にも老舗と言った感じの、蕎麦屋さんを

保雄は見付け入っていった

「いらっしゃいませ」

と、お茶を持って来た、お上さんに聞いてみた

「すいません、ちょっと伺いますがこの近くに「中原工業」と言う会社の社長さんの自宅

が有りますが、出前か何かした事はありますか?」

「あぁ、中原さんね、何回も有りますよ」

「そうですか、実は30年前ですがね、中原さんの奥さんが赤ちゃんを産んだような事は

覚えがありますか?」

「いや、気が付かなかったですが、30年前ね・・・・・・・・そうね、ただ当時・・・1、2歳の

息子さんが居たように思いますので、そうじゃぁないですかね?」

「すると奥さんは、そこの中原さんの奥さんがお腹が大きい所は見ていないんですね」

「それは見てないね、でも、それがどうかしたんですか?」

「いや、なんでも無いですが、そうですか?・・・・・分かりましたありがとうございました」

保雄は、お礼を言って蕎麦を食べて、他を当たる事にした、次に保雄は老舗の和菓子

店を見付けて、お店に入った

「はい、いらっしゃい」

「すいません、この和菓子を6ヶ頂けますか?」

「はい」

50代くらいのご主人が和菓子を取って菓子折りに入れてくれた、保雄は

「すいません、ちょっと伺いますが、この近くの先日息子さんが不幸に合われた中原さん

のお宅の奥さんを、ご存知ですか?」

「いや、時々、買いに来てくれていたとは聞いてるけど、私は話をした事が無いよ」

「そうですか、奥さんが相手をされたと言う事ですか?」

「そうだね、でも、いないよ、女房は先日、亡くなったんでね」

「すいません、失礼な事を伺いまして、すいません、どうもありがとうございました」

保雄は「迂闊だったな」と思い反省して、次の老舗を探す事にした、その後5軒ほど

聞いて歩いたが成果は無かった、結局、その日は事務所に帰り、自宅に帰宅した。

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因縁(14)

保雄は、久々に「明日は非番だ」と言う村田を誘って、飲みに行く事にした、7時に

駅前で待ち合わせると村田の後輩の川瀬清が着いて来た、3人は近くの居酒屋で

飲んで8時過ぎに、二宮雅子のいるスナック「サフラン」に入った、保雄と村田と川瀬は

店の中を見回すと何ともう退院したばかりの中原有二がボックスに座り、隣には雅子

が相手をしていた、保雄と村田と川瀬の3人は面が割れて無いので、堂々と中原が

座っている後ろのボックス席で、話を聞いてみる事にした、店の女性が来て

「何にしますか?」

と聞かれ保雄はビールを注文し3人はビールで乾杯した、保雄は後ろの席にいる

中原と雅子に聞き耳を立てていた、暫くして、店の入り口のドアーが開いて1人の男が

入って来た、その男は直ぐに奥にいる中原有二を見付けると、その席に着いた3人は

笑いながら乾杯して、その男は中原に

「どうなんだ傷は、まだ痛むのか?」

「あぁ、少し痛むが、横になってるほどでも無いからな、歩いたほうが早く治ると医者も

言っていたんでな」

と、言うとその男が

「処で、奥さんと別れられたのか?」

「あぁ、色々香織もごねたがね、一応、300万で決着したよ」

「そうか、それは良かった」

と雅子が

「お兄さんと有二さんは、生年月日が同じなんだね?珍しいわね」

竹田藤男は

「あぁ、それじゃぁここで、義兄弟の盃をあげるか、じゃぁ乾杯だ!乾杯!」

といいビールを飲みほし大笑いした、竹田は雅子に

「雅子ちゃん、悪いがちょっと中原さんと話しがあるんで、外してくれないか?」

「あぁ、そう分かったわ」

そう言って彼女はカウンターの中に入った、竹田は中原に小声で

「実はな、長友の野郎が、俺の足元見やがって「この前の100万じゃぁ足らないから後

100万出してくれないか?」と言ってるんだが、どうしょうか?」

「野郎、そんな事言ったのか!仕方ないな俺が何とかするから、お前明日の夜にでも

俺と・・・・・いや・・・・・後で、お前の携帯に電話するよ」

「そうか、明日だな」

「あぁ、そう明日電話する」

中原は後ろの席に人がいるのを気にしたのか、話をその場では話さなかった中原は

雅子にビールを頼んだ

後ろの席で刑事が聞き耳を立てている事など、彼等も知るよしが無かった

保雄は小声で

「そうか奴が竹田藤男なのか、処でお前、長友という名前、聞いた事があるか?」

「いや、初めて聞く名前だな?これは誰なのか捜査してみてくれるか?」

と村田は川瀬に言った

「はい、分かりました」

村田は小声で

「そうか竹田は市役所にいるんだったな、もしかしたら、その仕事関係の人間かな?」

「いや、分からんな?奴の中身は現在、全く不明なんだ、これは俺が盗み聞きしたんだ

が、竹田の妻の話だともしかしたら奴はは浮気しているいる、とかと話していたがな・・」

「ほー、そうなんだ、それも捜査する必要がありそうだな」

と捜査課の川瀬に村田が言った

「はい、その2件は一応、主任に話してみます」

保雄は小声で

「そうだな、処で、あの竹田の写真を撮りたいんで、お前、旨くカメラを隠してくれ」

と村田にデジタルカメラを影にして貰い写真を3枚ほど写した、保雄のデジタルカメラは

当然シャッター音が消去してある状態であった、保雄は以前、市民病院で竹田藤男の

妻の礼子と話していた二宮雅子が姉妹である事を思い出して村田にその話をしたのだ

村田は小声で

「そうか、それで二宮雅子が、中原に儀兄の竹田藤男を紹介したのか? しかし竹田

藤男には、北村信一が亡くなった時のアリバイはあるんだろう」

「あぁ、、その時間は家で寝ていたと言う事だ、詰まり、証言は家族だけだから、無いと

同じだな、状況証拠は確かに28年前に彼の父親が北村信一にひき逃げされて死亡

した、その仇を取ったと言う事だが、28年経ってからそんな事はやるはずが無いと妻

と本人も言っていると言う事だ」

「そうだな確か、他には物的証拠は無かったはずだったな」

「あぁ、物的証拠は何一つ無いんだが、刺した包丁でも見つかればいいんだが・・・・」

村田は小声で

「他に犯人と思われるのは確か北村信一の父親の前妻の子供の君島良二だが彼は

確かに北村から130万ほどの借金があるが、未だに返済していないと言う事だし現在

行方不明と言う事だ、警察は全国手配はしているがな」

保雄は

「俺は行き詰まってるが、まだ当たっていない竹田藤男の母親と中原有二の母親を

当たってみようと思ってるんだよ、警察は、何処からどう絞って捜査するのかな?」

「捜査課の考えだからな、やはり手詰まり状態は同じじゃぁ無いかな」

「そうか、分かった」

話は尽きなかったが、保雄達は中原や竹田藤男を残して10時頃にスナック「サフラン」

を後にして自宅に戻った、翌日、保雄は竹田藤男の母親の自宅を訪ねた、しかし平日

だった為、隣の家の人が

「そこの奥さんでしたら昼間は仕事に出ていますよ」

と教えてくれた

保雄は

「すいません、どちらにお勤めか分かりますか?」

「何でも、近くの「島村スーパー」で働いていると言う話ですよ」

「そうですか、どうもありがとうございました」

保雄は、夜にでも早い時間に来る事にして、次に「中原工業」の社長の妻の中原良子

の四之宮の自宅を訪ねた、保雄はインターホンを押した

「はい、どなたでしょうか?」

「すいませんが、たびたび捜査の関係者ですが・・・・」

「はい、今、開けます」

良子は保雄を刑事と勘違いしたのか、玄関を開けた

「どうも、すいません、亡くなられた修君のお母さんですね、大変失礼な事を伺いますが

実は今日伺ったのはお宅の、ご長男の有二さんの事ですが、有二さんは長男なのに

どうして、家の仕事を継が無いのかと思いましてね、何か理由が、お有りなのかと思い

ましてね・・・・・」

「いや・・・・・息子が・・・いやと言うからです・・・・・・」

「そうですか、しかし今後は後継ぎに困りますね、すいません、失礼な事、言いました」

良子は小声で

「そう・・・・まさか有二が・・・・・・」

「どうされたんですか?」

「いや、こちらの事です」

保雄は

「そうか、良子は有二が修を殺した犯人ではと、考えたのかな?」

と思って

「有二さんは事件当日は例の石田不動産の中で仕事をしていたと言う事ですが、確か

奥さんは、友人のお宅に泊まっていたと言う事ですが・・・・その青田弓江さんは確かに

そのように証言をしていますが、その裏は取れません、詰まり青田さんは貴女から

頼まれて嘘を言っている可能性もある訳です、そうでは無いですか?」

「何を言っているんですか? 私は間違い無く、彼女の自宅に居ました、それよりも

有二が本当に仕事場に居たのか調べてください」

保雄は

「奥さん、貴女は、ご長男を犯人と思ってるんですか?」

「あんな男、長男でも何でもありません!」

「奥さん、それは、本当ですか?」

「あぁ、・・・・・・・いや、・・・・私は調べたのかと言う話をしただけです、もうーいいですよ

帰って貰えませんか?」

良子は狼狽していた

「そうですか、分かりました、失礼します」

そう言って保雄は

「これは、おかしな事になって来たな?裏に何かありそうだ?」

と思って保雄は車に戻った。

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因縁(13)

保雄は西湘バイバスで小田原に着くと国道1号を右折して東町3-16番地を探した

そこは一般的な2階建ての木造アパートだった、保雄は1階の1番角の部屋のチャイム

を鳴らした、ドアーが開いて

「はい、どなたですか?」

と60代ほどの女性が出て来た、保雄は

「すいません、私はある調査をしている者ですが、このマンションに石川直子さんと言う

方はいますでしょうか?」

「あぁ、直子ちゃんね、彼女はもう、5年位前にお嫁に行きましたよ」

「そうですか、それで何処に、お嫁に行かれたか分かりますか?」

「何か横浜だと聞いていますが、この上にまだ、ご両親が住んでいますから直接聞いて

くださいよ」

「あぁ、そうですか、分かりました」

保雄は階段を上がり石川と言う家のチャイムを押した

「はい、石川ですが・・・・」

「すいません、私は探偵事務所の者ですが、ある平塚で起きた事件の事で、お宅の

直子さんが、平塚にいる旧姓北村香織さんの、お友達と聞きまして、直子さんに少し

お話を伺いたくて来たんですが今、直子さんはお嫁に行かれたと聞きましたんですが

どちらに行かれたか、教えて貰えませんでしょうか?」

「あぁ、同級生の香織さんの事ですか?」

「そうなんです、香織さんが今、行方不明になっていまして・・・・ですから直子さんに

何処に彼女がいるのか、知っているのか聞いてみたいので、直子さんの嫁ぎ先が

知りたいのですが?」

「そうですか、直子は横浜にお嫁に行っています、場所は旭区四季美台5-17ですよ

今、電話して聞いてみましょうか?」

「そうですか、それはすいません」

石川直子の母親は嫁いだ娘の所に電話した、暫く待ったが彼女は留守のようだった

「いないようだね」

母親はそう言って受話器を置いた

「あぁ、いいですよこれから横浜に行こうと思いますので、それで苗字が代わってると

思いますが?今の苗字は何と?・・・・」

「はい、清村ですよ」

「分かりました、どうも、お忙しい処、ありがとうございました」

と、言って保雄は小田原厚木高速道路に乗って厚木に出てそこから大和を抜け横浜

の旭区に着いた保雄は、交番を探して聞いてみた

「すいません、旭区四季美台5-17の清村さんと言う自宅に行きたいのですが、どう

行ったらいいでしょうか?」

「ちょっと待って」

と、言って警官は交番の中の机に地図を広げて探してくれた

「ここだよ、ここがそうだから、今、現在地はここだから・・・・」

保雄は手帳に地図を見て簡単にメモをして

「分かりました、どうもありがとうございました」

とお礼を言って、四季美台の清村直子の自宅に向かった、この当たりは建売住宅で

清村直子の自宅も真新しかった、保雄はインターホンを押した

「はい、清村ですが」

「すいません、私は平塚の北村明子さんから貴女の事を伺って来ました、探偵ですが

実は今、北村香織さんが行く不明になってまして、同級生の貴女なら居所を知って

いるのでは無いかと聞いて来ましたんですが、彼女の居所は、お分かりでしょうか?」

「・・・・・・・・・・そうでしたか、実は私の処に今いるんですよ、事情は私に全て話してくれ

ましたので、私は彼女に早く警察に行った方が、言いと言っているのですが・・・・・・」

「そうですか?私は彼女から、ある依頼を受けています、すいませんが香織さんに

会わせて頂けませんか?」

「そうですか?今、彼女に聞いてみます」

暫くして、玄関ドアーが開いて、20代後半くらいの女性が出て来た

「すいません、どうぞ、お入りください」

保雄はそう言われて、玄関から上がり応接室に通された、ソファーに座り待っていると

そこに

「どうも、すいません、依頼したままで・・・・・」

と中原香織が入って来た、保雄は

「奥さん、ご主人は、軽い傷ですから早く警察に行って話した方がいいですよ、夫婦の

間の事ですから、そんなに大事にはなりませんよ、いかがでしょうかこれから私の車で

警察の側まで送りますので、行きませんか?」

「はい・・・・・・・・・・そうですね、・・・・・・・・分かりました、それでは、お願いします」

彼女は友人の清村直子に話をして保雄の車で平塚警察の側で降りた、保雄は香織に

「お父さんの捜査は今、続行してやっていますので、暫く時間が掛かると思いますが・・」

と、言って事務所に戻った

平塚警察に出頭した香織は

「すいません、今、市民病院に入院してます、中原有二の妻の中原香織です、どうも

お騒がせしました」

「えー中川香織さんですね、ちょっと待ってください」

と受付の警官が電話して聞いていた

「今、係りが来ますから、お待ちください」

それから直ぐに捜査課から高橋刑事が2階から降りて来て

「中原香織さんですね、一緒に上に来てください」

「はい」

香織はその後に続き、取調室に入れられて事情聴取を受けた、結局香織は夫婦間で

話し合いをすると言う事で警察では示談で済ませてくれる事になり釈放された、その後

夫との話し合いで離婚と言う結果になった、彼女は持ち出した金額の中から300万を

慰謝料として夫から受け取り、取り合えず実家に戻った

平塚警察の久本主任と高橋刑事は翌日、市内の虹ヶ浜12-6のマンションを訪ねて

「中原工業」の社長の愛人である千葉由美子の部屋を探して聞き込む事にした

インターホンを高橋刑事が押した

「はい、どなたでしょうか?」

「すいません、警察ですが、ちょっと、お話を伺いたのですが・・・・・」

「はい、いま・・・・」

玄関ドアーが開いて40代くらいの女性が出て来た

「どうも、すいません、実は貴女は「中原工業」と言う会社の社長さんともう数年お付き

合いをされていると伺いまして・・・・・・・その事は間違い無いですね」

「はい、間違い無いです・・・・」

「実は、もうご存知と思いますが中原社長の息子さんの修君が殺害されました9月13日

の夕方5時から6時の間は貴女は何処で何をされていたのか、これは関係者の皆さん

全員に聞いてる事ですので、お答えください」

「はい、でも、もう3週間くらい前ですね、ちょっと待ってください、えーその日は金曜日

ですか・・・・あ!そう社長さんが夜、会議が終わってから来ると電話がありましたので

買い物に近くの、山田スーパーに行って、その後、お料理を作っていました、間違い

ありません」

「そうですか、分かりました、又何かありましたら伺います、どうもお邪魔しました」

その後、主任の久本と高橋刑事は当然、彼女から聞いた証言の裏取りをしたが全く

間違いは無かった。

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因縁(12)

保雄は昼食を済ませて、再び宝町の竹田藤男のマンションを訪ねた、保雄は

インターホンを押して待つと

「はい、竹田ですが・・・・」

「すいません、私は先程伺いました探偵事務所の者ですが、すいませんが少しお話を

聞きたくて伺いました」

「はい、今、玄関を開けますから」

玄関が開いて、保雄はその女性の顔を見て「はっ!」と息を呑んだ

「どうかされましたか?」

「い、いや、失礼しました、実はもう新聞その他でご存知と思いますが、先日、見付町で

北村信一さんと言う方が殺害されまして・・・」

「あぁ、その事でしたら、先日も刑事さんがこられまして、色々と聞いていかれましたが

もう26年も前の事で今更、内の夫が父親が殺されたからと言ってその北村さんを殺す

事なんて考えられませんし、本人も当日のアリバイは警察の方に話しているはずです」

「そうですか、それでご主人は事件当日の夜10時半から11時半はどうされていたのか

お分かりでしょうか?」

妻の礼子は

「確かその時間でしたら、自宅で寝る時間でしたから、寝ていたと思いますよ」

「そうですか、分かりました、ありがとうございました」

そう言って保雄は竹田のマンションを後にしたが

「いや、驚いたな、さっき病院で見た二宮雅子の姉さんが竹田藤男の奥さんだったとは

そうするともしかしたら、竹田藤男と中原有二は二宮雅子を通して、知り合いかも知れ

ないな、竹田藤男には当日のアリバイは無いと同じだな、一応、竹田藤男をこれから

尾行してみる必要があるな」

そう思って保雄は事務所に戻った、その頃、平塚警察の中村刑事と清田刑事は

中原修の自宅の西の方角に、駐車場があるかと歩いていた、と清田が

「あ!、あそこにあります」

「あぁ、ここの有料駐車場がやはり1番近いな、恐らくホシはここに車を止めていたん

だろう、無人のコイン駐車場だからナンバーとかは無理だなこれは」

「そうですね、後はその当時の目撃者探しですね、夕方5時から6時だから、誰かが

見ていても可笑しく無いので、近所のお宅を当たって見ましょう」

と、その駐車場近くの自宅を手分けして当たってみた、しかしもう今日は9月26日で

あれから2週間半くらい経っていたので、誰も不振な人物を見たと言う証言は無かった

その頃、主任の久本刑事と高橋刑事は「中原工業」を訪ね、専務の中原良雄に話を

聞いていた

「中原さん、どうもお忙しい処すいません、今日、伺ったのは先日殺害された修君の

事ですが、貴方は修君から誰かに怨まれているような事は聞いていませんでしたか?」

「いや、全く分かりません、ただもしかしたら、間違えられたのでは無いかと私は思った

んですが・・・・・」

「ほー、誰にでしょうか?」

「多分、社長では無いかと」

「どうして、そう思ったんでしょうか?」

「いや、修と兄は声が本当に良く似ているので、単純にそう思ったんですが」

「そうですか、社長は、社内では、余り快く思っていなかった人がいたんですか?」

「それは、兄も人間ですから何人かはいたと思いますよ兄はワンマン社長ですからね」

「大変、ぶしつけな質問ですいませんが、社長さんには奥さん以外に女性関係は如何

でしたでしょうか?」

「それは、ここだけの話にしてください、兄には千葉由美子さんと言う女性とはもう5年

以上の付き合いで・・・・・」

「その千葉由美子さんは何歳くらいの方で、住まいは、ご存知でしょうか?」

「ちょっと待っていてください」

と、彼は机の引き出しから手帳を取り出して見て

「すいませんが、私が話した事は内緒にして置いて貰えますか」

「はい、分かっています」

と久本が言った

「えぇー市内の虹ヶ浜12-6です、確かマンションと聞いてますが、何階にいるのかは

知りません、年は確か41歳と聞いています」

「分かりました、最後にこれは関係者の方全員に聞いている事なのですが貴方は事件

当日の9月13日夕方5時から6時には、どちらにいられました?」

「私のアリバイですか?ちょっと、待ってください」

と又、手帳を見て

「えー9月13日は夕方5時半から会議がありまして、ここの上の社長室で7時半まで

やっていますね」

「すうですか、そこでの会議に出た方々は分かっていますね」

「はい、それは、事務所で調べれば直ぐ分かります」

「そうですか?分かりました、どうもありがとうございました」

そう言って久本と高橋の両刑事は署に戻った

保雄は中原香織がいったい何処に行ったのか調べる為、香織の母親の北村明子の

自宅を訪ねた

「こんにちは、たびたび伺いまして、すいません、奥さん今度伺ったのは娘さんの香織

さんの事なのですが、出来ましたら香織さんの高校の同級生名簿を拝見したいと思い

まして、来たんですが?・・・・」

「そうですか?何処にあるか今、探して見ますので、お待ちください」

暫く待っていると

「ありましたよ、これが高校の同級生名簿です」

「すいません、見せて頂きます」

保雄は、その名簿を見ながら

「奥さんこの中で、香織さんが特に仲が良かった方は何方か分かりますか?」

「はい、この方です」

と明子はその写真を指差して

「石川直子さんです、彼女は家に何回か来ていますので覚えています」

「そうですか、他にはいませんか?」

「いや、その石川さんだけだったと思います」

「住所は・・・・・あぁ、裏に書いてありますね」

保雄はその石川直子の住所をメモして

「どうも、奥さんお手数掛けました、ありがとうございました」

と、言って保雄は車で小田原に向かった。

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因縁(11)

「妻に刺された」

と市民病院に運ばれた有二は、つい病院の看護師に言ってしまった、看護師は

傷害事件として警察に連絡してしまった、平塚警察の主任刑事の久本と高橋刑事が

市民病院に着いて医師に話しを聞いていた、久本は応急手当が終わり傷の浅かった

有二の所に話を聞きに病室に行った

「すいません、警察ですが今、先生の許可を貰っていますので、少しお話を聞かせて

ください、貴方のお名前は中原有二さんですね、すいませんが住所と電話番号を聞か

せてください」

「はい、八重咲町2-25、マンションの3階5号です、電話は23-****です」

「すいませんが、お仕事は何を・・・・」

「はい、見付町にある、石田不動産です」

「そうですか、処でどうして、奥さんに刺されたのか、その訳を聞かせてください」

「いや、夫婦の間の事ですから、ただの喧嘩ですよ、良くある事です」

「しかし、刺されたんでしょう奥さんに、奥さんは自宅にいないと言う事でしたよ、奥さん

が行くような所は、ご存知ですか?奥さんから話だけは聞きませんとね、夫婦間でも

傷害事件と言う事には違い無いのでね、それと、一応、警察は誰でも疑うのが仕事

ですから、伺いますが弟の修さんの殺害された当日の13日の夕方5時から6時の間

の貴方のアリバイを伺って置きます」

「えー、今度は私が、弟まで殺したと思われているんですか?」

久本は

「すいませんが、お答えください」

「当日は確か、事務所に戻って仕事中だったと思います、同僚の者か事務員に聞いて

見てください」

「そうですか、分かりました、後で聞きに伺います、それで、奥さんは何処にいるのか

分かりますか?」

と久本は言った、中原は

「実家にいるかも知れません」

「奥さんの名前を教えてください、中原、何と言うんですか?」

「香織です、中原香織です」

「その実家の住所は何処でしょうか?」

「市内の見付町23-7です」

「あぁ、そこの住所は?もしかして先日、北村信一さんが殺害されましたがそうすると

奥さんは北村さんの娘さんですか?」

「はい、そうです」

「分かりました、お大事にどうぞ、また伺う事もありますので、その時は宜しく・・・・」

「お邪魔しました」

と、言って久本刑事とと高橋刑事は、その足で見付町の北村運送に行った

「こんにちは」

「はい、何か?」

「すいません、平塚警察ですが、実はお宅の娘さんの香織さんがご主人と喧嘩して

ご主人をナイフで刺して何処かに逃げていますが、こちらには来ていませんか?」

「えー!本当ですか・・・・で有二さんは、どんな具合いでしょうか?」

「えぇ、傷は浅かったので、4、5日で退院できるそうです」

「そうですか、安心しました、でも香織が何で又・・・香織は彼の浮気に悩んでいました

ので、もしかしたらその事かも・・・・・」

「そうですか、出来ましたら、お母さんと一緒に、香織さんの自宅マンションに伺いたい

のですが、かまいませんか?」

「あぁ、いいですよ、私も香織から話を聞きたいですから」

そう言って久本は、香織の母親の明子を覆面パトカーに載せて香織のマンションに

行って、管理人から鍵を借りて中に入った、最初に目に飛び込んで来たのは、机の

上の保雄が書いた調査報告書と写真だった、明子は

「香織!いるの!・・・・・・これは、やはり有二さんには、女がいたんですね」

「香織さんはいませんね、これを見るとやはり喧嘩の原因はご主人の浮気と言う事で

すね」

「はい、以前から香織には、そのような事を聞いてはいましたが、まさかこんな事に

なってるとは思いませんでした」

「しかし取り合えずは、香織さんから話を聞くのが我々の仕事なので、香織さんの

後、行きそうな所はご存知無いでしょうか?」

「分かりません、多分、友人の所だと思いますが、名前も住所も私は知らないんです」

「そうですか・・・・」

と、言って久本と高橋の両刑事は彼女を自宅に送り、見付町にある石田不動産に

行って、そこの事務員に聞いた

「すいません、平塚警察です、実はこちらにいる中原有二さんの9月13日の夕方5時

から6時頃のアリバイですが、彼はこの事務所にいたと言っていますが、その話は

本当でしょうか?」

女性の事務員は

「えぇ、はい、ちょっと、お待ちください」

と他の男性に聞きに行った、直ぐに戻ると

「はい、確かに9月13日の夕方は7時まではここで仕事をしていたはずです、中原が

何かしたんでしょうか?」

「いや、ちょっとした事です、分かりました、どうもお邪魔しました」

と言って久本と高橋の両刑事は一旦、署に戻った

翌日、保雄は竹田藤男の自宅に行く前に、市民病院に行き3階のナースステーション

に行き

「すいません、中原有二は、何時頃の退院予定ですか?」

と看護師に聞いた

「ちょっと待ってください、えー中原有二さんは明後日の退院予定ですよ」

「分かりました、どうもありがとうございました」

と言って帰る途中に玄関ホールの待合室で2人の女性が話しているのに気が付いた

「あ!・・・あれは二宮雅子だ、そうか中原の見舞いに来たんだな、もう一人は誰かな」

保雄は顔を知られてい無いので、堂々と彼女達が話している真後ろのソファーに

座って聞き耳を立てて話を聞いた、二宮雅子が

「おねーちゃん、それでお母さんは元気?暫く電話して無かったので・・・・・」

「えぇ、相変わらず元気で働いてるわよ、それより最近、藤男が良く飲んで帰るように

なって来て喧嘩ばかりよ、この前は帰って来たのが午前3時よ、全く、それで聞いてよ

「最近は上司に誘われて断れないんだよ」て言うので「身体だけは大事にしてね」

と言って置いたけど?もしかして浮気でもしてるのかしら?」

「そんな事無いわよ、藤男兄さんは係長でしょ、課長になるチャンスだから頑張ってる

のじゃぁ無いの」

「そうかな、それならいいんだけど」

保雄はソファーから立ち上がって病院の玄関を出て車に戻り

「そうか、二宮雅子には実姉がいたのか?」

と次に竹田藤男が住む宝町の賃貸マンションを訪ねた、インターホンを押すと

「はい、どなたですか?」

「すいません、私はある事件の捜査をしている者ですが、竹田藤男さんの奥さんで

しょうか?」

「いや、私は彼女に頼まれた、留守番の者ですが」

「すいませんが、こちらの奥さんは、何時頃お帰りでしょうか?」

「そうですね「お昼までには多分帰れると思う」と言って出て行きましたので・・・・」

「そうですか、分かりました、又その頃に伺います、どうもお邪魔しました」

と保雄は言って

「何処かで腹ごしらえでもしょう」

そう思って保雄は、車の置ける中華店を探した。

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因縁(10)

平塚警察の鑑識課では早速、中山正弘のスニーカーと足跡の照合が行なわれた

その結果、スニーカーは中原修の殺害された自宅玄関から出た、足跡に間違い無い

と分かった、捜査課主任の久本は

「しかし、これで中山正弘が、本当に犯人で無いと言う証拠にはなら無いがな?

そもそも、中原修が死んで、得をする奴は誰なんだ?」

高橋刑事が

「そうですね、得をするのは、修が死ねば財産相続の時に長男の取り分が多くなる

それくらいの事でしょうか、後は生命保険に修がいくら入っていたかですが・・・・」

「しかし、身内どうしで、長男の有二だって、黙っていても財産は自分に入る事だし

そんな直ぐにバレルような弟殺しをするかだが?しかし一応、中原有二の当日の

アリバイだけは聞いて置いてくれ」

「はい、分かりました」

「しかし犯人が中山正弘なら辻褄は合うんだがな?」

「中山が犯人ならあの若さで、あんなに平常心でいられるのは変です、彼はまだ子供

ですし本ボシでは無いと思いますが、私は本ボシは他にいると思っていますが・・・・・」

と中村刑事が言った、久本は

「そうか、それが本当なら犯人は中山正弘とほんの僅かな差で逃げたんだろう中山は

確か東の方から中原修の自宅に行ったんだったな?」

「はい、そうです」

「と言う事は犯人は西の方に逃げたので中山とはすれ違わなかったのかも知れないな」

「そうですね、意外とその方向に犯人は車を止めていたとも考えられます」

「そうだな、その当たりに駐車場があるかも知れないので、捜査を頼む」

そう言うと久本は皆に

「それでは、これからも中原修の交友関係と、彼に係わる関係者の洗い出しを頼む」

久本は、そう言って会議を終えた

保雄は夕方5時過ぎに市内、山下にある木村茂の自宅を訪ねた、インターホンを

押すと

「はい、どなたでしょうか?」

「すいません、先程伺いました川崎探偵事務所の者ですがご主人はお帰りでしょうか」

「はい、帰っています、今、玄関をあけますから・・・・・」

そう言うと玄関が開いて、50代半ばの男性が出て来た、保雄は

「すいません、お手数掛けます・・・・」

「あぁ、聞きましたよ、北村も残念だったと思います」

「突然ですが北村さんは誰かに怨まれるような事を話していた事は無かったでしょうか」

「分かりませんね、最近はもう2年ぐらい会っていませんでしたので・・・・」

「そうですか、処で北村さんの性格はどんな性格でしたでしょうか?」

「お酒を飲むと良く話すんですが普段は無口な方でしたね、彼は昔、交通事故を起こ

していますので、運転は慎重でしたよ、私なんかセッカチな性格ですから彼の運転は

横に乗るとイライラしたものでしたよ」

と言って木村は笑った

「そうですか、処で北村さんの女性関係なんかは聞いて事は無かったですか?」

「いや、それは昔、若い頃は一緒に難破もした事がありましたが、結婚してからは

真面目にやっていたですよ、でも女性が好きだったのは確かですね」

「そうですか、ご主人は、そんな北村さんが女性といるような現場を見た事があるんで

しょうか?」

「いや、見た事は無いですが、昔は皆、色々ありましたから・・・・・・」

「そうですか、分かりました、どうもありがとうございました」

そう言って、保雄は事務所に戻った、保雄は今までのあった事を一旦整理してみよう

と、ノートに書いていた、前に帰って来ていた所長の川崎は

「豊田君、どうだ、調査は進んでいるのか?」

「いや、現在、行き詰まっています北村信一の友人、近所の人それに中学校の同級生

に聞いて歩いたんですが、現在まではホシには近ずいてはいないようです」

「そうか、それじゃぁ、もう1度始めに戻ってみて調査したらどうかな、確か北村信一は

交通刑務所に7年間お勤めをしていたと言っていたな?」

「はい、確かに」

「その時のひき逃げされた被害者の家族には当たったのか?」

「いや、まだです、警察にいる友人からの捜査で聞いていますが、その被害者には

直接は当たってはいません」

「それでは、当たって見る事だな」

「はい、そうします」

保雄は明日でも28年前の被害者の、竹田一男の家族に当たる事にした

その夜、午前2時半頃に自宅に戻って来た、中原有二は家で寝ずに待っていた妻の

香織が

「貴方!今迄、私の父親の葬式や修ちゃんの葬式があって黙っていたけど、私、貴方

の事を探偵事務所に依頼して調査して貰ってたのよ!」

と香織は言って、テーブルに座っていた有二に保雄が書いた浮気調査報告書を放り

投げた、その時中から有二と二宮雅子がホテルに入る所の写った写真が飛び出した

「お、お前、汚ねーまねしゃーがって!」

「どっちが汚いのよ!汚い事してるのは貴方でしょう!」

「俺は、そう言うお前に、もー飽き飽きしてるんだよ!気にいらねーなら出て行け!」

「言わなくても出来行くわよ、その代わりに2階の金庫の中のお金、全部頂くわよ!」

「何ー!」

「実はもう、このバックに入れてあるのよ、1千万でも安す過ぎるくらいよ!」

「お、お前ふざけるな!お前の金じゃぁねーんだぞ!この野郎!」

と言った瞬間、有二の手が香織の顔を拳で殴っていた

「痛ーい!何すんのよ!」

と香織はテーブルの上に置いてあった果物ナイフで有二の腹を刺した

「うー・・・・・・・手前ーー殺してやる!」

刺した事に驚いた香織はそのまま、玄関から飛び出して暗闇の中に消えて行った

腹を押さえて有二は自分で119番を回して救急車を呼んで、病院に運ばれて行った

その翌朝、保雄の所に村田から電話があった

「もしもし、実はお前の捜査していた中原有二が昨夜、奥さんの香織に腹を刺されて

病院に運ばれたよ、しかし傷は浅くて数日で退院出来ると言う事だよ、それに香織が

何処かに逃げているんだ、警察は事情を聞く為に探しているんだが、お前、心当たり

無いかな?」

「えー!本当か!、驚いたなやはり、女が原因だな・・・・・香織の実家は調べたか?」

「あぁ、調べたがいないと言う事だ」

「それでは、俺にも見当が付かないな」

「そうか、仕方ないな、話は変わるが先日の「中原工業」の退職者の名簿に書いてある

人物を全員、捜査したが、中原修をやったと思われる人物は該当しなかったよ」

「そうか、分かったしかし、あんなに若い修を、簡単に刺し殺せる動機を持った人物とは

どんな奴なんだろうかな?・・・・・・」

村田は

「ん、警察では、怨恨の線で犯人を追っているが、もしかして、何か他のの事情がある

のかも知れないな・・・・・」

「そうだな、修が死んで得をするのは誰なんだ?」

「だから、それは長男の有二と思うが、まさか彼は黙っていても財産が入ってくるんだ

そんな弟を殺さ無くてもな・・・・・」

「そう言う事だよな・・・・・・・・・確か父親の中原社長には弟がいたよな?」

「あぁ、確か、専務の中原良雄だよ」

保雄は

「警察は彼の事は捜査したのか?」

「いや、身内と言う事なのでまだ、捜査はしていないな」

「一応、当たってみる必要があるかも知れないな?俺の方も調べてみるが」

「あぁ、そうだな、課長に話してみるよ、それじゃぁ、又」

と村田は言って電話を切った。

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因縁(9)

翌日、保雄は、北村修一の妻の明子に見せて貰った卒業者名簿の中の修一が1番

仲が良かったと思われた、林辰夫と木村茂を訪ねる事にした、林辰夫の住所は市内

見付町の10-18で北村の自宅から北方向に500メートルくらいの所であった、保雄は

玄関脇のインターホンを押した

「はい、どなたでしょうか?」

「すいません、私は先日、ご不幸があった北村信一さんの件で、調査している者ですが

少しお話を伺いたいのですが、よろしいでしょうか?」

「はい、今、開けます」

と言って直ぐに玄関が開いて50代くらいの女性が出て来た

「どうも、お忙しい処すいません、こちらのご主人が、北村さんとは仲のいい友人と伺い

まして・・・・・今日はご主人はご在宅でしょうか?」

「はい、それでは今、呼んで来ます」

暫らくして、玄関に背の高い男性が現れて

「どうも、お待たせしました、私が林辰夫ですが・・・・」

「どうも、お忙しい処すいません実は亡くなられた北村信一さんとは仲良くされて居たと

あちらの奥さんに聞きまして、突然ですが、北村さんは誰かに恨まれているような事を

ご主人に話していましたでしょうか?」

「いいえ、そんな事全く聞いていませんよ、それに彼が恨まれる理由が私には分かりま

せん、北村とは何でも飲んで話す仲でしたから、何かあったら私に黙っているはずが

無いですよ」

「そうですか、分かりました、又何か思い出されましたらご連絡をここに頂けませんか」

と保雄が名詞を出すと彼はそれを見て

「あぁ、探偵さんでしたか?」

「はい、北村さんの娘さんに依頼されまして・・・・」

「分かりました、協力させて頂きます」

「どうも、失礼しました」

そう言って保雄は、次に木村茂の自宅を尋ねる事にした、木村茂の自宅は市内、山下

4861にあった、保雄は近所まで行き、ちょうど自宅前の道路を掃除していた奥さんに

聞いてみた

「すいません、この辺に木村茂さんと言うお家はありませんか?」

「あぁ、そこの電柱の所に門があるお宅ですよ」

「どうも、すいません、ありがとうございました」

保雄は、電柱の所の門を見ると確かに木村茂と表札が出ていた、保雄は門に付いて

いたチャイムを押した、5メートルくらいの所に玄関があってそこから、50代くらいの

女性が出て来た

「何か、御用でしょうか?」

「どうも、お忙しい処すいません、こちらのご主人が先日ご不幸があった北村信一さん

の同級生と伺いまして、少しお話が聞けたらと思いまして・・・・・」

「そうですか、今、主人は出掛けていますので、夕方で無いと帰らないと思いますが」

「分かりました、又、夕方にでも出直して来ます、私はこう言う者です」

と保雄は名詞を渡して

「こちらの中原香織さんから依頼されました、探偵です」

「そうですか、そのように話して置きます」

「それでは、よろしくお願いします」

そう言って保雄は、一旦事務所に帰った

その頃、平塚警察の捜査課の中村刑事と清田刑事が帰って来て、主任の久本に

「主任、目撃者が出ました、例の野球帽を被って紺のズボンに水色のワイシャツの

ような格好をして走っていたと言う人物ですが、害者の中原修の友人で良く一緒に帰る

中山正弘16歳でした、自宅の2件隣の奥さんに買い物帰りに出て行く所を見られて

いました、服装は全く同じで、野球帽子に紺のズボンと水色のワイシャツだったと言う

事でした」

久本は

「それで、その奥さんは、事件当日の、何時頃見たと言っていた?」

「はい、夕方5時少し過ぎだったと言っていました」

「そうか、今、5時前だな」

と久本は腕時計を見て

「6時頃ならその中山正弘は自宅に帰ってるだろう、じゃぁ君達、中山の自宅に行って

彼から事情聴取してくれ、それで、もし黙秘したら任意同行して来てくれ」

「はい、分かりました」

中村と清田の2人刑事はそのまま出掛けて行った、彼等は中山正弘の自宅前で6時

まで待って、自宅玄関のインターホンを押した

「はい、中山ですが・・・・・」

「すいません、平塚警察です、ちょっと開けて貰えませんか?」

そう言うと、玄関が開いて50代と思える女性が出て来た

「どうも、すいません息子さんの正弘君に少し伺いたい事がありまして、自宅にお帰り

ですか?」

「はい、帰っています、息子が何かしましたか?」

「いや、先日の中原修君の事件の事で少しお話を伺いたいだけです」

「今、呼んで来ます、少しお待ちください」

暫らくして

「中山正弘です」

と高校生が玄関に出て来た

「警察です、君に聞きたい事があるんだが・・・実はね、君は9月13日の夕方5時半頃

に、中原修君の自宅に行ってるね」

「・・・・・はい・・・・・」

「何の用事で中原君の家に行ったんだ」

「はい、本を貸してくれと前から言われていたので・・・・・」

「それで、彼に渡したのか?」

「いや・・・・行ったら玄関が少し開いていて・・・・・中原君が倒れていて、血だらけで・・・

驚いて走って・・・・家に帰って来ました」

「そうか、その時君は、誰か人影を見たかな?」

「いや、驚いて、怖くて・・・・・・誰も見てません」

「と言う事は君が玄関のドアーを開けたら中原君が倒れていた、それで君は驚いて

走って自宅に帰ったんだね、で、その時の君の履物は?」

「スニーカーです」

中村刑事は玄関の外に出て携帯電話で署に電話して

「主任、中原家の玄関周りの足跡は全て採取してありますね」

「あぁ、もう結果が出てるよ、7名ほどの革靴と女性の靴にスニーカーの足跡が取れて

いるそうだ」

「そうですか、実は彼が中原修の自宅に本を届けに行って、玄関ドアーが開いていた

ので、そのドアーを開けたら中原修が倒れていたのを発見して驚いて走って自宅に

帰ったと言う事です、一応、彼が当日、履いたスニーカーを持って帰ります」

そう言って中村刑事は電話を切って

「悪いが、君の事件の当日に履いたスニーカーを借りていきたいんだ」

「これがそうです」

と中山正弘は玄関に出ているスニーカーを指差した、中村刑事は

「それでは、このスニーカー借りて行くよ、それと何かあった時は又、話を聞きに来るか

ら頼むよ」

中山正弘は

「はい」

と返事をした、中村刑事と清田刑事は、署にそのスニーカーを持って帰った。

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因縁(8)

四之宮の葬儀場に着くと保雄は、入り口にいた女性に聞いてみた

「すいませんが、今夜ここで中原さんの通夜があると聞いたんですが?・・・・」

「はい、今、祭壇の飾り付けをしてます、それと内の者が中原さんの自宅からご遺体を

こちらに運んで来るように今、自宅の方に行っていますので・・・・・」

「そうですか、中原さんの会社の方は、今こちらに見えているんですか?」

「はい、会社の方でしたら、今、案内看板を取り付けに歩いて貰っていますので、もう

終われば、こちらに戻られると思いますが?」

「そうですか、どうもありがとうございました」

保雄はそう言って、会社関係の人が帰るのを待っていた、暫くして3人の男性が話し

ながら帰って来たので、保雄は聞いてみた

「すいません、中原修さんの捜査をしてる関係者ですが、ちょっと伺いますが、こちらで

今夜、通夜をやる中原さんの会社の関係者の方でしょうか?」

「はい、そうですが」

「実は、大変ぶしつけな質問で申し訳無いのですが、会社の社長さんの中原修一さん

は社内では、社員の皆さんの評判は、いかがでしたでしょうか、会社で何か問題でも

あったと言うような事は無かったですか?」

「確かに、ワンマン社長で、誰も社長には文句を言う人間はいなかったと思いますが

まさか、その事が原因で修君が殺されるなんて考えられませんが・・・・・」

「そうですか、特に社長を怨んで、会社を辞めた方はいませんでしたか?」

「あぁ、何人かいますが今は何処で働いているかは分かりませんね、それにその人達

が殺人なんか、するような事は考えられませんね」

「そうですか、その方々の名前と住所は葬儀が終わった後で、事務所で分かりますね

一応、参考までにですが・・・・」

「えぇ、分かると思いますよ」

「そうですか、では後日でも事務所に伺います、お忙しい処ありがとうございました」

保雄は後日、葬儀が終わってから「村田か彼の後輩の川瀬に「中原工業」に行って

貰うかな」と考えていた、それから4日後の夜、保雄は村田の所に電話した

「もしもし、あぁ、俺だけど、実は今日、昼間「中原工業」の事務所に電話して社長との

関係で喧嘩か何かで会社を辞めて行った社員がいたら、その人の住所と名前を伺い

たいと、実は悪いと思ったが警察の名前を出して言ってしまったんだが、出来たら

お前か、或いは後輩の川瀬君にでも「中原工業」に行ってその退職者名簿を取りに

行って、参考資料にしてほしいんだが」

「そうか、お前は、前に会社にいた退職者を疑っているのか?」

「そうなんだよ、実は通夜の日に会社の人間に、社長の会社での社員の方の評判を

聞いてみたら、社長はワンマンで意外と、彼と喧嘩して止めていった人間が数人いると

聞き込んだんだよ」

「そうか、分かった、それでは明日昼休みに俺が取りに行くが、それで大丈夫か?」

「あぁ、それでいいよ、それで引っ掛かる事があったら、こちらにも少し話してくれたら

有り難いんだがな・・・・・」

「あぁ、それは、又、電話するよ、それじゃぁ明日、行ってくるよ」

「よろしく頼むよ、じゃぁ」

そう言って保雄は電話を切った、保雄は依頼人から頼まれた北村信一が誰にやられ

たのか、まだ一向に掴めなかった、翌日、保雄はもう1度原点に戻り、北村の小学校

から中学、高校と友人を探して聞き込むかと思い北村信一の自宅に伺い、妻の明子

に再度、聞いてみた

「奥さん、どうもたびたび伺いましてすいませんが、ご主人の小中学校、或いは高校の

同級生名簿か、卒業写真のような物があったら、見せて頂きたいのですが?」

「はい、何処かにしまってあると思いますので、少々お待ちください」

と彼女は奥の部屋に入って調べているようだった、保雄は玄関で暫らく待っていると

「どうも、お待たせしました、これでいいでしょうか?」

保雄は中学校の卒業写真と卒業者の住所氏名が書いてある住所録を見て

「どうもありがとうございました、ご主人は何組にいたんでしょうか?」

「はい、3組と聞いています」

保雄はページを捲り

「ここですね、ご主人は何処にいます」

「ここです」

と妻の明子が写真を指差した

「あぁ、すいません、それで、この中の方でご主人が特に仲良くされていた方は何方か

分かるでしょうか?」

「はい、主人から聞いています、この林辰夫君です」

「そうですか、他はいませんか?」

「後は木村君ですかね、ここにいる方です」

「そうですか、すいません、ちょっと2人の住所を書かせて貰いますので」

そう言って、保雄は、林辰夫、と木村茂の住所を書いて

「奥さん、どうもお忙しい処、ありがとうございました、この2人の方に聞いて見る事が

ありますから、また伺いますどうも失礼しました」

そう言って、保雄は事務所に戻り、所長に報告した、川崎所長は

「まぁ、焦らずに頑張ってやってくれ」

そう言って励ましてくれた、その夜、保雄の所に村田から電話が入った

「もしもし、あぁ、俺だがな、今日、例の名簿、会社から貰って来たよ、一応、捜査課長

に、見せたら、早速捜査してみると言う事だ、助かったよ何か出たら必ず報告するよ

それだけだ」

「そうか、良かったでは又、電話くれ」

そう言って保雄は電話を切った、保雄は「中原工業」を喧嘩退職した者の中に犯人に

繋がるような人間がいるか、早く連絡が村田からあればいいと思っていた、しかし社長

を殺すなら分かるが、何の罪も無い息子を殺すなんて、そんな事をやる奴がいるかな?

いや、腹いせにそう考える奴がいても可笑しく無いな?とも考えていた、その夜も

保雄は中々寝付けなかった。

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因縁(7)

平塚警察の主任刑事の久本と高橋刑事は現場検証で主人の中原修一からは

話を聞いたが、慌てて帰って来た妻の良子には、彼女が落ち着いてから話を聞いた

久本主任は

「奥さん、奥さんは今まで、何処にいられたんですか?」

「はい、主人とちょっとした事で喧嘩しまして友人の家に泊まっていました」

「すいませんが、その友人の方のお名前と住所を教えてください、一応調べる義務が

我々にはありますので・・・」

「はい、青田弓江さんです、住所は市内の桜ヶ丘13-7です」

「分かりました、どうもすいません、それで息子さんの高校ですが平塚工業高校と聞い

ていますが、学校で何かトラブルのような事があったと言う事は聞いていませんか?」

「いえ、そのような事は息子から聞いていませんが・・・・・」

「そうですか、お宅にその高校の友人が来たと言う事は無いですか?」

「私の知っている限りではありませんが、私のいない時に連れて来たら分かりませんが」

「そうですか、分かりました」

久本は近所に目撃者探しを聞き込んで帰って来た、石川と中原刑事に

「どうだった、目撃者はいたか?」

「はい、数件聞き込んだのですが広田さんという現場から15mくらい離れた家の方が

庭掃除をしていた時、確か事件当日の13日夕方の5時半過ぎ頃と言っていましたが

若い男が自宅の前を、走って東の方向に行ったのを見ていました、服装は紺の

ズボンに水色のワイシャツのようでしたと又、身長は170㎝前後だったと言う事で

野球帽を深く被っていたと思う、と言う事でした」

「年齢は分からなかったのか?」

「はい、何か学生のようにも見えましたが、それはハッキリ分かりませんと言う事です」

「そうか、では明日、学校に行って、害者と仲が良かった者と、悪かった者がいたら

その、学生に事情を聞いてみてくれ」

「はい、分かりました」

「処で両隣の方は、害者の悲鳴か何か、聞いて無いのか?当たってみたか?」

「はい、両方のご家庭には、ご老人がいましたが、テレビの音で聞こえなかったと言う

事です」

と、そこに葬儀社だと言う男性2人が入って来た社長の中原修一は実弟の中原良雄

と2人で別の部屋に葬儀社の者と入って行った、主任の久本は玄関の前と中の足跡

を検証していた、鑑識官に

「犯人の足跡が出ればいいがな?・・・・あと宜しく頼むよ」

そう言って一旦、署に引き返し、捜査会議を行なう事にした、その後、久本は

「それでは、中原修刺殺事件の捜査会議を始める、始めに概要を簡単に説明すると

本日、9月13日午後8時05分頃、中原修一「中原工業」社長が帰宅した所、玄関内

で息子の修16歳「平塚工業高校1年」が胸に包丁を刺されたまま、倒れていたのを

父親が発見して110番して来た、犯人は玄関が開いたと同時に彼を刺して逃げたと

思える、これは変質者か怨恨、以外に考えられない、包丁には指紋は無かったので

犯人は手袋をしていたと思われる、それで凶器のこの包丁の出所を捜査してくれ又

玄関先と中に足跡があったので現在、鑑識で照合中と言う事だ、また害者の家庭の

関係は父親の中原修一60歳その妻良子54歳、長男の中原有二30歳その妻の香織

28歳、それと修一社長の実弟で会社の専務をしている、中原良雄56歳、その妻文子

53歳が現在まで、現場の自宅に来た者で分かっている関係者だ、また死亡推定時刻

は本日の夕方5時から6時の間で現在まで目撃者は出てい無い、これからの捜査は

怨恨の線で捜査してくれ、変質者リストはこちらにあるので調査させる・・・・・質問は?」

「はい、怨恨と言う事は、学校関係者、詰まり友人関係の中に犯人がいると言う事で

しょうか?」

「そうとも言えるが、中原社長は資産家だから、その関係の恨みとも考えられるし、又

会社の中で、何か、ごたごたが無かったかを捜査する事も重要だな」

「と、言う事はもしかして、犯人の本当の目的は社長だったのでは・・・・・」

「わからんな、しかしそれなら最初から社長が帰る時間を調べて置くのでは無いかな?

とにかく犯人は、何か配送人を装ってドアーを開けさせたと言う事だな明日から全ての

関係者の聞き込みを、宜しく頼む、以上だ」

その頃、保雄は自宅で、この中原修の事件は、あの中原有二の妻の香織の父親の

北村信一が殺害された事件と何処かで繋がってるんでは無いかと考えていたが中々

考えが出て来ない苛立ちで保雄は、冷蔵庫から缶ビールを出して飲みながら考えた

中原有二はスナック「サフラン」の二宮雅子と不倫関係にある、その依頼者の父親の

北村信一は刺殺された、また中原有二の弟の修が自宅で刺殺された凶器はどちらも

包丁と言う事だ、犯人が同一犯とすると、いったい2人をやった動機は何なんだ?

北村信一が義兄に金を貸していたそれを催促されて、義兄の君島良二が信一を

やったとしても、君島と高校生の中原修とは繋がらない? 犯人は別々の人間なのか?

中原修をやる動機を持った人間は?・・・・分からないな?・・・・学校関係者か?」

保雄はそんな事を考えると中々眠れなかった、翌日、保雄は中原修の自宅の近所で

聞き込みを始めた、被害者の中原修の住所は市内四之宮7214だった、保雄は近くで

駐車場を探してそこに車を止めて、歩いて現場近くの自宅の聞き込みを始めた、しかし

時間的にちょうど5時から6時と言うと夕飯時の為、中々目撃者は見付からなかった

仕方なく保雄は10件ほど聞いて歩いたがダメだったので駐車場に戻って、中原修が

通っている工業高校を尋ねた、保雄は、昼休みの時間を狙って職員室に向かった

「すいません、私は捜査関係の者ですが?」

と切り出した、すると先生らしい方が

「先程、別の方が2人で見えられましたが、今度はどのような事でしょうか?」

「すいません、中原修君は何かクラブに所属していましたでしょうか?」

「あぁ、彼はブラスバンド部にいて、トランペット吹いていましたが」

「そうですか、その担当の先生は今、お出でになられますか?」

「はい、私がそうです、窪田といいます」

「あぁ、そうでしたか、で、中原君はどのような生徒でしたでしょうか?」

「真面目に部活はやっていましたが?」

「最近、彼に何か変わった点があったような事は、無かったでしょうか?」

「いや、特に何も無かったと思いますが」

「そうですか、彼と良く一緒にいた生徒は何方でしょうか?」

「中山くんですが先程の刑事さんにも彼は聞かれていましたが、帰る方向が同じなので

良く一緒に帰っただけだそうですが・・・・・」

「そうですか、分かりました、ありがとうございました」

そう言って保雄は一旦、事務所に引き返した、事務所に着くと春子が

「お帰りなさい、何か収穫はあったんですか?」

「いや、まだまだ、これからだよ、害者の北村信一といい今度の中原修といい犯人の

動機がハッキリしないんだ北村信一は竹田藤男の父親の竹田一男当事30歳を28年

前にひき逃げして7年間交通刑務所に入ってお勤めを終えている、その被害者の竹田

一男の息子の藤男が今さら28年もたって、父親をひき逃げした北村信一をやるはず

が無いと思うのだが・・・・・春ちゃんどうかな?」

「そうね、その北村が出所してから、ちゃんと竹田の家に行って仏壇の前で手を合わせ

て、謝っていれば問題無いと思うんですけどね」

「そうか・・・・んーもしそれをしていなければ、やはり恨みは残るか?それと今回の中原

修だがまだ高校1年だよ、いったい誰の恨みを買ったと言うんだ?高校生同士の喧嘩

で殺人までやるか?・・・・・・・何か他の動機があるんじゃぁなかかな?」

「でも、最近の高校生は怖いからね、分からないわよ」

と春子がそう言った、保雄は春子が入れてくれたお茶を飲んで、今度は「中原工業」の

社員から何か聞けるかと思いまた出掛けた、会社の前に着くと張り紙が出ていて通夜と

告別式の時間と日にちが出ていた、通夜と告別式は四之宮の葬儀場で今日9月14日

夜7時から、告別式は明日の15日午後1時から2時までとなっていた、保雄はそれを

手帳に書き込んで、通夜の行われる葬儀場に行ってみた。

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因縁(6)

翌日から保雄は、依頼人の中原香織から依頼された事件の調査をする事にした

先ず始めに保雄は、目撃者が、まだ他に居るのでは無いかと見付町の事件現場の

近所の自宅を聞いて歩いた、すると現場から10メートルくらい離れた鈴木さんと言う

家の方が

「あの夜11時少し前当たりに19歳の娘の帰りが遅いので、近くを見に行って帰りがけ

に、男が前方から走ってくるに出会わせて急いでその男を避けたんですよ、ぶつか

りそうな感じでしたんでね、それと男は上下黒い服装で身長は170cmくらいで年齢は

暗かったので、ちょっと分からなかったです、その後直ぐに自動車のエンジンを掛ける

音がしたので、多分その男が逃げて行ったのかも知れません」

と話してくれた、保雄は、お礼を言って、もう1軒の自宅を聞き込んだが

「その時間はもう寝ていましたよ」

と、言う事であった、その後、保雄は北村信一のやっている運送店に行き

「娘さんの香織さんから依頼されました探偵です」

と言って、話を聞いた

「奥さんそれで、ご主人の信一さんは誰かに怨まれるような事は無いと言う話を香織

さんから聞いていますが、奥さんや娘さんの知らない所で誰かに恨みを買っていたの

かも知れませんので、飲み仲間の方とか学校時代の方とか会社関係の方とか思い出し

て、貰えませんか?たとえば誰かの名前を言っていた事は無かったですか?」

妻の北村明子は暫く考えていたが、何かを思い出して

「そうー確かもう6年位前ですが、あの人が飲んで帰る途中で車がひき逃げで子供を

跳ねた所を見たので、その車の前に飛び出てその車を止めたと言っていました夫は

「いやー驚いたよ俺は酔っていたから出来たんだが、普通ならとても出来なかったよ」

と笑って、その時は言っていましたが彼は昔、自分がやった事が頭の何処かに何時も

あったんでしょう」

「そうでしたか、その事故を起こした所は何処と、ご主人は言っていましたか?」

「はい、それは旧国道1号線の柳町の田中歯科医院の前だと聞いてます」

「そうですか処で、その子供が何処の病院に行ったか分からないでしょうね」

「そうですね、分からないですが、しかし、あそこなら1番近いのは市民病院ですが・・・」

「そうですか、分かりました、どうもありがとうございました」

保雄は、その病院と運転していた男を明日にでも調べてみる事にした。

君島良二は北村信一の2歳上の義兄で彼は、父親の前妻の子供で小さい時から唄が

好きで、現在、売れない演歌歌手だった、彼は54歳の現在まで独身で最近は仕事も

無く、食べるのにも困った生活をしていたが、2年前に彼は平塚市内を歩いている時

バッタリと義理の弟の北村信一に出くわした、その時、信一が知っているスナック「渚」

に行って信一がおごった時から、時々、信一を頼って金を借りていた、もう十数回で

130万くらい、君島に信一は金を貸していた、しかし1度も返さない彼に信一は

「お前は全く金を帰す気が無いんだな、もう2度と貸さないから、2度と来るな!」と怒り

自宅から追い返した、その後、君島良二は何処に行ったのか不明であった。

その夜、保雄の所に初めて平塚警察の捜査課にいる、先日、村田から紹介された

川瀬清から電話があった

「こんばんは、ご無沙汰しています、村田さんの後輩の川瀬ですが、先日はどうも」

「やぁ、初めてだね君から電話を貰うのは、それで、今日は何かあったかな?」

「はい、まだ、ご存知無かったですか?」

「何が、あったんだ」

「はい、殺しです、今日、市内にある「中原工業株式会社」の社長の次男の中原修

16歳が自宅の玄関で正面から胸を刺され殺害されていました、第一発見者は父親の

中原修一で

「会社から帰って玄関を開けると息子が倒れていた」と言う事です、死亡推定時刻は

夕方5時から6時の間ではないかと言う事です、凶器は包丁が胸に刺さったままで

指紋はその凶器から出なかったと言う事で、恐らく手袋か何かをしていたと思われ

ます、警察では犯人はドアーが開いたと同時に刺して逃げた、殺しが目的でやったと

見ています」

「そうか、どうもありがとう、16歳と言えばまだ高校1年生か?可愛そうに、いったい

誰が、何の恨みで・・・・・許せないな」

「はい、一応、怨恨と変質者の線で捜査する事になりました、それと調査されて、もう

ご存知かも知れませんが、実は先日殺害された北村信一のその後の捜査で、彼には

父親の前妻の子供、詰まり北村信一の義兄がいました、その男は売れない演歌歌手で

現在、何処に住んでいるかは不明ですが、数年前から北村に金を借りて現在その金額

は積り積もって130万くらいになるそうです、それを北村は最近亡くなる寸前まで誰にも

言わないでいたと妻の明子が話したと言う事です」

「そうか・・・演歌歌手か?分かった、ありがとう、こちらは、北村が殺害された現場

近くで、近所の人が娘の帰りが遅いので、迎えに行って暫くして帰る途中で男が走って

来て、それを避けたが、その男が犯人だとすると、身長は170cmくらいでやはり上下

黒い服装だったが、男性の年齢は分からなかったと言う事だよ」

と保雄は話した

「そうですか、目撃者が1人増えたと言う事ですね」

保雄は

「あぁ、そう言う事だな、どうも今夜はありがとう、また宜しく頼むよ」

「いえ、とんでもないこちらこそ頼みます、では失礼します」

そう言って、川瀬は電話を切った、保雄は受話器を置いてパソコンを開いた、その時

また、電話が鳴った、保雄は電話に出ると

「もしもし、俺だよお前、長い電話してたな、何の用事だったんだよ」

と村田が出て言った

「いや、たった今、お前の後輩の川瀬君から今日「中原工業株式会社」の社長の息子

中原修16歳が、玄関で刺されて殺されていたと、それに第一発見者はと父親の

中原修一だったと言う事と、死亡推定時刻は夕方5時から6時の間で、まだ胸には

包丁が刺さったままだったと言っていた、それにまだ16歳と言ったらまだ高校1年生だ

これは怨恨の線だとしか思えないな」

「そうだな、実はその中原修の母親が、2日前に家を出て未だに連絡が無いと言う事で

何でも些細な事で父親と喧嘩したとかで、何時も1週間くらいは友人の所にいるので

こんな事になって中原社長が驚いて電話したら、大変驚いて直ぐに戻ると言っていたと

言う事だよ」

と村田が言った

「そうか、分かった、それにしても大変だなまだ、北村信一の事件が途中なのに・・・・」

「それは、何時もの事だからな、それじゃぁまた連絡するよ」

と言って村田は電話を切った。

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因縁(5)

保雄が事務所に帰ると、依頼人の中原香織がソファーに座って待っていた、保雄は

「どうも、すいません、お待たせしました」

「いえ、今、来た処です、すいませんそれでは結果を・・・・」

「はい、今、お持ちします」

と保雄は自分のデスクの引き出しから、A5サイズの封筒を取り出して彼女に渡した

受け取った彼女は、その中から報告書を出して暫らく目を通していた

「分かりました、それで、お手数掛けついでに、もう1つお願いしたい事が出来ました

ので、お願い出来ますか?」

「はい、どのような事でしょうか?」

「実は、5日前の見付町の殺人事件をご存知でしょうか?」

「はい、新聞でもテレビでもやっていましたので、知っていますが・・・」

「あの時に殺されたのは、私の父親なんです、私は中原と結婚する前は北村香織と

いいました」

「そうだったんですか?・・・・・で、どのような事を調査しますか?」

「はい、警察は犯人を当然捜していると思いますが、私達、被害者の身内の者にも

中々情報を教えてくれませんので、こちらでも犯人の事を調べて頂きたいと思います

それが、私のお願い何ですが・・・・」

「そうですか、そうしましたら、出来るだけ、お父さんの事を貴女が知る限りの情報を

私どもに教えてくれませんと・・・たとえば、お父さんのお友達の方の住所と名前とか

また、仕事の関係者とか学校時代の事とかですが?」

「はい、これは、調査すれば、いずれは分る事ですからお話しますが、私の父親は

もう28年も前ですが、交通事故で人をひいて逃げた所で捕まり、交通刑務所に7年間

入っていました、被害者の竹田一男さんには、私達家族が働きながら毎月、お金を

帰して来て約20年間で返済が終わりました、それで、仕事が運送業と言う仕事だけに

父親は毎日の車の運転がトラウマになり、仕事が終わると、お酒に頼るような生活に

なっていたんです、本人も内心苦しんでいたんでしょう、それは家族は皆分かっていま

した、しかし何処で何があったのか分かりませんが、殺されるなんて考えてもいません

でした、それで貴方に調査をお願いしたいと・・・・・」

「分かりました、難しい事件かも知れませんが、調査をしてみたいと思います」

「それでは、この夫の浮気調査の金額は、おいくらでしょうか?」

「はいでは、今」

と保雄は春子が書いた領収書を彼女に見せた

「はい、ではこれで・・・・」

と彼女は支払いをして

「それでは、また、調査が終わりましたら電話してください、それで途中経過などは聞く

事は出来ますね」

「あぁ、調査出来た処までは、お話が出来ると思います」

「分かりました、それでは、宜しくお願いします」

と言って彼女は出て行った、保雄は平塚署にいる村田に携帯電話をして聞いてみる事

にした

「もしもし、私は鑑識課にいます、村田亮君の友人ですが、彼に伝言お願いしたいの

ですが」

「はい、どうぞ、ご用件は?」

「はい、昼休みに私、豊田といいますが、電話をくださいと伝えて頂きたいのですが」

「分かりました、豊田さんですね、」

「はい、そうです」

「お伝えして置きます」

「よろしくお願いします」

と言って、保雄は電話を切った

「中原株式会社」の社長の中原修一には、もう6年も前から妻の知らない女性がいた

彼女の名前は千葉由美子42歳で、中原社長とは6年前に彼が彼女の息子当事8歳を

車で跳ねた、車は直ぐに止まらなかったので側を通った男性が車の全方に飛び出て

車を止めてくれた、彼女はその人にお礼を言ったが、その時は気が動転していて彼の

名前は聞かなかった、その時、運転していた中原修一は

「逃げたんじゃぁ、無いですよ、車を止める場所を探したんです」

と言い逃れをした、その後、救急車を呼んで病院に運んだ幸い足に軽い怪我をしたが

中原はその後、毎日のように病院に見舞ってくれた、それが初めての出会いであった

その時、千葉由美子は中原に対して最初は印象は良くなかったが、段々、彼の誠意

が分かったのか、昔話などをして来た、彼女は夫と離婚して3年目であった2人は

会ってから、6ヶ月目に自然的に男女の関係になっていた処が、知らぬは夫ばかりなり

で、実は中原社長の妻の中原良子54歳は彼に女がいる事は、もう5年も前から知って

いて知らない顔をしていたのだった、処が最近、ちょっとした夕食のオカズの事で喧嘩

になり、良子は

「そんなに私が作った物が食べられないなら、あの女のに作って貰ったら!」

と、つい爆発してしまった

「だから俺は、お前のような女が1番、嫌いなんだ!」

「そう、それでは離婚しましょう、慰謝料はたっぷり頂くから、覚えてなさいよ!」

「バカ、お前にはもう幾ら金をやってると思ってるんだ!もう1円もやる積もりは無いよ」

「弁護士を頼むから、その時は泣かないようにね!」

そう言うと妻の由美子は、自家用車で何処かに出て行った

平塚警察の捜査課では、捜査会議が行われていた、主任刑事の久本が

「それでは今日の結果報告を、高橋君から頼む」

「はい、私と吉田刑事は北村信一が28年前に起こした、ひき逃げ事故の被害者の

竹田一男の錦町の3-17の自宅、貸家に行きましたら、まだ、妻の秀子55歳が

1人で住んでいました、仕事は現在、スーパーのレジをやっていると言う事です、また

息子の藤男は宝町の3-6の賃貸マンションに結婚して奥さんと子供1人と住んでい

ました、双方の事件当夜のアリバイを聞きましたが、自宅に居たと言う事で証明する

人間は家族以外いません」

「そうか、その長男の藤男の勤め先は?」

「はい、市役所の年金係にいます」

「分かった、で、今回の害者の北村信一の交友関係はどうかな?」

「家族にもう1度聞き込みましたが中学校の友人で千石河岸12-9に住む熊田進さん

と言う方の自宅に行き伺いましたが「時々酒を飲むが、恨んでいた人なんて知らない」

と言う話でした、本人は車の修理工場でやはり2代目の社長でした、店は自宅の隣に

ありました、当夜のアリバイは「もうその時間では寝ていたよ」と言う話でした」

「そうか、それでは、ひき続き害者、北村信一の交友関係を捜査してくれ、以上だ」

その夜、村田から保雄に電話があった

「やぁ、今日は悪かったな電話出来なくて仕事が込んでいてゴメン、処で何の話なんだ」

「あぁ、実はな、俺の今回の依頼人だが先日殺害された北村信一の実の娘さんだった

んだよ、それで今度は彼女、犯人を探してくれと俺に捜査以来して来たんだ、警察は

何も情報を教えてくれないからと言うのが、その理由だそうだ、処で捜査は進んでいる

のか?」

「いや、今は害者の交友関係を捜査中と言う処だよ」

「そうか分かった、俺も協力させて貰うからな?それだけだよ、それじゃぁ又」

と言って保雄は電話を切った。

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因縁(4)

翌朝、新聞配達の若い男性が見付町の体育館の裏の路地で、男性が背中から血を

流して倒れているのを発見して110番して来た、平塚警察では直ぐに捜査課の刑事

と鑑識官が現場検証に向かった、主任刑事の久本は

「これは刺殺か、ひどい出血だな、凶器はナイフか包丁だな?」

「そうですね、背中を数回刺された感じですね」

「で、凶器は出たのか?」

「いや、現在、探していますが恐らく犯人が持ち去ったのでは無いかと思われますが」

高橋刑事が

「主任、これは物取りの犯行では無いですね、財布には現金が3万6千円そのまま

残っています」

「そうか、怨恨か?それで害者の身元は分かったのか?」

「はい、免許証から害者は北村信一52歳でショルダーバッグの中から、この近くの

北村運送と言う会社の書類が入っていましたので、そこの社長か身内の者ではない

かと思われます、今、河瀬君と山本君に当たって貰ってます」

「そうか、分かった」

主任の久本は鑑識官に

「死亡推定時刻は分かったのか?」

「はい、おおよそ昨夜の10時半から11時半の間では無いかと・・・・」

「そうか、分かった、後、宜しく頼む」

そう言って、久本は高橋刑事に

「この近所の方に、その時間、誰かを見たとか、何か物音を聞いたとかと、言う事が

無いか聞き込んでくれ」

「はい、分かりました」

久本は署に電話して、帰ったら、捜査会議を行なう事を捜査課長に話した、その後

平塚署では捜査会議が行なわれていた、捜査課主任の久本は

「今日の害者の自宅に行った河瀬君報告をしてくれ」

「はい、害者の北村信一は親の代から運送業をやっていまして詰まり2代目の社長と

言う事になります会社の従業員は4名であと本人と奥さん1人息子が手伝っていました

殺害されるような理由を聞きましたが、奥さんも息子さんも「そのような恨まれる覚えは

無い」との事でした、害者は昨夜、近くの居酒屋「ひょうたん」で飲んだ帰りに何者かに

刺殺されたと言う事ですが「ひょうたん」の聞き込みでは、誰かと喧嘩をしたと言う事も

無いと言う事でした又、そこの従業員の方、出掛けてましたが1人り帰って来ましたので

聞いた処、その方の言うには、皆、旨く仕事はしていて、特に社長を恨んでいるような

人はいないとの事でした」

「そうか、それで、近所の聞き込みで、分かった事は無いか?」

「はい、現場の直ぐ側の山田さんと言う方が、やはり飲んで帰った時、玄関の処で男

の大声を聞いて、見たら黒い上下の服装の男が、北方向に逃げていく所を見ていま

したが彼も酔っていましたので薄覚えでハッキリとした証言ではありません、喧嘩だと

思って、直ぐに寝てしまったと言う事です」

「そうかわかった、害者の北村信一だが彼の前歴を調べた処、もう28年も前だが当時

ひき逃げ死亡事故を起こして7年間のお勤めをしていた、その時の害者は竹田一男

当時30歳だ、今回の事件に関係があるか無いか分からないが、その竹田の家族が

当時、住んでいた錦町3-17の貸家に住んでいるかどうか、捜査してくれ、それと

当然だが害者の交友関係を徹底的に捜査だ、これは恐らく怨恨による殺人事件の

様相が強いと思われる」

久本主任は

「課長の方から、何かありますか?」

「ん、それでは全力で当たってくれ、宜しく頼む、以上だ」

捜査会議は終わり、各刑事は2名に分かれて捜査に出て行った

その頃、保雄に村田から電話があって

「俺だよ、昨夜、見付町の体育館裏の路地で刺殺事件があったが知ってるか?」

「本当か、いや、知らなかったよ」

「ん、害者は北村信一52歳で近くの、北村運送の社長だそうだ、凶器は包丁のような

物で背中を数回刺されて、ほぼ即死状態だったらしい、死亡推定時刻は昨夜、だから

9月の7日夜10時半くらいから11時半までの間で、凶器は近くを探したが見当たら

ないと言う事なので、犯人が持っていったと考えられるようだよ」

「それで、目撃者は?」

「会社の帰りに酒を飲んでの帰り、自宅の玄関先でサラリーマンが見てるが、男性で

黒っぽい服装の上下だったとしか覚えていないんだ、酔っていたんで余りあてにならな

い何でも喧嘩だと思って、寝てしまったと言う事だよ」

「そうか、分かった、何か協力する事が出来たら言ってくれ、それじゃぁ又」

と言って保雄は電話を切って、事務所に出掛けた、事務所に着いた保雄は早速、所長

の川崎に聞いた

「すいません、調査報告書を書くのは初めてですので、教えて頂きたいのですが?」

「ん、春子ちゃん!彼に教えてやってくれないか?すまんな俺はこれから、直ぐに

出掛けないといけないんでな」

そう言って彼は出てい行った、保雄は春子に

「所長は今、どんな事件を調査してるのかな?」

「同じよ、不倫関係の調査依頼」

「そうか、平塚での?」

「そう、平塚と藤沢の人らしいわよ」

「そうなのか、所長も大変なんだ・・・・・そうだ、悪いけど書き方を頼むよ」

「えー、取り合えず分かる所だけ書いてみて、後は教えるから」

保雄は、分かる処を書き込んで、春子に聞きながら、調査報告書を書き上げた

「よーし、これで、依頼人の所に電話が出来るな」

そう思って、彼は先日依頼に来た、中原香織の携帯に電話した

「もしもし」

と保雄が言うと、彼女が電話に出た

「すいません、こちらは、川崎探偵事務所ですが、先日、依頼された件が、調査終わり

ましたので、来て頂きたいと思いまして・・・」

「あぁ、すいませんが、今、取り込んでいますから、後日、電話しますので、すいません」

と、言うと直ぐに電話が切れた

「何があったのかな?」

保雄は仕方なく電話を切って彼女から電話が来るのを待つ事にした、4日後、依頼人

の中原香織から電話があった

「もしもし、中原香織ですが、先日はどうもお電話を頂いて・・・・それで今日、これから

伺いますので、お願いします」

留守番の春子は

「はい、それでは、お待ちしています」

「すいません、先日の若い方はいませんですか?」

「はい、今、出掛けていますが・・・・」

「すいませんが、先日の方に話がありますので、何時頃、帰られますか?」

「それでは、今、電話して、帰るようにしますので、ちょっとお待ちください」

と、春子は保雄に電話してその事を話した、春子は

「今、彼に電話しましたら、直ぐに帰えると言う事ですので・・・・・」

「そうですか、分かりました、ではこれから伺います」

と言って電話が切れた。

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因縁(3)

翌日、朝、保雄の所に平塚警察にいる村田から電話が入った

「おい、今日、夜、お前に紹介したい男がいるんだが都合はどうかな?」

「んーちょっと仕事・・・・ん、どうかな俺の知っているスナックにその人を連れて来て

貰う訳にはいかないかな、実は今夜、ある仕事で、そこのスナックの女性を張り込む

積もりで居るんだが?」

「あぁ、そうか、浮気の調査か?」

保雄は

「そうなんだよ、それなら今日でも構わないんだがな?」

「分かったよ、それで何時頃ならいいんだ」

「そうだな、お前の方は時間はどうなんだ?」

「出来たら8時頃でいいかな?」

「あぁ、構わないよ」

「そうかではその時間に何処に行ったらいいんだ?」

保雄は

「ん、明石町のスナック「サフラン」と言う所だ明石町公園の近くなので直ぐに分かるよ」

「分かった、それじゃぁその時」

と村田は言って電話を切った、保雄は昨日、有料駐車場に置いて来た車を取りに行き

事務所に寄ってから、その日も中原有二のいる石田不動産を張り込んだが、今日は

彼に特別、動きは無かった

「週に3回くらい来てるわよ」

とスナック「サフラン」の女性が言っていたので、今日は動かないと思ってはいたが、又

どんな事があるか分からないので、張り込んでいたが

「又、明日動くのかな?」

そう思って保雄は夜8時に又、車を駐車場に止め村田と約束したスナック「サフラン」の

に入った、中に入って見回すと、村田と、もう1人若い男性がボックス席に座っていた

保雄が来たのに気が付いた村田は

「よー!」

と言って手を上げた、保雄は

「イヤー待たせたかな?」

「いや、今来た処だよ、こちら俺の大学時代の同級生で豊田保雄さんだ」

と村田はもう一人の男性に言った、男性は立ち上がって

「どうも、初めまして川瀬清です」

「あぁ、どうも初めまして豊田保雄です、宜しく」

と言って3人は改めてビールで乾杯した、ビールを飲み干した後、村田が

「実は彼は俺の高校の後輩で、昇進試験で合格して今度、捜査課に配属になったんだ

それで、お前に何かで又、協力関係に慣れたらいいと思って紹介したんだよ」

「そうか、それはどうも、で言って置いたのか?」

「いや、これから話すよ」

と村田は川瀬に

「実はな、川瀬君、彼は川崎探偵事務所と言う所で働く探偵さんなんだが、俺と彼とは

色々と情報の交換をし合っているんだよ、お互いの為にな、当然、警察にも、彼にも

「守秘義務」がある事は分かってるんだが・・・・・そうだからお互い「ひとり言」を言って

るんだよ、だから君にも、たまに「ひとり言」を言って彼に協力して貰いたいと思ってな」

「そうですか?分かりました、お互い様ですからいいんではないですか?私はそんなに

カチカチ頭の人間では無いですよ」

と彼は笑って言った

「そうか、それは良かった、今日はゆっくり飲んで行こうか」

と村田は言った、保雄は

「彼は以外に話の解る男のようだ」

と、そう思った、保雄は村田達と飲みながらも時々雅子から目を離さずに、彼女を見て

いた、又お店の終わる時間が来た、保雄はタクシーを2台頼んで村田と川瀬は、その

1台のタクシーで帰って行った、保雄は又タクシーを店から離して止め雅子が出て来る

のを見張った暫らくして店の前にタクシーが止まった、雅子が出て来て乗った所を確認

して保雄は、その後を離れて付いて行ったタクシーはJRのガード下を通り松風町の

5階建てのマンションに着き、そこで雅子は降りて中に入って行った、保雄はタクシーを

待たせて、その後を付けた、エレベーターが5階で止まったのを確認して保雄は

「よし、今日はこれで帰って明日の夜、彼女が店に出た後で5階の住人に聞き込んで

みよう」

そう思って帰宅した、翌日、保雄は松風町3-27の雅子のマンションに夜、出掛けた

エレベーターを5階で降りて直ぐの自宅のインターホンを押した

「はい、どなたでしょうか?」

「夜分すいません、私はある調査をしている調査員ですが、こちらに20代半ばの夜の

お仕事をされている、名前が雅子さんと言う女性の方は、住んでいますでしょうか?」

「あぁ、二宮雅子さんの事ですね、お隣のお隣の3号室の方です」

「そうですか、彼女は独身でしょうか?」

「そう言っていましたが、でも2回ほど土曜日に男性が車で彼女を迎えに来て何処かに

出掛けて行ったのを見ましたよ」

「そうですか、すいませんが、ちょっと写真を見て頂きたいのですが」

「分かりました、今、開けます」

と言うと直ぐに玄関ドアーが開いて40代くらいの女性が出て来た

「あぁ、どうも、わざわざすいません、その男性は、この方でしょうか?」

と、保雄は中原有二の写真を見せた

「あぁ、そう、そう、この方でしたよ」

「そうですか、どうもありがとうございました」

とお礼をいい、保雄は事務所に帰って報告書の書き方を教えて貰おうと思い、急いで

事務所に戻った、しかし事務所はどうしたのか早く閉まっていた、保雄は所長の携帯に

電話した

「もしもし、所長ですか、豊田ですが、今日は早く事務所を閉めたんですね」

「あぁ、春子ちゃんがお腹が痛いと言って早く帰ったんだよ、俺は今、男を尾行中だ

君も、終わったら帰っていいよ」

「そうですか、明日、報告書が書けそうです、それでは失礼します」

保雄はそう言って帰宅した。

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因縁(2)

翌日、保雄は又、同じように中原有二がいる、石田不動産を張り込んでいた

夜、7時過ぎ、中原が今日は駐車場には行かずに、同じ会社の人間なのか、2人で

タクシーに乗り出掛けて行った保雄はそのタクシー後を付けた、タクシーは明石町の

スナック「サフラン」と言う所の前で止まった、2人はその店に入って行った、保雄は

「何だ、この店は、この前、所長と春子さんが俺の歓迎会をしてくれた店だ、そうか彼

もこの店に来てたんだ」

保雄は車を有料駐車場に入れて、早速、その店に入った

「いらっしゃいませ!」

と女性がいい、保雄がカウンターに座ると直ぐに、お絞りを持って来て

「何にしますか?」

と聞いて来た、保雄は

「それでは、ビールをください」

と言った、女性がビールを注いでくれた、保雄は

「俺、この前ボックスに3人で座ったんだけれど、覚えてる?」

と聞いた

「えー確か、あそこの席でしたね、覚えていますよ1度、来たお客さんは忘れませんよ」

「へー、プロなんだね、処で、あそこにのボックスで飲んでいるお客さん、もしかしたら

石田不動産の方かな?」

と保雄は聞いてみた

「そうですよ、よく知ってますね、同業者ですか?」

「いや、以前に友人が、あそこの石田不動産で世話になった時、店の中に入った事が

あるんで・・・・」

カウンターの中の女性が

「そうー右に座ってる人、今、隣にいる内の雅子さんが、お目当てで来てるのよ、この処

週に3回は来てるかな」

「へ-そうなんだ、持てる人は違うね、俺なんかもう34歳になるのに、忙しくて彼女も

出来ないよ」

と言って、保雄は笑った保雄は

「それで、その雅子さんも、彼に気があるんだ」

「そうかもね、何も言ってないけど、でも彼女、彼には奥さんがいるって知ってるのよ」

「えー、それじゃぁ、不倫じゃぁ無いか?」

「あの人はあの人ですからね、私には関係ないわよ」

「そんな物かな、彼女は独身だろうかな?」

「そう言ってたけど、余りよく知らないわ」

保雄は暫らく考えて

「何時も彼達は帰りはタクシーで帰るのが多いの?」

「そう、タクシーが多いわね」

保雄は又、ビールを頼んで、中原有二を見ると、その雅子と何か話している処だった

薄暗い中、保雄は写真をデジカメで撮っていた、時間は過ぎて12時の店を閉める時間

になった、保雄は支払いをして

「すいません、タクシー呼んで貰えるかな?」

とタクシーを呼んで貰って、そのタクシーに乗って直ぐに運転手に話した

「すいません、私、探偵なんですが、これからタクシーで帰る人を尾行したいので、直ぐ

そこの角に止まって待っていてくれないですか?」

「あぁ、いいですよ」

そう言って、保雄はタクシーの中で、中原有二が出て来るのを待った暫らくしてタクシー

が止まった、その時タクシーに乗ったのは中原と一緒に来たもう一人の男性であった

「そうか、もしかしたら中原は、彼女と一緒に帰るのかも知れないな?」

と保雄は心でそう思った、その後、直ぐに店のドアーが開き、中原有二が出て来た彼は

1人で店から少し歩いた所の、電柱の影で誰かを待ってるように見えた、保雄はカメラ

のシャッターを切った

「運転手さん、もしかしたら、この近くにホテルはありますか?」

「あぁ、直ぐそこの角を曲がって50メートルの所にありますよ」

「そうか、そこに行くに違いないな?」

と保雄はそう思った、保雄は中原とお店のドアーを見ながら、何時彼女が出て来るか

見ていた、その時、彼女がドアーを開けて出て来て中原の待っていた所に行き腕を組ん

で歩き始めた、保雄はカメラのシャッターを切って

「運転手さんいくら!」

と言って素早く料金を払い、タクシーから降りて、彼達を付けた案の定、運転手が

言っていたホテルに2人は入って行った所を、保雄はデジタル、カメラのシャッターを

切った、少しホテルの前は明るかったせいか割合、横顔だが2人の表情は良く撮れて

いた、保雄は

「よし、2時間くらいで出て来るか、それまで張り込んでみるか」

と保雄は彼達が出て来るか来ないか2時間ほど持つ事にした、やはり2時間くらいして

タクシーが1台そこの前に止まったそして2人は足早にタクシーに乗り込んだ、保雄は

「しまった!今から、タクシーを呼んでも間に合わない!」

仕方なくそのタクシーを見送った、実は保雄は中原の相手の雅子と言う女性の自宅を

確かめて置きたかったのだった、保雄は仕方なく携帯で所長に電話して報告した後

タクシーで自宅に帰った。

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因縁(1)

竹田藤男は市内のサラリーマンの家庭に生まれた、父親は大酒飲みで母親にいつも

迷惑を掛ける仕事嫌いな男であった、藤男が2歳の時に父親は会社の帰りに酒を飲ん

で帰る途中、後ろから来たやはり、酒酔い運転の車に跳ねられ、直ぐに病院に運ばれ

たが、1時間後に死亡した、その後、犯人は直ぐに捕まった犯人の名前は北村信一と

言う当時24歳の運送会社の経営者の息子だった、保証金は僅かに出たが母親の

秀子は生活が苦しい中、一生懸命に働き藤男を大学にまで行かせてくれた、藤男は

早く母親を、楽にさせたいと思い高校の時からアルバイトをして家計を助けた、そして

歳月が流れ、藤男は今30歳になっていた、現在市役所で働き1年半前に二宮礼子と

言う女性と結婚して、今5ヶ月になる女の子がいた、母親の秀子は現在55歳の年齢

なのと、まだ身体の悪い処も無いので藤男が育った借家で、今も1人働きながら住ん

でいた、藤男はいずれは家を購入して母親と一緒に住む積もりでいた、藤男は今市内

の宝町に賃貸マンションを借りて妻と娘の3人で生活していた

その頃、今まで働いた会社から、本格的に探偵になった保雄は所長の川崎成一59歳

と事務件、雑用係りをしている木島春子24歳と3人で仕事をしていた木島春子は所長

の親戚関係で良く気が付く愛想のいい娘であった、そんなある日、川崎探偵事務所の

インターホンが鳴った、春子が

「どうぞ、お入りください」

と言うと、20代後半くらいと思える女性が入って来た、保雄が

「こんにちは、いらっしゃいませ、どうぞ」

とソファーに座るように進めた、彼女はソファーに座った、保雄は

「処で、ご用件は、どのような・・・・」

「はい、私は中原香織と言いますが、実は真土2120にあります「中原工業株式会社」

の社長の息子の中原有二の妻ですが、最近、夫が時々家に帰らない事がありまして

浮気をしているのでは無いかと思い、問い詰めましたが「俺は仕事で会社に泊まって

るんだ!」なんて言いまして、嘘に決まってます、それで夫の行動を調査して貰いたい

のですが・・・・」

「そうですか、分かりました、処で、ご主人の写真は、お持ち頂けましたか?」

「はい、これですが・・・」

保雄はその写真を見ながら

「分かりました、でご主人は、そこのお父さんがやっている会社で働いているんですね」

「いや、実は色々有りまして、現在は市内、見付町にあります、石田不動産と言う所で

働いています」

「そうですか、で、ご主人は、お休みの日には何か、ご趣味でもされているんですか?」

「いや、あの人は飲むのが趣味のような人ですから・・・・たまにパチンコにも行っている

ようですが・・・」

「そうですか、奥さんはご主人が、お酒を飲んでいる場所はご存知ですか?」

「いや、知りません・・・・」

「分かりました、それでは奥さんのご自宅の住所と電話番号を、お聞きして置きます」

「携帯でいいですか?」

「はい、携帯で結構です」

「自宅は八重咲町2-25です、電話は、090-****-****です」

「分かりました、それから、料金の方ですが、後で調査が終わりましたらお電話します

ので、その時にお願いします」

保雄は

「あぁ、すいません、先程の住所ですが、ここはマンションか何かでしょうか?」

「すいません、そうですマンションです、3階の5号です」

「そうですか、分かりました」

「それでは、宜しくお願いします、失礼します」

「はい、調査が終わりましたら電話しますので」

そう言うと、彼女は帰って行った、側で聞いていた所長の川崎は

「上出来だよ、これが豊田君の初仕事だから、頼んだよ」

と激励してくれた、その日の夜、川崎探偵事務所の川崎と木島春子が保雄の歓迎会

を明石町のスナック「サフラン」でやってくれた、保雄は

「どうも、ありがとうございます、頑張りますので、宜しくお願いしましす」

と挨拶して皆で乾杯して飲み始め、2時間ほどいて帰宅した

翌日、保雄は市内真土2120の「中原工業株式会社」を見て置く為、出掛けて行った

会社は以外にも近所には人家が無く、畑の中にある工場と言ったように保雄には

見えた

「ほー結構大きい工場だな、あぁ、金型を作ってるんだな」

保雄はそう思った、その後、その会社の近くの家で、中原工業の事を聞いてみる事に

して、会社から1番近くの家のインターホンを押してみた

「はい、宮下ですが・・・・」

「すいません、ちょっと伺いますが、そこに中原工業と言う会社は社員の方は何名ほど

いられるか、ご存知でしょうか?」

「そうですね、40人くらいと前に聞いた事がありますよ」

「そうですか、ご近所の評判とか、いかがでしょうか?」

「そうですね、特に、何か問題がある事は無いですよ」

「そうですか、どうもありがとうございました」

そう言って保雄は次に見付町にある中原有二が働く石田不動産に行く事にした近くに

着くと保雄は何処に車が置けるか?そして張り込みが出来る場所を探し早速、不動産

店の入り口が見える所に車を止めて車の中から、写真を見てその店に出入りする人を

確認していた、時間が過ぎて店の前に車が止まった、中から出て来たのは写真の男

まさに、中原有二であった彼はお店の中に入って行った、保雄は

「よーし、出て来るまで待ってみるか?張り込みは慣れているからな」

保雄は自分にそう言い聞かせて又、車の中で不動産店の入り口から目を離さなかった

夜、7時に中原有二は仕事が終わったのか出て来た、彼は石田不動産の脇の駐車場

に車を取りに行って、自家用車であろうかその車で駐車場を出た、保雄も彼の車の後

に続いて走りだした、車は八重咲町のマンション駐車場に入って行った、保雄は

「あぁ、ここが自宅マンションなんだ」

そう思い暫く待ったが

「今日は、出掛ける様子が無いかも知れないな」

そう思って保雄は時計を見ると、7時半過ぎた所だった保雄は所長の携帯に電話し

今までの経過を話した、所長の川崎は

「それでは、今日はもう出掛ける事が無いだろう、明日にして、帰宅していいよ」

「分かりました、それでは今日は帰ります、又、明日にします」

そう言って保雄は自宅に帰った。

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裏切り(22)

署に戻る前に、主任の久本は、中村刑事と清田刑事に

「君達は、これから前田綾子のマンションに行って、事情聴取して来てくれ」

「はい、分かりました、これから行って来ます」

久本は携帯電話を掛けて立花社長を張っていた、石川と吉田の2人の刑事に言った

「おい、お前達、今、何処だ!」

「はい、現在、まだ「立花株式会社」の側に居ますが」

「バカモン!直ぐ署に戻って来い!立花社長が死んだんだ!」

「は、はい、分かりました」

そう言うと久本は携帯を切て

「あのバカどもが!」

と怒り心頭で言った、署に戻り全員が揃った処で、会議が行なわれ、久本主任は

「それでは、今夜、八重咲町の「パーク、イン」と言うマンションで転落死した立花良二

の件だが、彼が自殺をしたとは私にはどうしても思えんのだが、君達はどう思うかな?」

高橋刑事が

「はい、自殺するような動機が、現在まで見当たらないと思いますので、事故、又は

他殺と言う線が濃いのでは無いかと思いますが」

「そうだな、私もそう思う、立花を怨んでいた人物だが、今、中村刑事達に前田綾子の

自宅に言って事情聴取して貰っている、それに今夜、立花が訪問して酒を飲んでいた

彼の昔の恋人だったと言う清水靖子だが、何か隠してるんでは無いかな?立花秀子

の通夜を、ある女性に聞いたと言ってるが「彼女に迷惑が掛かるから」と言ってその

女性の名前を言うのを否認してるが、そんな事がそんなにその女性に迷惑を掛ける

事とは思えんがな、どう思う」

「そうですね、清水靖子を張り込みますか?」

久本は

「そうだな、1度、彼女の身辺を洗ってみるか?」

「分かりました」

と言った処え、中村刑事と清田刑事が帰って来た

「主任、前田綾子は今夜は8時頃帰って、ずっと自宅にいたと言っています、証人は

当然、誰もいません、それに彼女、何か青白い顔をしていたのが気になりました」

「そうか、それは可笑しいな、彼女の隣の部屋の人に当たったのか?」

「はい、両隣の部屋の方には声を掛けて、聞いてみましたが、何も気が付かなかった

と言う事です」

「そうか、それでは明日から前田綾子と清水靖子を徹底的に尾行してみてくれるか?」

「私と高橋くんで、明日の立花社長の通夜と次の葬儀には行ってみる、それでは明日

から、頼む」

そう言って、主任の久本は会議を終えた

翌日、朝、保雄の所に村田から電話が入った

「もしもし、俺だよ、知ってるか昨夜、立花社長が転落死した事」

「えー、本当か? まさか自殺と言う事じゃぁ無いよな?」

「んーそうな、自殺をするような、人間には見えないな、処で清水靖子と言う女性の

部屋で立花はワインを飲んでいたらしいんだ、その女性と言うのが、昔の彼の恋人

だったと言う清水靖子だそうだ、立花秀子の通夜にその靖子と言う女性が来ていて

立花社長と再会したと言う事らしいんだが、1つ靖子はその通夜の事を誰か知り合い

に聞いたらしいんだが、その通夜の事を、誰から聞いたのか彼女が言わないと言う事

だよ」

保雄は

「何か、言えない理由があるんだな?分かった俺がその事を調査してみるよ、靖子の

住所は分かるか?」

「あぁ、いいか、八重咲町3-17、マンション「パーク、イン」7階の5号室だよ」

「分かった、調べてみるよ、実は突然なんだが、お前にだけ話して置くが俺の父親から

先日、話があって父親が偶然に市内で大学時代の友人に会ったらしいんだ、そうしたら

その友人は、もう10年前から探偵事務所をやっていたらしいんだが、1人事情があって

止めてしまって「今、女性と2人でやってるが手が足りないので誰か探偵をやる気のある

人間がいたら紹介してくれ」と頼まれたらしいんだ、それで親父が「お前探偵好きだった

んで、やる気があるなら紹介する」と言って来たんで、もう1週間も考えたんだが

やっぱりやりたいと考えてな、会社に今月末で辞める退職願いを出したんだよ」

「んー、そうか、いいじゃないか、好きな事をやって給料が貰えるんだろう、賛成だよ」

「そうか、ありがとう、住所は市内、錦町3-16、広中ビル2階の2号室だからそれで

名前は「川崎探偵事務所」と言うんで、来月からいるので、又、その内、来てくれよ

どうせまた、お前の世話にならないと解決が付かない事件があるかも知れないからな」

「あぁ、分かった、その内にな、それじぁまた」

と言って村田は電話を切った、保雄は彼が賛成してくれて一安心していた

土曜日、保雄は村田から聞いた、清水靖子のマンションに出掛けた、しかしマンション

の入り口の近くの覆面パトカーの中に、保雄の感で、刑事が2人居たのを見て張り込ん

でるのか?と保雄は思い、そのまま保雄は車を走らせて、暫く刑事達が動くのを

見張っていた、時間は「あっ!」と言う間に過ぎて、夕方6時半頃、着飾って出て来た

女性の跡を、刑事の車がゆっくりと付けて行っているのを、保雄は見て同じように付けて

行った、彼女は歩いて12、3分くらい掛けて明石町のスナック「美香」に入って行った

刑事達は出て来るのでも待ってるのか、動く気配が無いので、保雄は有料駐車場に車

を止めて、帰りには、タクシーで帰って明日、車を取りに来る積りで、以前来たスナック

「美香」に入って行った

「いらっしゃいませ」

と言ってカウンターの中に居た女性が

「珍しいですね、何にします?」

「あぁ、すいません、ビールを・・・・・」

カウンターの中の女性は直ぐに、保雄にビールを注いでくれた、保雄は

「今、こちらに入った女性はママさんでしたっけ?」

「いや、違いますよ、彼女はママの友達とかで最近、手伝いに来てる方で靖子さんです」

「あぁ、そうですか、ママと見間違えてしまった」

と言って保雄は笑った保雄はビールの後、焼酎割りを飲んで、9時頃にタクシーを

呼んで貰い店を出てそっと、覆面パトカーがいるか見た

「やはり張り込んでるな、大変だなご苦労様」

と思いながら、タクシーで帰宅した、翌日、保雄はバスに乗って駅に行きそこから徒歩

で明石町の駐車場から車を出して、昨日の清水靖子のマンションに行ってみた、又

昨日と同じように覆面が止まっていた

「今日は、このまま帰ろう」

保雄はそう思い村田の携帯に電話した

「俺だよ、昨日は1日中、清水靖子に尾行が付いていたよ彼女は最近になって明石町

のスナック「美香」で働いてると、昨夜「美香」の女性に聞いて来た、何でもママさんと

友人だったらしいな、その事から考えると恐らく、靖子はそのママさんに立花秀子の

通夜の事を聞いたんじゃぁないか?」

「そうか、それなら、分かるな、立花社長も、たまに行く店だったようだからな」

保雄は

「清水靖子のマンションで転落死して、犯人は靖子では無いと言う事は、もしかしたら

前田綾子は立花社長と靖子の関係を知って、社長の後を尾行してあのマンションに

行き、彼と屋上で話してる時に口論になって社長を突き落したとは考えられないか?」

「んーそうだな、11時半頃に刑事が前田綾子の自宅を事情聴取した時、彼女は何か

青白い顔をしていたと、刑事が言っていたそうだ」

「そうか、やはり任意同行して聞いたら自供すかも知れないがな?んー証拠が無いか?

しかし状況証拠は揃ってるし、動機もあるから、出来るんじゃぁ無いかな?」

「あぁ、刑事課長がどう判断するかだが・・・・・」

村田はそう言った

「そうだな、他に立花社長をやる人間がいるかだよ?それじゃぁ、又電話するよ」

と保雄は電話を切った

その翌日、前田綾子が平塚警察に任意同行された、久本主任が彼女の取調べをした

「前田さん、貴女、行ったんでしょう22日夜、立花社長を付けてあのマンションに?

出たんですよ、屋上の手摺りから、貴女と社長の指紋が・・・・・・・言い逃れ出来ない

ですね、話してしまいましょうよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・すいませんでした、直ぐに自首しようと思ったんですが、何か

怖くなって・・・・私があの屋上で彼と口論になって、突き飛ばしたら、転落してしまって

私は、急いで分からないように、自宅に戻って来ました、すいませんでした」

と彼女は涙を流して、後悔してるように見えた

「それでは、逮捕しますからね」

と、久本は時計を見て

「立花良二殺害で10時10分ちょうど貴女を逮捕します」

と言って久本主任は、取調べ室から出て、課長室に入って行った

保雄は、次の日に村田からその事を聞いた

「さて、もう直ぐに、俺も本当の探偵だ、しかしサラリーマンには違いが無いな」

そう思い自分自身で笑ってしまった、これからどんな事件が待ってるんだろと考えると

気力が出て来たのを保雄は感じていた。

                          (完)

                            (この小説は全て架空の物語です)

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裏切り(21)

マンションの住人から連絡を受けた平塚警察は直ちに現状に向かった、現場には

パトカーが来ていて、出入り禁止のテープを張り、現状の確保をしていた、刑事達が

付くと救急車が来ていて救急隊員が人口呼吸とAEDでの電気ショックを行い直ぐに

病院に向かって行った、久本主任は高橋刑事に病院に事情を聞きに行かせて、彼は

鑑識に聞いた

「どうなんだ、何か痕跡が出てるか?いったい、これは自殺なのか、他殺なのかな?」

「はい、上に、何かの痕跡があるかも知れません、今、検証中です、後は誰か目撃者

でもいたら、分かるんですが?」

「今、刑事達がマンションの住人にその事を聞き込んでいるから、いずれ分かると思う」

中村刑事は清田刑事と屋上に上がり、鑑識に聞いた

「何か、争った後でも出ているのか?」

「いや、ここの手摺りですが、擦過痕らしい跡がありますが指紋でも出ればいいんで

すが・・・・・・」

「そうか、それじゃぁ、俺達は7階から聞き込んでみるか?」

と清田刑事に言って、階段を下りた直ぐそばの10号室から聞き込んで行った

インターホンを押すと

「はい、どなたでしょうか?」

「こんばんは、すいません、平塚警察ですが、お話を聞かせてください」

「はい、何でしょうか?」

「少し前ですが、ここのマンションの屋上から男性が転落しまして、現在病院に行って

いますが、現在の処、自殺か事件かは分かりませんが、9時半から10時頃に何か

物音を聞いていませんか?」

「はい、今、開けますから」

と言って、50代くらいの女性が出て来た

「すいませんがその時間、物音とか誰か、見た事が無い人間を見たとかと言う事は

無かったでしょうか?」

「いや、本当ですか?驚きました、テレビを付けていたので気が付きませんでしたが

ここの人が落ちたんですか?」

「それはまだ分かりません、そうですか分かりました、どうもありがとうございました」

と彼達は次の8号室のインターホンを押した、8号室7号室が終わった、その後、病院

に行って事情を聞いていた高橋刑事から電話が入った

「主任、先程、転落した男性ですがたった今、死亡が確認されました、死亡したのは

立花良二46歳で、例の「立花株式会社」の社長です、死因は転落した時の全身打撲

で死亡時間は8月22日午後10時05分です」

「そうか、驚いたな、奴は何故ここのマンションに来たんだ?」

「それは、分かりませんが」

「分かった、ご苦労さん、帰って来てくれ」

と、主任の久本は言った

その頃、中村刑事と清田刑事は6号室のインターホンを押した、その時中村刑事の

携帯電話が鳴った

「はい、中村です、はい、はい、はい、分かりました」

と言って久本からの電話で転落者が立花良二社長でたった今、10時05分、死亡した

事が連絡された

「はい、室田ですが?」

と言って、玄関が開き40代くらいの女性が出て来た

「すいません、平塚警察ですが、先程このマンションの屋上から、男性が転落しまして

亡くなったんですが、何か大きな物音を聞きませんでしたか?また、見慣れない人間を

目撃した事はありませんでしたか?」

「あぁ、そう言えば、内の主人が帰宅した時、お隣の清水さんの所から誰か分からない

男性が出て来たのを見たと言っていましたが・・・・・」

「そうですか、それで、ご主人が見た時間は何時頃でしたでしょうか?」

「ちょっと、お待ちください」

と言って直ぐに、そこの主人と思える男性が出て来て

「あぁ、どうもこんばんは、そうですね、確か、9時45分頃だったと思いますが」

「そうですか、それで階段の方に行ったんですね」

「いや、私は一瞬、見ただけで、男性で40代くらいの方だとしか覚えてませんが・・・・」

「そうですか、分かりました、どうもありがとうございました」

中村刑事は、携帯電話で久本主任に

「主任、7階に来て貰えませんか?」

「ん、何かあったのか?」

「はい、重要証言があるかも知れませんので」

「そうか、今、これから行く」

と、言って久本はエレベーターで7階に上がって来た

「主任、今、こちらの6号室の室田さんの所で聞いたんですが、お隣の5号室の部屋の

清水と言う方の家から、亡くなった立花が9時45分頃に出て来たと、ここのご主人が

目撃したと言う事ですので、これからこちらの清水さんの自宅に聞き込んでみようと

思いまして、主任に来て貰ったのですが」

「よし、分かった、聞き込んでみようか?」

と主任はインターホンを押した

「はい、清水ですが・・・・」

「清水さんですか?平塚警察ですが、ちょっとお話を伺いたいので、開けて頂けません

でしょうか?」

「はい、今、開けます」

「こんばんは、平塚警察です、すいませんが貴女の所に先程まで居た立花良二さんが

ここの屋上から、先程転落して亡くなったんですが、貴女は気が付きませんでしたか?」

「えー!ほ、本当ですか!全く、気が付きませんでした、酔って寝てたものですから?」

「失礼ですが貴女は清水、何と言われるんですか?お名前を聞かせてください」

「はい、清水靖子ですが、何故、彼が落ちたんですか?」

「それは、まだ分かりませんが、貴女は立花さんとは、どんな関係なんでしょうか?」

「彼とは昔からの知り合いです」

「何処で、知り合われたんですか?」

「彼とは15、6年前に、彼が横浜の商事会社に勤めていた時、私も務めが横浜でした

ので、電車の中で何時も出会っていたので、自然に口を聞くようになりまして、それから

の付き合いです」

「失礼ですが、恋人同士であったと言う事でいいでしょうか?」

「はい、そうです、彼は私と別れた後、今の会社の娘さんと結婚しました」

「そうですか、すいません、立ち入った事ですいませんが、どうしてお別れになったんで

すか?」

「私が、彼に振られたんですよ、それだけです」

「貴女は黙って、彼と別れたんですか?」

「はい、そうです」

「それでは伺いますが、今夜、立花良二氏は何の為に、こちらに来たんでしょうか?」

「それは、奥さんが亡くなられた時、偶然に知り合いから聞いて、お通夜に行った時

彼とバッタリ会いまして、住所を知りたいと言いましたので教えたら、今日、昼に電話が

ありまして今夜来たと言う事ですが・・・・・」

「そうですか、その知り合いとは、どなたでしょうか、教えて貰えませんか?」

「いや、それは彼女に迷惑が掛かりますので、すいませんが言えません」

「しかし、その方から我々は聞かない事には、貴女の話を信用する訳に行きませんが」

「それでも、仕方ないです、彼女には迷惑掛けたく無いので・・・・」

「もしかしたら貴女を警察に来て頂いて、聞くようになるかも知れないですが、それで

いいでか?」

「仕方ないですね、でも私は何もしていませんので、それだけは言って置きます」

「そうですか、彼は今夜お酒を飲んでいたと鑑識が言っていましたが、貴女と飲んだん

ですか?」

「そうです、久しぶりでしたので、ワインを飲みました」

「そうですか?分かりました、それでは、又何か伺いたい事が出来たら、お話を聞かせ

てください、失礼しました」

と、言って主任の久本達は彼女の部屋から出て行った。

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裏切り(20)

その夜、村田から保雄の所に電話があった

「お前、昨日、前田綾子の弟が市内で交通事故を起こして、警察に留置されたのを

知っていたか?」

「いや、知らなかったな、それで弟の名前は何と言うんだ?」

「あぁ、前田博29歳だ、それで実は、大変な事が分かったんだよ、実は奴の車の

トランクから防毒マスクが出て来たんだ」

「えーそれは本当か?」

と保雄は驚いた

「ん、それでその防毒マスクから、奴の指紋と「焼肉立花」の店長の中村明の指紋が

出たんだんで、警察は中村明を直ぐに任意同行して調べたら、中村と前田明は同じ

年で何処で知り合ったのか友人関係だったんだよ」

「そうか、そうしたら、彼達が湘南平で村上精一を殺したんだな、しかし彼等と村上は

面識が無いし、やはり、これは前田綾子か立花社長が、何処かに呼び出して彼等に

やらせたとしか考えられないな、当然、彼等は金を貰っているんだろう」

村田は

「あぁ、そう考えるのが当たってると思うよ、昨日、防毒マスクは科捜研に出してるんで

今日当たり、結果報告があると思うんだ、もしもマスクから硫化水素の成分が出たら

奴等を逮捕する事が出来るんだが・・・・・」

「ん、しかし、手を汚していない、黒幕は立花良二社長だ、奴等は今、黙秘をしている

立花社長に頼まれたと自供するかだが?・・・・・」

「あぁ、何とか自供するように攻め立てるしかないな、処で話は別だがこの前頼まれた

木島信子の実家の住所はもういいんだよな」

「あぁ、そうだな、手間を掛けさせて悪かったよ」

「いや、いいんだよ、それじゃぁ又連絡するよ」

そう言って村田は電話を切った

翌日、平塚警察の主任刑事の久本は立花良二を張り込んでいる石川刑事と吉田刑事

に携帯で連絡を取った

「石川君、その後、社長の動きはどうだ」

「はい、面白い事が分かったんです、実はどうも社長には熱海に前田綾子の他に女が

いるようなんですよ」

「それは本当なのか?」

「はい、捜査した処、彼女は割烹料理屋の娘さんで1度結婚して、その後、夫とは離婚

しています、名前は皆川文子、現在39歳で女のお子さんが1人りいます、現在はその

割烹料理屋でお上をやっています」

「そうか、それで立花社長とは頻繁に会ってるのか?」

「そうですね、月に3、4回は会ってると思いますが、えー「海賓ビーチホテル」に入る

立花社長を数回見ています」

「そうか、他に何か気が付いた点は無いか?」

「はい、今の処はそれくらいですが」

久本は

「と、言う事は今は余り、前田綾子とは会って無いと言う事だな?」

「はい、そうだと思います」

「分かった、それではこれからも、暫く尾行していてくれ」

「はい、分かりました」

と言って、久本主任は刑事課長に報告に行った、その後、前田博と中村明の取り調べ

は続いていた、そんな時、科捜研から防毒マスクの件で報告書が届いたその結果

やはり、その防毒マスクから硫化水素の成分が微量だが検出されたと言う報告だった

刑事主任の久本は、前田博と中村明にその事を伝えた、久本主任は

「よし、これで2人を逮捕出来るな」

そう皆に話し、久本は

「しかし彼等が黙秘をしてるので、彼等に殺しを依頼したのは誰なのか分かっていても

証拠が掴め無い限り、立花社長を逮捕する事は出来ない」

と苛立っていた 

その頃、前田綾子は立花良二に電話していた

「貴方、私の弟の博が警察に交通事故で捕まって何か知らないんだけど車のトランク

から防毒マスクが出て来て、湘南平で何か事件があった時に使ったのでは無いかと

警察が調べると言って、まだ弟は返して貰えないみたいなのよ」

「お前、警察に呼ばれたのか?」

「えぇ、博を引き取りに行ったんだけど、結局その防毒マスクがあったので、博が何か

やったとは思いたく無いんだけど、それと焼肉店の中村明君も調べられているみたい

なのよ」

「そうか、分かった、今、忙しいので切るからな」

「ちょっと待ってよ、貴方、最近来ないわね、どうかしたの、まさか女でも出来たんじゃぁ

無いでしょうね、そんな事したら、許さないわよ!」

「そんな訳ないだろう、忙しいだけだよ、その内行くよ」

「分かった、待ってるわよ」

そう言って綾子は電話を切ったが、女の感と言うのが働いたのか今度、立花の後を

1度付けて見ようと思っていた、その夜、立花社長の自宅に清水靖子から電話があった

「貴方、私、靖子だけど、悪いんだけど明日300万ほど都合付けてくれない」

「お前、この前の5千万、渡したばかりだろう?いったいどうしたんだ」

「あぁ、あれマンション買ったのよ、もうなくなったわ、300万でいいのよ、貴方にしたら

はした金でしょう」

「バ、バカを言うなよ、俺だってそんなに簡単に右から左に金を動かす訳には行か無い

んだよ」

「あぁ、そうなんだ、じゃぁ、300万、これで最後にしてあげるわ」

「本当ーーに、最後にしてくれるんだな・・・・約束出来るな!」

「えぇ、信用しなさいよ」

「分かったよ、それで何処で会うんだ」

「そうね、私が買ったマンション見たいでしょう、住所、言うから明後日の夜、8時に

私の部屋に持って来てくれる」

「分かった、それで、何処なんだ住所は?」

「八重咲町の3-17マンション「パーク、イン」と言う所だから、直ぐ分かる所よ7階の

5号室だからね」

「分かった、それじゃぁ、明後日の8時に」

と言って、立花良二は電話を切った

その日は直ぐに来た、8月22日だった、立花良二は靖子に言われたその住所に行く

所その日は珍しく運転手の原島が休みだったので、会社からタクシーを呼んで夜行く

積もりで7時半になるまで書類の整理をしていた7時半にタクシーを呼んで運転手に

靖子から聞いた住所を言って暫らくしてそのマンションに着いたしかし警察の石川刑事

と吉田刑事は、何時もの車とは違う、タクシーだったので、2人はつい見逃してしまった

マンションはかなり真新しいマンションで正面入り口に「パーク、イン」と書いてあった

彼はエレベーターで最上階の7階で降りて5号室を探した、インターホンを鳴らし彼女

が出て来るのを待ったドアーが開き中から靖子が出て来た、と、その時エレベーターの

角で前田綾子が隠れて見ていたのを立花は気が付かなかった、部屋の中に入り彼は

忙しいから金を渡して直ぐに帰る積りだったが、ワインが出て来て靖子が飲んでいって

と言うので、仕方なく一杯飲んだ、しかし又1杯、又1杯と注がれてついつい5、6杯ほど

飲んだろうか、彼は少し酔っていた、1時間半もそこにいて飲んだ良二は、時計を見て

「あぁ、もうー9時半過ぎてるのか、俺、帰るからな」

と言って彼女の部屋のドアーを開けて出た立花は、一瞬、隣の6号室の部屋の主人の

室田政夫が会社から帰宅する所で、立花は彼に見られていたのにも、気付く事が出来

無かった、エレベーターの前に行くと、何と、そこで仁王立ちで待っていた綾子に出会わ

せてしまった

「あ!・・・・ど、どうして、お前がここにいるんだ?」

「どうしてでも、いいでしょう!とにかく屋上で話しましょう、上に来て!」

と彼女はかなり、怒りが篭もった声で言った

「あぁ、分かったよ」

と、立花良二は彼女に付いて屋上に出た

「貴方!彼女は誰なの!・・・・やっぱり女が出来てたのね!私を裏切ったら許さないと

前から言ってたでしょう!このマンションも貴方が買ってあげたんでしょう、こうなったら

私と結婚して貰うから明日、結婚届を書いて貰うわよ、いいわね!」

「誤解だよ、彼女は昔の友達の奥さんだよ」

「嘘、言わないで!、何で、そんなに酔ってるのよ!2人で、お酒飲んでたんでしょう!」

「うるさいな!それなら言うよ!もうお前とは正直、別れたいんだよ!な!もう別れよう

お前にはもう飽き飽きしてたんだ!」

立花は言わ無くてもいい事を、つい酔っていた勢いで口に出して言ってしまった

「騙したのね!!この裏切り者!!」

と彼女が彼を突き飛ばした、弾みで彼は酔っていたせいなのか腰当たりまである高さの

屋上の手摺りを彼の身体が乗り越えて、地上に落下してしまった

「あぁぁぁぁーー!!」

・・・・・・・・・ドスーーン・・・・・・・・・

と鈍い地し引きがした、慌てた綾子は急いでエレベーターで下に降り、人に見られない

よう、隠れるように自宅に逃げ帰った。

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裏切り(19)

その頃、立花精三は病室で運転手の古川信夫と話していた、古川は立花良二の

運転手の前は、現在、立花株式会社の会長でもある立花精三の運転手だった

「古川君、先日、取って来てくれた書類、悪いがこれを茅ヶ崎の幸子の所に届けて

くれないか? 向こうにはもう連絡がしてあるので、頼んだよ」

「はい、分かりました」

そう言って古川はその書類を茅ヶ崎のマンションにいる村上幸子に届ける為で掛けた

立花精三は一人息子と、可愛がっていた娘の秀子を何者かに殺された、それが誰で

あるかは、おおよそ見当が付いていたので、古川に頼んで幸子と連絡を取っていた

立花株式会社の社長の立花良二は最近、特に会合と言っては熱海に繰り出していた

運転手の原島に熱海まで遅らせて

「今日はもう帰っていいから、明日、こちらから連絡するから迎えに来てくれ」

そう言って「海賓ビーチホテル」に入って行った、会社の木島則夫総務部長は親戚の

営業課長の木島正雄に

「最近、社長は良く、会合だと言っては熱海の「海賓ビーチホテル」行くらしいが可笑しい

な、調べたら会議など無いと言う事だった、お前今度、調査してくれないか?」

と木島部長は課長に話した

「そうですね、1度、後を付けるように部下に言って置きます」

「そうだな、頼んだぞ」

そう言って、部長はその場を離れた

その翌日、平塚警察では交通事故と飲酒運転をした、前田博の姉の前田綾子の市内

の八千代町のマンションに電話した

「もしもし、こちらは平塚警察ですが、実は昨日の夜、お宅の弟さんと思われる方が

田村の交差点で交通事故を起こされたので、調べた処、飲酒運転と分かりましたので

彼の身柄は身内の方の引取りが無いと、お返し出来ない規則ですから、直ぐに警察

に来て貰いたいのですが?」

「そうですか、分かりました、これから伺います」

そう言って、暫らくして、前田綾子が着飾って警察に来た

「すいません、私は前田綾子と言いますが、こちらに来るように電話を頂きまして来た

んですが?」

と受付でそう言った

「交通事故ですか?」

と警察官は聞いた

「はい、そうです」

「ちょっと、お待ちください」

と言って交通課に連絡を取っていた、直ぐに交通課から刑事課に連絡がいったのか

2階から刑事が降りて来て、彼女を刑事課に案内して話を聞いた

「すいません、前田綾子さんですか?」

「はい、そうです」

「実は貴女の弟さんを交通事故と飲酒運転で、こちらで拘置しています、ただ本人が

貴女の事をお姉さんでは無いと言っていたので、可笑しいと思いまして?又、彼の車の

トランクから防毒マスクが2個発見されたんですが、その防毒マスクがある事件がらみ

でして、またそのマスクから、博さんの指紋と、もう2人の指紋が出たんです、そのもう

1人の指紋が立花株式会社がやっている「焼肉立花」の5号店、店長の中村明の指紋

ですので、彼を現在、任意同行中で、これから取り調べますが、貴女は警察の調べ

では立花株式会社の社長の良二氏とは懇意にされていると言う事ですが、この事に

付いて何か、ご存知無いですか?」

「確かに社長さんとは以前から懇意にしていますが、私は会社の事は良く分かりません

ので、全く知りませんが・・・・・」

「そうですか、貴女は、その店長の中村明と言う人の事は、ご存知無いですか?」

「はい「焼肉立花」には行った事がありますが、彼の事は知りません」

「それでは一応、弟さんは、酒気帯び運転ですが、その防毒マスクの件で、まだ聞く事

が、ありますので、実はもうご存知と思いますが先日の8月5日の夜11時から12時頃

村上精一と言う方が硫化水素を使って亡くなっています、警察では硫化水素自殺では

無く、これは誰かが彼に恨みか何かを持っている人間の仕業の殺人事件では無いか

と考えていまして、その事件で防毒マスクが使用されていますので、弟さんには、話を

聞かないと、いけませんので貴女が、お姉さんと分かりましたので今度は、話が終わり

ましたら彼を、お返ししますから、どうぞご心配無く、今日はこれでお帰り頂いて結構で

すので」

「本当に、弟がその事件に関係してるんですか?」

「いや、それをこれから捜査するんですですから、現在はまだ分かりませんので、どうぞ

ご心配無く」

「そうですか、宜しくお願いします」

と言って前田綾子は帰って行った、その後暫らくして「焼肉立花」の中村明が任意同行

されて来た、刑事主任の久本は

「中村君、君に聞きたい事があるんで、来て貰ったんだ、少し話を聞かせてくれ」

と言って、取調室に入った、主任の久本は山を掛けて聞いた

「君と前田博君とは友達だそうだね?」

「あぁ、よく知っていますね」

「ん、今、前田博君の、お姉さんから聞いたんだよ」

「そうですか、それで今日は何ですか?」

久本は

「やはり姉の前田綾子は中村明の事を知っていて、知らないと嘘を言ったんだ」

と、心の中でそう思った

「それでは聞くが、君は8月5日の夜の11時から12時には何処に居たか説明してくれ

ないか?」

「えー、そんな、あぁ、私は仕事でしたよ、内の仕事は夕方5時から午前1時までの仕事

ですからね」

「君が仕事をしていたのは、本当か、嘘を付いているかは、直ぐに分かるよ」

「えぇ、聞いてみてくださいよ、確か仕事のはずですが・・・・・・」

主任の久本は直ぐに刑事を「焼肉立花」の5号店に行かせ、彼に耳打ちし

「また、店にいたと言う事にしておけと、言ったのかも知れないから、数人に聞いてくれ

嘘を言った人間は逮捕すると、脅してもかまわないからな」

「はい、分かりました」

「頼んだよ」

と久本はそう言って、送り出した、数時間後、「焼肉立花」の5号店に行っていた刑事が

帰って来て

「主任、彼達を主任が言われたように、脅したら言いましたよ、10時半頃に店長に

「2時間くらい出掛けるが、誰かに聞かれたら店に居たと言って置いてくれ」と頼まれた

と聞きました」

「そうか、やはりな、これで科捜研に出してある防毒マスクから、硫化水素の成分でも

出れば奴等を逮捕出来るんだが・・・・・」

久本主任は

「おい、中村君、お前の言ったアリバイだが「当日は店に居た」と言う事だが、嘘が

バレタぞ!いい加減にしろよ!店の従業員がお前が10時半頃に「2時間くらい出掛け

るから誰かに聞かれたら、そのように言って置いてくれと頼まれた」と話してくれたぞ!

どうなんだ、正直に話せ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「お前は8月5日の夜友人の前田博と何処かで会って、何処かで誰かに呼び出されて

いた、村上精一の車の中で彼に睡眠薬入りの缶コーヒーを飲ませて、寝込んだ彼を

湘南平に運んだ、そこの駐車場で彼の車の中で防毒マスクを使って硫化水素を発生

させて、お前達は逃げたんだ!、いったい、お前達に村上精一を殺すように命令したの

は誰なんだ!それに、お前達は幾ら金を貰って、殺しを引き受けたんだ話してみろ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「黙秘か、話さなければ、お前達は段々と罪が重くなるんだぞ!分かってるな!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「分かった、少し休憩する」

そう言って久本は取調べ室から出て課長室に入って行った。

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裏切り(18)

木島信子の証言の裏取り捜査に「相模中央タクシー」に行った石川刑事が帰って来て

「主任、木島信子の話は本当でした、帰りにも立花の自宅から30メートルくらい離れた

所で、又、携帯で相模中央タクシーを呼んで帰宅していました、その書類は、この目で

見て来ましたので本当です」

久本主任は

「そうか分かった」

と言って、中村刑事と清田刑事が出掛けた後、帰って来た刑事達に聞いた

「村上精一、硫化水素事件だが、現場近くの家の聞き込みは、どうなった?」

「はい、何しろ現場と家がかなり離れている為と時間的な問題とで、10軒ほどの自宅に

伺いまして、聞き込んだんですが、目撃者は出ませんでした」

「そうか、それでは、立花良二の当日の行動は聞き込んだのか?」

「はい、彼は自分の自宅にいたと言う事ですが、証人はいません」

「それで、立花株式会社の従業員で、社長の立花が1番信頼を置いている人間は誰か

分かったのか?」

「えぇ、社員、4、5人に聞いたんですが、特別、信頼していた人間がいたのは知らない

と言う事です」

「そうか、ん・・・・」

そんな話をしていた時に、中村刑事と清田刑事が「焼肉立花」の店長の木村利恵を

任意同行して来て、取調べが始まった

「木村さん、貴女が警察に匿名の電話をしたんですね木島信子がそう言っていましたよ

処で立花秀子殺害事件のアリバイで何故、嘘を言ったんですか?」

「すいません、日にちを間違えていました」

「そんな事は理由になりませんよ、貴女は立花秀子専務が殺された時間の10時少し

過ぎに、秀子専務の自宅に急用があって行ったと言いましたね、木島信子がそのよう

に証言してますよ、どんな急用で専務の自宅に行ったんですか?」

「それは、その前日、専務から「売り上げ帳を持って来るように」と言われて忘れてい

まして、あの時間に行きました」

「そうですか、貴女が専務の自宅に着いたのは何時頃か、思い出せますか?」

「おおよそ、10時10分前後ではないかと思いますが」

「そうですか、貴女は専務の自宅から車で出る時、木島信子を見たと言って、昨日、

彼女の自宅に電話して、その事で彼女を犯人扱いして、お金を脅し取ろうとしましたね

彼女が、そのように証言してますが?」

「いや、お金を、貸して貰いたいと話しただけです」

「そうでしょうか、木島信子は「犯人扱いされてお金を揺すられた」と話していましたが

貴女が、そう言ったんじゃぁ無いですか?」

「いや、私は、そんな事は言っていません、貸しくださいと言ったんです」

「まぁ、いいでしょう、処で貴女は事件当日、立花さんのお隣の川村さんのお嫁さんに

10時少し過ぎにトイレの窓から貴女の白い車を見られているんですよ、もう、そろそろ

本当の事を言ったらどうですか?」

「・・・・・・・私はやっていません・・・・・木島信子さんがやったんじゃぁ無いんですか?」

「まだ、そんな事を言ってるんですか、木島さんは来る時も、帰る時も同じタクシー会社

の運転手の証言でアリバイが照明されたんですよ」

「貴女も、お子さんやご主人がいるんでしょう、家族にこれ以上、迷惑を掛けるのは良く

無いんではないですか?罪を償って1日も早く家族の所に、戻った方がいいんでは?

良く考えなさい」

「・・・・・・・・すいません、弾みだったんです、私が秀子専務を殺しました、ごめんなさい」

「それで、どうして、秀子専務を、殺そうと思ったんですか?」

「ですから弾みです、急に専務に言われた事が、私は許せなくて、側にあった灰皿で・・」

「分かりました、処で貴女は何回か灰皿で専務の頭を殴っていますね、何回殴ったん

ですか?」

「私は、気が動転していて全く、覚えていません・・・・・・・・」

「それでは、貴女は専務を殴った後、どうしたんですか?」

「はい、我に返って急いで灰皿やグラス、ボトル、ドアーノブなどをハンカチで拭き取って

専務の自宅の玄関を出た時、丁度タクシーが止まりました、私は玄関脇の植え込みに

身を隠して降りて来た人を見た時、木島さんと分かりました、彼女は玄関から中に

入って行ったので、その1瞬を見て私は自分の車に戻りエンジンを掛けて駐車場から

出て立花家の門の所で又、出て来た彼女と出会いましたが、私はそのまま車で帰りま

した」

「そうか、わかりました・・・・・・・・どうですか、気持ちが楽になったんではないですか?」

木村利恵は、涙を流して頷いていた

その夜、保雄の所に村田から電話があった

「俺だよ、実は今日、「焼肉立花」の店長の木村利恵が立花秀子殺しを自供したよ」

「そうか、やはり彼女だったのか?彼女は秀子専務を、営業成績の事で文句を言われ

たのを怨んでいたんだな」

「あぁ、多分そうだろうが、殺したのは、何か言われた事が引き金になったらしいよ」

「そうか、でもまだ村上精一の事件が解決していないからな、これからだろうが・・・・」

「そうだよ、これからが又、大変だよ、お前にも又、協力して貰わないとな」

「あぁ、何時でも行ってくれよ、休日なら何時でもOKだからな」

「あぁ、頼むよそれじゃぁ」

と言って村田は電話を切った

8月も半ばの15日の夜11時半頃、国道129号線の田村の交差点付近で自家用車

同士の物損事故だ起きた、目撃者の110番で直ぐに、交通課の警官が現場検証を

始めた来た警察は2人の運転手から事情を聞いていたが、1人の運転手の息が酒の

臭いを感じた警官がパトカーの後部席に乗せて、飲酒検査のキットで検査した結果

酒気帯び運転と判明して、警察署に車と運転手双方が連行された、また彼の運転して

いた乗用車のトランクから防毒マスクが2セット発見された飲酒運転していた男の名前

は前田博29歳で職業は現在無職と言う事だった、警官は

「ん、これは確か?・・・・・・・・」

と刑事課に連絡を入れた、直ぐに刑事主任と高橋刑事が来て、その防毒マスクを鑑識

に届けた後、主任刑事の久本が前田博を取り調べた

「前田さん、貴方はどうして、防毒マスクを車のトランクに入れて置いたんですか、普通

何か、毒物でも扱う仕事をしてないと、使用しない物ですがね」

「仕事で使ったんですよ」

「何の仕事で使ったんですか?」

「あぁ、アルバイトで・・・・・・そう、シロアリ駆除の時に薬を使うんで、それで・・・です」

「そのアルバイト先を教えてください、場所は何処ですか?」

「あぁ、ちょっと、大分、昔の事なので、忘れたんですが」

「可笑しいですね、普通、防毒マスクはアルバイト先で貸してくれ物ではないですか?

それに、まだ、新しいマスクのように見えましたが・・・・嘘を言うと虚偽罪で逮捕と言う

事にもなりますよ」

「すいません、拾ったんです」

「ほー何処で拾ったんですか?」

「「あぁ、山の方ですが・・・・」

「何処の山ですか?」

「あぁ、確か湘南平の方だったと思いますが・・・・」

「そうですか、処で貴方のお姉さんは前田綾子さんといいませんか?」

「いや、私は一人っ子ですから・・・・・・」

久本主任は

「そうですか・・・・明日、身内の方が来ませんと帰れませんよ、それでいいんですか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

前田博は黙ってしまった

「話したくないなら言いですが、貴方の住所を前田綾子さんに確かめないといけない

のでね、明日、連絡だけはしてみます」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

刑事主任の久本は、刑事に言って警察内の拘置所に前田博を拘置するように話した。

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裏切り(17)

翌日の昼過ぎ、木島信子の所に電話があった、信子は台所の片付けの途中で

「もしもし、木島ですが?」

「あぁ、私、お宅のご主人と同じ会社の焼肉店の方を撒かされている、木村利恵ですが

以前に1度、会社の展示会で、お会いしてると思いますが・・・・・」

「あぁ、覚えていますよ、それで今日は何か?」

「えぇ、実は私、見ちゃったのよ、貴女が7月21日の夜、専務の自宅から飛び出して

来るのを、私、急用があって専務の自宅に夜、10時過ぎ頃に着いた時だったわ、貴女

専務の自宅から出て来た時、車と擦れ違ったでしょう、覚えてるわよね、その車私が

運転していたのよ「何だろう?」と思って専務の自宅の玄関に行ったらドアーが開いて

いて私、専務が頭から血を流して倒れているのを見て、驚いちゃって、貴女、この事が

会社に分かったら、ご主人は首になるし、貴女も刑務所行きだわよね、それでいいの

奥さん私、今、お金がいるのよ、少し用立ててくれたら、誰にも、この事は言わないで

置くわ、考えてくれない」

「何言ってるの!私はやってないわ!確かに秀子専務の所にあの日、夫の事で行った

事は事実だけど、やったのは私じゃぁ無いわ!私が行った時は、もう彼女は頭から血を

流して倒れていたのよ、貴女がやったんじゃぁないの!」

「いい加減な事言わないで!警察に行ってもいいの?」

「あぁ、いいわよ!私は本当にやって無いんで警察に調べて貰えば貴女の方が都合が

悪いんじゃぁない!」

「あぁーそうー分かったわ、後で後悔しないでね!」

と言って木村利恵は「ガシャァ」と電話を切った

その頃、保雄は村田の所に電話していた

「もしもし、俺だけど、その後、立花秀子の事件と先日の村上精一の、事件はどうなって

るかと思ってな?」

「あぁ、立花秀子の事件は今の処3人の容疑者が上がってるんだが、状況証拠だけで

確実な証拠が上がって無いんだよ」

「その3人とは、例の「焼肉立花」の2号店の木村利恵と、殺害された専務との不倫の

関係だった営業課長の木島正雄の妻の木島信子と、それに社長の立花良二から

借金を断られて、夫が行方不明の吉田優子だな」

「あぁ、そうだ俺は状況証拠で任意同行して、もっと詳しい事を聞くべきだと思うんだが

上の人間が決める事なんでな」

「7月21日の事件だが確か、凶器は大理石の灰皿だったな、指紋は綺麗に拭き取って

あった、それにワインボトルとグラスが、2個テーブルに置いてあった、それと隣の人が

事件当日、10時過ぎに白い乗用車を見ている・・・・・・・・そこまでか?」

「あぁ、タイヤ痕はアスファルトの道で無理と言う事、害者の血痕は分ったが、ホシのは

採取出来なかった、他に目撃者もいない」

「秀子の不倫相手の木島正雄の事は、何処まで捜査してんだ?」

「いや、それは分からない、多分何も出ていないから、発表しないんだろうと思うがな」

保雄は

「木島の自宅は俺が行って、彼の奥さんの信子とは会って来たが、アリバイは不透明

だな?悪いんだが、木島信子の実家は何処か調べてくれないか?彼女には何となく

会った時に、俺は、何か違和感を感じたんで調査してみたいんだ」

「そうか、分かった、調べて明日電話するよ」

「それから、村上精一に事件だが、これは本当に自殺では無いんだな?」

と、保雄は念を押すように言った

「あぁ、本人の母親が「あの子は自殺なんかする子では無い」と言ってるんだ、それに

誰に聞いても、自殺するような動機が見当たら無い、確かに検死の結果では硫化水素

中毒死なんだが、彼が自殺するような人間では無いと会社の人間も口を揃えて言ってる

のでな・・・・・」

「そうか、睡眠薬を飲んでいたと言う事だが、睡眠薬を飲んでから、硫化水素を混合

する?少し可笑しいような気がするが、また硫化水素を混合したら直ぐにガスが発生

してしまうんでは無いのかな? まぁ、自殺の動機が無いと言うなら、事件だろうな」

村田は

「ん、彼がもし殺されたとしたら、これは1人の犯行では無いな、詰まり、村上精一は

誰かに睡眠薬を飲まされて、ホシ達は、車2台を運転して湘南平の駐車場に行き

そこで、防毒マスクをして硫化水素を彼の車の中で発生させ、もう1台の車で逃げた

と思うんだよ」

「あぁ、そうだな、それに違いないなそれじゃぁ、木島信子の実家の住所、頼むよ」

「あぁ、分かったそれじゃぁな」

そう言って、村田は電話を切った

その後、平塚警察に匿名で電話が入って「立花株式会社の専務を殺したのは、同じ

会社にいる木島正雄の妻の信子です、私はその時間に彼女がその自宅から出て来る

所を目撃した者です」

と女性の声で電話があった、平塚警察の刑事は

「貴女のお名前と住所を教えてください」

と言ったが、直ぐに電話は切れてしまった

翌日、平塚警察では市内の馬入にある、木島正雄の自宅から妻の信子を任意同行

し取り調べた

「木島さん、実は7月21日夜、貴女を、立花秀子さんが殺害された自宅の前で見たと

言う、目撃者が現れましてね、それで伺いますが、貴女は当日、自宅にいたと言って

いましたが、どうして嘘を言ったんですか?」

「すいません、実は内の夫と秀子専務が不倫をしていると知って、当日、秀子専務の

自宅に夜9時頃に電話したら「自宅に居る」といいましたので「話があります」と言って

行きました」

「事件の当日、ご主人の不倫を知ったのですか?」

「いえ、以前から可笑しいなとは思っていましたが、事件の前日、ある人から電話が

ありまして、次の日に彼女に電話したら、自宅にいたので、「これから伺います」といい

秀子専務の自宅にタクシーで行きました」

「そのある人とは?」

「いえ、それは言えません」

「そうですか?貴女は、何故、タクシーを使ったのですか、自宅には車がありますよね」

「はい、娘が乗っていましたので」

「そうですか、そのタクシー会社は分かりますか?」

「はい、私は何時も「相模中央タクシー」を使っていますので・・・・・」

直ぐに、そばにいる刑事が立ち上がって、裏取りに出て行った、その後、信子が

「すいません、私が専務の自宅に着きインターホンを押したんですが、誰も出て来ない

ので、家には電気が付いているのに、可笑しいと思って、ドアーを開けたら軽く開いて

しまったので、そっと中に入ると、そこに秀子専務が頭から血を流して倒れていたんで

私は驚いて玄関から飛び出て門を出た所で、車のライトに見られましたが、そのまま

自宅に帰りました」

「車に会ったんですか? その車はどんな色か見ましたか?」

「一瞬、でしたから、でも白い車のようでした、実は昨日「焼肉立花」の2号店の店長の

木村利恵さんから電話があって、私、秀子専務が殺された事件当日、車の中で貴女を

見たといい、彼女が私からお金をユスル積もりで電話して来ました、私がやってない

ので断ると、警察に電話すると言いましたが、私は本当にやってないので「電話する

ならどうぞ!」と言いました、その結果が匿名電話ではないかと思いますが」

「そうですか、一応、貴女の当日の行動は分かりましたが、それを証明しないと貴女を

帰す訳には行きませんので承知して置いてください」

と言って、刑事は一旦席を外し、刑事主任にその事を伝えると刑事主任は中村刑事に

「悪いが、これから清田君と直ぐに「焼肉立花」の2号店の、木村利恵を任意同行して

来てくれ」

と伝えた。

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裏切り(16)

その直後、監察医から村上精一の解剖報告書が届いた、主任の久本は、それを見て

「村上精一の死因は硫化水素中毒死と言う事だ、また、遺体の血液の中に睡眠薬の

反応と缶コーヒーが検出されたそうだ、それから死亡推定時刻は8月5日夜の11時

から12時の間で間違い無いと言う事だ」

久本は又

「それでは、今夜の通夜と明日の告別式には私と高橋君が行ってみる、他の君達は

湘南平の現場近くでの目撃者が居なかったか聞き込んで来る事と、立花良二社長の

5日の夜の行動の聞き込みと、また、今後の行動を張り込んでみてくれ、なを社長が

1番に信頼を置いている社員がいるか、またそれは誰なのか、立花株式会社の社員

に当たってみてくれ」

中村刑事が

「主任、立花が村上精一が邪魔になった理由は、財産相続と言う事でしょうか?」

「そうだな・・・・・・・・そうか、遺言状を借りに立花精三が書いていた事を知って、これは

自分が当然に不利になる、と考えたのかも知れないな、そうかだから自分の運転手の

古川信夫を精三の入院している市民病院に張り込ませていたとも、考えられるな?」

中村刑事は

「誰がいったい、村上精一を呼び出したかですが?・・・・・・・・」

高橋刑事が

「ん、睡眠薬入りの缶コーヒーを飲ませたのは、誰だと言う事ですね」

主任の久本は

「もしかしたら、他の現場で睡眠薬入りのコーヒーを飲ませて湘南平で硫化水素自殺

を装ったのでは無いかと思うが、それは多分村上精一と面識がある人間、立花良二

では無いかとも思えるが、しかし社長以外の他の、誰かかも知れない詰まり、良二が

この事を工作したとは思え無いんだよ、とにかく、そのような事で、皆で行動してくれ

以上だ」

と、言って主任の久本は話を終えた

一方、保雄は村上精一の葬儀が終わった3日後の土曜日に再び茅ヶ崎の村上精一

の自宅を尋ねた

「こんにちは」

と、保雄はインターホンを押して言った

「はい、村上ですが」

「すいません、保険会社の調査の者ですが・・・・・」

「はい、何でしょうか?」

「すいませんが、息子さんが事件当日の行動をお分かりででしたら、教えて貰いたい

のですが?」

「そうですか、今、玄関を開けますので・・・・」

と、言って玄関が開き60代くらいの女性が出て来た

「あぁ、どうも、すいません、この度はご愁傷様でした、それで警察のような聞き方に

なってしまうと思いますが、息子さんの精一さんの、事件当日の行動を、お話頂けたら

と思いまして?」

「そうですね、あの日は何時ものように、朝7時に会社に行く為に家を出て行きました

何時もなら遅くても夜10時頃には帰って来るはずなのに、その日は11時、12時に

なっても、帰って来ませんので彼の携帯に12時半頃に電話しましたが、一向に出ませ

んので、まぁ、子供でもないので明日は帰ると思ってそのままにして置きましたら、警察

から、電話があって・・・・・・・・・・」

「そうですか、息子さんは普段誰かに、恨まれているとか、又反対に恨んでいる人間が

いたと言うような事は、無かったでしょうか?」

「いや、そう言う事を私に言う息子ではありませんので・・・・・」

「と、言う事は精一さんは、お母さんに心配を掛けるような事は言う人間では無いと言う

事でいいでしょうか?」

「そうですね、借りに誰かを恨んでいたとしても、精一はそんな事を口に出して言う子で

は無かったです」

保雄は

「分かりました、お母さんは全く精一さんが無くなった原因は分からないと言う事ですね

それでは、すいませんが、精一さんの、お勤め先を伺ってもいいでしょうか?」

「はい、平塚の工業団地の中の「日ノ出ペイント」と言う会社です」

「あぁ、あの大きい1流の会社ですね、分かりました、で、話が少し違うのですがご親戚

の立花秀子さんが殺害された事に付いて、息子さんは何か話されていましたか?」

「いや、親戚と言っても、付き合いは、ほとんど無いような物でしたので・・・お葬式には

顔だけは出しましたが・・・・」

「と、言う事は専務の秀子さんとか「立花株式会社」の社長さんとは面識はあったと言う

事でいいでしょうか?」

「はい、私は顔だけは知っています、息子はどうかは知りませんが・・・・・」

「そうですか、どうもありがとうございました、これで失礼します」

そう言って保雄は一旦、自宅に戻った

立花良二は11年前、亡くなった妻の秀子と結婚した、そもそも結婚の切っ掛けは秀子

の父親の立花精三が大学の親友だった、良二の父親の石田達雄との関係から秀子と

の見合いが成立したのだった、35歳の石田良二には、金に対する執着心と将来は

老舗会社の社長に慣れると言う出世欲から、良二は1回でその話に乗った、しかし

以前から良二には付き合っていた女性がいた、彼女の名前は清水靖子30歳で良二

とは、もう5年も前からの付き合いで良二はその頃、うるさく結婚を迫ってくる靖子に

飽きが来ていた頃であった為、金と出世欲に執着していた良二は、彼女に一方的に

別れ話をいい別れてしまい、その後、彼女からの電話には一切出なかった、それから

11年後、立花良二は妻の通夜で、バッタリと清水靖子と再会してしまった彼女は後日

良二を当事、2人で会っては、情事を重ねていたホテルに呼び出した

「貴方、随分勝手な方ね!あれから私は何度も貴方の家に電話して、貴方の亡くなった

奥さんに全て、ぶちまけてやったわよ!貴方の奥さんが可哀想、貴方が代わりに死ん

でれば良かったのに、私はこれから、貴方に十分な、償いをして貰うわよ!取り合えず

5千万円、今までの慰謝料として頂く事にするわ、誓約書、書いて貰うから、いいわね」

良二は

「分かったよ、俺が悪かったと思ってるよ、それで、何時、金を払ったらいいんだ」

「明日の夜、7時に、又ここで、間違い無く、現金と印鑑忘れないでよ」

そう言うと、彼女は、そのホテルから足早に出て行った、その翌日の夜、7時に2人は

そのホテルで会い良二は誓約書に印鑑とサインをして、現金5千万を靖子に渡した。

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裏切り(15)

翌日の土曜日、保雄は立花良二の自宅の隣の、お宅に伺い聞いてみる事にした

「こんにちは」

と、川村と言う家のインターホンを押した

「はい、どなたでしょうか?」

「すいませんが、保険の調査員ですが隣の立花さんのお宅の件で少し、お話が聞き

たいのですが」

「そうですか、ちょっと待ってください」

と、言って玄関が開いて60代くらいの女性が出て来た

「あぁ、どうもすいません、実は先日の事はご存知だと思いますが7月21日の事件

当日ですが、夜10時過ぎ頃、お隣の立花さんで何か大きな音が聞えたと言うような事

は、無かったでしょうか」

「そうですね、そう言えば内の嫁がトイレに行った時、窓から外を見たら、お隣の車とは

違う白い車が止まっていたので「誰かお客さんが来てるのかな?」と思っていたとそう

言っていましたが・・・・・・」

「そうですか?今、お嫁さんは自宅にいますか?」

「はい、いますから、呼んできましょうか?」

「はい、お願いします」

暫らくして

「はい、何でしょうか?」

と、そこの川村家の、お嫁さんと言う人が出て来てくれた

「あぁ、お忙しい処すいません、実は今、伺ったんですが、お隣の立花さんの奥さんが

殺害された夜に、貴女がトイレの窓で白い車が止まっているのを見たと聞きましたが

その話は、本当でしょうか?」

「はい、本当です、立花さんのお宅は何時も駐車場はあるんですが、ご主人も奥さんも

運転手が送り迎えしてますので、駐車場は何時でも開いているんですが、たまたま

あの日夜は、誰か、お客さんでも来ていたのか、駐車場に白い車が止まっていたので

気になったので、覚えていたんですよ」

「それで時間は何時頃だったか、覚えていますか?」

「はい、確か10時少し過ぎた頃でした、10時から始まるニュースステーションを見はじ

めた頃だったと思いますので」

「そうですか、その白い自家用車ですが、大きい車でしたか、それとも軽自動車でした

でしようか?」

「普通車でしたね、間違いないです」

「その運転していた人は見ていませんか?」

「はい、そこまでは見てませんが・・・・」

「分かりました、どうもありがとうございました」

そう言って保雄は、村田に電話して言った

「おい、今、立花秀子の自宅の隣の家で聞いたんだが、当日の夜の10時少し過ぎに

立花の家の前に白い自家用車が止まっていたのを、そこのお嫁さんが見てるんだよ

恐らく、アスハルトの舗装だから、タイヤ混は無理だろうな?」

「そうだな、時間も、たってるからな無理と思うよ」

「そうか、しかし白い普通車と言う事は分かったので捜査がしてなかったら、お前から

話して置いていいよ」

「そうか、聞いてみるよ、ありがとう」

「それからな、昨日朝、発見された村上精一の自宅の住所が分かったら、教えて

貰えないか?」

「あぁ、ちょっと待っててくれ、いいか茅ヶ崎市東海岸5-26マンション「シャイアン」

と言う名前だよ」

「そうか、わかった、ありがとう」

と、言って保雄は電話を切った、保雄はその足で東海岸5-26の「シャイアン」と言う

マンションを探した、暫く走ってそのマンションを探す事が出来た、保雄は1階の部屋の

方に村上精一の部屋を聞いた

「すいませんが、村上さんのお宅は、何階の何号室でしょうか?」

「あぁ、3階の5号室ですよ」

と言われて、部屋に行くと、ドアーに「忌中」の張り紙がしてあり、近くの輪正寺で今夜

7時からの通夜と明日の10時から11時の告別式の寺の地図が簡単に書いてあった

「そうか、やはり、告別式が終わってからにしよう」

そう思い保雄は帰宅した

一方、平塚警察の刑事課長に村田は保雄から聞いた事件当日の夜に白い自家用車

が止まっていた事を伝えていた、主任の久本は

「木村利恵は2号店の毎月の売り上げ目標が、毎月低下していて月末の幹部会議で

専務の秀子に何時も怒られていたと言う事だ」

中村刑事が

「分かりましたそれでは、これから、私と清田刑事が、木村利恵の自宅に聞き込みに

行って来ます」

「そうか、頼む」

そう言って中村刑事と清田は刑事は「焼肉立花」の2号店、店長の木村利恵の市内

桜ヶ丘3-25の自宅に行った

「こんにちは」

と、玄関のインターホンで言った

「はい、木村ですが?何方ですか?」

「すいません、私は平塚警察ですが、すいませんが、又少しお話を伺いたいのですが」

「今、開けます」

と言って、木村利恵、本人がドアーを開けた

「どうもすいません、実は6号店の野田正夫さんの事件でなく、立花専務の事件の事で

伺いますが、貴女は7月21日の夜10時から11時の間は何をされていたか教えて

貰いたいのですが?」

「あの日ですか?、確かその時間でしたら、家に居たと思いますが・・・・・・・」

「その事を証明される方はいますか?」

「主人と娘が居ましたから・・・・・」

「そうですか、どなたかお客さんが来ていたとか、電話があったとかは無いですか?」

「いや、そう言う事は無かったです」

「そうですか、処で貴女の家の自家用車は何色でしょうか?」

「はい、白ですが・・・・・・・」

「そうですか、貴女は専務の自宅には、行かれた事はありますか?」

「はい、何回か、仕事の事で行っています」

「そうですか、分かりました、それでは失礼します」

と、言って中村刑事はと清田刑事は署に戻った、中村刑事は主任の久本に

「主任、木村利恵の7月21日のアリバイですが、本人は自宅に居たと言っています

なを、木村利恵の自宅の自家用車の色は白です」

「そうか、そうすると木島信子の自宅の自家用車も白だったので、どちらかの女性が

立花秀子の自宅に事件当日の夜、行っていたとも考えられるな?それと吉田優子が

乗っている車は軽自動車のグリーン色と分かったが車は人から借りる事もレンタカーも

あるからな?」

主任の久本がそう言った。

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裏切り(14)

刑事主任の久本は

「そうか、その吉田優子のアリバイ証言をした、同じ店の山谷進だが、彼は本当の

事を言ったのか、それとも嘘の証言を何らかの事で誰かに、言わされたとも考えら

れるので、その点の捜査をしてくれ、それと前田綾子の7月21日の夜のアリバイは

どうなっている?」

「すいません、これから、彼女の自宅に行って直接、当日の事情を聞く事にします」

「もう今日は8月の5日だ、もう15日も過ぎてるじゃぁないか、少し遅いぞ!」

「はい、すいません、野田正夫の事件で時間を取られてまして・・・・・」

「まぁ、いい、綾子は吉田優子と、なんらかで口裏合わせをしてるとも、限らないので

その辺を注意して当たってくれ、それと、綾子の人間関係がもう少し詳しく、捜査して

欲しい」

「はい、分かりました」

宮瀬刑事が

「主任、我々は木村刑事、石川刑事、吉田刑事の4人で「立花株式会社」の社員を

夕方、全員が揃った処で、32名程に一人ずつ、当日のアリバイを聞き込んだんで

すが、特別、怪しい証言はありませんでしたが、アリバイの裏付け捜査はこれから

徐々に行います」

「そうか、他に何かあるか?」

宮瀬刑事が

「我々は立花秀子が良く食事を一緒にしていたと言う野瀬由美子と言う女性に運転手

からの情報で自宅を調べて会って来ました、彼女はスキューバダイビングのイースト

ラクターで、自宅は茅ヶ崎の西浜海岸でしたので行ってみました、玄関のインターホン

を押して

「こんにちは」

と言うと

「はい、野瀬ですが、どちらさまですか?」

「すいません、私は平塚警察ですが、由美子さんは、お出ででしょうか?」

「はい、私ですが」

「ご存知でしょうが、先日、平塚の立花秀子さんが殺害されまして、その事件の事で

今、操作中ですが、少しお話を伺えませんか?」

「はい、今、開けますから」

と言って、玄関から、40代くらいのスラリとした女性が出て来た

「すいません、貴女はスキューバダイビングのイーストラクターをされていると伺いました

が、立花秀子さんとは、時々食事をされるような仲であったと伺いましたが、それでよろ

しいですか?」

「はい、そうですよ、彼女は私の教え子ですからね」

「そうでしたか、これは関係者の方、何方にも聞いてるので伺いますが貴女の当日の

アリバイなんですが、何処で何をされていたか教えて貰えませんか?」

「7月21日と言いましたね、何時頃でしょうか?」

「はい、夜10時から11時なんですが・・・・・」

「あぁ、そんなに遅い時間でしたら、家に居たと思いますが、家の者に聞いてください」

「そうですか・・・・・処で彼女は殺害される前に、貴女に何か、気になる事は言っていま

せんでしたか?」

「気になる事ですか、いや、私は何も聞いていませんが・・・・・」

「そうですか、スキューバダイビングのお友達の中に彼女と特に仲の良かった方は

いましたか?」

「そうですね、山口鈴子さんと加藤良子さんとは高校時代からの同級生で仲は良かった

ですよ」

「そうですか、分かりました、どうもありがとうございました」

そう言って、宮瀬刑事は話を終えた

「他に無ければこれで終わる」

「課長、何かありますか?」

「あぁ、皆、頑張ってやって欲しい、それだけだ」

「そう言う事で、これで終わりにする」

久本はそう言って、会議は終わり、又、刑事達は捜査に出掛けて行った

一方、市民病院に癌で入院中の立花精三には、社長の運転手の古川信男45歳が

社長の立花良二の命令で付き添うように言われていた、代わりに社長の車の運転は

専務の運転手の原島有一がやっていた、そんな8月6日の早朝、毎朝散歩に来ている

と言う、60代の男性が湘南平の駐車場に車が止まっていて、ガラス窓が白濁している

車の側に行くと何か硫黄の匂いがして、運転席に人が倒れ込んでいるのを発見した

後部座席の窓ガラスには「硫化水素発生中」と書いた紙が貼ってあるのを見て驚き

平塚警察に通報した、直ぐに平塚警察の刑事と鑑識が防毒マスクを持って湘南平の

駐車場に付いた、鑑識官2人が防毒マスクをして車に近かずき、他の刑事達は遠くに

離れて、その様子を見守った鑑識の2人が合図したので、彼らは車に近ずいて行った

刑事主任は

「この被害者は?」

「はい、免許証から、彼は村上精一26歳です」

「何!村上精一!あの立花精三の息子のか?考えられんな?」

「はい、住所から行って間違いないです」

「そうか何か不振な点は無いのか?本当に自殺なのか?何か仕組まれ自殺に見せ

掛けた、殺人とも限らない!」

と、刑事主任の久本は、興奮気味に言った

「はい、分かりました」

「第一発見者から、何時頃発見したのか、聞いたのか?」

「はい、朝、6時15分頃ではないかとの事です」

「そうか、まだ、秀子事件がの捜査中だと言うのに、又か・・・・・・・・」

と、主任の久本は頭を掻いた

「それで、死亡推定時刻は分かるのか?」

「はい、おおよそ昨夜の11時から12時頃ではないかと?解剖すればハッキリします

他に外傷は無いのか、見た目では分からないので」

主任は

「そうだな、分かった」

中村刑事は

「主任、これはやはり、お家騒動の結果ですかね?」

「そうと取るしか無いな、彼は秀子が死んだ後の唯一の精三の血縁関係の人間だ

そうなると・・・・・・・社長の良二が一番、怪しくなるがな?」

「社長の良二を引っ張りますか?」

「いや、状況証拠ではなく、もう少しハッキリとした証拠が欲しいな、もう少し捜査して

からでも遅く無い、おそらく社長がやったとしたら本人は誰かに頼んで、直接自分の

手は汚して無いだろうからな?」

「はい、分かりました」

その後、精一の遺体は司法解剖に廻された、平塚警察ではその夕方捜査会議が

始まった、刑事主任の久本は

「吉田優子のアリバイを証言した山谷進を捜査した結果は?」

「はい、彼の言っている事はほぼ間違い無いと思われます、そこの従業員全員に当り

ましたが、全員、証言は本当だと言っています、それから前田綾子の7月21日の夜

10時から11時のアリバイですが、当日7時にブティックを閉めて帰宅した、その後は

何処にも出掛けていないと言う事ですが、証人は誰もいません」

「そうか、そうすると現在、秀子殺しのアリバイがあいまいなのは前田綾子と同じ自宅

にいたと言う、木島信子それに「焼肉立花」の2号店店長の木村利恵の野田正夫殺害

事件の方では無く、立花秀子がやられた7月21日の夜、10時から11時はどうしてい

アリバイの捜査したのか?」

「いや、野田殺害事件の方を聞き込んでいまして、秀子殺害に関してのアリバイは

聞いていません、すいません」

「そうか、では木村利恵の7月21日の夜の10時から11時のアリバイを聞き込んで

来て貰いたい、それと取り合えず前田綾子と木島信子それに木村利恵に重点を置いて

捜査してくれ」

「はい、分かりました」

そう言って会議が終わった、その夜、保雄に村田から電話が入った

「俺だよ、村上精一が今、流行の「硫化水素」で自殺したよ」

「えー本当なのか!動機は何なんだ!・・・・・・・・・おかしいな?秀子が殺されて同じ

血縁関係の精一が亡くなれば?誰も跡取りはいなくなる・・・・誰が1番、得するが?」

村田が

「社長の良二が1番、怪しいよな?」

「そうだな、しかし彼がやったとしたら恐らく、誰かに頼んでやったんだろう、その車の

所有者は本人の精一の物なのか?」

「あぁ、そう言っていたな、と言う事は精一は誰か顔見知りの人間にやられたとしか

考えられないな?」

と村田は言った、保雄は

「車の指紋は全て照合したのか?」

「今、やっているよ」

「まぁ、拭き取ってると思うがな、立花社長の言う事を聞く人間がいるとしたら、それは

誰なのか?と言う事だが・・・・明日の土曜に、俺が少し歩いてみるよ」

と、言って保雄は電話を切った。

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裏切り(13)

保雄は、言われた鳥居の近くに来ると

「江本、江本」

と言いながら表札を見ながら

「あぁ、ここだな、住所が馬入の5-3か」

そう言いながら保雄は、江本家のインターホンを押した

「はい、どなたでしょうか?」

「すいませんが、警察関係者ですが」

「はい、今、玄関を開けますから」

と言って、40代位と思える女性が出て来た

「すいません、木島信子さんとは、お友達と聞いて来ましたが、実は信子さんのお勤

め、先を知りたいのですが、ご存知でしょうか?」

「はい、知ってますが、彼女が何かしたんですか?」

「いや、彼女の旦那さんの会社の方で事件がありまして・・・・・」

「そうですか、彼女は駅ビルの中にある、婦人服売り場に、もう数年お勤めですよ」

「ほーそうですか、で、その売り場は何階でしょうか?」

「はい、確か4階でしたと思いますが」

「そうですか、分かりました、どうも、お手数かまして、ありがとうございました」

そう言って保雄は、メモして以前、中川と言った明石町のスナック「美香」に夜行く事に

して一旦、帰宅した、その夜、8時頃、保雄はスナック「美香」のドアーを開けた

「いらっしゃいませ」

と若い女性の声がした、保雄はカウンターに座ってビールを注文した

「以前に来た事ありましたよね」

「えぇ、これで2回目ですよ」

「今日は、お1人ですか?」

「はい、1人です、処で私の友人の中村明と言う男が時々来ていませんか?」

「はい、中村さんなら、週1回か2回は来てくれています、そうですかお友達ですか?」

「えぇ、そうです、彼が40代位の人と、ここに入るのを、確か先月の21日だったと

思いますが見掛けて、声を掛けようと思ったんですが、私にも友人が一緒でしたので

掛けなかったんですが、その時の事、覚えてますか?」

「えー、7月の21日ですか?・・・・・・・・・あぁ、そう言えばその時、中村さんがトイレに

携帯電話を落して、大騒ぎした時だったと思いますが、そう結局トイレに流れちゃって

中村さん、ガッカリしていた事を思い出しました、その時に、初めて確か木島さんと言う

方と一緒だったと思いますよ」

「そうですか?しかし彼も携帯落してガッカリしたでしょうね、ハッハッハッハッハッ」

と保雄は笑った

「そうか、ここで事件当日、2人が飲んだのは間違いないな、しかし時間は?」

と思い保雄は

「それで、中村が帰ったのは何時頃だった?」

「そうね、珍しく早かったわよ、帰ったのは9時半頃だったかな?」

「んーそう、あぁ、ビールくれますか?」

「そうか、9時半から居酒屋に行ったのか?」

保雄はそう思い

「何処か、他の店にでも行ったんじゃぁ、ないのかな?」

「そうね、「今度は俺がおごる」って木島さんて方が行ってたように思うけどね」

「そう、実は俺もこれから、友達と会う約束があるんで、これで悪いけど帰るから」

と、言って保雄は、支払いして帰宅した

翌日、平塚警察の刑事課では、捜査会議が行なわれていた、中村刑事が

「主任、私達は社長の愛人である前田綾子のやっているブティックの近所でその評判

を聞いて来ましたが、綾子は余り近所の評判は良く無いようです、それで私達は彼女

の実家の山梨県富士吉田市上吉田5-4に母親を訪ねて行きました、東名で御殿場

インターから暫く走ると高速が河口湖方面に走っていますので、それに乗り直ぐに

始めの出口で降りると直ぐに富士吉田市に着き、そこで交番で聞いてから前田綾子

の自宅に着きました、家は農家の造りの家で、庭の広い家でした、私は、玄関で

「こんにちは」

と、声を掛けると、家の中から、60代と思える女性が出て来ました

「すいません、突然ですが、私は神奈川県の平塚警察といいますが・・・・」

「息子が又、何かやりましたか?」

「いや、息子さんでは無く綾子さんの事で少し、お話を伺いたいと思いまして・・・・・」

「綾子はここ暫く、電話が無いんだよ、まさか綾子が、何か悪い事したのか?」

「いや、そうではないんです、綾子さんの同級生がここの近くにいたら、教えて貰いた

くて、伺ったんですが・・・」

「そうですか?確か、誰かが、婿さんを貰って、この土地にいますよ」

「すいませんが、綾子さんの、お友達の家を知りませんかね」

「綾子の友達なら、この隣の戸田裕子ちゃんだが、嫁に行ったんでね」

「何処に、お嫁に行かれたのか分かりますか?」

「いや、わからないから、隣で聞いてよ」

「そうですね、分かりました、どうもありがとうございました」

と、言って、私と清田刑事は、隣の戸田と言う家に行き玄関で

「こんにちは」

と大きな声で言った

「はい、どなた?」

「すいません、私は神奈川県の平塚警察ですがお宅の裕子さんの嫁ぎ先を知りたい

のですが」

「警察ですか、何か裕子がやりましたか?」

「いや、そうではないんです、お隣の前田綾子さんの同級生と聞いて裕子さんの居所

が分かればと思いまして・・・・・・」

「そうですか、裕子は横浜に現在住んでいますが」

「そうですか、出来ましたら場所を教えて貰いたいのですが」

「はい、裕子は横浜市旭区東希望が丘3-39に住んでいます」

「出来ましたら電話番号も、お願いします」

「はい、045-**-****ですが」

「そうですか、すいませんが、この近くにお隣の前田綾子さんの中学校の同級生は

住んでいますか?」

「はい、確か石田貴一君がそうですよ、自宅はこの前の道を300メートルほど行った

所の、お米屋さんですから、直ぐに分かりますよ」

「そうですか、どうもありがとうございました」

そう言って、2人は言われた石田米店に車を向けた、石田米店に付くと清田刑事が

「こんにちは」

と店の中で仕事をしていた男性に声を掛けた

「はい、何でしょう」

「すいません、石田貴一さんのお宅でしょうか?」

「はい、貴一は私ですが・・・・・」

「すいません、神奈川から来ました平塚警察といいますが、貴方は前田綾子さんの

同級生と聞いて来まして伺ったんですが、彼女は小学校中学校の時にはどんな少女

でしたでしょうか?」

「そうですね、おとなしい子でしたよ、何か彼女がやったんですか?」

「いや、彼女の友人の関係の事件でして・・・・それで彼女とは中学校卒業後、貴方は

彼女に会っていますか?」

「いや、確か卒業して10年目に同窓会をやった時は、彼女の姿は見なかったです」

「そうですか、彼女と今だに交流がある方をご存知ないですか?」

「いや、分からないですね」

「そうですか、すいませんが、中学校の時の卒業写真のような物があったら見せて

頂けませんか?」

「はい、今、探して来ますので、少し待ってください」

と言って、石田貴一は奥の部屋に入って行った

「どうも、お待たせしました、これが卒業写真とその名簿ですが・・・・・・」

「あぁ、すいません、拝見します」

といい私と清田刑事はその卒業写真を見て行った、途中で清田が開いたページで

「アッ!」

と言って

「これを見てください!」

「アッ!これは原優子になっているが「焼肉立花」の3号店の吉田優子に間違い無い

な!そうか彼女は前田綾子と同級生だったのか、これは一体どう考えたらいいんんだ

確か事件当日、秀子の部屋には、グラスが2個とワインボトルが1本だった、それに

指紋を、拭き取った後だったが、指紋の鑑定では吉田優子の指紋は照合してあるはず

だが?」

「はい、してると思いますが・・・・吉田優子は事件当日のアリバイは、店で仕事中で

証人が同じ店の山谷進だったはずです」

「いや、分からんな? 取り合えず帰って、主任と課長に話してからにするか?」

「はい、分かりました」

そう言って、2人は石田米店の店主にお礼を言って平塚署に戻った

中村刑事はやっと長い説明を終えて主任に、今後の捜査方針を聞いた。

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裏切り(12)

中村刑事は、刑事主任の久本に

「主任、高木達也が、全て自分がやったと自供しました」

「そうか、ご苦労さん、それでは早速、逮捕状を取ろう、しかし俺は1つだけ不に落ち

ない点があるんだが、確か高木は「俺は殺されるかの知れない」と言ってたな」

「はい、確かにそう言ってましたが」

「ん、だから野田はいったい、誰に殺されると感じて、そう言ったんだろうか?」

「それは、野田は付き合っていた中田由美から200万騙し取ったような物ですから

その兄や父親に、やられるのではと勝手に思ったのでは無いでしょうか?」

「ん、そうか、そうかも知れないな、よーし今度は、立花秀子殺害事件の捜査に全力を

上げてくれ」

「はい、分かりました」

その夜、保雄の所に村田から電話があった

「知ってるか、野田正夫をやったのは村上清では無く、同じ6号店の高木達也が自供

したようだよ」

「そうか、高木も任意同行していたのか?」

「あぁ、そうだったらしいんだ、俺も後から聞いたので知らなかったんだよ」

と村田が言った

「そうか、しかし、立花秀子殺しの方が難しい事になるかも知れないな、お家騒動と

言う事だと、動機のある人間は多いかも知れないからな」

「先ずは夫の良二か?」

保雄は

「いや、社長の良二は恐らく白だと思うな、この前も言ったが、自然に待っていれば

自分に財産は入ってくる訳だからな」

「しかし、財産の事では無い、何か他の動機で、殺害したとは考えられないか?」

「んーそう言う事も、有り得るかな?」

保雄はそう言って考えていた、村田が

「で、ないとすると、次は良二の愛人の綾子か?」

「綾子は確かに、女同士で、何か良二の事で、揉めたかも知れないな?ここは綾子の

人間関係を捜査しないと分からないな」

「次は秀子の不倫の相手の、木島正雄とその妻の木島信子だが、正雄のアリバイは

確か明石町のスナック「美香」で「焼肉立花」の5号店の店長の中村明と飲んで11時

過ぎに自宅に帰ったと言う事だったな、それと妻の信子は自宅でテレビかシャワーを

浴びていたんだろう」

保雄は

「そうだ、しかしアリバイの裏取りをして無いので、明日は土曜日だし、俺が木島夫婦

と、5号店、店長の中村明にアリバイの裏取り捜査はやってみるよ、警察は、まだだろ

うからな」

「あぁ、多分やってないと思う、野田殺しの方に向いていたからな、これからかな」

「焼肉立花」の3号店の店長の吉田優子だが、夫が立花良二に金策に行って断られ

その後、行方不明だ、まだ3年前の事なので、生存している可能性があるな、彼は

恐らく友人だった立花良二を怨んでるだろう、そして妻の優子も、同じかも知れない」

「しかし、自殺してる可能性もあるよ、いずれ分かる事だが、これから警察は立花秀子

の捜査に本腰を入れると思うよ」

「しかし、現在まで、吉田日出男の遺体は上がってないだろう」

「あぁ、確かに、そうだがな、んー難しくなって来たな・・・・・・それじゃぁ又電話するよ」

そう言って村田は電話を切った

翌日の朝、平塚警察の刑事課では立花秀子殺害事件の捜査会議が行なわれていた

主任の久本は

「昨日は野田正夫、殺害事件の被疑者を逮捕した、今後は市内、見付町5-16の

立花秀子殺害事件に全力で取り組んでくれ、先ずは本社の酒の卸し業の社員全員と

秀子の交友関係者のアリバイとその裏付け捜査を今日から行なう、各、2名ずつ1組

で捜査に当たるように頼む」

そう言って各、刑事に、今までに分かった事と採取した写真などの資料をコピーして

手渡した、その後、各刑事は手分けして捜査に出掛けて行った、刑事主任と高橋

刑事は、まず始めに「立花株式会社」のビルに行き、社長の立花良二に会い聞いた

「すいません、先日お預かりした電話帳をお返しに来ました、それでこの中で奥さんが

特に仲良くされていた方を、何名か選んで頂けたらと思うんですが・・・・」

「私は余りよく知らないので、むしろ妻の車の運転手の原島君に聞いた方が分かる

のではないかな?でも、この山口鈴子さんと加藤良子さんでしたら、自宅にも来た事

がある、高校の同級生と聞いていますが」

「そうですか?どうもありがとうございました、それでその原島さんは何処にいったら

会えるでしょうか?」

「あぁ、私は今は分から無いので、すいませんが事務所で聞いてください」

「分かりました」

と言って2人は「立花株式会社」のビルの1階の事務所に下りて行って事務員に

「すいませんが、原島さんは、何処にお出ででしょうか?」

といい、その間に高橋刑事が他の事務員に

「すいません、営業課長の木島正雄さんに少しお話を伺いたいのですが?」

「すいません、今、お得意さま所に行っています、5時前には帰ると思いますが・・・」

「そうですか、分かりました、今日、5時に伺えなければ、明日、伺いますので」

「分かりました、そのように伝えて置きます」

刑事主任の話を聞いた、女性の事務員は何処かに電話した

「すいません、今は、「焼肉立花」の1号店に居ると思いますので・・・・・」

「そうですか?それではこれから、伺いますので、そのようにお伝え願います」

「はい、分かりました」

刑事主任と高橋刑事は前に行った「焼肉立花」の1号店に行き、運転手の原島有一

と会った

「どうも、すいません、先程、お宅の社長さんに伺いましたら、貴方なら亡くなられた

専務の秀子さんが仲良くされていた方を、ご存知ではないか?と言う事ですので

伺いますが、この中のどなたと、良く会われていたか教えてください」

と刑事主任はそのコピー用紙を見せた、主任は

「この山口鈴子さんと加藤良子さん以外にしてください」

「そうですね、専務の車に乗って食事に行ったのは、この野瀬由美子さんでしたが

後は当社との取引会社の人だと思いますが」

「その野瀬由美子さんは専務と何回くらい一緒に食事をしていますか又、その取引

会社の方で、専務が、あまり快く思っていなかった方などいませんでしたか?」

「はい、野瀬さんとの食事は、月に1、2回は必ずしていました、それから専務の取引

会社の方の事は、私には良く分かりませんが・・・・・」

「そうですか、どうもありがとうございました」

そう言って、2人は署に戻った

その頃、保雄は以前に来た、市内、馬入4-16の木村の自宅の隣の中山と言う家

の、インターホンを押した

「はい、どなたでしょうか?」

「すいません、警察関係者の者ですが、少し伺いたい事がありますが、いいですか?」

「はい、今、開けます」

そう言って玄関が開き、50代くらいの女性が出て来た

「あぁ、どうも、実はお隣の木島さんの、お宅の事ですがご主人の会社の専務さんが

先日の7月21日の夜10時から11時の間に自宅で殺害されまして、その事件以降

お隣に何か変わった点があったか、ご存知でしたらと思いまして・・・・・・」

「そうなんですよ、私もテレビを見てまして驚きましたが、実はその専務の確か秀子

さんでしたか?その方が殺される前に、何回かここの奥さんのいない時に来てるん

ですよ、私、何回か見てますから知ってますが、これは可笑しいなと思っていましたよ」

「そうですか、どんな風に見えたんですか?」

「やはり、不倫関係だと一目で分かりましたよ」

「それで、事件の当日なんですが、木島さんのご主人が何処かで飲んで遅くに帰って

こられたんですが、そう言う事は、気が付く事がありますか?」

「ご主人は、ほとんど帰りが遅いようですよ、何か家庭内別居のようだって、この近所

の方が、そう言ってましたが・・・・・・」

「奥さんは昼間は何処かに、お勤めに出てるんでしょうか?」

「何処か分かりませんが、確かに毎日出掛けていますね、だから働いていると思い

ますよ」

「何処にお勤めか、誰か知っている方は居ませんかね」

「えー確か、江本弘江さんとは馬が合って、仲が良かったと聞いてたんで、江本さん

なら、知ってるかも知れませんが」

「その江本弘江さんのご自宅は分かりますか?」

「えーこの通りを向こうに200メートルくらい歩くと左に神社に入る鳥居があります

その鳥居の隣の自宅がそうですよ」

「そうですか、どうもありがとうございました」

と、保雄はお礼を言って、車を言われた江本弘江さんの自宅に走らせた。

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裏切り(11)

平塚警察の刑事課では、取調べ室から戻った中村刑事が

「主任、村上は「俺はやってい無い、ドアーノブを回したら、開いたので中に入ったら

野田が胸から血を流し包丁が刺さったまま倒れていたので、驚いて一旦、ドアーの

外に出たが指紋を消さないと、と咄嗟に思い、ドアーノブと触った所を拭き取って外に

出た所で出口で女性とぶつかった」と、話していいます、信用できませんが・・・・」

と刑事主任に話した

「そうか、しかしもし彼が白だとしたら、中田由美の兄の純一か母親の静子くらいだ

が、確か母親のアリバイだが、もしその同じ薬局の人間が嘘の証言をしてたら、だが

その証言者は、どんな人か分かってるのか?」

「いや、捜査してません、それではこれから、宝町にある石野薬局でその証言者から

もう一度、詳しく聞いてきます」

「あぁ、それから、殺害された野田正夫の仲が良かったと言う、高木達也のアリバイ

だが、1番初めに私と高橋刑事が聞き込んだ時には、聞かなくてもと思っていたので

特にアリバイ自体は聞かなかったのだが、彼は、私に言わせると、しゃべり過ぎて

何処か胡散臭い人間と感じていたが、野田正夫が殺害された、当日の4時半前後は

どうしてたか聞いてくれたか?」

「はい、ちょっと待ってください、えー確か彼は事件当日の7月15日の4時半頃は車

を運転中ですね、つまり出勤途中と言う事ですが」

「高木の自宅は野田の自宅とと、方向が同じと言う事は無いのか?」

「確かにそうです、彼は夕陽丘ですから、途中、野田の家の前当たりを通りますね」

刑事主任は

「そうか?・・・・高木は野田と仲が良かったと言うが、仲が良かったと言う事の裏返しは

喧嘩もあったと、言う事になるのではないかな?」

中村刑事は頷いて

「分かりました、もう1度、中田静子のアリバイ証言者と6号店の高木達也を、洗い直し

ます」

と言って、中村刑事と清田刑事は宝町の石野薬局に行き先日証言してくれた女性を

呼び出して話を聞いた

「こんにちは、警察ですが、先日はどうも、又お話を少し伺いますが、この前、貴女が

中田静子さんが事件当日の6時頃まで、この店に居たと証言されていますが間違い

ありませんね」

「はい、間違いないです」

「30分か40分くらい何処かに出掛けた、と言うような事も、無かったですか?」

「はい、そんな事があれば、私に言って行くはずです、2人でやってるんで、1人に

なれば、直ぐに分かりますから」

「では、急用で、お休みの時などは、どうしてるんですか?」

「はい、その時は、私の夫が、手伝いに来てくれますので」

「そうですか貴女が、このお店の経営者ですか?」

「はい、そうですが」

「すいませんが貴女の、お名前とご住所で結構ですから教えておいてください」

「私は矢野雅子です、住所は桃浜町3-27です」

「そうですか、どうも、ありがとうございました」

そう言って、中村刑事と清田刑事は次に「焼肉立花」の6号店に行き、中村刑事が

一人で店に入り、従業員の1人を呼び出して木村達也の事を聞いてみた

「直ぐに終わるんで、悪いね、実は先日殺された野田店長とここの高木達也さんの事

だが2人は本当に仲が良かったのかどうか君の思っていた事を聞かせてくれないか?」

「はい、実は野田店長は高木さんの事を嫌っていましたよ「何でもベラベラ喋る男だ」

って言って、何でも高木さんは野田さんが高校の時に高木さんの近所の女子中学生

を平塚海岸の防風林の中でレイプしている所を、友達と一緒に見てしまったらしいん

ですよ、それで野田さんはその事から、時々お金を高木さんに揺すられて居たと言う

事のようです」

「そうですか、処で、貴方はその話を誰から聞いたんですか?」

「いや、まずいな・・・・・・・・・誰にも言わないでくれますか?」

「あぁ、参考までに聞くだけですから、誰ですか?」

「高木さんと一緒にその現場を見た、高木さんの同級生の山部さんです」

「その山部さんは、高木達也さんの家の近くに住んでいる方ですかですか?

それと、山部さんの下の名前は分かりますか?」

「いや、私は知りません、もう行かないと店で、おかしいと思われますから・・・・」

「あぁ、そうですね、どうもありがとうございました、どうぞ行ってください」

そう言って、中村刑事と清田刑事は署に戻り、刑事主任の久本に、その事を話した

「そうか、分かった、高木達也を任意同行して、事情聴取してみよう」

中村刑事は

「分かりました、これから行って来ます」

そう言って「焼肉立花」の6号店の高木達也を平塚署に任意同行して、事情聴取が

始まった

「高木君、あんたは野田正夫が殺された事件当日はどうしていたか、もう1度話て

くれないか?」

「何回、言わせるんですか?その時は、私は自分の車を運転中でしたよ」

「そうか、君の車は何処の車なんだ?」

「何で、そんな事、言わなくてはいけないんですか?」

「それは、殺人事件だからだよ、人1人殺されてるんだよ!何処の車かな?」

「トヨタですよ」

「トヨタの何と言う車?」

「カローラですよ」

「色は何色?」

「白です」

「そうか、実はね、警察の調べで、野田正夫の殺害された4時半前に、マンション前に

白いカローラが止まっているのを、同じマンションの住人が見たんだよ、あんたの自宅

は夕陽ヶ丘だな、ちょうど行き帰りには、野田のマンションの前を通るよな、あんたが

野田をやったんだろ!」

「やってませんよ、同じ色のカローラなんて、何台もあるじゃぁないですか?」

「お前しか、野田を殺す動機のある人間がい無いんだよ!」

「私は知りません」

「お前、野田正夫から、金を揺すっていたな!情報はちゃんと入ってるんだ!正直に

言ってみろ!」

「何の事だか、分かりません」

「とぼけんなよ!、お前は中学校の時に平塚の海岸にある防風林の中で野田がお前

の近所の女子学生をレイプしてるのを見て、数年後「焼肉立花」店に入って又、野田

と再会した、それからその事を持ち出して野田を揺すりに入った、本当の事をもう正直

に言え!、言わないと罪は段々と重くなるんだ!分かったのか!お前の両親も心配

してるんじゃぁないのか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「どうした、お前が野田店長をやったんだな!今、話せば、罪も軽くなるんだよ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・すいません、私が、野田ををやりました、どうもすいません」

「ん、そうか、分かった、それでどうして野田を殺したんだ」

「当日、野田の家に行き金を受け取る事になっていたんですよ、でも奴は「これ以上

お前にやる金はもう無い!あの事は、もうとっくに時効なんだよ、いい加減にしろ!

何時までも、うるさく付き纏うな!今から警察に電話する」と言われてつい「カッ!」と

なって包丁で・・・・・・・・・・・・・」

「お前は、つい「カッ!」となってと言ったが、包丁はどうしたんだ、用意していたんだな

そうだろ正直に言えよ!最初から用意してたんだろ」

「はい、すいません前から奴が気に入らなくて、何かあったら、これでやってやろうと

思って用意してました」

「よーし分かった、どうだ、正直に話して気が楽になったろう・・・・・では暫らく休憩する」

と言って中村刑事は、主任に報告に行った。

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裏切り(10)

保雄は村田に携帯電話で連絡して

「あぁ、俺だけど今、村上精一と母親とその兄の清が写っている写真を預かったんだが

悪いがこれから、コピーを取ってくれないか?今夜8時に又、返さないといけないので」

「そうか、じゃぁこれから、自宅に持って来てくれるか?」

「あぁ、分かった、これから行くよ」

そう言って保雄は村田